自分に持てる技術で世界を変革させようとしたその男は方舟の終わりに何を見るのか…。
アークナイツプロローグ<オリジナル有>
あぁ、君か。
君にこうして会うのは久方ぶりだ。
ここ最近、君はずいぶん境界をさまよっていたようだな。
そして己が何者なのか、
君はもう忘れてしまっているのだろう。
しかし今は名前さえ思い出せれば十分だ。
―さぁ、ここに長く留まっては行けない。
君は元より私の客人ではない。
ここには存在してはならないのだ。
彼女には君が必要だ。
12月23日
この日が君にとって何を意味するのか、
今は思い出せないだろう。
しかしそのままでは、君自身を危うくしてしまう。
・・・・・・。
だが―
君は思い出さねばならないのだ。
謎の声「·····意識レベル·····。」
謎の声「体外循環開始·····心肺停止液の注入を完了。」
謎の声「·····体温低下·····ヘクサメタゾン20ccを静脈に注射。」
謎の声「紺子を!」
謎の声「·····状態安定····切除を開始する····心室細動に注意·····。」
謎の声「·····ごめんなさい·····。また苦しめることになってしまって。」
???「·····。」
???「ドクター·····。」
???「·····手を·····。」
???「私·····を·····!」
???「私の手を握って!!」
あぁ、なんて…心地がいいのだろう…。
だがそれと同時に込み上げてくる▒▒▒。
これは一体何なのだろうか…―
???「·····。」
???「緊急·····。」
???「·····救·····。」
???「·····った·····!」
―暗転―
???「ドクター、ドクター!」
???「医療オペレーター、ドクターは大丈夫
なんですか?」
???「さっき、さっきドクターは·····私の手
を握ってくれたのに。」
???「どうして目を覚ましてくれないんで
すか·····どうしたら·····。」
医療オペレーター
「アーミヤさん!そんなに焦らないで、どうか冷静に!」
アーミヤ「あ·····ご、ごめんなさい·····。」
医療オペレーター
「もう!ドクターのことになると、まるで人が変わってしまうんですから···。」
医療オペレーター
「でもアーミヤさん、ドクターがもしこのままなら·····どうするつもりですか?」
アーミヤ
「―心の準備は出来ています。もしそうなったとしても決めたとおりにするだけです。」
医療オペレーター
「·····わかりました。ではその通りに」
アーミヤ
「はい····よろしくおねがいします。」
アーミヤ
「じゃあドクター·····。」
医療オペレーター
「でもひとまずは安心です容態は落ち着いていますから。」
医療オペレーター
「念のため、もう一度再検査してみます。お任せ下さい。」
アーミヤ
「はい·····お願いします!」
医療オペレーター
「はい。呼吸はまだ微弱ですが、血圧は正常範囲内身体機能は問題ないはずです。あとは意識が戻るかどうか·····。」
アーミヤ
「·····!」
医療オペレーター
「·····。あっ·····目を·····覚まし·····た?
アーミヤさん、成功です、
ドクターが目覚めました!」
アーミヤ
「ドクター·····?
