魔剣異聞録~The Legendary Dark Slayer/Zero 作:月に吠えるもの
アミュレットはルイズの胸元で光を放ち続けている。
ルイズはアミュレットの神秘的な光と浮かび上がるルーン文字に見入ったまま困惑していた。
「来るわよ!」
そんな中、敵のメイジ達が杖を構えだすのを目にしてキュルケが叫ぶ。
即座に迎撃しようと前に出るタバサだが、何故かスパーダはタバサを押し留めていた。
「Do it.(やれ)」
スパーダは誰か――タバサでもキュルケでもルイズでもない――に対して短くそう命じる。
『あいよ。あんなチャチな魔法、俺が全部吸い込んでやるぜ!』
三人が意味も分からずに首を傾げていたが、アミュレットからはっきりと何者かの声が響いてきたのだ。
「な、何よこれ!」
ルイズはアミュレットが言葉を発したことに驚愕した。
スパーダがルイズを守ってくれる、と言ってプレゼントをしてくれたアミュレット。これにはスパーダが錬金術で作った霊石エリキサがはめられている。
きっとその魔力か何かが力を発揮してくれるのだと思っていたのだが、このようなことは予想もしなかった。
『何よ、じゃねえだろうが娘っ子。こっちは喋れるようになるまで苦労したんだぜ? 武器や防具はまだしも、こんな器に宿されるなんて思ってもみなかったぜ』
「この声……も、もしかして……デルフ!?」
聞き覚えのある声に口調、そして態度。それは紛れも無くインテリジェンスソードだったあのデルフリンガーのものであった。
最初は剣であったものがスパーダの手によって器を変えられ篭手に……そして今はこのアミュレットに宿っているのだ。
『おっと、きやがった。お前ら! 娘っ子の後ろに隠れな!』
「え? え、ええ……!」
言葉を発するアミュレットの正体にキュルケも驚く中、デルフに従ってタバサと共にルイズの後ろへと移動する。
次の瞬間、敵のメイジ達はルイズ達目掛けて次々と魔法を放ってきた。
「きゃっ! 来るわよ、スパーダ!」
『任せな、娘っ子!』
スパーダが隠れずにいる中、アミュレットのデルフは威勢の良い声を上げる。
するとルイズ達に向かってきた魔法は、光を放つアミュレットに次々と吸い込まれていったのだ。
「こ、これは……」
『へへへ、この器でも調子は変わらねえみたいだな』
先ほどまで密かに愚痴を漏らしていたとは思えないほどにデルフは奮起していた。
スパーダはというと……静かに片手を前にかざして黄金の魔法陣を作り出し、デルフと同様に敵の魔法を難なく受け止め吸収していた。
「スパーダ! 一体、これはどういうことなの!?」
「そのアミュレットにはデルフの魂を宿らせている。それだけだ」
「う、嘘……!」
『嘘じゃねえよ。剣から篭手……そして今はアクセサリー……俺っちは元々何だったのか分からなくなっちまいそうだよ』
驚きアミュレットに視線を落とすルイズにデルフは溜め息をつきながらそう述べていた。
そういえば、数日前に夢うつつでデルフとスパーダのやり取りのようなものが聞こえていたと思っていたが、あれが関係したのだろうか。
「何でそんなことを……」
「私といるより、そいつの力はお前と共にある方が役に立つはずだ」
『へっ……よく言うぜ。自分の役目を俺に押し付けただけだろうが』
「思う存分に暴れたいと言ったのは貴様だ」
『ま、まあ……確かにそうなんだけどよ……』
スパーダとデルフが言い合う中、敵のメイジの攻撃は続いていた。
死者とはいえ敵は魔法を温存したいのかドットスペルによる小技しか仕掛けてこない。
しかし、正面からの魔法はデルフとスパーダによって無力化されてしまうため全く効果はなかった。
だが、それはルイズ達の側でも同じことだった。
