この物語は
「皆こんぺこ〜!今日も元気いっぱいぺこな〜」
「姫様こんぺこ〜」「ぺこちゃんこんぺこ〜!」「もちろんぺこ!」「いい天気ぺこな〜」
太陽が真上近くまで上った、雲一つない澄み渡る青空。
そんな空の色をしたツインテールの髪に何故かにんじんを一本ずつ挿している、若干際どいバニーガール衣装に身を包んだ兎耳少女と、この少女を真似るかのように同じく耳の付け根ににんじんをつけている、小さなまん丸の兎たちの声が城下に響き渡る。
ここはぺこランド。一風変わった兎たちが平和に暮らしている小さな国。ぺこランドのシンボルである大きなぺこランド城が今日も城下を暖かく見守っている。
そんな穏やかな空気が流れている国の中心にある、ぺこ〜らスクエア、通称ぺこスクに響く声の持ち主の兎耳少女の名前は兎田ぺこら。
バニーガールの格好に、どんちゃんという名前の兎のマフラーをしていて、水色より少し濃い色をしたツインテールの髪の毛ににんじんを刺しているのが特徴的だ。
かなり奇抜な見た目だが、なんとこの国を治める正式名称兎田王朝ぺこランドの女王であるぺこママの1人娘、つまりお姫様である。
体を揺らしたり、跳ねたり、動かなかったり、各々の好き勝手に姫に挨拶しているこの頭だけの兎たちはぺこランドの国民である野うさぎたちだ。
野うさぎたちはにんじんが大好物でいつでも食べられるように、両耳の付け根に小さなにんじんがついているのが特徴である。
大きさも様々で手のひらに乗るサイズのものもいれば、ぺこらの膝の高さまである野うさぎもいる。
野うさぎたちはぺこランドの国民であることは間違いないが、いかんせん野うさぎたちはぺこらの子分やお供としての自覚の方が強い。
なので、だいたいいつもぺこらが城下に出てくると家来のようについて回っている。
そんな野うさぎたちはぺこらに今日も騒々しく問いかける。
「今日は朝から早いぺこな」「姫が早起きなんて珍しいぺこ〜」「もしかしてこれから嵐ぺこ!?」
「ぺこちゃんのせいで洗濯物干せないぺこよ〜」
「失礼ぺこね!てかあんたたちは洗濯物なんてないぺこでしょ!」
「そうだったぺこ」「俺たち何も着てなかったぺこ」「勘違いだったぺこ…ごめんね。」
「いいよ。確かにぺこちゃんも今日は珍しいと思ったぺこだし」
ぺこらと野うさぎたちの間ではお約束となりつつあるやりとりをしつつ、野うさぎたちは再びぺこらに問いかける。
「それで今日はどうしてこんなに早起きぺこか?」
「よくぞ聞いてくれましたぺこ!皆さん!今からぺこちゃんは冒険の旅に出るぺこ‼︎」
「ぺこ!?」「嘘ぺこでしょ!?」「あのニー…引き…あんまり外に出ないぺこちゃんが⁉︎」「やっぱり嵐が来るんだぺこ‼︎」「急いでぺこママ…じゃなかった…女王様に知らせるぺこ‼︎」
ぺこらが冒険に出ると言い出すと蜂をつついたような騒ぎになる。
先程といい、野うさぎたちは基本的にぺこランドの姫という高貴な身分である、ぺこらに対して遠慮がない。
「言ってること全部同じぺこ!!ほんとにあんたたち失礼ぺこね!これでもこのぺこランドのお姫様ぺこよ!もうちょっと敬意を持とうととか思わないぺこか!?」
ぺこらは野うさぎたちの些か無礼な物言いに対して苦言を呈す。
「そう言われてもぺこな…」「ぺこちゃんからは威厳を感じないぺこだし〜」「親しみやすいってことぺこだし良いことぺこ」「そうぺこそうぺこ」「姫様優しいぺこだし」「かわいいぺこだし」
「そうぺこか…?/// なら許してあげるぺこ!」
「…チョロいぺこ」「チョロいぺこな」「チョロチョロぺこ」
「…なんか言ったぺこか?」
「なんでもないぺこ!」「そうぺこ!」
野うさぎたちお得意口先三寸の口八丁でぺこらを上手く丸め込むのもいつもの光景である。
