満を持して主人公の登場です!
そして今回は5600字まで行きました!
これからもこれぐらいの長さで書けるように精進していくのでよろしくお願いします!
それでは!楽しんでいってください!
これはパチュリーの日記の2日前の話
12月8日彼が始まった日
彼が始まった場所、幻想郷
―――物語はここから始まる、忘れられた物語が―――
「ここが幻想郷…」
僕は目の前に広がる光景に感嘆の声を漏らした。
「ふふっ、綺麗な場所でしょ?今は夕焼け時だから特によ」
僕の横には一人の綺麗な女性がいます。
彼女の名前は八雲 紫、スキマ妖怪と言う存在らしいです。
僕にはよく理解できないんですけどスキマと言うあの嫌な空間を作れてしまうんでそういう存在なのでしょう。
「すごいですね。こんなに自然が残っている場所があるなんて」
「まあ私たちからしたらこれが普通なのだけれどね。あなたたちの世界は環境なんて関係なしに技術の進んだ所だから。仕方ないわ」
「そうですね。でもこの風景を見ているとそんなことどうでも良くなります」
僕と紫さんがいる場所は幻想郷を軽く見渡す事ができる博麗神社と言う神社の鳥居の上です。
正直高すぎて怖い・・・。
「紫さん一つ聞いていいですか?」
「何かしら?」
僕は鳥居の上から幻想郷の夕焼けを見るのを止め紫さんの方に首だけ動かした。
「何で僕を幻想郷に連れて来たんですか?僕はここにいても何処にいても意味は無いんですよ」
「いいえ、貴方にとってはここは本当に楽園よ、ここは忘れられたものが辿り着く場所幻想郷。貴方はここにいるべき存在なのよ」
「忘れられたものが辿りつく場所・・・ですが僕は忘れられたのではなく忘れられる存在なんです。だから僕は・・・」
僕は自分が言った事なのに考えたくなくなって紫さんから顔をそらしてしまいました。
もう、気にしない事にしたのにやっぱり人と話してると思い出してしまいます。
「貴方はここにいなさい」
紫さんはそんな僕を軽く抱き寄せ言い聞かせるように呟きました。
「紫さんも明日になれば僕を忘れます。僕を連れてくる時だって僕はそう言いました」
それは少しほど前、紫さんが僕を幻想入り?させるために僕の目の前に現れたときの事。
――――僕は路地裏でダンボールに包まりながら瞼を閉じていた。
眠たいわけではない、ただ何もしない事で体力を温存しているだけ。
ずっと瞼を閉じていたらふと目の前にいきなり人の気配がして僕はゆっくりと目を開けた。
「あら、寝ていたわけではないのね」
僕は目の前の光景に目疑い、声がでなくなってしまった。
無数の目がこちらを凝視していたんです。
何か歪の様なものから僕だけを見るように見つめてきていました。
「ひっ!」
怖かった。
その歪の前に女性がいるのだが僕にはその目だけが写っていて女性が目の前に入るのに気づかなかった。
「?」
ああ、と言って女性が指を鳴らすとそれを合図の様に歪は閉じた。
「これで私を見れるかしら?」
そう言って女性は僕の両頬に手を添え優しく僕に自分が写るように動かしました。
その手が暖かかったからだろうかそれともその動作が余りに優しく美しかったからだろうか僕は落ち着いていき彼女にゆっくりと焦点があっていきました。
「やっと目があったわね。ごめんなさい、怖い思いはさせるつもりはなかったの」
「え?」
そう言って女性は僕を軽く抱きしめた。
「私の名前は八雲 紫。貴方のお名前聞かせてくれない?」
「僕の名前?」
「そう、貴方の名前」
「僕に名前なんて無いです。覚えてくれる人なんていないからないんです」
僕は八雲 紫と名乗った女性に顔を合わせるようにして微笑みながら言った。
うまく笑えただろうか?
