TS娘と可愛い女の子達   作:レーズンモン

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処女作です。
ご指摘お願いします。


転生した

 

 

俺は転生した

 

 

俺の前世は大したものじゃなかった。小学生の頃はよく泣き、よく遊び、よく怒られた。中学生の頃はよく夜遊びをし、授業は寝て過ごし、休み時間には友達と遊びいつも通りに授業は寝て過ごし教師に怒られる。

そんな奴がまともに進学出来るはずもなく、夜間の普通科の高校に通い朝から昼までバイトをし、学校に登校する。そんな日々。

 

高校を卒業したら進学はせず、新卒で入社した。もう面接はしたくない。現場の仕事で朝から汗水たらし、上司の声にビクビクしながら仕事をこなす。日々バイトこなし体力には自信はあったが、そんな自信は入社一日目で折れた。

 

そんな汗くさい日々を過ごしていた時、出会った。その子は営業の子で俺と同じ新卒の子だった。いつもハキハキと元気で明るい子だった、俺とは大違い。

ある日その子の歓迎会が行わられるという一報が回ってきた。俺の時はそんなのなかったぞ、先輩が一回飲みに連れってくれたけどそれだけ。

俺はその歓迎会に行くことにした。まあほとんどの人が参加してたから参加しなきゃいけない感じだったけど。俺新人だし余計にね。

 

参加日当日、居酒屋のひっろい一室を貸し切って歓迎会が行われた。俺は先輩方に酒を注ぎに回っていた。しないと怒られそうだから。正直かなりめんどくかった、先輩方のうざ絡みが堪えた。俺は一人か仲のいい人と一対一で飲むのが好きだから。

そんなことしていたら当然飲めないわけでして、内心帰りてえなと思いながら絡まれながら注ぎに回っていたら、ふと視界の端に新人の女の子が入った。なんとなく女の子を見ると女の子の方も俺を見ていて視線が交じった。そしたら女の子が手招きしてきた。招かれたのでひょいひょいと女の子方に近寄る。隣に座っていた男の人が何かを察したかのように離れていく、すれ違いざまに肩を軽く叩かれた。よく分からない意図だったが追及はせず女の子隣に座る。座ると同時に女の子が

 

「初めまして、お話ししてみたかったのですけど中々タイミングがなくて」

と言った。

 

まさか女の子方から話してみたかったとは嬉しい。

 

「いや自分も同じです。同じ新人同士でしたし」

 

「そうだったんですね!両思いでしたね」

 

凄い勘違いしそうな言い方に俺は動揺した。かなり。そんな俺を可笑しそうに見る女子の笑顔に俺は不覚にもドキリとした。俺、、チョロすぎ?

彼女と出会ったのはそんな日常の中だった。

 

そっからは非日常になっていた。歓迎会がお開きになり、彼女から連絡先を交換しないかと言われ、俺は喜々として交換した。そっから頻繁に連絡を取り合った。仕事の愚痴から好きなものや嫌いなもの、時には二人で出かけた。楽しかった、物凄く。前までの日常はただ過ごしていたが、最近は楽しくて仕方ない。毎日仕事に張り切り、休憩の時は彼女と会社から用意された弁当を一緒に食べる。もちろんなるべく消臭する。汗臭いと彼女に迷惑をかけるしあまり消臭すると逆に匂いがきつくなる。別に彼女から臭いと言われてないからね。いやほんと。

 

そんな日々を自ずと分かる。俺は、彼女が好きだと。そうと決まれば俺は行動が早かった。なんせ彼女は可愛い、惚れた弱みかと思ったが客観的に見ても可愛かった。連絡を毎日欠かさず取り、休日になればデートに誘い、エスコートした。ちょっと、いやかなりうざいかもと思ったが彼女もまんざらではなさそうなのでこれは脈アリか?と思った。

中々告白まで踏ん切りがつかず、いじいじと毎日を過ごしていたら彼女の方から、大事な用がある、と休憩の時に告げられた。並々ならぬ様子だったので二つ返事で了承した。

休日になり、二人で出かけデートスポットを回った。彼女が計画したようだった。いつもより気合の入った服を着て(彼女も同じ)いつもよりドキドキしながら回った。初めて二人で出かけた時よりもドキドキしたかも。

すっかり辺りは暗くなり、人のいない夜景が見える穴場スポットに到着した。夜景をバックに彼女と向かいあう。彼女が何をしようか何を言おうか分かる。だがいいのか?女の子から言わせて?男が廃るのでは?これはいけない。彼女が意を決して口を動かすが俺は手の平を突き出す。彼女は俺の突拍子のない行動に困惑したが俺から言いたいというと彼女は笑顔で頷いた。

