レースの指揮者   作:チョコレートパルフェ

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翠玉色のリボンその1

懐かしい夢を見た。

私が幼い時にマックイーンやライアンたちとみんなで神社で行われた夏祭りに行った時だった。

 

 

 

 

 

夏祭り会場に着くとマックイーンやライアンたちは左右に並ぶ様々な屋台を見ると同時に屋台に夢中になって先に走って行った。

 

「二人とも待って!」

 

私は二人に置いてかれないように追いかけていたが前後左右に流れる人混みの波に流されないように気に掛けることが精一杯だった。気がつくといつの間にかマックイーンたちの姿が見当たらなくなっていた。

 

 

「マックイーン!ライアン!ブライト!アルダン!パーマー!どこにいるの?」

 

 

私はみんなの名前を叫びながら必死に探しまわっていると近くにある公園に来ていた。

 

 

「みんなどこに行っちゃったの?」

 

(みんなに会えない、お家に帰れない)

 

 

公園のベンチに座って泣いていると目の前に二つの影が現れた。

私はマックイーンやライアンたちが見つけてくれたと安心した

 

 

(良かった!見つけてくれた!)

 

私は期待しながら顔を上げた

 

 

「……誰?」

 

 

目の前にいたのは髪を染めた男とサングラスをかけた男だった。両者とも全く面識がなかった

 

 

「こんなところでどうしたのかな?ウマ娘のお嬢ちゃん?」

 

 

「もしかして迷子になっちゃたのかな~?お兄さんたちが一緒にお母さん探してあげるよ」

 

 

下卑た笑みを浮かべながら近づいてくる男たちから私は逃げようとしたが恐怖で体が動かなかった。サングラスの男の手が私の肩に触れそうになったその時

 

 

「やっと見つけた!」

 

 

突如右側から女の子のような声が聞こえた。男たちも私も声が聞こえた方を向くとそこには水色のワンピースを着た女の子がいた。

 

 

(アルダン?いや、髪は結んでいなかったはずマックイーンだとしても服装が違うし)

 

 

先ほどの女の子は私を男たちから守るように間に入ると私と手を繋いだ

 

 

「まったくもう!急にいなくなってお姉ちゃん心配したんだからね?ほら早くみんなの所に行くよ」

 

 

すぐさま男たちから離れたかった私は姉を自称する女の子についていくことにした。

 

私は女の子に連れて歩き始めた

 

 

(これでこの男たちから逃げれる)

 

安堵したその時、髪を染めた男が声をあげた

 

 

「ちょっといいかな?お姉ちゃんよ俺ら君の妹ちゃんを守ってあげてたんだよそれなのにお礼をしないのはどうかと思うんだけど」

 

低く怒りが交ざった声に私は怯え立ち止まってしまう

すると女の子はポケットからをスマホを取り出し耳に当てた

 

 

「もしもし警察ですか?○○公園で二人組の男がウマ娘の子どもを誘拐してます」

 

 

「っち警察が来る前にずらかるぞ」

 

 

さすがに警察がくるのは困るのか男たちはどこかに走っていった

 

 

私は男たちがいなくなると緊張の糸が切れたのかその場に座り込んでしまった

 

 

「大丈夫?怪我してない?」

 

 

女の子が声がかけてくれた途端涙が流れてきた。泣いている私を女の子は私を優しく抱きしめると頭を撫でてくれた。

 

「大丈夫、もう大丈夫だからね」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

落ち着いた私は近くのベンチに座るとお礼を言おうと女の子を見る。

ウマ娘は美少女が多いと言われているが彼女はそんなウマ娘たちの中に混ざっていても目立つであろう可憐な顔をしている。

しかし私の目を一番引くのは顔ではなく夜の中でも存在感を主張する雪のように白いポニーテールだった。

 

「ん?髪の毛が気になる?珍しいでしょヒトなのに白い髪の毛なんて」

 

彼女は私の目線に気が付いたのか結んでいた翠玉色のリボンを取る。まるで雪が降るようにさらさらと結ばれていた髪が重力に従い背中にかかる

私は息をのんだ。それくらいとても幻想的な光景だった

 

「触ってみる?」

 

「いいの?」

 

「どうぞ」

 

私が触れるように後ろを向いて腰を下ろす

触ってみるときちんと手入れがされているのかシルクのようなさらさらとした触り心地だった。

 

「さらさらしてる。気持ちいい」

 

「落ち着いてみたいで良かった。」

 

再び立ち上がりこちらを向くと突如ハッとする

 

