魔剣異聞録~The Legendary Dark Slayer/Zero   作:月に吠えるもの

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ガリア王国の闇編
Mission 71 <奮戦始末記-Love nest>


 

トリステイン魔法学院の正門には今、これまでにない門番役が控えていた。

「ルドラよ。やけに中が騒がしいようじゃが」

「兄者よ。此度(こたび)はここで祭事(まつりごと)が行われるのじゃ」

入口に入ってすぐ両脇に備えられた大きな台座。その上に鎮座する朱と碧の巨体を有する首のない鬼。

胡坐の前に突き立てられる分厚い刀の柄頭の顔面の彫刻ははっきり口を動かして喋っている。

「祭事とな?」

「然り。今しがたこの門を通りし若き女王が祝福を与えるのじゃ」

ほんの一時間も前、昼過ぎ時の魔法学院には客人である一団の馬車が訪れていたばかりだった。

その一行は出迎えてきたアグニとルドラに大層驚いていたが、学院長のオスマンが上手く取り成したのである。

スパーダが学院の守備を固めるために新しく設置したガーゴイル……みたいなもの、という触れ込みで。

現にアグニとルドラは、今日は厳重に見張っておいて欲しいとオスマンにも頼まれていた。

「祝福? 誰にじゃ?」

「知らぬ。誰に祝福を与えるのか?」

「魔剣士スパーダか?」

「アラストルの使い手やもしれぬ」

誰も周りに聴衆がいない閑散とした中でも、兄弟達は延々と喋り続けていた。

一週間前にこの学院に持ち込まれ、スパーダに門番としての役目を与えられてからもアグニとルドラは暇さえあればこうして語り続けている。

中庭を通りすがる生徒らは、スパーダがアルビオンから持ち帰ってきたガーゴイルという触れ込みのこの兄弟達を奇異の目で見たりと、面白がって見物する者が多かった。

少なくとも、無害な存在であることは誰の目にも明らかだったのである。

 

「ともあれ、めでたい日じゃ。我らはこの門を守る役目を果たすのみ」

「曲者に邪魔立てされぬようにせねば」

「うむ。何人たりとも、この門を通してはならぬ」

雲一つない晴天の日だろうと、雨の日だろうと、アグニとルドラは不満の一つも漏らさずひた向きに門番としての務めを果たし続けていた。

新たな役目を与えられるその時が訪れるまでは、いつまでも。

 

 

魔法学院の襲撃事件から一週間以上が過ぎていた。

本塔二階のダンスホールでは学院の生徒、教師全員が集まる催しが執り行われていた。

つい先日に修繕は完了し、授業も再開されてはいたものの、この日は特別に朝食の時点から学院長直々に全面休講が告げられている。

女王アンリエッタが正式にこの魔法学院を訪問することが前日に通達されていたからだ。

しかし、今回の訪問は行幸などでない。

 

整列する生徒達の視線は演壇に立つ女王と、その前に並んでいる男女達へと注がれている。

マリコルヌ、ギムリ、ギーシュ、レイナール、そしてティファニア。

「おい……! 本物の精霊勲章だ……!」

アンリエッタに付き添うのは新任の教師であるエレオノールで、彼女が両手に抱える広いケースの上にはいくつもの勲章が並べられていた。

生徒達は一様に目を見張り、溜め息を漏らす。

実家の親兄弟が武勲や功績で賜ったものを目にしたことがある者もいるが、大半は初めて目にする者ばかりだった。

 

――ありゃりゃ。しまんねえ連中だなぁ。

 

「ガチガチね~」

「姫様を前に何やってんのよ……! 失礼ね……! もっとシャキっとしなさいよ……!!」

ルイズは憮然とする中、キュルケはこっそりと失笑してしまっていた。

今日一番の主役達は全員が緊張に身体を強張らせてしまっている。

特に男達は姿勢をビシリと真っ直ぐに、極端なほどに正していた。

参列者達には見えない表情に至ってはギーシュを筆頭に口元は硬く結ばれ、完全に目が泳いでいた。

主君を前にして情けない顔を浮かべる男達にエレオノールは顔を顰めるが、アンリエッタは反対に穏やかな笑みを浮かべて一行を宥めかける。

「みなさん。どうか楽になさってください。あなた達はトリステインの危機を救った英雄なのですから。何ら恥じる必要はありませんよ」

そう言われてティファニアは軽く吐息をしてリラックスするが、男達は失敗した。

ギーシュはいつもの余裕をすっかり失い、誇らしそうにしようと笑顔を作ろうとしても、どうしても引き攣ったものになってしまう。

初めての叙勲というものは、それほどまでに大きな緊張とプレッシャーをもたらす儀式なのだ。

「……女王陛下」

呆れ気味に軽く咳払いをするエレオノールはケースを差し出した。

アンリエッタは気にした風でもなく勲章を一つ取ると、まずマリコルヌの首にかけていく。

 

