ハグレモノ共の狂騒曲   作:終日のたり

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銀魂のノリを文中で再現すんの無理だなって早速気づきました。


第2訓:人の話は最後まで聞け

「ほーん? つまりテメエはつい数秒前までなんちゃら遺跡のほにゃらら石板とやらを調査しててそこにはテメエもテメエの仲間もいて? だから私の風呂を除くつもりはおろか人様の家に侵入した記憶もなけりゃ意図もなくて? 完全に事故だし見るつもりもなかったから許してほしいと? ほーん?」

「その通r」

「死ね」

 

 わざとじゃないですべてがまかり通るんなら警察も裁判所も弁護士もいらねーんだわ、ボケが。

 

「っっっぶねーなオイ!! なんでモーションも殺気もなしにこの威力が出せんだよ!!」

 

 くっそよけやがった。最初の一撃は当たったのにな。まあガードされたんだけど……あのタイミングで仕留めそこなうとか私もしかして鈍った?

 

「いっってェ……くそっ、なんだこの威力……【堅】でガードもしたってのに……」

 

 とはいえ流石に無傷では済まなかったらしく、変質者がギリギリで首をかばうときに犠牲にした左手の甲の骨はしっかり折れてるし皮膚青黒くなっている。なんか知らない単語がブツブツ出てきたけどこれって聞いた方が良いんだろうか。いやどうでもいいか変質者の戯言だし。

 

「よし死ね」

「ふざけんな!! つーかお前さっきから二言目には死ね死ねってそれしか言えねーのかオイ!」

「変質者とか性犯罪者に基本的人権を認めるの反対なんだよね、私」

「だから変質者じゃねえっての!!」

 

 オレはれっきとしたハンターであって断じて覗きなんか意図してねえよ!!

 がおがおと喧しく吠える自称ハンター()変質者……ハンター?

 

「こんな市街地のど真ん中でえいりあん狩り? せめてもっとターミナルに近いところにすべきでしょ。言い訳ならもっとまともなこと言え」

「あ? エイリアン?」

「ハンターっつったらえいりあんハンターでしょ。まさかトレジャーハンターとでも? もっとおかしーだろがクソ豚野郎少しは考えてから物言え」

「うおあ!?」

 

 ったく今日日の変質者はまともな言い訳もできんのか。

 

「だからオレは変質者じゃねえ!!」

 

 うるせーなこの野郎。二度と同じ真似できねーように金玉潰してチンピラ警察に突き出してやるよ。

 

 

 

 

 

 一つ星ハンターのジン・フリークスといえば、その功績や肩書は枚挙にいとまがない。歴代最強と呼ばれるハンター協会会長のアイザック・ネテロから「世界で五指に入る念使い」とまで称され、その狩の幅は制限がない。遺跡の発掘、盗賊団の討伐、希少種の発見と保護、エトセトラエトセトラ。

 

 近しいものからは自由気まま(と書いて自分勝手とも読む)で奔放かついい加減な性格から煙たがられることも多いものの、唯一の弟子や目的の一致から関わった者からの信頼はこの上もなく厚い。数年先の未来では申請が面倒だからという聞く人が聞けば横っ面を殴りたくなるような理由で三ツ星ハンターの座を蹴り続けるようになる彼は基本的に根無し草の生活を送っており、二年に一度程度出れば多い方である『行方不明プロハンター』に数えられる常連だ。

 

 権力に阿らず拘らず、誰に対しても多くの場合において不遜。仲間としてつるめば最高の相手だが、規律のある組織の中では目の上の瘤扱い。自身の興味と好奇心の赴くままに行動する彼であるが、しかし人間として、というか社会的な動物として一定の倫理観は一応備えている。そしてゲロ以下の下劣な行為に嫌悪感を抱く程度にはモラルもあった。

 

 何が言いたいかというと、間違ってもうら若き女性の家に不法侵入したり(それなりの理由がある場合は除くが)、ましてや覗きなどといった卑劣な行為を率先して行うような人間ではない。しかし、彼と全く面識がなく、また実父や実兄やチンピラ警察の局長とかいてストーカーと読むゴリラなどなどの影響で男性というものに一定の不信感を持っている少女に対し、それを理解させるのは至難の業であった。

 

 

「よし分かった。仮に、ほんっとーに仮定であんたが遺跡だか廃墟だかの調査中に事故か何かによって今この場にいるとしてだ」

「…………おう」

「あんたは一体どこの誰で、いつどうやってどの星から地球に来た。夜兎族(わたし)相手にそんだけ立ち回れるくせに侍でもないあんたが地球人だとは流石に思えないんだけど」

「は?」

「見た目は明らかに地球人だけど明らかに身体の造りが私ら寄りだよね。なのに日焼けはしてるし傘も持ってない。髪の色だって夜兎の色じゃない。おまけになんか変な技も使う。あんた一体何?」

 

 そして何とか「不審者でも性犯罪者でもない」という言を受け入れさせたその先で、今度は全く別ベクトルの疑いをかけられる。『チキュウジン』という単語に聞き覚えのないジンであったが、それでも自分がある種「人間かどうか」の疑いをかけられるのは流石に初めてだった。 




この話のジンさんまだ未成年設定なので「二つ星」じゃなくて「一つ星」に修正しました。
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