GATE:MW 外伝集   作:ゼミル

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自分の様な銃主体の作家には間違いなく冬の季節が到来しそう予感がするので初投稿です。
また1つ温めていた新作のプロットがリアルのせいで死んだ……


この度はご冥福をお祈りいたします。


GATE 自衛隊かの地にて、平行世界と遭遇せり9

 

 

 

 

 

「これがレレイが開いた『門』……かぁ」

 

 

 設定された立ち入り禁止ラインのすぐ外で、この世界(MW世界)の栗林は積まれた資材ケースを椅子代わりに腰掛けながら宙に浮かぶ水溜まり様の存在を眺めていた。

 

 その隣にはボーゼスも同じように腰かけて同じモノを珍しそうに見ている。

 

 少しの間ジーッと見つめてから、やがて栗林はこう呟いた。

 

 

「何て言うか……地味? 銀座と繋がってた前のよりもずっと小さいし」

 

「あっちのは『門』が自然と消えちゃわないよう固定する為の魔法装置であって、『門』の本体は今浮かんでるやつなんだってさ。レレイが言ってたよ。

 今回のは世界同士の間隔がかなり狭くなっていたお陰で、放置してても1日2日はこのまま維持されるだろうとも言ってたぞ」

 

 

 栗林の疑問混じりの感想に答えたのはあちら側(原作世界)から帰還していた伊丹である。

 

 栗林の隣に立つ伊丹は一時的に自分達の世界の特地へ柳田共々戻ってからは龍鱗の装甲服から解放され、迷彩服のズボンにコンバットシャツのみと『門』の周りを囲む隊員達と比べ比較的ラフな格好だ。

 

 繋がった先が平行世界のアルヌス駐屯地であり、まず戦闘は起きないだろうという判断から武装も護身用にレッグホルスターの拳銃とマガジン数本のみと最低限に留まっている。

 

 『門』の監視を行っている他の隊員達は武器も含めフル装備なのだが、『門』の向こう側について若干の情報は既に基地内に広まってしまっており、それもあって用意の物々しさと相反して場の空気は落ち着いていた。

 

 例外は以前からレレイ協力の下、『門』の制御技術を調査していた研究班である。少数ながら選抜された専門家である彼らの目は宙に浮かぶ『門』とその周囲に設置された計測機器が拾うデータに釘付けだ。

 

 まだあちらの世界(原作世界)にはこっちのレレイ達が滞在したままだ。彼女達には予備の無線を預けてある。

 

 もし研究班が『門』の異常を探知したならば、同じく向こうに残したまま有線式UGVに搭載された通信中継機能を経由してすぐさま帰還を指示する手筈となっているので、彼らの役割は極めて重要だ。

 

 周囲を取り巻く状況上、正式な婚姻手続きは未だ行えていないとはいえ実質栗林の伴侶として自他共に認知されている伊丹がこうして付き添っているように、ボーゼスの隣にも彼女の胎に居る赤子の父親である富田がボーゼスの肩を支えながら寄り添っていた。

 

 

「へー、あんな大きくて立派な造りだった『門』が実際の中身はああなってたんですかぁ」

 

「ピニャ殿下と共に私達が『ギンザ』へ参りました時は真っ暗な坑道(トンネル)の中を進んだような感覚でしたわね」

 

「そうそう私もボーゼスさんと同じ感じだったわー。

 最初にバスに乗って『門』を通って特地入りした時は緊張したし、東京の街中からいきなりだだっ広い土地に出た時も驚きはしたんだけど、何回も繰り返すと段々慣れてきて結局は転地訓練でトンネルを通る時と大差なくなっちゃうのよねぇ」

 

 

 ボーゼスの感想に栗林が乗っかると、そこに富田も遠くを見ながら話に加わった。

 

 

「空挺降下も同じだな。最初に身1つで大空に飛び出す恐怖を克服できるかが最大の難関だが、恐怖を乗り越える覚悟さえ決まれば2度目からは簡単に飛び出せるようになる。俺もそうだったよ」