キュルケとタバサが応戦しているものの、タバサの魔法でダメージを与えてもアンドバリの指輪の力ですぐに再生してしまい、キュルケの魔法は敵の風の魔法で掻き消されてしまう。
結果、どちらも膠着状態に陥っていた。
『シャアッ!』
しかもルイズ達の後方では銃士隊が未だにセブンヘルズの下級悪魔達と交戦を続けており、何体かはこちらへ矛先を変えて攻撃してくるのだ。
「雑魚は構うな。奴らに集中しろ」
「オーケー!」
結界を張り続けるスパーダはキュルケとタバサにそう命じ、振り向かぬまま飛び掛ってくるセブンヘルズ達に何本もの幻影剣を飛ばしていた。
赤い刃に全身を貫かれるセブンヘルズ達はスパーダに不意打ちを仕掛けるどころか、近づくことさえ間々ならない。
「ファイヤー・ボール!」
そんな中、タバサの援護もあって敵の攻撃の間隙をついて放たれたキュルケの一撃がメイジの一人に直撃した。
全身を焼き焦がされたメイジは力なく倒れこみ、それきり動かなくなる。
「再生しない……!?」
風や氷の魔法の時とは違い、炎の魔法による一撃は敵に確実な致命傷を与えていた。
炎で焼かれた敵のメイジはアンドバリの指輪の力を持ってしても、再生することはできなかったのだ。
「何だ、燃やせば良いんだわ! これならいける!」
「水の先住魔法は対となる属性に弱い……道理だな」
『そういうこった。いくら死体を操るアンドバリの指輪の力といっても、本質的には水の精霊と同じってわけさ』
キュルケが歓声を上げ、スパーダの呟きにデルフが答える。
「このまま押し切るわよ!」
「デルフ! そのままあいつらの魔法を何とかしてちょうだい!」
『あいよ! 俺もだんだん心が震えてきたぜ! こんな気分は初めてだ!』
光を放つアミュレットに浮かび上がるルーンは明滅を繰り返している。それは敵の魔法を吸い込めば吸い込むほど、強さを増していた。
敵の魔法を防げるルイズとスパーダが前衛となってゆっくりと前へ進み、キュルケとタバサによる巧みな連携で敵のメイジ達を炎魔法で倒していく。
(スパーダは、こうなることが分かってたのかしら)
アミュレットとなったデルフリンガーの魔法吸収能力は敵の魔法を吸収することで結果的にルイズ達を守っている。
あの時スパーダはこれがルイズを守ってくれる、と言っていたのはこのことだったのだ。デルフリンガーという口喧しい存在が根源であることは予想外だとしても、紛れもなく事実であった。
今はスパーダも一緒にいてくれているが、きっと万が一いない時のことも考えて、デルフリンガーのアミュレットをルイズに持たせることにしたのだろう。
このデルフリンガーの能力は確かに、ルイズにとってはとても頼もしい存在に思えていた。
(ありがとう、スパーダ)
ルイズを守るためにこのアミュレットを作ってくれたことに対し、心の中で感謝していた。
◆
あっという間に四人のメイジ達を討ち倒すことに成功すると、敵は分が悪いと見たらしく攻撃を加えるのをやめていた。いくら攻撃しようと無駄だと判断したようだ。
未だ困惑して震えているアンリエッタを抱き寄せるウェールズの表情も僅かに曇っている。
「さあ、女王陛下。ウェールズ皇太子。もうすぐチェックメイトですわ」
「姫様! 目を覚まして! こちらへいらしてください!」
キュルケが挑発するように告げ、ルイズも杖を突きつけながら叫ぶ。
だが、アンリエッタは苦しそうな顔で俯き、震えるように首を振っている。
「わたしは……わたしは……!」
「ミス・ヴァリエール。君にはアンリエッタの気持ちが分からないのだね。彼女はずっと僕のことを愛してくれていたんだ……それは僕も同じことさ」
ウェールズはアンリエッタの頭を優しく撫で、自分の胸の中に抱き寄せる。
片手に握る杖がそっと、アンリエッタの首筋に触れていた。