「そういえばまだ名前言ってなかったね私は...ハルよろしくね」

 

彼女はハルと名乗ると笑顔で手を差し伸べてきた。

 

「アタシはドーベル...メジロドーベル」

 

「よろしくねドーベルちゃん」

「うん。よろしくねハルちゃん」

 

私も笑顔でハルの手を握った

 

 

 

 

 

***

 

 

 

「ドーベルちゃんは一人でお祭りに来たの?」

 

 

「実は姉妹みんなでお祭りに来てたんだけど途中ではぐれちゃって気が付いたらここにいたの」

 

 

「そうだったんだね……」

 

ハルの顔が少し考え込むような表情をした。すぐに笑顔になると

 

「それなら一緒にドーベルちゃんのお姉ちゃんたちを探しに行かない?」

と提案した

 

私はこの時嬉しかった。

ハルと一緒にいられることに

 

「え?一緒に探してくれるの?」

 

「うん!一緒に探した方が早く見つかると思うしドーベルちゃんも悲しくないでしょ?」

 

 

一人は寂しかったし怖かったからでも

 

 

「でもまた迷子になっちゃうかもしれない」

 

 

私はそれが怖かった。迷子になったらまた暗い中に一人でいなきゃいけない、ハルが守ってくれたけどまたさっきの男の人みたいな人が来るかもしれない。今度は助けてもらえないかもしれない。そう思うと怖くて動けなくなる

 

 

「ちょっとごめんねドーベルちゃん」

 

 

「え……?」

 

 

私は一瞬失望されたと思った

ハルは私の後ろ側に行くと私の髪の毛を触っていた

 

 

 

「うん。なかなかよくできたと思う。」

 

ハルはポシェットから小さなな手鏡を取り出すと私に見せてくれた

見ると三つ編みになっていた。さらに先端には翠玉色のリボンがついていた

 

「これさっきのリボン」

 

 

「ごめんね私がつけてたやつで今日それしかリボン持ってなくて」

 

 

「私はぜんぜんいいけどハルちゃんはいいの?」

 

 

「私は大丈夫だよ。これなら私はドーベルちゃんだってわかるしドーベルちゃんは私の髪色で私だって分かるでしょ。だから一緒に探しに行こ?きっとドーベルちゃんのお姉ちゃんたちも心配してるはずだよ」

 

 

まだ私は怖かった。  でもハルが一緒ならと思うと勇気が湧いてきた

 

 

「一緒に探してくれる?」

 

 

「うん!」

 

彼女は笑顔で頷いた

 

 

 

 

***

 

 

 

私たちは屋台の方へ戻ってきた。会場は変わらずものすごい人が集まっていた。

 

 

 

左周りに屋台を進んでマックイーンたちを探すことになった。情報を集めるためと言うハルの提案で私たちはりんご飴を食べたり射的で遊んだりヨーヨー釣りで遊んだりと屋台を回っていた

屋台で遊んでいる時も会場を歩いている時も老若男女問わずほとんどの周りの人たちがハルを見ていたことにびっくりしたが、綺麗な白髪に一番目を引くがハルはウマ娘である私でさえ可愛いと思うほど容姿端麗なのだ。そう思うと自然に驚きが引いた。

その容姿もあってかハルは屋台に行くと必ずといっていいほどおまけを貰っていた。すごいと店主がタダにしてくれた。彼女は終始笑顔だった。

 

 

なんやかんやお祭りの屋台がある会場を一周した私たちは入り口近くに戻っていた

 

最初は手ぶらだった私は今や左手に水風船、右手にはりんご飴そして頭には狐のお面がつけられていた

ほとんどハルからのプレゼントである

 

 

 

「楽しかったねドーベルちゃん」

 

「うん、楽しかった」

 

「よかった」

 

「でもマックイーンたちは見当たらなかった」

 

 

そう屋台を回って楽しかったけどマックイーンたちには出会わなかった

(これだけ探しても見つからないどうしよう)

せっかく好調だった気分が絶不調になったその時

 

「ねぇドーベルちゃんの言ってたそのマックイーンって娘はもしかして芦毛のウマ娘?」

 

「そうだけど」

(あれ?私マックイーンが芦毛なこと言ったっけ?)

 

確かマックイーンが芦毛なことはハルには言ってなかったはず。不思議に思ったその時だった

 

「見つけましたわ!」

 

聞き覚えのある声が聞こえてきた

 

私は俯いていた顔を上げる……

 

 

 

 

 

そこにはメジロマックイーンがいた




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