 

「富田ちゃんも空挺徽章持ちだもんねー。いいなぁ私も降下課程受けてみたくて志願したんだけど通らなかったのよねぇ。復帰したらまた挑戦してみようかな」

 

 

 そんな事を言い放つと彼には珍しいしかめっ面を浮かべた伊丹がウンザリした様子で首を横に振った。

 

 

「だーめだめ。子供が生まれてからもしばらくは育児や産後ののリハビリで大変に決まってるんだから、まずは専念しなきゃ駄目でしょ」

 

「えーっ? 良いじゃないですか私にも受けさせて下さいよ降下課程。育児もリハビリもきっちりこなして以前通りの体に仕上げてみせますからぁ。ねー?」

 

 

 飼い主に甘える愛玩犬か猫を彷彿とさせる甘ったるい声で強請る栗林。

 

 妊娠発覚が比較的同時期であった栗林とボーゼスは既に妊娠後期に突入。両者の胎児は問題もなくすくすくと母親の子宮内で成長する一方で、母体の方も初期はやや不安定な様子が見受けられたものの、ある程度経過してからは妊娠による体内環境の変化が齎す貧血や妊娠性高血圧といった兆候も見られず健康そのものだ。

 

 したがって、基地内では迷彩服やコンバットシャツが普段着であった栗林も妊婦服姿で日中を過ごすようになっていた。

 

 ……ちなみに一般にはあまり知られていないが、自衛隊内の服装規定では妊婦の女性自衛官が勤務に携わる場合の服装もちゃんと規程が定められている。モスグリーンのシンプルなデザインの妊婦服がちゃんと支給されるのだ。

 

 

「結婚願望強い方なのは自覚してたけど、本当にコレを着る日が来るのまではちょっと想像してなかったわ」

 

 

 などと初めて妊婦服に袖を通した栗林がそう漏らしたのは余談である。

 

 付け加えるとこれまで着ていた迷彩服はお腹周りだけでなく胸元と臀部にもきつさを覚え始めていたとかなんとか。

 

 ボーゼスも、フリル多めな丈長ワンピース調の上等な仕立てで縫われたマタニティドレスを纏っていた。

 

 栗林がそのまま伊丹の脇腹に抱き着けば、自然と彼女の体は以前から豊かな曲線を描いていたのが妊娠の影響で張り・サイズ共により存在感を増した双丘をマーキングするかの如く擦りつけていて、その度にモスグリーンの布地を内側から大きく持ち上げる膨らみがグネグネと形を変えて弾んだ。

 

 柔らかく、妊娠の影響で高目の熱を帯びた蠱惑的な弾力に思わず頭をもたげそうになった男としての本能を、伊丹は無理矢理押し殺した。

 

 装甲服を脱いで伊丹も薄着だったのもあって破壊力は抜群であったが場所が場所である。栗林を筆頭にヤオやロゥリィ、テュカと周囲の女性陣による激しいスキンシップ攻勢を耐え凌いできたのは伊達ではないのだ。

 

 

「大体ね、子供がその話聞いて真似するような事になったら危ないでしょーが。俺は許しませんからね」

 

 

 色香に惑わされる事無く釘を刺しつつ、伊丹の手は脇腹に押し付けてくる栗林の髪を優しく梳いたかと思うと、その手を更に下にずらし人差し指で以って栗林の下顎を擽ってみせる。

 

 栗林はちょっとくすぐったそうに「んっ」と吐息を漏らしつつも、気持ち良さそうに目を細めて伊丹からのアプローチを黙って受け入れた。伊丹と栗林の密着度合いが増した。

 

 

「トミタ……」

 

 

 傍らで見物している間に、羨まし気なまなざしを浮かべたボーゼスが富田へチラチラとサインを送った。

 

 少し熱を帯びた声色で囁かれた富田は若くも厳めしい顔つきをほのかに赤く染めつつも、ボーゼスの肩に手を置くと優しく己の胸板へ引き寄せた。

 