「僕達の愛は誰にも邪魔はさせないよ……」
「そんなもの愛でも何でもないわ! たとえあなたが本物のウェールズ皇太子であったとしても、姫様の思いを良いように利用するなんて! 恥を知りなさい!」
「あら、ルイズにしては言うようになったわね」
吼えるルイズの気迫にキュルケは感心したように微笑んだ。
「奴らの愛はただの茶番に過ぎん」
腕を組んでいたスパーダまでもが、失望の溜め息を吐いている。
「スパーダ殿……」
アンリエッタはスパーダの呟きを耳にして、さらに震え上がる。
もうこれ以上、彼に失望されたくない。見捨てられたくない。そんな悲痛な思いを抱いていた。
「僕らの愛が茶番とは……失礼なことを言うね……僕とアンリエッタの愛は本物だよ」
「……スパーダ殿。どうか、一つだけお聞かせくださいますか?」
ウェールズが不敵に笑う中、彼から体を離したアンリエッタは恐る恐る口を開いてスパーダに語りかける。
それまで全くアンリエッタそのものを見向きもしなかったスパーダは、ようやくアンリエッタと視線を交わした。
先ほどまでと変わらぬ冷たい視線に射抜かれ、アンリエッタは更なる恐怖を抱くも……なけなしの勇気を振り絞って言葉を続ける。
「アンリエッタ。何を?」
「あなたは、誰かを……大切な人を愛したことがありますか? 教えてください……」
アンリエッタのその問いかけに、ルイズは思わずスパーダの顔を見る。彼はその問いを受けても冷徹な表情は一切変わらなかった。
伝説の魔剣士スパーダは1000年以上も昔、魔界からの侵略を受けていた人間を憐れみ、そして人間の愛に感銘を受け、正義に目覚めたという。
1000年以上も人間を見守ってきたスパーダが誰かを、一個人の女性を愛するようなことがあってもおかしくはないかもしれない。
とはいえ、本人は「まだない」としか答えたことはなかったが。
アンリエッタからの問いに対してスパーダはしばしの間沈黙していたが、ようやく口を開く。
「今の私にその資格はない」
冷然とスパーダが返したのは、意外な言葉だった。その言葉にルイズは呆然とする。
アンリエッタも同様のようで、怪訝そうにしていた。
「だが、誰かを愛する者達なら幾度も見届けてきた。今のお前達のように」
「スパーダ……」
それはそうだろう。人間を見守り、その歴史を見届けてきたであろうスパーダなら人間が愛し合う場面を目にしていてもおかしくはない。
「お前はウェールズを本気で愛しているという。その愛は確かに本物だろう。それは認めてやる」
「当然じゃないか。アンリエッタも僕も愛し合っているのだから……」
ウェールズはアンリエッタを再び抱き寄せ、言い返す。
「だが、お前は同時にウェールズを愛してなどいない。その木偶人形と同じくな」
「え……?」
しかし、次にスパーダが発した冷酷な言葉にアンリエッタの顔は凍りついた。
「わたしが……ウェールズ様を……?」
スパーダの言葉に、精神が不安定なアンリエッタは余計に混乱した。
自分はウェールズを愛している。それは紛れもない、自分自身にも嘘をつけない本音だ。
ラグドリアン湖の水の精霊の前で、「ウェールズに変わらぬ愛を誓う」とそう誓約の言葉を捧げたのだから。
だが、スパーダの指摘に対して何故か揺らいでしまう。
「ウェールズの姿と声をしたものならば、お前は何でも良いというだけだ。今のお前の愛など、そんな程度のものに過ぎん。だからその木偶人形でも良いと言うのだろう」
スパーダは悪魔が人を甚振るかのように言葉を続けている。
その言葉を聞いていると、自分のウェールズへの愛が分からなくなるような気がして、アンリエッタは底知れぬ恐怖を抱いてしまっていた。
自分は本当にウェールズを愛しているのか? ウェールズは自分を愛してくれているのか?