良かった本当に良かった·····ドクター·····。」
医療オペレーター
「あっ!まだ動いちゃ·····。」
―ズキッ―
医療オペレーター
「安静にしていてください。まだ体が安定した訳ではありません。」
アーミヤ
「ドクター·····?」
ドクター
「.......あっ。俺?と言うか.......君、誰?」
アーミヤ
「えっ―ドクター·····私は·····。」
「·····。」
「私はアーミヤといいます。
あなたを助けに来ました。」
ドクター
「…へぇー。うん。…じゃあそれは分かったとして…俺、記憶ないんだけど…俺の事なんか知ってるの?」
アーミヤ
「あなたは·····。
私たちロドスの一員です。
·····私たちの仲間です。
―Dr.希依那。
あなたは私にとって
一番大切な仲間なんです
思い·····出せませんか?」
ドクター
「ん〜…悪いけどこれといって特に思い出せないわ…悪ぃね?」
アーミヤ
「.......いえ…ドクターが悪いわけではありません。」
アーミヤ
「とにかく私にとってドクターは一番大切な人なんです。何があっても、それだけは変わりません。だから、私に·····少しだけ時間をください。少しだけでいいですから·····。」
ドクター
(なんだろう....このぴょこぴょこ動く耳自然と撫でたくなるようだ………。撫でてみても怒られないかな?……)
アーミヤ
「////あ、あの.......///」
ドクター
「ん?あっ…。ご、ごめん.......」
アーミヤ
「い、いえ…その…ド、ドクターさえ良ければもっと触っていただいていてもいいんですが.......」
ドクター
「ん?何?後半がよく聞こえなかったんだけど?」
医療オペレーター
「えっと…ドクターは、本当に·····記憶喪失に?」
ドクター
「ん?あぁ多分そうじゃないかな?…起きてからのことと自分の名前しか覚えてないや」
医療オペレーター
「そっ、そうですか…。えっと…アーミヤさん…どうしましょうか…」
アーミヤ
「.....................。」
医療オペレーター
「?ア、アーミヤさん?」
アーミヤ
「ハッ…………。
.......大丈夫です。
きっと時間が解決してくれます。」
ドクター
「で.......ここは何処なの?」
アーミヤ
「あっ、はい ここは――」
ドンッ
アーミヤ
「えっ!?何が――」
ドクター(これまた凄そうな見た目した人が来たなぁ.......)
完全武装の男
「アーミヤさん、マズイです!この施設内に侵入してきたヤツらがいます!」
完全武装の男
「しかも、あの装備は·····ウルサスの兵士のものではありません!」
バンッ
レユニオンメンバー
「―――――――――」
完全武装の男
「何をするつもりだ!」
ドンッ
完全武装の男
「敵襲です!アーミヤさん、敵は重火器を持っています。」
ヒュッ
ドクター
(えっ…クロス…ボウ?)
医療オペレーター
「うわわわっ!」
アーミヤ
「皆さん、気をつけて!壁の陰に隠れてドクターを守って!」
「…この装備はまさか·····
レユニオンムーブメント!?どうして·····。
.......前衛オペレーター·····。
戦闘の準備をしてください!」
前衛オペレーター
「了解!」
\ドカーン/
前衛オペレーター
「クソッ、こいつらの狙いはドクターか!」
アーミヤ
「いえ·····
ドクターの存在は誰も知らないはずです。
急ぎケルシー先生に通信を!」
ドクター
(また知らない人の名前出てきたなぁ…
..............ケル…シー?.......)
「グッ.......」
アーミヤ
「ドクター!?やはりまだ体が痛みますか!?
医療オペレーター!!――」
医療オペレーター
「ハイ!!」
前衛オペレーター
「ダメです、通信機が正常に動作しません!」
アーミヤ
「····どうやらジャミングされているようです。
…まさか····ウルサス政府が私たちの動きに気づいたんでしょうか?」
前衛オペレーター
「どうしますか?」
アーミヤ
「今回の作戦指揮はケルシー先生にお任せしています。でも通信できないとなると·····。
·····。
Dr.希依那。
ー私たちの指揮をお願いします!」
医療オペレーター
「そ、そんなの危険すぎます。まだ意識が戻ったばかりなのに·····。」
アーミヤ
「·····試して·····みたいんです。
確かに記憶は失われています。でもドクターはかつて私たちと···。
···私たちと一緒に戦った仲間なんですから!」
ー回想ー
???
「こんなに沢山のこと、私に教えていただいて、ありがとうございます·····。」
ー回想終了ー
アーミヤ
「·····。
一緒にたくさん···たくさんのことを経験したんです·····。私には分かります·····。ドクターならきっと勝利をもたらしてくれると。」
ー回想ー
???
