渋谷で百鬼夜行が行われるジャンプの漫画に転生したんで、平安の今から準備する   作:三白めめ

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エピローグ


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原作:ぬらりひょんの孫。クロスオーバーは概念だけ


 ぶつかり合った際の時間異常だかなんだかで、俺と晴明、ゆらちゃんはこたつの部屋にいた。陰陽寮で俺が作ったあの結界内のところだ。

 

「……どっちが契克で、どっちが道満だ?」

 

 まあ、今の俺とゆらちゃんはどっちも銀髪オッドアイなのだが。

 

「私がこっちだね」

 

 晴明と話すときは、やっぱりこの話し方の方が楽だ。なんか、コイツの場合はこうって感じなんだよな。

 

「なあ、結局どっちが勝ったん?」

 

 どことなくそわそわとしているゆらちゃんだが、確かにそれは気になる。祖先の記憶というか道満の記憶も経験したとはいえ、ゆらちゃんもお年頃(中学生)なんだろう。勝ち負けにこだわるのは俺も覚えがあった。というか、俺も気になる。

 

「……引き分けじゃないか?契克以外」

「なんで???」

 

 唐突にハブられたことに遺憾の意を示すが、「お前は一度負けているだろう」と言われて納得した。戦績で言えば一敗ではあるな。

 

「というか、こんなかやとアンタが一番弱いんやない?」

「いやいや、まさかそんなはずが……あるね……」

 

 俺、ゆらちゃんにも晴明にも負けてるじゃん。マジか。ちょっと凹む。

 そんな風に適当に駄弁っていると、なんかこのまま延々と話せそうだなと思えてきた。

 おもむろに、晴明が立ち上がる。

 

「契克、道満──今は花開院ゆらだったか。私は先に戻るとしよう。百鬼の主として、戦わなければならない相手がいる」

 

 ああ、奴良くんか。彼、領域内にいる自身の百鬼夜行の畏全部使えるとかいう詰め合わせセットだっけ。でも、勝てるか?

 

「なあ、アンタ、あの守りはどうしたん?」

 

 ゆらちゃんの指摘に晴明の方を見れば、例の無下限バリアがなくなっている。術式が焼き付いたんだろう。あの出力をインターバルほぼなしで撃てばそうなる。おそらく、奴良くんとの戦いではまだ戻らないだろう。

 

「奴良リクオも、吉平との戦いで術式が焼け付いている。あとは、鵺とぬらりひょんの戦いだ」

 

 例の刀──魔王の小槌を取り出す晴明。そういえば、あれ刀だったな。ずっと射出して使ってたから飛び道具かと思ってた。

 けど、鵺と奴良くんの戦いか。原作からしてそうなるんだろうな。もう原作なんてあてにならないけど、ある程度の指標にはなる。

 

「お前たちとの術比べは、本当に得難い一時だった。背負う物の多かった玉折の時よりもよほど」

 

 結界の外へ歩き出している彼の顔は見えないが、その声音は確かに楽しそうだった。

 

 

「ああ、それと。今自覚できたんだがな」

 

 晴明は振り返る。平安で見慣れた、いつもの表情。

 

「寂しいものだ。一人はな」

 

「寂しんぼか? まあ、それは私もこの前知ったんだけど」

 

 そんな軽口で終わって。結局、この部屋でのいつもの別れ方になった。

 


 

 まず、俺とゆらちゃんは別に死んでなかった。晴明のやつ、最後に反転術式で俺たちも治していったらしい。なんか、余裕っぽくてムカついた。来世で会ったらリベンジマッチ挑んでやろう。絶対に。

 なんか魂の形がどうので、俺はゆらちゃんと同じ見た目と同じになった。──ゆらちゃんの見た目も変わってるんだけど。

 

 戦いが終わって半年。世界は変わった。たぶん、いい方に。

 呪霊、妖怪、悪魔──呼び方はなんでもいいが、とりあえずソレがあるということが一般化して、国が対策を立ち上げるまでさほどかからなかった。陰陽師の才能のある若者を集めた学び舎──東京都立呪術高等専門学校が設立され、京都にも京都校が開校。公安警察が公安対魔課を設置した辺りで大笑いした。クロスオーバーにもほどがあるだろう。東京でヤクザだとかがドンパチしたことでこうなったのか?

 

 進路として、奴良くんや鳥居夏美は呪術高専に。若者なんだから、青春を楽しんでほしい。俺とゆらちゃんは京都校の方に入学。高校を卒業する年齢になった竜次が先生をやっているのだから、絵面が向いていなかった。京都と東京で交流戦を提案してあるから、その時が楽しみだ。

 

 俺が産んだ方の羽衣狐は、蘇った方の羽衣狐と戦ったらしい。決着していないが、なんか複雑な気分だ。別に母性は湧いてこない。というか、ゆらちゃんが俺が産んだ方を調伏した。式神にして術式反転でその力を獲得と、もはやどこに向かっているのか分からない。向こう千年間の最強枠でも狙っているんだろうか。

 

 さて、当の奴良くんだが、人を守るために百鬼夜行の主と陰陽師の二足の草鞋をやり通すらしい。吉平くんは、基礎を鍛え上げてなんでも自分一人でできるようにした努力家だったからな。ある意味ではリクオと逆と言える。陰陽師であることを選んだ吉平くんと、妖怪であることを選んだ奴良くんでお互い思うところがあったんだろう。何かを見つけられたなら、それでいい。きっと、悔いなく死ねたんだろう。

 

 もしかしたら、死ぬときは誰だって独りなんてことはなく、術師でも悔いなく死ねるやつが多いのかもしれない。なにせ、この世界は呪術が廻って、ぬらりひょんに孫がいて、なんかもうメチャクチャな世界なのだから。

 だから、このあとの人生も、銀髪オッドアイの平安特級術師としてブイブイ言わせるくらいでいいだろう。ひとまず、交流戦で無双しようか。

 まあ、原作:ぬらりひょんの孫。クロスオーバーは概念だけな世界ではあるけれど。晴明や道満、心結心結に空海、奴良くんにゆらちゃんといろんな連中の結果な今のこの世は、楽しいことに変わりないのだから!




投稿に間が空いてしまいましたが、ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました!
感想や評価、アクセス数は大きな励みになりました。まさかの日刊ランキング一位獲得などもあり、思いついて見切り発車した一発ネタで完結に至ることができたのはひとえに皆様のおかげです!
改めて、本当にありがとうございました!
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