この日行われる叙勲式は、五人の英雄達をアンリエッタが直々に讃えるためのものだった。

アルビオンの謀略によって引き起こされ、アンリエッタ自身も巻き込まれた魔法学院の占拠。あの忌まわしい事件を解決に導いたのはこの五人。

 

ギーシュを筆頭にした四人の男子達の勇気と奮闘は他の者達にも伝搬し、次々に敵へと挑みかかった。

ドットメイジでまだまだ一介の学生に過ぎないはずなのに、その勇ましさと奮戦ぶりは現役の騎士達にも匹敵したのだ。

そして、過酷な戦いの中で傷ついた者達を救ったのは、編入してきたばかりのティファニアだった。

彼女は失われかけた命を救う奇跡を起こし、自らの魔法で戦いすら終息させてしまった。

 

脅威に晒された国の未来を担う貴族の子息女達は、この五人によって救われたのだ。

ましてやアンリエッタがそれを目の当たりにしている以上、勲章を授けられるのは当然というべきだった。

 

最後に勲章をかけられたティファニアの手をアンリエッタはそっと手に取り、微笑んだ。

「ありがとう、ティファニア。あなたのおかげで、みんなが救われましたわ。……そしてあなたも無事で何よりでした」

「は、はい……」

感謝と思い遣りの言葉をかけられたティファニアは目を丸くしていた。

見ればエレオノールも毅然としながらも同様の想いが込められた穏やかな眼差しを向けている。

 

この一週間、ティファニアは大勢の生徒達からそれまで以上に注目を集めるようになってしまった。

無理もない話だった。何しろ、死の淵に立たされたギーシュの命を救うという奇跡を起こしたのだから。

おかげで、それまで反感を抱いていた女子達は態度が軟化して尊敬の眼差しを向けてくるようになった。

だが少し困ったことに、男子達にはそれまで以上にアプローチされるようになってしまった。

『奇跡の天使』だの『救いの女神』だのと崇拝にも似た感情さえ抱かれるようになってしまったのだ。

おかげで日中は一人だけで静かに過ごすなんてますます無理な話になり、男子達を宥めてくれるカトレアから離れられなくなってしまった。

時折通りがかるエレオノールが彼らを追い払ってくれたりしなければ、とっくに参ってしまっていたことだろう。

(マチルダ姉さん、喜んでくれるかな……)

学院長の秘書ロングビルこと保護者のマチルダは、未だ学院には戻っていない。

事情はスパーダから聞かされてはいるものの、やはりティファニアには少し心細かった。

 

次にアンリエッタはギーシュの前に立って謝辞を述べた。

「ギーシュ・ド・グラモン。あなた達の勇気が、多くの大切な人達を救うことになりました。心より感謝を申し上げますわ」

「は……はいっ……! わ、わ、わ、わたくしの……力添えが……じょ、じょ、女王陛下と……が、がく、学院の方々を、お救い……でで、で、できたことは、ままま、ま、ま、誠に光、栄で……ごご、ご、ご、ございます……!!」

上ずった声を震わせるギーシュに、参列者達からは盛大に呆れと失笑の溜め息が溢れだす。

モンモランシーは苦笑しつつも、仕方がなさそうに小さく肩を竦めていた。

彼自身が望んでいたであろう本物の英雄になれたのに、それを感じさせないのがある意味ギーシュ・ド・グラモンらしいと言える姿だった。

 

 

「あれでは先が思いやられるな……」

式典の会場であるホールにはアンリエッタに随行していた騎士達が数人、警護として控えている。

その中には銃士隊の隊長であるアニエスの姿もあり、バルコニーに続く窓の近くに立っていた。

「ならせいぜい、連中をしごいてやることだな」

隣ではスパーダが腕を組みながら僅かに口元を歪めて薄い笑みを浮かべている。

「そうだな……あんな情けないザマでは、とてもやっていけん」

言いながらもアニエスは背負っているアラストルの柄に触れていた。

 

神聖アルビオン共和国、レコン・キスタが壊滅したことは既にハルケギニア中に広まっている。

ちょうどスパーダ達が学院に戻ってきた翌日にガリア王国から、アルビオンの首都を占領し降伏させたという声明が発表されたのだ。

この報にトリステイン・ゲルマニア両国の首脳陣は大層驚き――事実を知るアンリエッタ達は除いて――混乱したという。

中立だったはずのガリアが人知れず参戦し、トリステイン・ゲルマニア両国を差し置いて自らの主導で収拾してしまったとあっては、驚くのも無理はない。

ガリアからの声明には、『我が国を脅かしたアルビオンへの報復戦』と称されていたのである。

事実は異なるのだが、悪魔によって首都が荒らされたことから各国は納得せざるを得なかった。

 