「あなたならきっと勝利をもたらしてくれる。」
―回想終了―
アーミヤ
「·····突然こんなお願いをするのは、私もどうかと思います。でも、でも·····お願いします。
あなたの力を貸してください。
私もサポートしますから!」
ドクター
(…何故だろう…目覚めたら記憶も無かった筈なのに…この子の…アーミヤの為なら指揮を出来ると思えてくる…)
ドクター
「で、出来る範囲で頑張って見るよ.......。」
アーミヤ
「はい·····私もドクターをまたこんな戦いに巻き込むのは不本意ですが·····でも今の私たちには、Dr.希依那の知恵が必要なんです。
戦っていれば、指揮の感覚もきっと取り戻せると思います。
―ドクター自身もまだ信じられないかもしれませんが·····。私は信じます。
きっとできるって、私は信じています。
ロドスの――指揮を!」
――――――オペレーション???――――――
???「黙っていろ·····」
???「アップルパイ!!」
ドクター
(なんでアップルパイ?)
―――――――――――――――――――――――
アーミヤ
「レユニオンムーブメントは単なる無秩序な感染者集団だったのですが·····
でも今は、明確な意志の元に集団で行動している様に見えます。
では、次の敵を迎撃する準備を。」
―――――――――――――――――――
???「切り捨てるっ!!」
???「( '-' )ノ)`-' )ペシベシ」
アーミヤ「私が·····怖いですか?」
???「雷鳴よ·····轟け!」
???「着いてきて!」
―――――――――――――――――――――――
前衛オペレーター
「これで最後の一人だ!」
レユニオン構成員
「うわぁ!」
前衛オペレーター
「目標は排除しました。
敵小隊の撤退を確認!
Dr.希依那の指揮は、アーミヤさんが言った通り素晴らしいものでした。」
アーミヤ
「はい、あっさり勝てましたね。
ドクターが経験してきたものはこの程度ではありませんから。」
レユニオン構成員
「くっ·····どうして·····ウルサス人でもない連中が邪魔を·····。
お前らなんかに·····
我々の仕事の邪魔はさせん!」
???
「そこまでだ!」
ドクター
(また新しい人キター!)
前衛オペレーター
「ド、ドーベルマン教官!」
ドーベルマン
「何をボヤッとしている!もう少しで蜂の巣になるところだったぞ!」
ドクター
(えぇ…。ちょっと厳しい人なんだなぁ…。)
前衛オペレーター
「も、申し訳ございません!」
ドーベルマン
「急げ!隊列を立て直すぞ!」
前衛オペレーター
「はっ!」
アーミヤ
「ドーベルマンさん!来てくれたんですね!」
ドーベルマン
「アーミヤ、緊急事態だ。私の小隊もレユニオンからの攻撃を受けた。
そちらも同様だろうと推察し、急行してきたというわけだ。」
アーミヤ
「レユニオンは、どうして私たちを襲撃したのでしょうか·····?」
ドーベルマン
「感染者のための組織·····盲目的な思想を持つ危険な集団だとは思っていたが―
―まさか武力蜂起するとはな。しかもウルサスの都市を選ぶなぞ正気とは思えん。
この状況は、さらなる混乱を招くことになるだろう。
アーミヤこれ以上巻き込まれる前に、すぐにチェルノボーグを離れるぞ。」
アーミヤ
「わかりました。ドクターの救出にも成功しましたし、計画通り撤退しましょう。」
ドーベルマン
「―この方が·····Dr.希依那か?」
ドクター
「あぁ――」
アーミヤ
「はい、そうです。」
ドーベルマン
「Dr.希依那、この私のことは知らないかもしれんが、アーミヤのことはわかるだろう。安全のために――」
アーミヤ
「あ、あの·····。
ドーベルマンさん、今のドクターは状況が芳しくなくて。
簡単に言うと、ドクターは·····記憶喪失なんです。」
ドーベルマン
「なに?記憶喪失だと?