笑えば大体の人は優しくしてくれるから、僕はまだ十歳の子供だから、そうすればみんな僕に優しくしてくれていい人だと食べ物もくれるからそうしてます。
「――――!」
でも八雲さんはすごく悲しそうな顔をしました。
おかしいです、そんな顔をさせるつもりではなかったから。
「今まではそうだったでしょうが。これからは違います」
八雲さんはそう言っていっそう強く僕を抱きしめました。
「貴方は忘れられない。忘れさせない。だから名前を教えて?」
「そんなの無理ですよ。絶対に僕を忘れます、今まで”忘れない”って言ってきた人は沢山いました。ですけど僕を覚えてくれてた人なんて誰一人もいないんですから」
「なら私がその中の最初の一人になりましょう。私に着いてくればいいわ、そうすれば貴方は救われる」
「救われる・・・ですか」
信じてみようとは思いませんでした。
だけど、今までに感じた事のない暖かさが八雲さんから僕に伝わってきた気がして少し、ほんの少しつきあってみようかなと思ったんです。
「わかりました。だけど名前は教えられないです」
「それは何故?」
八雲さんは抱きついたまま僕に尋ねてきました。
「僕もわからないんです。僕ですら自分の名前を忘れてしまった。知ろうとしても僕の事が書いてあるものなんて何処にもないからわからないんです」
「そう・・・なの」
「はい」
僕は八雲さんの暖かさに甘えてしまって余計な事を言ってしまいました。
この事は誰にも言わないつもりだったのに。
言ったところで忘れてしまうから変わらないと言われれば変わらないんですけどね。
「わかったわ。なら私が名前をあげる、貴方の名付け親になってあげる。でもここでは駄目もっと相応しい場所で貴方に名前を与えるわ」
「相応しい場所ですか?」
「ええ、そうよ」
そう言って八雲さんは僕から離れてパチンッと指を鳴らしました。
するとその音に合わせてまたあの不気味な目の空間が現れました。
「ひっ」
「ごめんなさい、怖いのは分かってるんだけどこれでしか行くことができないの」
「すぐに・・・つきますか・・・?」
僕はその空間を見ないように八雲さんに言いました。
「すぐに着くわ。だからそれまで我慢してくれる?」
本当はこんな事のできる人に付いて行ってはいけない事は分かっています、ですけど僕には別にやる事がなく何をしてても変わらないなら少し刺激が欲しかったと言う事なんだと思います。
「じゃあ私の手を取って?」
八雲さんが僕の前に手を差し伸べてきました。
僕はその手を支えにフラつきながらも立ち上がり八雲さんの手をしっかりと握り一緒に不気味な空間に歩き出しました。
「八雲さん」
「紫でいいわ」
「え、でも・・・」
「いいのよ。紫で」
八雲さん・・・いや紫さんはニッコリと笑って言い聞かせるように言いました。
「えと・・・紫さん」
「何かしら?」
「紫さんは人ではないんですか?」
「そうね、私はスキマ妖怪。境界を操る程度能力を持ってるの」
知らない単語の羅列です。
「スキマ妖怪・・・?境界・・・?」
「今、私たちがいる空間はスキマの中でこの空間を作っている能力が境界を操る程度の能力よ」
あんましよく分かりませんが、凄いと言う事だけ分かりました。
「ふふ、あんまり分かっていないようね。分かろうとしなくて大丈夫よ」
「は、はい」
「そろそろ、出口ね」
目の前に光が見えてきました紫さんの言うとうり出口みたいです。
紫さんが僕の前に移動して口を開きました。
「ようこそ、幻想郷へ。ここは誰でもどんな存在でも受け入れる場所。まさに楽園、そして貴方にとってはここが救いの場所になるでしょう」
「僕は・・・それでも・・・忘れられるんだと思います」
「大丈夫、忘れない。貴方がなんと言おうと忘れません」
――――ようこそ、幻想郷へ―――
紫さんのこの言葉がやけに耳に残りました。
そうして僕はここにいます。
「やっぱり信じられない?」
「そう、ですね」
