皆さん持ち物チェックは欠かさないようにしましょう。
でないと職場に自宅の鍵忘れたの終電終わってから気付いて寒い深夜に隣町のネカフェまで延々歩く羽目になりますので(白目
なお1年ぶり2回目の模様。
皆様の反応・感想が作者の糧となります。
貨物船まであと数十秒で辿り着くという距離まで近付いた所で、魚雷艇とゾディアックは当初の予定通り二手に分かれた。
目標との距離が近付けば近付くだけ迎撃の銃火は苛烈さを増す。生き残りの機銃座だけでなく拳銃からアサルトライフルまで、手当たり次第に銃を取った貨物船の乗組員が船べりから身を乗り出して撃ってくるようになったのだ。
何発かがミニガンの防弾板にぶつかり、甲高い音を立てて跳ね返った。
「しゃらくせぇ! こいつでも喰らってな!」
数発分の銃弾の仕返しにレヴィが取り付いたミニガンから数百倍のライフル弾が吐き出された。
レーザーじみた曳光弾とその数倍の不可視の通常弾による弾幕が船べりに集結した乗組員達を舐めた。弾雨をモロに浴びた乗組員のミンチが量産され、幸いにも弾雨から逃れた者は慌てて体を引っ込める。
哨戒艇と魚雷艇からの砲火に混乱が続く貨物船の乗組員は眼下の海上に意識を割かれるあまり、頭上からも接近しつつある存在に気付く事が出来なかった。
『ブラボーへジガバチ1より通達。これより乗船への支援行動を行う』
貨物船の頭上に改造された大型ラジコンヘリが出現していた。
数時間前の哨戒艇制圧にも投入された武装ドローンだ。哨戒艇が砲撃を開始するよりも前に密かに貨物船と海上プラントからの目を掻い潜る様に発進させておいたのである。
短翼に搭載された連発式グレネードランチャーが発射された。発射されたのは哨戒艇制圧に使った催涙弾ではなく、化学反応で大量の白煙を展開する通常の発煙弾だ。所々砲撃で掘り返された貨物船の甲板が煙で覆われていく。
加えて乗船地点から引き離すべく機銃代わりのHK417が火を噴いた。非殺傷の制圧を目的としていた哨戒艇の時とは違い今度は実弾だ。威嚇目的も兼ねた曳光弾である。強調された火線に追い立てられた乗組員は慌てて逃げていった。
煙の展開に合わせる形で魚雷艇は貨物船の下へと到達した。ダッチの操船によって尻を振りながら急減速し、貨物船の船体にへばりつくようにして魚雷艇は停止する。甲板上の兵士達が手を伸ばせば錆が目立つ船体に触れられる程の近さだった。
「流石ね。相変わらずダッチは良い腕をしている」
これにはバラライカも賞賛の言葉を囁いた程だ。
「ロープ用意!」
ボリスの指示に数名の遊撃隊員と同乗していた自衛隊員が機材を構えた。
それは遊戯用の水鉄砲をミリタリー調にデザインし直したような見た目をしていた。銃らしき機構に大型の筒が取り付けてあり、銃口に当たる部分からは鋼鉄製のフックが突き出ている。
正体は数百キロの荷重にも耐えるロープ付きフックを圧縮空気で遠くへと射出するラインランチャーだ。救助隊や海上保安庁でも似たような装備を運用しているが、これは軍事作戦用にカスタマイズされた代物だった。
周囲で轟く砲声や銃声と比べれば小動物の屁のような発射音が生じると、射出されたフックはあっさりとビルの数階分はある高さに位置する貨物船の船べりを超えて白煙の中に消えた。
一緒に延びていったロープを手繰り寄せれば落下防止の柵や構造物にフックが掛かったしっかりとした手応えを確認。
次に兵士達が用意したのは腰に提げていた大型辞書サイズの四角い物体だ。遠目からでは照明部分の代わりにモーターとギアが取り付けられた大型の懐中電灯にも見えなくもない。
先陣を切る乗り込み要員がギア部分に貨物船から垂れ下がるロープを挟み合わせる。腰に巻いた頑丈な戦闘用ベルトへ取り付けてあるカラビナと接続し準備完了。
「出番だルマジュール。貴様が先陣を切れ」
「言われずともアンタらの鉄砲玉って役割は忘れちゃいないよ」
