歩夢としずくと侑真達は、侑の親戚の叔母の家に向かっていた。
「実は、歩夢達に相談してほしいの。」
「何、侑ちゃん、詳しく話して。」
「ええ。」
「一体、何があったんだ。」
と、侑真は侑に言った。
「実は、私の叔母さんが、最近酷く脅えているの。」
「な、何だって、それどういう事。」
「おばさんは、誰かに脅迫されているの。」
「とにかく、その家に行って見よう。」
「ええ。」
歩夢達は、侑の叔母・河井悦子のマンションへ向かった。
「あっ、おばさん。」
「助けてー。」
「おい、何やってる。」
「ちっ、くそー。」
と、男はその場で走り去っていった。
「おばさん、大丈夫。」
「ああ、ありがとう。」
「一体、何があったんだ。」
「玄関を開けたら、突然に私を襲ってきたの。」
「相手は男か女かわかるか。」
鶴岡は、悦子に言った。
「そうね、男で確か20代か30代ぐらいのね。」
「悦子おばさんは、最近脅迫されているみたいですね。」
「ええ、何でそうなったのかは私にもわかんないの。」
「なるほど、脅迫の挙句に叔母を襲うなんて。」
「やっぱり、何か事件になって来たな。」
「ええ。」
「これは、何かあるぞ。」
そして、ほぼ同じ頃。
警視庁のパトカーがサイレンを鳴らして、奥多摩へ向かっていた。
「主任、被害者の身元が判明しました。」
「本当か。」
「住所は鹿児島在住の河井宗幸さん、57歳です。」
「それで死因は。」
「この犯行からすると、撲殺ですね。」
「えっ、撲殺。」
「被害者の河井は、誰かに殴られて殺害したんでしょう。」
「ええ、考えられるな。」
歩夢達が、鹿児島で叔母の家に行っている時に奥多摩で殺人事件が発生したのだ。
東京中央鉄道公安室・公安特捜班
「この奥多摩で殺害された河井は、奥多摩へ行って何者かに殴られて殺害したんだそうです。」
高山は高杉に言った。
「犯人は、河井に恨みによる犯行ではないかと思うのか、高山。」
「ええ、そこが問題ですよね。」
「うん、河井に何があったかだ。」
「ええ。」
そこへ、南がやって来た。
「おい、鶴岡、鶴岡はいないのか。」
「主任、鶴岡は休暇で鹿児島へ行っていますよ。」
「ああ、そうか、鶴岡は休暇で鹿児島へ行くって言ってたな。」
「今頃、鶴岡は鹿児島で楽しんでるんでしょうな。」
と、高杉は言った。
「鹿児島か。」
「指宿へ行ったら、砂風呂にも行くんだろう。」
「そうよね。」
小海が言った。
「結構、人気だそうだな。」
「ええ。」
「それに、桜島へ行った後は指宿へ行くんだろう。」
「そうだな。」
そして、謎は深まって来た。