僕は紫さんの顔を見てしまってバツが悪くなりました。
「うん、なら仕方ないわ。でも私は覚えてる明日も明後日も明々後日も何十年後だって覚えてるから・・・。別に信じなくてもいい」
だけど、と紫さんは続けます。
「私のことを頼ってね」
「!!」
響きました。
この言葉は今までのどんな言葉より僕に伝わった気がします。
思わず涙が溢れてきました。
紫さんは僕の肩を自分の方に抱き寄せて優しく囁いてくれます。
「大丈夫よ。私は貴方を忘れない」
甘えたくなって泣きました、どんなに強がってもどんなにがんばってもやっぱり僕はまだ10歳だから我慢なんてできません。
昔の僕は知っていたのかもしれないけれど今の僕は知らないお母さんのような温もりに僕は甘え続けました。
紫さんも何も言わずに僕の背中をさすって優しく包んでくれます。
それがやけに嬉しくて、でもどこか悲しくて僕は泣き続けました。
僕が泣き止んでゆっくりと顔を上げたとき紫さんは「もう大丈夫?」と聞いてくれました。
僕はちょっと恥ずかしくなって強がって大丈夫ですって言っちゃいました。
本当大丈夫なんかじゃないのに、それでも大丈夫って言ってしまいました。
「紫!!あんたそこで何やってんの!それにその子何!?」
「あら霊夢じゃない。いい所に来たわ貴方に紹介したい子がいるのよ」
「紹介?」
紫さんはそう言うと僕を抱えて鳥居からゆっくりと降りていき、先ほど霊夢と呼ばれた人の前に降ろされました。
なんていうか第一印象は突っかかりにくそうな人って感じでした。
白と赤の巫女服なんでしょうか?謎に脇の所があいていますがそれを着ていて頭には大きなリボンで髪を結んでいます。
なんか気だるげにお払い棒で肩をたたいています。
それでいいのかお払い棒よ。
「この子よ。今日幻想入りして来た外来人の子供」
「そうよね・・・どう見ても子供よね。貴方神隠しして来たんじゃないんでしょうね」
霊夢さんはキッっと紫さんにガンを飛ばします。
それでいいのか巫女さんよ。
「大丈夫。この子はここにいなくちゃいけない子なのよ」
「ここにいなくちゃいけない?何か厄介な能力でも持ってるの?」
「ええ、そうよ」
紫さんは僕の事を霊夢さんに説明を始めました。
僕はその時に暇になってしまったので神社のお賽銭箱の前に歩いていきました。
「お金あったかな?」
僕は自分のポケットの中を探します、そしたら五円玉が出てきたのでそれをお賽銭箱に投げ入れました。
チャリンと子気味のいい音がなr・・・「お賽銭!!!!!!!」何!?
霊夢さんがもの凄いスピードでお賽銭箱に向かって走りました。
するとお賽銭箱の中を探って僕が入れた五円玉を掲げる様に取り出しました。
それって罰が当たるんじゃ・・・。
「五円!五円だわ!やった・・・!」
霊夢さんは五円玉を掲げながら僕の周りを走ります。
「霊夢」
「あぎゃっ!」
紫さんは僕の周りではしゃぎ回っている霊夢さんの頭に拳骨を落としました。
ゴンっと結構いい音がしたのでかなり痛いと思います。
だってあまりの痛さに霊夢さん頭押さえて屈んでるんだもん。
カリスマガード!
変な言葉が頭に浮かびました。
「私の可愛い子に何変な電波流してるのかしら?」
紫さんは紫さんで何か言った後スキマを出してそこに光る何かを打ち込みました。
その奥でピチューンって音がしましたが僕も気にしない事にします。
「あにすんのよ!?」
復活したらしい霊夢さんはそれでも痛そうに涙目になりながら紫さんに講義しました。
「霊夢落ち着いたかしら?」
「ぐう・・・我を失ったのは謝るけど拳骨はないでしょ!拳骨は!」
「あら?拳骨は様式美よ?」
紫さんはうふふっと笑いながら霊夢さんの言葉をかわします。
「本当に痛いわ・・・。それでその子を私の神社で働かせればいいのね?」
「違うわよ。その子をここで住ませてあげてってお願いしてるの」
なんかいきなり凄い話になってます。
え?僕が住む?ここに?