逆の場合もしばしば見受けられるのは、子分?家臣?は親分や上に似るという証だろう。
「そ、そんなことより何で急に冒険に出るぺこか?」
「…まぁいいぺこ。それぺこなんだけど、今まであんたたちとはたくさん遊んできたぺこな」
「遊んだぺこ」「めっちゃ遊んできたぺこ」「むしろ俺たちとしか遊んでないぺこ」
「まさにそれぺこ!!」
「ぺこ?」「どういうことぺこ?」
テキトーに言ったことがヒットしたことに、野うさぎは困惑する。
「ぺこちゃんはぺこちゃんと同じ人間種の友達と遊んだり買い物したりお喋りしたり遊びたいぺこ‼︎」
「あ〜」「なるほどぺこな」「大事なことだから2回ry(」「確かにそれは俺たちも薄々思っていたぺこ」
「ぺこちゃんもそういう事したいぺこよね〜」「俺たちじゃ出来ないこともあるぺこだしなー」「姫様…野うさぎたちじゃ力不足だったぺこか…?」
ぺこらの理由を聞いて納得する野うさぎたち。
…と一部の杞憂民と呼ばれる心配性の野うさぎがちらほら。
「あんたたちと遊ぶのは楽しいぺこ!それは本当ぺこ!いつも遊んでくれてありがとぺこ!」
「えへへ」「わかってるぺこ」「冗談ぺこ」「こちらこそぺこ」「嬉しいぺこ」「姫様優しいぺこ」
野うさぎたちのアイドル兼、長兼、友達兼、世話が焼ける子供兼、ガチ恋兼と様々な側面から見られているぺこら。
そんな野うさぎたちがぺこらを困らせたくてわざと言っている節も否めないので、一概に杞憂民と分けられないなど、なかなか野うさぎたちはめんどくさいのだ。
「でもやっぱりお洋服の着せ替えっことか、あんたたちとは話せないガールズトークとか、そういうことがしたいぺこ‼︎」
ぺこらは心の片隅にあった自らの願いを野うさぎたちに吐露する。
「それにママとぺこちゃん以外、ぺこランドに人間族がいないのはあまりにもおかしいぺこ!ママに聞いてもこれに関しては暗い顔して答えてくれないし…」
同時にぺこらママが娘であるぺこらに唯一口を開かない謎に対しても、自らの思いを野うさぎたちに語る。
「言いたいことはわかるぺこ」「姫も女の子らしいことしたいぺこよな〜」「俺たちに言えないこともあるぺこもんね」
めんどくさい野うさぎたちがいるのも事実だが、基本的に全野うさぎに一致しているのはぺこらの事が大好きだということだ。
だから自分たちの長であるぺこらの気持ちを精一杯汲もうとするし、ぺこらの願いは出来るだけ叶えてあげたいと思うのだ。
「特に問題なかったから放置してたけど、考えれば確かに不思議ぺこよねー」「俺たちもいつのまにかぺこランドにいたぺこだし、雄っぽい野うさぎがほとんどなのも不思議ぺこだし」「そう考えると謎がいっぱいぺこな〜」
「でしょ⁉︎ だから友達を作りながら、この謎を解き明かして行く旅に出るぺこ!行くよ!あんたたち!」
「理由はわかったぺこだけど、今すぐ出発するぺこ?」「ぺこママOK出してくれたぺこか?」「え〜俺たちも行くぺこか〜」「正直めんどくさいぺこ」
「うるさぁい!!!ママもいいよって言ってくれたし、旅の準備もあんたたちがするんだから、いいからぺこちゃんについてくるぺこ!!あんたたちには剣となり盾となり荷物持ちになってもらうっていう大事な仕事があるんだから文句言わずに来るぺこ!!」
「横暴ぺこー」「ブラック企業反対ぺこ!」「俺たちしか働いてないぺこ」「ひどすぎるぺこ〜」「まぁ姫が横暴なのはいつものことぺこ」「別にぺこちゃんのことは心配じゃないけど、何かあったら女王様に申し訳ないからついていってあげるぺこ」
「仕方ないからついて行ってやるぺこ」「感謝するぺこ」
「最初からそう言いなさいよあんたたちは!まぁいいぺこ。それじゃあ壮大な謎を解き明かす冒険の旅に出発ぺこ!!」
「「「「「おー!!」」」」」
続く。