アルビオン大陸に向けて遠征しようと意気込んでいた多くの将軍達はガリアの横槍という、実に釈然としない形による戦争の終結に納得がいかない様子だったそうだ。

せっかくの武勲を立てる機会を奪われてしまい、湧き上がっていたはずの戦意は不完全燃焼に終わってしまったのだから、大いに不満であろう。

ともかく、タルブでの戦役を発端にした戦争は、僅か数ヵ月で呆気なく終わりを迎えたのである。

 

「しかし、お前の弟子とやらは惜しいな。聞けばあの男もアルビオンの刺客を屠るのに力を尽くしたと聞く」

アニエスは会場の一角に見える黒髪の男を見やった。

演壇の脇にはオスマンを筆頭に教師陣が並び控えている。そのさらに後ろの壁際ではモデウスが他の騎士達に混じっていた。

両手を背中に組んだままじっと式典の成り行きを見つめる瞳はとても穏やかだ。

「奴は勲章など興味はないからな」

実は今回、勲章を授かるのは本来七人のはずだった。

アンドバリの指輪で蘇ったワルドの本体を死体も残さずに葬ったコルベールに、共に戦ったモデウスもその功績を認められたのである。

だが二人は勲章をもらうのを辞退した。

モデウスは言わずもがなであるのと、「コルベールを手伝っただけ」とだけ述べていた。

そのコルベールは正当な功績を立てたのに固辞するのは意外に感じたものである。

 

――私なんかよりも、多くの人達を救った彼らにこそふさわしいものだ。

 

そう彼は述べたが、それはコルベール自身も同様のはずだった。

むしろ自分が救った教え子達そのものが、勲章だと言わんばかりの態度だ。

だが本人がいらないというのであれば、それも自由であるためスパーダはそれ以上詮索はしなかった。

 

「お前も本来なら、シュヴァリエの称号を与えられてもおかしくはないそうだがな」

「別に興味はない」

冷淡に答えるスパーダにアニエスは僅かに苦笑した。

スパーダやルイズ達もまた、レコン・キスタの盟主であるクロムウェルを討ち取るという絶大な功績を立ててはいる。

だがこれは非公式であるし、そもそもがスパーダの私的な用事――そちらは正直な話、失敗であったが――のついでによるものだ。

トリステイン・ゲルマニア両国を差し置いて単独での個人プレーで実質、敵国を壊滅させてしまったことが知れればややこしいことになってしまう。

 

「ところで、陛下の話をお前は受けるのか?」

「ああ。断る理由は別にないからな」

「……そうか。これから何かと世話になりそうだな」

スパーダは昨日、オスマンを介してアンリエッタから一通の手紙を受け取っている。

その内容は、スパーダに非公式ながらトリステイン官吏としての役職を与えたいと告げてきたのである。

 

王室客員顧問官、並びに魔法学院顧問指導官というのがアンリエッタから提案されたものだった。

 

どれも名誉職みたいなもので、特別権限が与えられたり給与などが発生するものでもない。

政府の中枢からは離れた閑職に等しいのだが、アンリエッタが何を求めているのかスパーダにはよく理解できた。

 

そのアンリエッタは緊張に強張ったままのギーシュに毅然と語り掛ける。

「あなた達が見せてくれた力と技は、この先も必要とされることでしょう。あなた達が心より信じる師の下で、これからもその力に磨きをかけてください」

「あ……」

そこまで言われてギーシュはハッとし、ちらりと横目でスパーダの方を見やった。

彼だけでなくマリコルヌ達や幾人かの生徒達も同様に彼へ視線を向けだす。

学院を救ったギーシュ達を鍛えた異国の貴族の剣豪。

彼自身がいてくれなくても、彼が鍛えた弟子達の活躍のおかげであの恐ろしい事件を乗り切ることができたのだ。

「いずれあなた達の力が、このトリステインの大きな力として役立てる日が訪れることを期待していますわ」

そう告げたアンリエッタは自らの手をギーシュの前に差し出す。

「おぉ……女王陛下」

ギーシュは感動の溜め息を漏らすとその場に恭しく跪いた。

それまで緊張で失われていたはずの余裕を取り戻し、差し出された手にそっと接吻する。

主君が臣下を認め、臣下が忠誠を誓うささやかな儀式。

それまでの無様な醜態を帳消しにしてしまうほど礼儀正しく、貴族らしい姿だった。

 

「オホン。では諸君――トリステインの危機を救った若き英雄達に拍手を!」

オスマンの一声に、参列者達からは盛大な拍手がホール中に飛び交った。

下級生から上級生まで180人もの生徒達による万雷の拍手は若い英雄達を祝福した。

教師達もコルベールやシュヴルーズ、特にカトレアは満面の笑みを浮かべて教え子達を祝する。

……極僅かながら、形だけで気のない拍手を送る生徒と教師もいはしたが。

 

