芝E ダートC
短距離D マイルC 中距離D 長距離E
逃げG 先行A 差しA 追い込みA
スピード+0% スタミナ+0% パワー+30% 根性+20% 賢さ-20%
領域『無し』
今日も元気に芝を走っています。かわいくてかしこいシロノリリィです。……ごめんなさい、本当はちょっぴり元気がないのです。
あれから私は新しい街に引っ越しました。この街にライスちゃんはいません、ライスちゃんと会えないのはとても寂しいです。でも、ライスちゃんは私と約束をしてくれました。
トレセン学園のトゥインクル・シリーズ。そこで再会しようと約束しました。
今の私はトレセン学園ではやっていけないぐらいのよわよわリリィちゃんです。だから毎日走ります。走って走って、走り続けます。つよつよリリィちゃんになって、ライスちゃんと再会した時にビックリさせてあげます!
話は変わりますが、夏祭りの日にライスちゃんと約束の証としておもちゃの指輪を交換しました。
自分達の色─ライスちゃんが青で私が白です!─の指輪を交換して、お互いの事を忘れないようにという事らしいです。とってもロマンチックですね! まぁ私がライスちゃんの事を忘れることは無いし、ライスちゃんが私の事を忘れるなんて事もあり得ませんけどね!
でも指輪を交換した後、その……私の頭にライスちゃんが……えっと……き、キスをしたのはちょっと恥ずかしかったです。その後ライスちゃんの髪の毛に私も……キスをしました。……イヤじゃないし寧ろ嬉しかったんですけど、やっぱり恥ずかしかったですね。誓いの為だから必要な事なんだよ! ってライスちゃんに力強く言われました。ライスちゃんは私よりも色々な事を知っててすごいです! さすがライスちゃんですね!
指輪の話に戻るんですけど、嵌める手と指の位置によって色々意味が変わるそうなんです。
私が嵌めたのは右手の薬指です。……この意味が分かりますか?……分からない?そうですかそうですか……。ならかしこいリリィちゃんが教えてあげます!
その意味はなんと……とっっっても仲良しさん! という意味です!
ライスちゃんもそう言ってたし、なんならママにも聞いたから完璧な筈です!
ふっふーん! リリィちゃんちょーかしこいのです! 褒めてください!
「それじゃあママ、走ってくるね!」
あれから時は流れ、シロノリリィは12歳となった。
後1年でトレセン学園の中等部に入学できると嬉しそうにしている。
学園に入ると寮生活になるのだが、そうするとかわいい娘と離れ離れになってしまうので両親達は既に泣きそうになっている。
まだ1年ある。と子どもなら感じるだろうが、大人の感覚だと1年などあっという間に感じてしまうのだ。
あの日、ライスシャワーとの再会を誓った日からシロノリリィは毎日走り続けている。流石に台風の日は許可を出さなかったが──1日も休む事なく欠かさずに走り続けているのは、両親にも予想ができなかった事である。
本音を言うのなら、トレセン学園など行かずにこのまま自分達の元で暮らしてほしい。だが、この小さな少女の本気の決意を目の当たりにして、親としてこの子を見守ると決めたのだ。
そして、何かあった時は必ず助ける。白い少女の両親は決意したのだ。
「──リリィちゃん、大きくなったわねぇ……」
「そうだね……。それに、君に似てとても綺麗になった……」
「可愛すぎて、悪い虫が付かないか心配だわ……」
「……正直、リリィは綺麗すぎるんだよねぇ……」
12歳となったシロノリリィはそれはもう美しく成長した。
具体的に言うと、その姿を見ただけで視線を逸らすことが出来なくなり、微笑まれたらそのまま恋に落ちてしまう程だ。タチが悪い事に性別を問わず、だ。
まるで神によって造られた至高の芸術、といったところか。
最近は完璧に頭幼女になっているので忘れてしまいそうになるが、彼女は転生者である。
──まあ両親に愛され、さらにライスシャワーと出会った影響で、転生前の人格はもう完璧に『シロノリリィ』となっているのだが。
ちなみに彼女の美貌は天然物である。なんて恐ろしい子……!