·····困ったな。そんな状況で指揮権をドクターに委ねようとしているのか·····。」
ドクター
(…この人…厳しいというか…常識人なだけ?)
アーミヤ
「ドクターは指揮官としての能力は失っていません。
少なくとも、先程の戦いでそれは確認できました。」
ドーベルマン
「·····
わかった·····。私は簡単にこの眼で見ていないものは信じることはできんが·····
アーミヤ、お前を信じよう。」
ドクター
(えぇ…納得しちゃうの…?)
アーミヤ
「·····ありがとうございます。」
ドーベルマン
「Dr.希依那、私は行動隊E1の隊長、ドーベルマンだ。
お前をこのウルサスの都市―チェルノボーグから我々のロドスまで送り届けてやる。」
ドクター
「あぁ、よろしく頼む。」
ドーベルマン
「あぁ。…本題に入ろう。
ここはチェルノボーグの中枢エリアに位置している。西側から即時撤退するのが得策だろう。」
アーミヤ
「ですが···当初のプランでは西の合流地点に私とドーベルマンさんの部隊がいちど集結し、撤退信号を出して待つ·····。
そういう計画になっていました·····。」
ドーベルマン
「計画通りに事が運べば良かったのだかな。
とはいえ、Dr.希依那をあのチェルノボーグの棺桶から救出するのは今日が最後のチャンスだったからな。仕方なかろう。
だが·····嫌な予感がするな。」
ドクター
(棺桶…?)
医療オペレーター
「ア、アーミヤさん!」
アーミヤ
「どうしましたか?」
医療オペレーター
「ロ·····ロドスから通信が入りました!」
アーミヤ
「つながったんですね!まさか、ケルシー先·····。」
???<誠に残念ながら、違います。>
アーミヤ
「PRTS·····?」
PRTS
<アーミヤ様、ご報告いたします。ニューラルコネクタへの緊急接続要請が予期せぬ形で実行されました。
現在、ロドスも通信妨害を受けており、接続が可能なのはニューラルコネクタのみとなっております。
そのため、電波を使用した通信では、まだロドスに帰還していないケルシー様にコネクトすることはできません。
何はともあれ、アーミヤ様の安全が確認できましたので、現時点での私のミッションは完了となります。>
ドーベルマン
「こいつ·····。
こんな時に脳天気なことを。」
PRTS
<ニューラルコネクタによるロドスの指揮を行う必要がなければ、まもなく接続が切断されます。では、せっかくの皆さまのパーティのお邪魔をしたということであれば、謹んでお詫び申し上げます。>
アーミヤ
「待って!切らないで·····
手伝って欲しいことがあります。
ドーベルマンさん、ドクターにはこれが必要です。」
ドーベルマン
「わかった、急げ。」
アーミヤ
「ドクター、このPRTSも私たちの·····仲間です。次に何をしたら良いのか教えてくれるはずです。
今は時間がありません。急ぎPRTSでロドスの支援ネットワークに接続してみます。
そうすれば、これを利用して優位に指揮ができるはずです。
声を出して指揮を取るのとは違いますから、
初めは慣れないかもしれませんが、上手く利用できれば救援作戦が順調に進むはずです。
·····私を信じてください。そしてドクターの思うがままに、ドクターが慣れている通りにやってみて下さい·····
PRTS·····始めてください。」
PRTS
<管理者としての権限認証が必要となります。識別方法を選択してください。>
アーミヤ
「あの、ドクター····何か喋ってみてください」
ドクター
「んー?こう?」
PRTS
<なぜ画面の中央にタッチしたのかは理解できませんが·····―
―あなたの指紋の識別が完了致しました。
プロファイル確認、権限レベル:8
―おかえりなさい。Dr.希依那。>
紺子は<かんし>と読みます医療用のハサミみたいなものです。
ヘクサメタゾンはデキサメタゾンと言うステロイドの一種ではないかと思いますで、そのデキサメタゾンは免疫の強化などに使われるそうです。