控えめに拍手をするスパーダも表面上はそれに近かったものの、本心では素直にギーシュ達を祝福していた。

時空神像を使って見届けた彼らの戦いぶりは、スパーダを満足させたのだ。

ブラッディパレスでの修羅場の経験だけではない。守るべきものを守りたい、強い意志と心を爆発させたが故の成果だ。

特にギーシュの奮戦は、見ていて自然と笑みが浮かんでしまったほどに心地良い勇姿だった。

(確か、オンディーヌ騎士隊とか言ったな)

アンリエッタはあのギーシュ達をまた新たに新設する予定の近衛隊として登用するつもりでいることを伝えてきた。

正式に発足されるのはまだ先の話だが、それまでに彼らを今後も鍛えてやって欲しいと願ってきたのである。

 

――悪魔の知恵と力を、自分達に貸して欲しい。

 

スパーダに与えられる二つの役職には、そういう意味があった。

別段、スパーダとしては役職はともかく似たようなことはこの学院で行うつもりだった。

ギーシュ達を鍛えるだけでない。元の人間界で伝わる様々な錬金術の一部を、ここの人間達に教えることを決めたのだ。

スパーダの力だけでなく、彼らが自らの力で魔界の脅威に対抗できる(すべ)を少しでも身に着けさせなければならない。

 

実際、スパーダはかつて人間界でフォルトゥナの領主を務めていた時には、現地の住民に同じようなことをしていた。

このハルケギニアは魔界の脅威に晒されている。

いつ魔帝ムンドゥスや覇王アルゴサクスが本格的に動き出すか分からないのだ。

スパーダがいつでも面倒を見れる訳ではない以上、少しでも彼ら自身に知恵と力を身に着けさせてやらなければ、自分の身さえ守れなくなる。

メイジ達は魔法を使うが、それでも足りない。平民達なら尚更なのだ。

特にこの学院には、その術を授けなければならない少女が一人いるのだから。

 

 

魔法学院の裏手には一隻の船が係留していた。

一週間も前、スパーダ達が戻ってきた日の翌朝に現れた黒い船は、表向きには傭兵メイジ達の一団のものだった。

アルビオンで別れてきたウェールズ達は預かっていたアグニとルドラをスパーダに渡してひとまずはこの学院に身を置くことになったのである。

学院に常駐していた衛兵達は、アルビオンの刺客によって全滅してしまったので臨時として学院の警備を行うことになった。

現に、ウェールズを筆頭に彼らは叙勲式が行われた今日も学院の外で見張りを続けている。

最初は教師や生徒達にも、例の一件もあって不審者のように見られたが、スパーダが雇ったという話を聞かされてそれ以上気にかけることは無くなった。

 

夜も更けた頃、ウェールズは学院本塔の男子風呂で一人湯に浸かっていた。

(一人で使うにはさすがに広いな……)

入浴に対して正直な感想を心の中で独りごちた。

ここは本来、学院の教師や生徒、そして客人の貴族しか使われることを許されない。

立場上は平民であるウェールズなら入れないし、いつもは乗ってきた船に設けてあるサウナを部下達と一緒に使っているので本来なら入る必要もない。

 

意外なことに許可をくれたのはスパーダだったのだ。

曰く、「夜中なら空いてるらしいから、一人で使うくらいなら問題ない」とのことらしい。

他の部下達からも、「殿下もたまには羽を伸ばして欲しい」と後押しされたのもあり、仕方なく使わせてもらうことにしたのだ。

しかし、一人だけでこんなに広い風呂を占領してしまうというのもどこか気が引けてしまう。

いっそ部下達にも使わせてやりたいくらいである。

思えばまともな風呂に入るなど、数か月前にアルビオンのニューカッスルに籠城していた時以来だった。

これ程の大浴場に比べれば、非常にささやかなものではあったが。

 

「アンリエッタ……」

思わず呟かれた愛する女性の名。

今日はその愛する人が、この学院を訪れていた。

立場上、直接会うこともできなかったが、それでもアンリエッタの元気な姿を正門で遠巻きながら目にすることができた。

式典が終わるとすぐに帰ってしまったものの、それだけでもウェールズには満足だったのである。

何しろ、この学院が賊に襲われた時に彼女も巻き込まれたというのだから。

「政務に精励し過ぎて体を壊さないようにしてもらいたいな……」

「ええ……そうさせてもらいますわ」

失笑しつつ漏らした独り言に対するその返答に、ウェールズは思わず目を見開いた。

ここは男子風呂。にもかかわらず聞こえたのは女の声。

しかも、ウェールズの耳がおかしくなければその声の主は……。

 

