仮面ライダーステラ   作:すきぷら

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第五話です!
魅輝さんがあんな事やこんなことになってしまいます!

アンちゃんにもちょっとした転機が…?!

ともあれ、仮面ライダーステラ第五話、お楽しみくださいませ


第五話 紅い巨星

ーある朝・古物商ー浴室ー

湯気が立つ水面が突如泡立ち、さながら溶岩のようにぼこぼこと音をたてる。

水面はみるみるうちに隆起し、中から黒い塊が姿を現す…

 

「ぷぁはぁあ…」

 

 

 

魅輝である。

長く整った黒髪はお湯を吸い、オニキス色に輝きながら魅輝の首に、肩にぴったりと張り付いている。

髪の色と白い肌との対比がなんとも言えない美しさだ。

 

長時間入っているためかほんのりと頬が赤く、桃を想起させる。

 

そう、現在、魅輝は朝風呂を浴びてるのだ。

 

ー同時刻・古物商ー居間ー

魅輝が風呂に入っている頃、スロウとアンは朝食の準備をしていた。

ぐっすり眠っていたところを起こされたアンの表情は実に複雑で、自分のペースを乱されるのが何よりも嫌いな魅輝の性格をしっかり受け継いでいることが伺える。

 

「アン、こぼすなよ…?」

「あ、あ〜い…」

 

一方、スロウはというと目がはっきりしており全く眠そうではない。職業柄、朝早くから準備することが多いのだろうか?

 

 

 

ー数分後・古物商ー浴室ー

「不思議な家だなぁ…本当に。 中東なのに日本の風呂もある、部屋の雰囲気もどちらかと言えば私の家に……?!」

 

刹那、魅輝の脳裏に強烈なフラッシュバックが起きる。 まばゆい閃光の中に自分によく似た長髪の女性が映り、そして消えていく。

 

「っは?!…」

ごぼごぼごぼ。

一瞬溺れかけた魅輝だったが、なんとか平静を取り戻し再び鼻の下までお湯に浸かった。

 

魅輝の言うとおり、この家は建っている場所からするとかなり異質なものだ。

雰囲気こそ洋風ではあるものの、随所に和風のデザインが見受けられ、一応日本人の魅輝でも非常に落ち着ける空間になっている。

 

まさか、スロウも日本人だったのだろうか?

いや、まさかあの西洋風の風貌ではまずありえないだろう。

 

魅輝はそう結論づけると浴室から出て、新しい衣服に身を包んで居間に向かった。

 

 

ー更に数分後・東の柱付近ー

「でやぁああああああっ!!!」

 

さながら完全装備の騎士のような者が、あまりに筋骨隆々な怪物を袈裟懸けに切り裂いた。

怪物は傷口から赤い粒子をドバドバと吹き出し、さながら大量出血のようだった…

 

「トドメだ!」

 

「いや、もういい」

更に斬りつけようとしたところ、戦いを見ていた男が慌てて制止する。

その男は黒のスーツを着ており、どう見ても東洋人な出で立ちであった。

 

「すみません、行市(こういち)さん… つい熱が入ってしまって」

即座に自分の行いを恥じた騎士が、行市と呼ばれた男に謝る。

それを見た行市はクスっと笑い、騎士の頭をなでた。

 

「気にすんな、俺も昔に多様な状況になったことがある… 次気をつければいいだけ。な?」

「はい、ありがとうございます!」

 

嬉しそうに答えた騎士の装甲が光の粒子になって霧散し、中から16歳くらいの少年が姿を表した。

その手には魅輝のドライバーと同様の機能を持つであろう、オーブスの嵌った剣が握られていた。

 

そう。彼もまた柱に常駐しパッケージから町を守る者 ー仮面ライダーの一人なのだ。

 

「…よし。 じゃあ、俺はホームグラウンドに帰るわ!」

少年の笑顔をみた男もまた笑顔になり、その場から立ち去った。

彼の腰には、見慣れないベルトが巻かれていた……

 

「こういう時、どういうんだっけ? …あぁ…… 『また会う日まで、師匠。』…か。」

 

少年は、男の背中が見えなくなるまで見送ると

そうつぶやいて自らの家に入っていった。

 

ー昼ごろ・古物商ー居間ー

「あぁ? ベテルギウス?」

コーヒーカップ片手に、魅輝が怪訝そうな表情を浮かべる。

 

「そう! ベテルギウスだ!! これはなかなかにでかい収穫だぞ!」

スロウが嬉しそうに声を上げる。 この人はテンションが上がるといつもこんなかんじなる…

「ベテルギウスってね、アレだよ! アレ! かの伝説の英雄オr…」

 

「あっつぃいい!! こぼしたぁあああぁあ!!!!」

タイミングを見計らったかのようにアンがココアを盛大にこぼしてしまう。

話をぶった切られたスロウは慌てて水分を拭き取り、抹茶色になったアンの服をひっぺがした。

はたから見れば完全に犯罪である。

 

この光景を見て、魅輝は少しの罪悪感を感じながら心のなかで思った。

『アン…… グッジョブ!……… …いや、…なんか……ごめん。』

 

 

東の柱で一悶着あったのもつゆ知らず、北方面では非常に穏やかな時間が流れていった。

 

ーその夜・古物商ー

「んじゃ、いってくるから。」

「いってらっしゃい!」

 

暖かそうな衣服に身を包んだ魅輝を、新しい服に着替えたアンが見送る。

この服は……スロウの趣味か?