 

「好きです。あの日、歓迎会であなたと会った日から。俺と付き合ってください」

 

とあまり考えずに言ってしまった。俺から言ったのに何も考えてなかった。咄嗟に口から出た言葉を紡いだ。

 

「私はあなたを職場で初めて見てから好きです。私の方こそ付き合ってください」

 

とまさか一目惚れされていた。あの日から俺は狙われていたのかと内心納得していた。なんせ彼女の方からぐいぐい来ていたから。

その日から彼女と付き合うことになった。

 

その日からさらに仕事に身が入るようになった。先輩方からも前から明るくなってたけど最近はさらに明るくなったなと言われた。その返しとして彼女が出来ましたとニコニコで答えたら、ああやっとか。と言われた。どうやらバレバレだったようだ。いつ付き合うか賭けでもしていたみたいだ、いやなに人の恋を賭け事にしてるんですか!と怒ったらめちゃくちゃ笑われた。俺も釣られて笑ってしまった。

 

その日から本当に楽しかった、ああ、楽しかったな。。これからだったのにな。

 

ある日彼女が倒れた。救急車で病院に運ばれた。俺も一緒についていった職場の人も快諾してくれた、いや仕事はいいから一緒についてやれと背中を押された。俺の心は焦燥していたが少しだけ暖かくなった。

病院の診察の結果治療法が確立していない病だと、そう、言われた。

 

その日からまるで色が抜けたように俺の目には白黒の世界が広がっていた。どうやって日々を過ごしていたかあまり覚えていない。毎日病院のベットに横たわっている彼女を見る日々。毎日弱っていく彼女を見ていく日々。彼女が何をした?俺が悪かったのか?答えは出ない。

 

家に帰ったら部屋の電気もつけずに布団に籠る。時折胃液がのぼってきて吐く。そんな日を繰り返していたら病院から電話で彼女が死んだと連絡がきた。

 

俺は急いで病院へ行き、病室を開けると彼女の両親と看護師に医師がベットの周りにいた。両親は泣いてベットに縋り付き、医師は悔しそうに拳を握り、看護師は母親の背中を撫でていた。

俺はフラフラとベットに近づきそれに気づいた医師を看護師が下がる。俺は彼女の顔見る。やせ細り、頬がこけ、髪は真っ白になり肌は青白い。元気だった時の彼女の面影はない。彼女の髪を梳きながら頬を触る。冷たい。限界だった。

 

俺は病院を飛び出し走った。目的地などない。走って走って階段を上り足を滑らした。後ろへとゆっくりと落ちてゆく、その時彼女との思い出が蘇った。ああ、楽しかった本当に、これが走馬灯なのだろうと思った。まだまだこれからだったのに、まだまだやりたいことがあったのに、これからもっと楽しくなるはずだったのに。

そんな未練をたらたらとたらしながら頭に強い衝撃がきた。意識が遠のき、それから、、、

 

 

 

 

 

 

俺は転生した。

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。長い夢を見ていた。もう取り戻せない日を。

俺は転生した。しかも女にだ!なんでだよ、、、女に生まれ変わってかなり大変な日々を過ごしてきた。両親にはかなり迷惑をかけた、何故かって?俺は小学生上がった時に前世の記憶が蘇ってきた。その時俺はかなり荒れた、先ず死のうとした。はい、ダメ。母親には泣かれ、俺は喚き、父親は暴れる俺を抱きしめ続けた。あの時はかなり迷惑をかけた、いやほんと。その後は散々暴れ疲れて爆睡をかまし起きてから一旦落ち着いて前世と今世を冷静に考えてみた。考えに考え、これは所謂転生では?と一応着地点に落ち着いた。そんな様子を両親はハラハラしてみていた。当たり前だ、ランドセル買ってもらってはしゃいでたらいきなり縄を引っ張り出して首吊り縄を作り始めのだから。そっから突然の奇行に両親が慌てて止め、ああなったわけだ。

とにかく今は転生し、小学生の女の子になったわけだ、いや元々俺だったわけだが前世の記憶を思い出た女の子になったわけだ。うん、だから俺はこの体の持ち主殺しているわけではない。そうだ、そうに違いない。