「アンリエッタ?」

振り向けば、そこにはいるはずのないトリステインの女王……愛する女性の姿があったのだ。

当然ここは風呂。浴布を体に巻くどころか、前を隠すだけのあられのない裸体を曝け出している。

「どうしてここに? 君は王宮に帰ったはずじゃ……」

「あれは影武者ですわ」

困惑するウェールズをよそにアンリエッタは何の躊躇いもなく自らも湯船の中へと足を浸け、さらにそのまま身を沈めだす。

「影武者?」

「ええ。あまり使い過ぎないようにと、マザリーニには注意されているのですけど……」

くすくすと笑いを漏らしながら愉快そうに語るアンリエッタにウェールズは目を丸くしていた。

今日行われた式典が終わった直後、一度学院長室へ足を運んだアンリエッタはそこで再び学生服に着替えたのである。

スキルニルによる影武者を用意して先に帰らせた後は、またも編入生アンナとして学院に残ったのだ。

先入観というのは恐ろしいものだ。女王が馬車に乗って学院を後にしたのを誰もが目の当たりにしている以上、もうこの学院にいるはずがないと思ってしまうものである。

結局、生徒や教師達の大半は誰もアンリエッタの存在に気づかず残りの一日を過ごしたのだった。

 

「でも、どうして……」

アンリエッタは頬を染めながらうっとりと微笑んだ。

「……スパーダ殿がウェールズ様と会う時間を作ってくれましたの」

元々、今回の叙勲式はウェールズに会うために訪問するための口実でもあったのだ。

彼がこの学院に滞在することは前々からスパーダに知らされていたし、式典が終わった後、密かにルイズの部屋で密談した時も二人きりで過ごせる都合が良い時と場所も伝えてくれたのである。

こうしてアンリエッタは愛する男性とのひと時を過ごす憩いの時間を手に入れたのだ。

朝にはアニエスが迎えに来る予定なので、それで密かにトリスタニアへ戻る。

スキルニルの影武者には入れ替わっている間の出来事を全て記録しておくように言い付けてあるので、最後はそれに目を通して短い休息は終わりだ。

 

「そうか……僕がここにいるのも、彼の筋書き通りということか」

思わず吹き出しかけたウェールズは、アンリエッタの体を優しく抱き寄せた。

悪魔の粋な計らいに、二人は心から感謝していた。

 

 

二人は肩を寄せ合ったまま、心地よさそうに湯に浸かっていた。

本来、公衆の場で男女の混浴などとっくの昔に禁じられたものであるが、今の二人はそんな潔癖主義的な規則を破ることに躊躇いなどない。

「でも、君が魔法学院の生徒になるなんてね……」

「父も似たようなことをしていましたから」

アンリエッタは楽し気に微笑みながら言った。

「ヘンリー叔父上が?」

「母との縁談が進んでいた頃、よくトリステインに顔をお出しになられた時にお忍びで色々見て回っていたそうで……そう日記に書いておりましたわ」

ウェールズは目を丸くしてアンリエッタの話に耳を傾ける。

 

ちょうどこの魔法学院の始業式が始まった頃、アンリエッタは王宮で一冊の文書を見つけていた。

それこそが、亡き前王たる父・ヘンリーの遺品の一つである日記だった。

丁寧に装丁された分厚いその書には、生前の父が何をして、どのような政治を志していたのか……様々なことが事細かく記されていたのだ。

 

前王ヘンリーは政略結婚でトリステインに婿入りしてきた身であったが、即位する前からお忍びでトリステインの各地を視察していたらしい。

そして、日記にはトリステインの現状が如何に危ういかを危惧していたようだ。

魔法学院を視察した時にはこんなコメントを残している。

『大半の教師達は、まともな教育をしていない。メイジとして自慢話をしているだけだ。反対にコルベールという男は正当な教育をしているというのに、生徒達は見向きもしていない……』

日記からは開明的な思想を持った人物であったことが読み取れた。

トリステインの貴族達が見栄ばかりを張って実績が伴わず、しかもその現実から目を背けていることに嘆いていることが多く書かれていたのだ。

もっとも、そんな堕落な人間ばかり溢れる中でも、地味ながら誠実に職務を果たしている者を見出してもいた。

実直でありながら中堅以下や閑職などに追いやられていたり、将来有望そうな人材などもリストアップしていたのである。

その何人かはもう亡くなっていたりしていたものの、既に王宮の官吏として仕え、今もアンリエッタを支えてくれている者もいた。

 

「ヘンリー叔父上らしいな……」

ウェールズがヘンリーと直接会ったのは幼い頃で、時折アルビオンに数度顔を出してきた時だけだった。

アルビオンの貴族達からも評判の良かった人物で、亡くなったと知らされた時にはその死を大層惜しまれたほどだ。

「もし父が生きておられたなら、スパーダ殿は間違いなくスカウトなされていたでしょうね」

父・ヘンリーが目指そうとした改革は、偶然にもアンリエッタが今行おうとしている政策とほぼ同じだった。

 