転生前の知識はチート特典と言えるが、先ほど述べた両親の愛とライスシャワーと出会った衝撃でもう殆ど覚えていない。アホノリリィとしか言いようがない。
「……そういえば、ねぇあなた?ライスちゃんの事を覚えてる?」
「リリィの大事なお友達のことだね?もちろん覚えているよ」
「そう、あの可愛いライスちゃんよ。……あの子ね、リリィちゃんと約束の証として指輪をお互いに交換したんだけど、その時に右手の薬指に嵌めたのよ」
「……?こどもの頃の事だし意味なんて分かってないから、どの指でも同じだと思うけど……。それがどうかしたのかい?」
「……『とっても仲良しな人』 恋人だとかそういう意味はまだよく分かってなかったっぽいけど、本能的に理解してたわ。確実にね……」
「……そっかぁ」
当時シロノスズランはかわいらしいリアクションを期待してライスシャワーに聞いたのだ。だが、そんな軽い事を考える彼女にライスシャワーは答えた。
「──リリィちゃんは、だれにもわたさないから」
──重い。9歳のかわいい少女が言う事じゃない。
……そう。としか答えられなかった。
ちなみに、その重い想いを受けたシロノリリィ本人ははよくわかっておらず、「えへへ。……嬉しいなぁ」と純粋に喜んでいた。かわいいですね。
白い少女は駆けていく。ひたむきに、あなたの元へ──
ライスシャワーがトレセン学園に入学し、現在は中等部3年である。
シロノリリィと約束をしたあの日から時は流れ、ライスシャワーは15歳になっていた。
約束を果たす為、あれから弛まぬ努力と勉強を重ねトレセン学園へと無事に入学し、今は高等部へ進学する為の準備をしている。
中高一貫校の為、余程のことが無い限り問題はないが、念には念を入れている。
あと1年。──そうすればあの天使のような少女と再会できる。ライスシャワーの心は高揚していた。もしも来なかったら、などと疑いもせず。
あの約束の日の後彼女と別れてから、実は一度も連絡を取ったことはない。
あえて連絡先を交換せずに過ごすことで、お互いの決意を固める為だった。
両親達は軽くビビっていた。かわいい娘達の重すぎる覚悟に。
「さぁ、ライス! 今日も張り切ってトレーニングしていくわよ〜!」
彼女の名前は青路瑠流─『あおじるる』と読む。『あおじ』が苗字で、『るる』が名前だ─ライスシャワーの専属トレーナーである。
──本来の世界と違い、オドオドしておらず、寧ろストイックで鬼のようなメンタルになったライスシャワーのトレーナーだ。
ハードだが、怪我はしないよう細心の注意を払っているトレーニングを考案した優秀な新人トレーナーで、今はライスシャワーの基礎トレーニングを指導している。
「うん! よろしくお願いします、お姉さま!」
──そして自分の事をお姉さまと呼ばせるなかなかやべー奴でもある。
このライスシャワーにとって、『お姉さま』は別に必要な存在では無い。
シロノリリィがライスシャワーの不安や悩みとか、そういったものを全て消し去ってしまった為である。
だが、トレーナーはライスシャワーの覚悟を秘めた強い瞳に惹かれスカウトを決めたのだ。
今日も彼女は己の愛バと勝利を目指す。この強い瞳に誓って。
「──よし、お疲れ〜! 一旦休憩にするねー!」
「は〜い。ライスはドリンク飲んでくるよ!」
──あぁ、今日もライスは愛らしい……。見てるだけで疲れが抜けていく……!
真面目な顔をして常にこんな事を考えている彼女だが、今日は1つミスをした。
「そういえば来年には高等部に上がるんだっけ。なんだか時間が経つのは早いなぁ〜」
「ふふっ! お姉さま、ちょっとお年寄りみたいだよ」
「んなっ!? まだまだ若いんだけど!? 筋肉痛だって翌日に来るんですけどぉ!?」
「ふふふっ! もう…あんまり笑わさないでよ、お姉さま」
──この笑顔の為なら、私は何でもできる……! へへへっ! かわいいなぁ……!