その中にはルマジュールも含まれていた。
「マスクを着けろ。こちらブラボー、貨物船への乗り込みを開始」
グリップ部分の作動ボタンを押し込むと内蔵された小型高出力ながら静粛性も備えたモーターが唸り、ロープにがっちりと噛み合わせたギアを回転させる。
ロープに接続するだけで重装備の兵士を機械の力で引き上げる昇降装置によってルマジュールを含めた最初の乗り込み要員達の体が、腕力頼りのそれよりも何倍もの速度でみるみる貨物船の船体を昇っていった。
海面から10メートルは上にあった甲板まで10秒とかからなかった。装甲車や武装ドローンを筆頭に特地から持ち込まれた数々の未来装備同様、この機材を使用するにあたりルマジュールを除けば先陣を切った兵士達は当然持ち込んだ張本人たる自衛隊員他、プライスとユーリが務めている。
「007にでもなった気分だよ」
嘆息の呟きを漏らしながらあっという間にルマジュールの体も甲板上へ運ばれていく。
昇降装置からカラビナを切り離し自由の身になると同時に、ルマジュールはミッチェル・アームズのシグネチュアシリーズ45口径拳銃の銃口を巡らせ警戒態勢。ほんの数日前に伊丹へ突きつけたジェリコはバックアップとして別に携行している。
プライスのメインアームはSAS時代でも愛用していた銃の1つであるサイレンサー装備のMP5。サイドアームは自動拳銃最大クラスのデザートイーグル。
背中にはドアや障害物をこじ開けるフーリガンツールを背負う。これは特大のバールにピッケルを合体させたような代物で、消防隊や救助隊にも採用されている道具だ。
ユーリは45口径弾を分間1000発以上の速度で高速連射するクリス・ベクター。サイレンサーにドットサイト、フラッシュライトとフォアグリップを装着。サイドアームは45口径モデルのHK・USP。フーリガンツールよりも更に過激な
プライスとユーリが伴う自衛隊員は特戦群から借りたHK416を装備。
続いてバラライカと遊撃隊が昇降装置を使って乗船を果たした。旧ソ連軍上がりの彼らは当然、AK74やカービンモデルのAKS74UといったAKシリーズで統一されている。
「便利なモノだ。アフガンに居た頃にこの道具があれば作戦の幅をより広げる事が出来ただろうに」
軽々と嵩張る戦闘装備一式ごと引っ張り上げられたバラライカもまた、そのような感想を口にするのだった。
乗り込み要員が全員昇ってくるまで警戒に当たっていたプライスは、背後で金属同士がぶつかる音を聞いて銃口を振った。
自分達が打ち上げたのとは別のフックが新たに落下防止用の手すりに引っ掛けられていた。
最後の遊撃隊員が手すりを乗り越えてくるのに数秒遅れ、重装備の兵士達とは真逆の露出激しい格好にホルスターを両の脇からぶら下げただけという出で立ち女ガンマンが、軽々と手すりを飛び越えながら貨物船上に降り立つ。
銃口を外す代わり、プライスはガスマスク越しに剣呑な視線で突然現れたレヴィを見据えた。
「貴様を乗り込み要員に加えた覚えはないぞ」
「アタシにガンつけんじゃねぇよ
バオの店ごとケツを吹っ飛ばされそうになったケジメはテメェの手でやらせてもらわなきゃ気がすまねぇんだよ。
安心しな。アンタらの動きにはきっちり合わせてやる。連中のド
「……」
意識をバラライカへ向ける。ガスマスクで判り辛くともプライスの考えが読み取れたバラライカは、冷徹な小隊指揮官としての思考で以って厳かな肯定を示した。
「彼女の腕は我々が保証しよう。仮に足を引っ張るようであればルマジュールごと背中から撃ってもらって構わんぞ」
「俺の仲間に味方の背中を撃つヘマは居らん」
プライスは断言した。その言葉を聞いた、プライス達に同行する少数の自衛隊員達はただでさえ感じていたプレッシャーに更なる重みが増すのを確かに感じて泣きたくなった。
――――今更だけど、何で俺達別の地球で世界の命運を賭けた作戦に参加してるんだろうな?