平民でも有能な人材は公職を与えて登用し、足りない部分はマジックアイテムによって補わせればいい――

 

ヘンリーは決して平民を無力な存在だと侮っておらず、偏見も抱いていなかった。

野蛮な国だと見下される隣国ゲルマニアのことも、平民を中心に国力を高めている事実は認めていたりと、素直に評価していた。

貴族やメイジの力だけに頼らず、平民をも使いこなしてトリステインの国力を高めようとしていたのである。

結果的に父娘(おやこ)が目指す所は同じだったことに、アンリエッタ自身が驚いたものだ。

 

「スパーダ殿に爵位を授けたいことをお話したら、断られてしまいましたわ」

「まあ、仕方がないかな……」

アンリエッタは少し残念そうに苦笑して溜め息を吐く。

彼が悪魔である以上、人間の世俗的な栄光や名誉など意味がないのかもしれない。

モデウスも悪魔だと聞かされて驚いたものだが、正当な功績を立てた者に何も報いてやることができないというのは悔しかった。

 

――余所者なんぞをいきなり主立って重用してみろ。お前もいつか父親の二の舞になるぞ。

 

と、いうのがスパーダの答えだった。

余所者……そう。父・ヘンリーもアルビオン人であって、純粋なトリステイン人ではない。

故に目指そうとしていた政策に反発や不満を抱く貴族も当然いたのだ。

自分達とは違う思想を持つ者は、敵だと言わんばかりに。

 

(まったく……どうしてみんな心の狭い人達ばかりなのかしら)

王宮内でのスパーダの評判は五分五分といった所だった。

彼を嫌ったりする貴族もいるが、反対に好感までとはいかずとも受け入れてくれる者もちゃんといてくれる。

母マリアンヌやマザリーニは後者であり――まだ悪魔であることは知らないが――スパーダが外国人ながら傑物であることは認めてくれている。

しかし、故に他の貴族達の反感を買わないよう、要職に就けるのは避けた方が良いとも言われてしまったのである。

 

だからせめて、彼の力を借りられて迷惑がかからないような肩書きを与えることにした。

こちらは了承してくれたのが、アンリエッタには幸いだった。

(あの人には、何か望むものは無いのかしら)

だが、アンリエッタはそれでは気が済まない。

自分達人間に力を貸してくれて、何度も危急を救ってくれた恩人に報いたい気持ちは強かった。

そのことについても聞いてみたら、「考えておく」と返すだけだったので、余計にアンリエッタには悔いが残るのだった。

 

――私などよりも、シエスタに報いてやるのだな。彼女にこそ、その資格がある。

 

むしろ、それこそが彼が望んでいるものだと言わんばかりだった。

あのメイドもまた、自分が勲章を授けた者達と同様の活躍をしたのだ。

平民でありながらメイジを相手に勇敢に立ち向かった姿はアンリエッタも忘れられない光景だ。

彼女の活躍がなければ、ティファニアの命は無かったに違いない。

それは同時にギーシュも命を落とし、大勢の者達が犠牲になっていたかもしれない。

(そうよ。彼女だってアニエスと同じなんだわ)

平民は決して無力な存在ではないことを彼女自身が証明してくれた。

ならば相応に報いてやることが、シエスタへの……スパーダの願いに対する感謝を示すことになる。

たとえ、悪魔の血をその身に宿していようともだ。

 

「……わたくしは父の意志を継いでこのトリステインを栄えさせたいと思っています」

アンリエッタの瞳には、強い決意が宿っているのがウェールズには垣間見えていた。

トリステイン王ヘンリーは娘に掛け替えのない形見を遺してくれた。

たとえ志半ばで倒れても、誰かが自らの意志を引き継いでくれることを願っていたのだ。

娘と父の想いが一致した以上、もう何も迷うことはない。

 

「父は、ウェールズ様のことも書いておられましたわ。いずれ即位することをとても期待しておいででした」

その暁には、トリステインとアルビオンの国交を深めて上手く連携しようとも考えていたらしい。

本当に、未来への強い展望を思い描いていた人物だったのだ。

「即位……か。もう僕にはその資格もないけどね」

「ウェールズ様は、即位をする気はないのですか?」

「今の僕はただの空賊さ」

自嘲気味にウェールズは笑ったが、アンリエッタは戸惑った。

アルビオンを乗っ取っていたレコン・キスタは壊滅し、ウェールズの身を脅かそうとする者はいない。

客員としてトリステインに協力してくれているボーウッドは、ウェールズが生き延びていることを知って喜んでおり、忠誠を誓うことをアンリエッタに宣言していたほどだ。

そんな彼の期待に反して、ウェールズ自身にその気はない……。

それをボーウッドが耳にしたら、がっかりするに違いないだろう。

少なくとも、ウェールズの言葉はアンリエッタ自身の胸にしまっておくことに決めた。

 