「もう! お姉さま、怒っちゃうぞ!」
「はぁ〜い。ごめんね、お姉さま!」
「わかればよろしい! ……ライスが高等部に上がったら、中等部にはどんな子が来るのかしら?……名家の子とかも来るのかなぁ?」
──彼女が犯したたった一つのミスは……。
「──リリィちゃんが来るよ」
──シロノリリィに繋がる話をした事だ。
──あっ……。やっべ……!
「あ、あぁ……! 前にも色々聞かせてもらった子よね! ……そ、そうだ! ねぇライス、今度新しいトレーニングを取り入れようと思ってるんだけど、そっちの話にしない? ……ね?」
「やだ」
「ほわっ……!? ……即答されちゃった……」
「あのね、リリィちゃんはね──」
──愛バの事は最高に可愛いけど、この癖ウマっぷりはもうちょっとどうにかならないかなぁ……と思いながら、今日もシロノリリィの話をたっぷり聞くトレーナーなのであった。無事に入学してくれたら、もしかしてマシになるのか? などと思うが、まぁ考えても仕方がない。
──新人である自分の目で見ても圧倒的に才能があるこの愛バがそれほど執着するウマ娘だ。一体どれ程のモノなのか、個人的にはすごく興味がある。
それに、この麗しの愛バ曰く、自分よりも圧倒的に綺麗だとか言っている。
以前、どのような容姿をしているのかと聞いたことがあるが、「会ってからのお楽しみ、だよ♪」と可愛らしく言われ、教えてもらえなかった。くそぅ……ライスめ……くっそかわいい……死ぬ……。
──シロノリリィ。……果たしてどんなウマ娘なのか。ライスシャワーのおかげでモリモリハードルが上がってしまっているが、この黒い少女とその白い少女が戯れる未来を想像して、自然と微笑みが浮かぶトレーナーなのであった。
「──お姉さま、今別のこと考えてたでしょ?」
……おっと?そんなに可愛い瞳で……うそ? ハイライト無くなってる……?
「ソンナコトナイヨ、ワタシノカワイイライス! ……オネエサマウソツカナイ!」
「──その顔、嘘ついてる時の顔だよ。……お姉さま」
……あっ…やだ……お顔綺麗……睫毛長い……すき……。
「──悪いお姉さま、だね♪」
トレーナーの顎を指でくいっと上げ、じっと見つめながら微笑む。
……あなたのほうがよっぽど悪い子よっ!! 好きっ!!
──これ、リリィちゃんにもやる気なのよね?……この子の話を聞く限りだとだいぶ純粋そうだから、結構心配かも。
そうは思いつつも反応だけは正直な彼女だった。
「へっ! ひょっ!? ふひっ!? ふへへっ!! ふおっふぅ!!」
「ふっふふ! なぁにその笑い方!」
賑やかな笑い声が響く──
そして、季節は巡る──
──春が来た。
今日、ライスはトレセン学園高等部へと進級しました。
同室の生徒は居ません。本格化もまだ来ていません。でも、今日来ます。
リリィちゃんが、ここへ。
懐かしい香りがする。優しくて、とっても安心する香り。
懐かしい音がする。穏やかで、とっても暖かい音。
今日からまた、あなたと逢える。
ずっと、ずっと待っていた。
「……ただいまっ! ライスちゃんっ!!」
「……おかえり! リリィちゃんっ!!」
綺麗な瞳が私を写す──
あなたの太陽よりも眩しい笑顔が──
あなたの星空よりも綺麗な瞳が──
あなたの優しい心が──
嗚呼、なんて綺麗なの──
この気持ちを知っている──
この心の温もりを──
止まらぬ熱の衝動を──
私は、知っている──
この気持ちの名前は──
☆3 シロノリリィ
芝C↑↑ ダートA↑↑
短距離B↑↑ マイルA↑↑ 中距離B↑↑ 長距離C↑↑
逃げG 先行A 差しA 追い込みA
スピード+0% スタミナ+0% パワー+30% 根性+20% 賢さ-20%
領域『────────』
なんだか最終回みたいな雰囲気ですが、これで幼少編は終了です。
次からはジュニア期編に入りますが、だいぶゆるふわな雰囲気になると思います。
トレセンジャージリリィちゃん。
制服はあらすじの方に貼ってあるので……
【挿絵表示】
白タイツは私の癖です。