「俺達の部隊はブリッジとエンジン部の確保だ。バラライカ大尉、積み荷の確保は任せるぞ」
時間が惜しい。端的に担当する目標をレヴィへ告げると、プライスとバラライカはそれぞれ部下と飛び入りの
――――貨物船に接舷した魚雷艇から防護服姿と旧ソ連軍の格好をした兵隊達に混じり、タンクトップにホットパンツ姿の女ガンマンという
「全員完全武装で貨物船へ向かえ! 俺の
「おい待――――」
猛牛も真っ青の勢いで去っていくソロモンをタケナカは制止しようとして……最後まで言い切る前にその声は力を失った。
人生も資産も手にした何もかもを復讐心の竈に投げ込んだ怒れる親という存在を止められる言葉など、自分には持ち合わせていないと自覚してしまったからだ。
去って行ったソロモンへ向けて伸ばしかけた手で頭を乱暴に搔き毟ってから、タケナカは無力な中年から歴戦の闘士に思考を切り替え、瞬時に決断を下した。
「貨物船で運んできた核物質は荷揚げ済みだったな!?」
「その通りです司令官! 本日港町に散布予定だった分は既に施設上へ運んであります!」
「よし。だったら今すぐヘリに運んで出発させろ! 起爆装置の取り付けは運んでる途中でやらせちまえ!」
その分金もかかりはしたが、念の為パキスタンの同志から予備機も調達しておいて正解だった。
「敵の船に向かって撃ってる連中は引っ込めさせろ。俺達が核物質を持っていると相手が把握してるなら必要以上に砲撃をしてはくるまい。アチラさんも自分達の攻撃で核の保管容器を壊したかないだろうからな。
敵の本命は核物質を確保する為の歩兵だ。今すぐにでもこのプラントにも乗り込んでくるぞ。
兵力の半分は敵の迎撃に回して残りは核物質の積み込み作業とヘリの発進準備に専念させる。あの積み荷は見た目以上に重量があるから人手が要るからな。今大事なのはヘリが出発するまで時間稼ぎだ!」
口早に聖戦士達へ指示を飛ばしながらタケナカも愛用のブローニング・ハイパワーを抜いて初弾を装填した時だった。
部下に命じて封鎖させようと意識を向けた下層からの階段から、突然赤と黒を纏った人影が飛び出してきた。
文字通りの意味で。
ドスン、と金属製のコンテナに着地する音が砲火と喧騒の中で妙にハッキリとその場に響き渡る。
赤と黒の装甲で全身を覆い髑髏を模った兜を装着した人型の存在。戦国時代の武者の様にも、中世時代の騎士の様にも見えるが、手にしているのは長剣でも刀でもなく最先端のデザインをした銃火器である。
それはタケナカや海千山千の聖戦士達が初めて直面する類の存在だった。
「
見間違えでなければ。
あの存在は下の階からコンテナ上まで
呆気に取られるタケナカと聖戦士達へ、赤黒の鎧姿の存在は躊躇いなく銃口を向けた。
タケナカの意識が現実へと帰還した。叫ぶ。
「敵だ!」
プラント上でも銃撃戦が勃発した。
ブーストジャンプ搭載EXOスーツ(ファンタジー式)
詳細は次話にて。
MW系でお馴染みの昇降装置って何気に現実でも数年前から実在してたんですね。
例:Atlas Device ttps://www.youtube.com/watch?v=ZXze3-eMUBU
民間向け製品の中には電動工具を動力源に動作するタイプもあるそうで。
トンデモ系(AW・IW・BO2以降系列)装備はアリ?ナシ?
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おk
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