Mercenary Imperial Japan  〜幕府〜   作:丸亀導師

7 / 21
仕事の関係上遅くなりました。申しわけありません



家綱の治世3

1666年 日本と明の間に相互防衛条約である、南京条約が締結され、清との徹底抗戦がこれにより確定した。もっとも、既に戦端を開いて20数年が経過しているがため、もはやそれはあまり意味のないものとなる。

 

それと同時に、日本は東南アジアの方面への力を強め始めた。これは、清が西侵を続けていく中で背後に存在する現在のベトナムやラオスが、此の基に乗じて戦端を開く可能性を秘めていたからである。それ故に、いかにして味方に付けるかを真剣に考え始めていた。

 

1667年 アメリカ西海岸に第二回移民船団が上陸する。これ以降、土地を追われたものや流刑者。大学寮で居場所を無くした者たち等が定期的に往来し、発展を始める。日本の大航海時代である。

 

清の後ろ盾を失った李氏朝鮮が、渡河作戦を行おうとするも南鮮守備隊によって悉く討ち取られる。また、このとき討ち取られた者たちの耳が塩漬けにされ、李氏朝鮮へと送り届けられる。突如として、居城の門前に現れたそれに李氏は恐慌状態に陥ったという。

 

 

1668年 この年は学問の年と言われる。洋の東西に関わらず多くの学者が学寮内で意見の交換を行った。

特に注目を浴びたのは、回転する物体。つまりはコマ等の玩具から、真っ直ぐに直進する矢の特性に関するものだ。

此れ等を、数字に当てはめた。

 

これが、ある種の始まりとなった。天文学だけに留まらず、様々な物理現象に対して、数字で答えを導き出そうとした者達。彼等は理衆(ことわりのしゅう) 《①》と呼ばれる。

 

清との戦は、この後数年間の間大きなものもなく。ただただ、長江を挟んで対立を続けた。

 

 

1669年 フィリピンに存在した日本人街がフィリピン総督府に対して、抗議活動を開始する。比街の変《➁》これによって、フィリピンで行われていた、日本人商人に対する重課税金を禁止に追いやり、逆にフィリピン人の商人は課税がより多くなる。

 

家綱日本国内の大名へ、石高制から徴税制への段階的な変更を始める。一部国内での反乱分子が現れる。

藩と幕府による多重課税によって、国内の割合が多くなるとともに、一部承認による藩との癒着の原因となった。

 

 

1670年 欧州から燐の発見が日本国へと伝えられると、それの製造方法で作り出されるものと、国内にある自然燐が同様のものかという議論と実験が行われる。これによって、自然にあるものを人間が作り出せるということを理解した理衆は、同様に様々なものを作り出そうとする。

神話にある神々の行った事を立証することとなるが、これによってより皇室に対して信仰が増えていく。

 

この年、日本国内で一人の無名の絡繰師が初期の蒸気タービンを使用して、川や澤の遠い村に水を引き貯水池を作り出す。大量の薪を使用するそれは、実用性に乏しいものであったが日本の産業革命の先駆けとなる、偉大な実験であった。

 

 

1671年 明の統治する長江以南の土地で不穏な動きが始まる。反乱の兆しか、はたまた一揆か。ともかく、この出来事で明国内への軍事的なプロセスをより強力なものへとしていった。

 

清国が第一次征西を完了する。 

 

日本国内で、武士の影響力の低下が見られるようになるとともに、幕府自体の政体へ商人が絡んでくる。金を忌避した政治が金を中心とする政体へと、変化をし始める。

金本位制の導入が決まった。

 

 

1672年 明国内の大領三藩内部で大規模な反乱が発生する。三藩の乱《③》

乱の鎮圧後、この乱が清によって行われていたことが発覚すると、日本国内に存在した日本海軍が出撃し、北京の港に対して大規模な襲撃を行う。

 

長江に存在する、日本城式石塁が清によって一部突破され武漢が占領される。

 

 

1673年 日本軍がその保有する戦力の三分の一を中国大陸へと差し向ける。国内での治安は、新しく警察組織である警邏隊が組織され、大まかな武士という存在に軍人として軍士、警士、に分けられることとなる。《④》

 

武漢に対して攻勢を開始し、軽微な損害を出しつつも再占領する。ことここに至って、明と清で国民の相違が現れ始めていた。

また、日本はこのとき既に一つの大きな国としての意識が芽生えていた。

 

 

1674年 各地にて、清国との戦闘が継続的に行われる。

日本領南朝鮮において、日本軍攻勢を開始する。李氏朝鮮、頑強に抵抗を始めるも、数ヶ月のうちに平壌まで前線が後退するが冬季での攻勢が断念される。

 

 

1675年 清軍、北部朝鮮にて日本軍へ攻勢を行う。このとき、日本はすぐに後退し、再び暫定国境へと後退する。

 

戦争での捕虜の取り扱いに対して、日清の間で秘密協定が始まる。捕虜交換を北部朝鮮にて行われるようとする条約が制定される。平壌の約定《➄》

 

 

 

 

 




① 理衆(ことわりのしゅう):日本国内で存在した物理学者集団という設定。物理学というよりも数学や科学、化学もこの中には入っており、幾つかの集団で分かれていた。

➁ 比街の乱:フィリピンはルソン島に存在していた日本人街の商人たちによる、スペインのフィリピン総督府に対する大規模な反乱。このとき、総督府内の多くの役人がスペインへと逃げ帰り、凡そ半数が現地人と日本人に置き換わった。

③ 三藩の乱:現実の世界にも存在しているが、この世界の場合は清によって焚き付けられた労働者階級。特に貧しかった、農民達が中心となって、行われた。まともな武器も戦術も持ち合わせておらず、周囲の街や村から煙たがられた者達は、まともな抵抗もなく敗北した。

④ 武士:この世界での1673年以降の定義。
軍事に特化した者=軍士
警察行動いわゆる町奉行などの治安維持関連=警士
国庫の会計、文官のようなもの達=公士
幕府直轄の学寮の研究者並びに学者たち=学士
道路の保全並びに測量、地図作成=測士


➄ 平壌の約定:戦争によって溢れた双方の民間人の捕虜を交換する事を記されたもの。
あまりに多いため、互いに捕縛しておく場所もなく。かと言って、放置すれば疫病の原因にもなるため致し方なく制定された。




誤字、評価等よろしくおねがいします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。