 富田の腕の中でボーゼスの顔が満足そうに綻んだ。富田の行動は彼女基準でもどうやら満点であったらしい。

 

 

 

 

「ちょっと技官。このガス計測器故障してるんじゃないか。あそこに漂ってる甘ったるい空気に全く反応しないんだけどこれ」

 

「残念だがバカップルの睦み合いによって発生するイチャラブ粒子を計測できる機材は今の科学力では未だ開発出来そうにないんだ。諦めてくれ」

 

「あー俺もペルシアさんとイチャつきたいなー!」

 

 

 一方で、2組のバカップルが放つピンク色の気配を浴びた周囲への被害は甚大であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不意にイチャつく2組の背後でパンパンと掌を叩く音が鳴った。

 

 

「服務規程を違反して部下と現地住民相手に爛れた行為へ及んだ前科をお持ちの其処の殿方2人、そろそろ周囲の目を思い出して職務放棄のお時間を終わられては如何ですか?」

 

 

 次いで聞こえてきた柔らかな口調の裏に逆らい難い威圧感を感じる声に、野郎2人はギクリと肩を震わせると、恐る恐るといった体でゆっくり背後へ振り返る。

 

 女性ながら190センチ超と特地派遣部隊でも屈指の長身を誇る黒川茉莉二曹が、アルカイックスマイルを張り付けて伊丹達の後ろに佇んでいた。

 

 

「クロぉ、何時までその話引っ張るんだよお前ぇ。もうちょっとこう、上官に対して手心と敬意を以ってだな……」

 

 

 情けない顔で反論する伊丹だが、微笑んでいるのに笑顔に見えないワライを向けられて次第に尻すぼみになる。

 

 富田に至っては顔は黒川の方を向いているが視線の方は彼女の顔を直視しまいと必死に逸らすという、反射的に振り返ってしまったのを後悔しているのがありありと伝わってくる様相を見せていた。伊丹もそうしたくなったが今更もう遅い。

 

 

「あら。部下を手籠めにして孕ませるに飽き足らず、現地のそれも幼気(いたいけ)な少女達とも現在進行形で淫らで猥褻な関係を維持しているような節操のない相手のどこに敬意や手心を持てと伊丹()隊長殿は仰られるのでしょうか」

 

「おうふ」

 

 

 濃密な毒っ気たっぷりの鋭い舌鋒に流石の伊丹も一撃ノックアウトだ。

 

 何せ黒川の指摘は全て事実なだけに反論のしようもないのである。わざわざ『元』と付け足してきたのも強烈なアクセントとなって威力倍増だ。伊丹の顔にじっとりと冷や汗が浮かんだ。

 

 其処に助け舟を出したのは件の孕まされた栗林本人である。頬と胸を伊丹に擦りつける行為は止めないまま、頬を膨らませて話に割り込んだ。

 

 

「もークロってば人の旦那様の事苛めないでくれるー? ロゥリィ達の事も本人達と相談し合った結果なんだし私も受け入れてるし、何も問題はないんだからクロがそこまで気にする事ないんだからね?」

 

問題大ありです。手籠めにされた当の貴女が伊丹隊長を甘やかさないでくださいなまったく」

 

「手籠めに()()()んじゃなくて私達が手籠めに()()んですー」

 

 

 やれやれとばかりに首を横に振って黒川は嘆息した。

 

 

「と、ところで黒川はどうしてここに? お前さん今は診療施設勤めだろ?」

 

 

 看護資格を持ち派遣部隊入り前の原隊が自衛隊中央病院だった黒川は偵察隊から外され、現在人手不足の診療施設で辣腕を振るっている立場だ。

 

 閉門当時、彼女は帝都悪所街に派遣されており、混乱と回収用ヘリが外交団の救出作戦での運用に割かれた影響から、事態収拾のその時まで当時事務所に派遣されてた他の隊員共々悪所街事務所にて待機せねばならなかったのだ。

 