 

そんな他愛もないことを考えつつ、魅輝は北の柱へと向かおうとする。

魅輝持ち前の第六感がおののいていたこともあり、ただならぬ気持ちで足を進めていった。

 

ー数分後・北の柱敷地内ー

来た。北の柱に。

 

冗談はさておき、あたりには緊張感が漂い、まるで何十匹もの狼に取り囲まれたかのようだった。

魅輝は360度くまなく睨みつけ、敵の来襲に備える。

 

突如として、青白い閃光が魅輝の頬をかすめる

 

「っ! 来たか… 変身!」

『HEN-SHIN CODE CONFIRMED. SEQUENCE START...』

 

『仮面、ライダー…!!』

青白い閃光を放ったパッケージが、変身中にもかかわらず魅輝をふっとばそうと突進してきた。

 

「ちょ、ま、まって!!」

『AWAKENING OF Si-Si-SIRIUS!!』

 

間一髪で変身に成功し、なんとか突進を避ける事ができた。

しかし鋭い瞬発力によって放たれた二撃目はよけきれず、モロにお腹に食らってしまう

 

「ぐあっ?!! …何こいつ……速い……」

激痛に悶え、砂地を転げまわるステラの後方から東の柱の少年が現れる。

 

「ステラ! そのパッケージにはこのオーブスしか通用しない!!」

そう叫んだ少年の手には紅いオーブスが。

今朝、筋骨隆々なパッケージからえぐりとったもので、少年はおもむろにそれをステラに投げ渡した。

 

『させるか!!』

パッケージが紅いオーブスを奪おうとするが、紅いオーブスはそのままステラの手中に収まってしまう。

 

『あぁ… 兄者のオーブスが……』

途方に暮れるパッケージ。

 

それを尻目に、ステラは不敵に笑い…

「お前のオーブス、頂きます。」

 

意を決し、紅いオーブスをドライバーに装填する。

 

『ORBES No.60 INSIRTED.』

…?

 

おかしい、

この時、魅輝は自分の体に明らか以上を感じていた。

異常なまでに体が熱く、頭が割れるように痛い。

 

「ステラ…?」

『兄者の…恨みだ!』

 

「う……うるさい…!! 全員黙れ…!!」

 

言いようのない苦痛が全身を駆け巡り、全身から汗が吹き出すのがよくわかった。

今すぐにでもベルトとオーブスを投げ捨てて逃げ出したいが…

だがそうはいかない。

 

まず街を守る。その後自分のことは自分で何とかする。

 

そう決心し、変身シークエンスを無理やり承認してしまう

「へん……しん…」

『HEN-SHIN CODE CONFIRMED.

AWAKENING OF Be-Be-BETELGEUSE!!!』

 

直後

先ほどとは次元の違う痛み、苦しみ、熱さ、エネルギーが魅輝の全身を包んだ。

なんというか、フルパワーのジェットエンジンの前に全裸で立たされたような、としか形容できないような…

兎にも角にも、この世のものとは思えるはずもない、耐え難い苦痛だった。

 

「…う、ぐぁ…… なんだこれ… 『うぅ・・』、うぅぅぅぅ……」

『「うがぁあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」』

 

もだえ苦しむステラの全身から、たまらず高熱エネルギーが溢れだし、その余波は夜空をさながら白昼のように子がしていった…

そのエネルギーが(無慈悲にも)高まるに連れて悲痛さを増す魅輝の悲鳴は、辺り一帯に響き渡り地を揺らした。

 

少年も、パッケージでさえも、そのエネルギーの衝撃に耐えられず大きく後方に飛ばされてしまう…

 

 

『あ、兄者ぁあああっ!!!!』

「ステラぁーーーーーーっ!!!!」

 

 

…続く。




いかがだったでしょうか?
ね、魅輝さんがあんな事やこんなことになってますでしょう?(オイ

さてさて、彼女はこの後どうなってしまうのでしょうか!

それと、突然現れた少年の正体は?!

それは、第六話まで、どうぞお待ちくださいw

ではでは、良き星見を。

Tips!

・ベテルギウス・パッケージ
屈強な身体と、邪悪な意志を持ったパッケージ。
其の様子から、発現してかなりの時間がたっていると思われる。

・白いパッケージ
ベテルギウス・パッケージを「兄者」と慕うパッケージ。
彼も発現してからかなりの時間が建っていると思われる。
青白いビームを放つことで、相手の身体に穴をうがつ。

・騎士
ステラ同様、ウラノメトリアを守る仮面ライダーの一人。
剣を扱うのが得意。

・行市
騎士ライダーの師匠。彼に剣術や体術を教えていた。
どうやらこの町の住民ではないらしい。
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