「どっちも一緒よ一緒。働かざるもの食うべからず。ここにいる限り働いては貰うわ」
「まあそこは貴方たちがこれから話し合っていけば良いわ」
「あ、そ。じゃあこの子はうちが預かるわね。てかなんであんたのとこで養わないのよ」
「マヨヒガに連れて行っても良いのだけれど、これからを考えると此処にいないといけないと思うのよ」
「はぁ・・・わかったわ。で」
「で?」
霊夢さんは完全に蚊帳の外だった僕の方になぜか不機嫌そうに顔だけ向けました。
「貴方名前は?」
「名前はな「心忘(しんわ)」」
「「え?」」
僕と霊夢さんは紫さんが言った言葉に聞き返してしまった。
「彼の名前は博麗 心忘(はくれい しんわ)。心を忘れないと書いて『心忘』よ」
「ちょっとなんで博麗なのよ!」
「此処で住むんだし別に博麗でも良いじゃない。それにこの名前が彼を守ってくれるわ」
「でも博麗を付ければ危険にだって巻き込まれるかもしれない!」
「そんな事私がさせない。貴方の名前の博麗と私がつけた心忘と言う名。この二つがついた彼に手を出すのなら『博麗』である貴方と『八雲』である私に喧嘩を売ったも当然になるわ」
「なんで貴方そこまで・・・紫らしくないわ」
「そうね。私らしくもない・・・だけど今の私はそうなのよ」
「博麗―――心忘―――」
僕は自分の名前を呟きました。
何度も何度も呟きました。
堪らず涙が溢れてくるくらい、もう夕日は沈んで月が顔を見せています。
僕の涙は月明かりに照らされて光っています。
「ちょ、ちょ、ちょ!なんで泣いてるのよ!」
霊夢さんは突然泣き出した僕に慌てて近寄ります。
ですけど僕の涙は止まりそうにありません。
止めれそうにありません。
ごめんなさい霊夢さん。
「あーもう!泣き止みなさい!博麗の名を貰ったんなら泣くんじゃないの!それに男の子でしょう!」
霊夢さんは僕の涙を自分の裾で拭いてくれます。
意外と優しいんですね。
「なんか失礼な事を考えてない?」
考えてません!ホントニマッタク!
「紫さん・・・」
僕は真っ赤に腫らした目で紫さんを見ました。
「何かしら心忘?」
優しく微笑むように聞きました。
「信じてもいいんですか?もう僕の事を誰も忘れないんですか?僕は・・・僕は『博麗心忘』として生きていいんですか?」
「ええ、信じていいわそして私も貴方を信じる。どんな事があっても貴方を守る。そして貴方は『博麗心忘』として今からそしてこれから生きていくのよ」
そう言って今日何度目になるのか分からないけれど紫さんは僕を優しく抱きしめました。
今、やっと僕は生まれた気がします。
『博麗心忘』として今からそしてこれからを生きていく事になりました。
僕の名前は――『心忘』――博麗心忘です。
三人称から一人称に変わりました!
プロローグは三人称で本編は一人称と言う書き方にしています
主人公がいると主人公視点になるってだけですけどねw
読みにくいなと思われましたらいってください
一人称は変えられませんが読みやすいように精進いたします!
そして主人公はまさかの10才ですwww
まさかでもないですか?そうですか(ショボーン)
今彼の状態を東方風の名前にするなら「全ての存在に忘れられる程度の能力」です
この能力は事象にすらも有効で既に起きたことでもなかったことになってしいます(何それ怖い)
紫がなぜに彼に此処までご執心なのかは後々に分かっています
それにこれから東方の知識について私の独自解釈が含まれます可能性があるのでタグに増やしておきますね
ここまで読んでくださってありがとうございました!
できればこれからもよろしくお願いします!
感想、質問、ご指導もお待ちしております!
ダメダメな作者ですががんばっていきますので!
次回予告
レミリア「心忘はこれから霊夢との生活に耐えられるのか!」
霊夢「おい、どういうことだ」
咲夜「次の日になって霊夢や紫は彼を覚えていられるのか!(覚えてなかったら話進みませんけどね;)」
レミリア&咲夜「次回『働きなさい!私のために!私だけのために!』こうご期待!」
紫「誰の言葉か目に浮かぶようですわ」