 特地に於いても獣人以外では早々見かけない長身と柔和な美貌、外見の清楚さとは正反対の猛毒が塗られた刃もかくやな舌鋒が相まって、黒川の手にかかればどんな荒くれ者の入院患者も退院の日まで大人しくなるともっぱらの評判である。

 

 伊丹と富田の目にはメデューサもかくやな気配を放っているように映った恐ろしい笑顔を消し、真面目な表情に切り替えた黒川は栗林とボーゼスへこの場から移動するよう告げた。

 

 

「クリにボーゼスさんも今日の定期健康診査はまだ受けられていないでしょう? 『門』に何事か異変が起きた際に万が一があるかもしれないのですから、お2人とも早く移動して大人しく診査を受けて下さいな」

 

 

 基地の外に屋敷を構えそこで過ごしている筈のボーゼスが基地の中心であるこのドーム跡地に居るのもかのような理由だった。

 

 基地内の診療施設に向かう途中で新婦で妊婦仲間の栗林と合流し、ちょうどそのタイミングで平行世界との『門』が繋がったと騒ぎを聞きつけたものだから、ついつい予定を変更して見物しに2人して足を伸ばしてしまった次第である。

 

 

「あの『門』の先にはもう1人のトミタが存在されるのですね」

 

 

 期待するような、悩むような、複雑な顔色で半透明の『門』を見つめたボーゼスが不意に呟いた。

 

 金髪縦ロールが揺れ、碧眼が『門』の向こうをその目で見てきた伊丹を捉える。

 

 

「イタミ殿。つかぬ事を伺わせて頂きますが、あちらの(原作)世界のトミタはどのような様子だったでのしょうか?」

 

「そーですねぇ。見た目や雰囲気自体はこっち側の富田とほぼ変わりなかったですね。向こうでも向こう側の俺の指揮下で活動してたみたいです」

 

「左様ですか……」

 

「あっ、じゃああっちの世界の私やクロはどんな感じでした? やっぱり向こうの私も隊長とデキちゃってたり?」

 

 

 興味を惹かれた栗林がやはり伊丹に抱き着いたまま、上目遣いに伊丹を見上げて話に加わる。黒川も気になるのか目線で促してくる。

 

 

「クロは見かけなかったなぁ。でも向こうの世界の志乃は居たぞ。富田と一緒に俺の部下やってたみたいだけど、こっちの俺達とは違ってデキちゃったりとかそういう仲ではなさそうだったぞ」

 

「えっマジですか!?」

 

 

 驚きのあまり勢い良く体を持ち上げた栗林の体を、背中に回した腕の力を強める事で伊丹は慌てて支え直した。身重にもかかわらずこれまで通り活力を有り余らせているものだから、逆に周りの方が彼女の変わらぬ活発さに気を遣う立場である。

 

 

「向こうじゃ第3次大戦やそれ関連の事件が起きていないみたいだからなぁ。多分そのせいじゃないの」

 

「あーそっかー……私が隊長に惚れたきっかけ自体が起きなかった感じかぁー……」

 

 

 ロシア人のテロリスト集団に誘拐され、公開処刑されそうになったところを文字通り傷だらけになりながら伊丹が助けに飛び込んできた事が栗林の中で伊丹への慕情が急速に開花したきっかけである。

 

 そもそもそのテロ集団は第3次大戦を誘発させた黒幕の残党だった訳で、あんな衝撃的出来事を経験していないならば確かに伊丹と深い関係にはなっていなかっただろうなと、以前の己を客観的に分析した栗林は納得する他無かった。

 

 何だかんだで少なからず慕情を抱くようになっていたかもしれないが、伊丹に助けられた事が彼を一気に男として意識する起爆剤になった事は間違いない。それも自覚している。

 

 

 

 

 

 

 

 

「隊長に惚れていない昔の私のままだったら、お付き合いの為に隊長の元同僚の特戦群の人達を紹介してもらおうと隊長にお願いしてそう……」

 

「あー隊員の結婚問題はリアルで深刻な問題だからなぁ」

 

 