取り合えず今は自殺しない。今世の両親に悪い、俺はそんな身勝手に死に、悲しませたくない。前世のことはゆっくり時間を掛けて噛みしめていこう、こうでも決意しなければ死んでしまいそうだ。

 

取り合えず今は女の体に慣れなければ、、頑張るぞ、俺。死ぬな俺。生きるんだ、だって彼女に言われたじゃないか、、

 

「生きて」

 

っと。

 

 

 

 

女の体に振り回され、男との距離感や女友達の作り方を学びながら俺は日々を過ごしていった。

 

 

 

 

コンコン

 

 

玄関からノック音が聞こえた。はいはいっと

ギイギイとなきながらドアを開ける。

 

「やぁ、いらっしゃい」

 

「お、お邪魔します、雨野さん」

 

俺、雨野日比(あまのひび)、大学生のお姉さんになりました。

訪ねてきたのはこのアパートの隣に住む女の子。名前は結月ゆかり、薄い紫色の髪色にうさぎ耳のパーカーを着ているスレンダーな女の子。確か今は高三だっけ?俺と同じ大学を受けるらしい、それを恥ずかしそうに言ってきたとき結構可愛かった。たまにその時の様子を真似していじる、顔を真っ赤にして怒るからやめられない。

 

前世の記憶を蘇ってきたその後の俺は、小中高という黒歴史を過ごし、知り合いのいない遠い大学に進学した、大学通ったことなかったからね。実家から通うのは遠いということで俺は念願の一人暮らしをはじめた。前々から一人暮らししたがったが錯乱した前例があるせいで信用を取り戻すのに時間がかかってしまった。

やっと一人暮らしをはじめた数日後に隣に引っ越してきたのがゆかりちゃんというわけだ。

 

「どう?受験勉強は順調?」

 

「はい、雨野さんに付き合ってもらいましたし、友達にも」

 

「そっかそっか偉い偉い、頑張ってる子にはご褒美だ!よーしよし」

 

「ちょっと!子供じゃないんだから撫でないでください!」

 

ぐりぐりと頭をなでる。これをするとゆかりちゃんは怒るけどまんざらでもないので大人しく撫でられる。ゆかりちゃんはツンデレなのだ。

そんなやりとりをしながら部屋へと歩いてゆく。今日もこの子は私とゲームをしに来たのだ!いや~こんな可愛い子と一緒にゲームをできるとは役得だね!こんな時は女の体に生まれてよかったぜ。

そう、俺はまだ女として生きることを決断できていない。まだ男のときの方が長く生きてたし、まだ前世のことは割り切れてない。時々夢に見る、彼女と楽しかった日々を。そして時々死にたくなる、だがダメだ、彼女が夢にでてきて言うんだ。

 

生きてって。元気だった頃の姿で

 

だから死なない。死ねない。

 

っとだめだだめだ。今からゆかりちゃんと遊ぶんだからネガティブになってしまってた、時々こうなる。ほんとに俺はこんなところだけは女々しい。

 

「雨野さん?大丈夫ですか?」

 

「あ、あぁごめんね、考え事してた」

 

「そうですか?また遠くを見てた感じでしたよ」

 

「ごめん!っさ!ゲームしよっか」

 

「はい、あの何か辛いことがあったならいつでも相談に乗るので遠慮しないでくださいね?」

 

「うん、ありがとね。ほんと優しくて可愛い女の子だね」

 

「え、えぇ!?か、可愛いですか、わ、私」

 

顔を真っ赤にしながら手を顔の前に交差させながらせわしなく振っている。うん、可愛い。

 

「うん、可愛いよ、私にはもったいないな」

 

「あ、雨野さんもか、かっこいいです。」

 

と耳まで真っ赤なゆかりちゃんが細々と言ってくれた。確かに俺は可愛いよりか、かっこいいか。切れ目でショートカットで身長百八十センチだしな。うん、可愛くはないな。

 

「さて、さっそく遊ぶか。何持ってきたの?」

 

「はい、今日はこれです!」

 

持ってきたのはファミコンのゲームソフト。殴りあう大乱闘なあれだ。この世界もファミコンあるんだよねー。この前ゆかりちゃんがファミコン本体を持ってきておもわず声でちゃったよ、久々にみたし。

 

「じゃあゲームセットしてっと」

 

「じゃあいきますよ?ゲームスイッチ、オン!」

 

こんな前世男、未だに前世を引きずっている女々しい俺と、可愛い女の子と関わっていく日々を過ごす日常の始まりだった、、、なんつって

 

 

 

 

 




見切り発車です。この先どうしましょ

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