「第一、まずはアルビオンそのものを立て直す方が先だよ。仮に即位するとしても、そんなものは後回しさ」

ウェールズはスパーダの依頼による運び屋を果たす中で、アルビオンの悲惨な状況を目の当たりにして心底胸を痛めたものだ。

国土は悪魔達に荒らされ、民衆は次々に国を捨てて外国に逃げ出す始末……。

今、アルビオンに戻ったとしても残っているのは首都ロンディニウムに取り残された僅かな住民だけ。

……誰が国を立て直すにしても、かつての繁栄を取り戻すにはかなりの時間がかかることになるだろう。

「トリステインもアルビオンの復興にお力添えをさせてもらいますわ。……いえ、是非協力させてください」

「ありがとう。アンリエッタ」

強く頷くアンリエッタの頬を、ウェールズは愛でるようにそっと撫でた。

「君には本当に色々感謝している。……ティファニアも守ってくれているしね」

「助けられたのはわたくし達の方ですわ。彼女がいなければ、今頃は……」

細く溜め息を吐くアンリエッタの顔には安堵と共に困惑の色も浮かんでいた。

あの騒動を最後に終わらせてしまった従妹が発揮した魔法……その正体には驚いたものだ。

スパーダとの密談でそのことを告げたら、あっさりと彼は言ってのけたのだ。

 

――新たな虚無の魔法、か。

 

同席していたルイズでさえも愕然とした程だが、身に着けているインテリジェンスのデルフさえもティファニアの身に秘められる力を認めていた。

まさかティファニアが虚無の担い手だなんて、考えもしなかった。

エルフの血と虚無の力……こうなるとますます彼女は重要な存在になる。

彼女自身は自らの力の正体がよく分かっていないそうだが、その辺りはスパーダが面倒を見ておくと約束してくれた。

同じく虚無の担い手であるルイズを守り通してくれた彼の元にいれば、ティファニアは安全だろう。

いずれ正式に身分を明かしておきたいものだが、エルフの存在が恐れられている以上、それは容易ではない。

幸い、彼女はあの活躍で生徒達の信頼を勝ち得ることができたので、まずはそれで良い。

 

「僕には他に兄弟とかがいないからね。何だか、妹ができたみたいに感じるよ」

「……ウェールズ様も、ずいぶんと優しくされていましたものね」

「おや? ひょっとして焼きもちかい?」

少しわざとらしく、つんと澄ますアンリエッタにウェールズは困ったように笑った。

夕刻、アンリエッタは中庭の隅でウェールズとティファニアが二人で話し合っているのを目にしていた。

メイドのシエスタを連れて、カトレアが連れてきた動物達と一人で戯れていたティファニアは、現れたウェールズを前にして嬉しそうだった。

ウェールズは彼女の頭を撫でたりして可愛がっていたが、遠巻きから見ていたアンリエッタにはそれが少し面白くなかった。

無論、本人が言うように妹分として見ていることには違いないのだろう。

それでも、愛する人が他の女性と楽しげに話し合う姿が今まで想像できなかったので、初めて目にした光景がアンリエッタをやきもきとさせてしまったのだった。

 

 

――It gets R-rated from here on.(ここから先はR指定だ)

 

 

湯船から上がった二人は今、雨粒のような湯を浴びていた。

壁に設けられた蛇の彫像はその真下に立つと、口からシャワーを降らすのである。

「……」

ウェールズは嘆息を漏らしながら目の前のアンリエッタに見惚れていた。

身に着けていた浴布を捨て去り、生まれたままの姿を躊躇うことなく曝け出している。

愛する人の裸体を目の当たりにするのはこれで三度目だった。初めは数年前のラグドリアン湖、二度目はほんの数か月前のトリスタニア……。

「綺麗だ……」

いつ見ても心を奪われてしまうその美しさは、ウェールズを酔わせてしまう。

 

アンリエッタもまたうっとりとした表情のままウェールズの首に両手を回して体を密着させると、迷うことなく自らの唇を重ねていた。

「んっ……ぁむっ……ちゅ……んぅ……」

貪るように唇を動かし、舌を絡め合う。お互いが夢中になるほど情熱的なキスだった。

降り注ぐシャワーが互いの体と髪を濡らす中、徐にウェールズの腕はアンリエッタの体を強く抱き締め始めていた。

「んぅっ……! んくっ……! んっ……んっ……!」

それに伴いキスはさらに激しさを増し、アンリエッタの吐息も悶えるように荒くなっていく。

全身を湧き上がる熱気が包み込み、さらに二人は甘い愛欲に酔い痴れていった。

 

(ウェールズ様……もっとわたくしを愛して……)