 しみじみ頷く元バツイチ。

 

 

「あっでも勘違いしないでくださいよ! 昔は昔今は今、今の私はもう隊長以外考えられないですからね!」

 

「そっか、サンキューな」

 

 

 慌てた様子で付け加えた栗林の反応に伊丹が微笑ましそうに口元を緩めたその時。

 

 伊丹の視界の端に見える『門』が突然何かを吐き出した。それが異常な程の勢いだった事で伊丹の中のスイッチが瞬時に切り替わる。

 

 

「っ! 退がれ志乃!」

 

 

 栗林の体を力強く(同時に母体に触らぬよう繊細に)左手で引き寄せ背に庇う。

 

 同時に最小限の動作で最短の経路へと閃いた伊丹の右手がホルスターへ伸び、ストラップを弾いてグロックをしっかりと掴んで引き抜かれる。

 

 グロックは安全装置が引き金と一体化しており、撃鉄も外部に露出していないストライカー方式だが、自動拳銃の常としてスライドを操作して初弾装填を行わなければ発砲が出来ない。

 

 護身用として携行していた伊丹も、基地内という事で暴発防止の為にグロックへ初弾を装填していなかった。

 

 通常スライド操作には両手を使う。今の伊丹は栗林を庇うのに左手が塞がっている。

 

 その程度の問題はこの伊丹には問題にすらならない。抜いたグロックを少しだけずらして下へ向け突き出すと、スライドのフロントサイト部分がホルスターに引っ掛かった状態で押し込まれる形となりその勢いのままスライドは後退、9ミリパラベラム弾が薬室へと装填された。

 

 次に反応したのは冨田だ。伊丹の警告の声に彼もまたボーゼスを庇う形で身構えている。黒川は積まれた資材ケースを遮蔽物に既に身を隠していた。

 

 監視役の自衛隊員も異変に気付くや提げていた64式小銃を『門』へと向けて一気に厳戒態勢だ。

 

 ……尤もその緊迫した空気も、すぐに霧散する事になるのだが。

 

『門』からの突如出現した存在の正体が自分達と同じ陸自の迷彩服姿で、でもって彼らも見知った人物とそっくり同じ顔に加え自衛隊員とは思えぬちんちくりんな背丈をしていたからである。

 

 ただしこちらのお腹には目に見えて分かる膨らみは見受けられなかった。

 

 

「あの隊長、今『門』から出てきてあそこに立ってるのって」

 

「……お前の想像通り、あっちの世界の栗林……だと思う」

 

「本当に同じ姿をされていますのね」

 

 

 話は聞いていても、実際に目の当たりにするとやはり驚きを隠せない様子の冨田とボーゼスは目を丸くした。

 

 迷彩服姿の栗林は大きく息を荒げて背中を上下させていたかと思うと、次の瞬間勢い良く顔を上げ、手負いの肉食獣を彷彿とさせる眼光で周囲を睥睨した。口からは「ふしゅるるるる……」とこれまた興奮状態の獣じみた呼吸音が聞こえてきていたりいなかったり。

 

 彼女の視線はやがて伊丹とその背に庇われる『こちら側』の栗林を捉えた。

 

 2人の姿と様子を認識した瞬間、平行世界の栗林は限界まで目を見開き、動きを止める。

 

 

「目を逸らすなよ。ゆっくり後ろに下がって距離を取るんだ。急に逃げ出そうとしたら襲われるぞ……!」

 

「それって熊に遭遇した時の対処法じゃありませんの」

 

 

 黒川のツッコミは聞こえなかったフリをした。

 

 5秒、10秒、15秒と時は過ぎ、その間迷彩服の栗林の視線はずっと伊丹を――――

 

 ではなく、身構える彼の後ろから恐るおそる顔を覗かせる、()()()()()()()()()()()()()()()に固定されていて。

 

 

 

 

 

 そして。

 

 彼女はやがて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………………………………………ひぐぅ(ぽろぽろ)

 

(((((泣いたー!!!?)))))

 

 

 




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