激しく求めるように唇を吸い続けたまま、アンリエッタの両手はするすると彼の背中を伝って下へと降りていく。

その手は腰に巻かれたタオルへと辿り着き、緩やかな手つきで剥がしていった。

何も気付かないウェールズは夢心地のまま、ひたすらにアンリエッタの唇を吸い続けた。

 

(ウェールズ様……とっても熱いわ……)

トリスタニアの魅惑の妖精亭で初めて愛し合った夜の記憶が――互いに純潔を捧げ合ったひと時がアンリエッタの中では鮮明に蘇っていた。

 

悪夢に怯えるアンリエッタを優しく抱いてくれたウェールズ――

 

はしたない姿を晒しても受け入れてくれたウェールズ――

 

お互いどれだけ果てても満たされず――

 

ついにはアンリエッタの方から組み敷いてしまい――

 

やがてウェールズも堪え切れず――

 

「あっ……んっ……」

アンリエッタの口からより熱を増した恍惚の吐息が漏れた。

体を這うように崩れ落ち膝を折ったウェールズはしがみつくように腰へ抱きつくと、その胸へと顔を埋めだす。

「んんっ……!」

そればかりか、豊かな胸の先に迷うことなく吸い付いてきたのだ。

腰が抜けてしまいそうな刺激と快感にアンリエッタは身悶えた。

「んっ……んくっ……ちゅ……」

喉を鳴らしながらウェールズは無我夢中にむしゃぶり続けている。

出るはずも無いのに、美味しそうに唇と舌を小さく動かしていた。

自分が甘える相手以上に熱のこもった吐息を漏らしながら、男としては恥ずべき行為に没頭している。

皇太子の威厳も空賊の頭領としての貫禄も感じられないその姿は、乳離れのできない幼い少年のようであった。

 

(ウェールズ様ったら……可愛いわ……)

愛する男は、切なそうな表情のまま自分に甘え続けている。

こうなってしまうのも、アンリエッタには少し分かる気がした。

アルビオンの前王妃は長く子宝に恵まれず、四十路を間近にしてようやく第一子を、即ちウェールズを産んだと聞かされている。

しかし、それから間もなくしてこの世を去ってしまったと言うのだ。

故に、ウェールズは母親というものを知らないのである。

 

もしかしたら、心のどこかでこうして女性に甘えたかったのかもしれない。無論、立場上はそんなこともできなかっただろう。

その姿はあまりにも愛おしく見え、アンリエッタの母性本能を刺激してしまう。

(お好きなだけ……わたくしに甘えてください……)

ウェールズの頭を優しく抱きすくめたまま、アンリエッタもゆっくりと崩れ落ちた。

身を委ねる彼女の胸の中で、幼子に戻った少年はいつまでも甘え続けていた。

 

真夜中の今、既に学院の教師生徒は寮の自室で深い眠りに就いている。もう誰も風呂に入りに来る者はいない。

まして、ここは男子風呂。盗み見に来る者など存在しない以上、水を差される心配もなかった。

夜が明けるまでの数時間、地下の浴場は二人の男女が愛し合える絶好の愛の巣となったのである。

 

「あぁ……ウェールズ様……!」

もはや愛獣と化した二人は何もかも忘れて、激しく愛し合い続けた。

甘い嬌声に熱い吐息と蕩けるような切ない呻きが混ざり合い、絡み合う二人だけの空間を絶え間ない情熱が満たしていった。

 

「お熱いこと……」

唯一の傍聴者は、男子風呂と厚い壁を隔てた無人の女子風呂で一人ほくそ笑んでいた。

血のように鮮やかな赤い髪が、水面に浮かび広がってゆらゆらと揺れている。

浴槽の縁に寝そべりながら湯に浸かるネヴァンは、形の整った尻を水面に僅かに浮かばせてゆったりと寛いでいる。

優雅に羽根を伸ばしながら、一人だけの湯浴みを勝手に満喫していた。

 

深淵の魔女が手を下すまでもなく、二人の男女はいつまでも愛し合い続けていた――





今回、R-18ギリギリになるかアウトになるか、微妙なシーンを書かせてもらいました。

下の描写を書かないか抽象的にボカせば良いということだそうですが、自信は無いです。あくまで読んでくれた人次第になります。

基本的に洋画の濡れ場の空気や一般アニメなどでもギリギリな作品などを参考にしたり、新妹魔王をマイルドにしたのを目指して書いています。

これでアウトだった場合は、別に用意したダイジェスト版に差し替え、ノーカット版はPIXIVの方で公開します。

作品の良かったところはどこですか?

  • 登場人物
  • 世界観
  • 読みやすさ
  • 話の展開
  • 戦闘シーン
  • 主人公の描写・設定
  • 悪魔の描写
  • 脚色したオリジナル描写・設定
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