考えれば考えるほど不安になり、分からなくなってしまう。
「スパーダ殿。これ以上、僕達の愛を踏み躙るような発言はやめてもらおう」
「口先だけの愛なら何とでも言える。貴様のような木偶人形なら尚更だ」
「違う……違う……わたしは……ウェールズ様を……ウェールズ様を……!」
まるで全てを見透かしているようなスパーダの言葉に恐れ、アンリエッタは思わず耳を塞いでしまった。
「スパーダ。いくら何でもやりすぎじゃ……」
「彼女が勝手にああなっているだけだ。これぐらいは言わんと目を覚まさん」
『さすが悪魔だよ……お前さんは』
悪魔の言葉というのは本当に恐ろしいものだということをルイズは実感する。
本来、悪魔は人間を堕落や絶望させるために様々な甘言を囁いたり、相手を追い詰める言葉で責めるという。
スパーダほどの悪魔が本気を出せば、武器も使わずただの言葉だけで人間を屈服させることも可能なのだろう。
かなり酷ではあるが、この揺さぶりでアンリエッタが変心してくれれば良いのだが。
◆
「む……」
そんな中、唐突にスパーダは天を仰ぎ始めていた。
「……雨」
スパーダに続いてタバサもぽつぽつと、自分の頬に当たるものに気がついて空を見上げる。
気が付けば、いつの間にか夜空には二つの月が昇っておらず、代わりに巨大な暗雲が立ち込めていたのだ。
「ちょっと、最悪じゃないの……」
キュルケは苦い顔で同じように空を睨みだす。
降りだした雨は瞬く間に強さを増していき、ものの一分としない内に本降りへと変わっていった。
「まずいわ……陛下がまだ聞き分けがないようだったら、この雨の水を使ってあいつら全員に水の壁が張れるわよ」
そうなってしまってはキュルケの炎魔法も役には立たない。しかし、だからといってタバサの魔法では死者の一団を倒すこともできない。
スパーダの力ならばアンドバリの指輪の再生力を上回る攻撃でねじ伏せることは可能であるだろうが……。
「ねえ、スパーダ……」
ルイズが頼みかけようとしても、スパーダは腕を組んだままアンリエッタとウェールズを睨み続けている。
雨に打たれているアンリエッタはウェールズの胸の中に顔を埋めていた。
「ウェールズ様……わたくしを……本当に……愛してくださいますか……?」
「大丈夫だよ……アンリエッタ。僕が君を愛さない訳がない……」
まるで怯える子供のように縋りつくアンリエッタにウェールズは優しい言葉を囁きかけている。
ふと、アンリエッタの肩を抱いている手で握る杖を軽く手元で振っていた。
「僕達の愛を侮辱し、そして阻もうとするあの悪魔を……僕達の手で倒すんだ。力を貸してくれるね……アンリエッタ」
「はい……」
薄い笑みを浮かべるウェールズの言葉にアンリエッタは何のためらいもなく頷いていた。
顔を上げたアンリエッタは、全くの無表情だった。それまで苦悩し、混乱し、そして恐怖によって歪んでいたとは思えないほどに何の感情も伺えない顔つきになっている。
「今頃、その手で来たか」
スパーダは忌々しそうに顔を顰めて鼻を鳴らす。
「お願いよ……ルイズ、スパーダ殿。……わたし達を、このまま行かせて……あなた達を殺したくないの……」
「姫様!」
「見て御覧なさい。この雨で、わたし達の勝利は揺るぎなくなったわ……! この雨の中で、水に勝てると思っているの……!?」
ルイズが叫んでもアンリエッタは聞く耳を持たずに叫びだす。抑えこまれていた狂気が蘇り、それが一気に噴き出したかのようだ。
「何だか様子が変だわ」
豹変したアンリエッタにキュルケも疑問を抱いたようだ。
「ギアス……?」
「いや、あれもアンドバリの指輪の力だ。あの木偶人形にかけられている魔力を使って、アンリエッタの心を操ったな」
タバサの呟きにスパーダはそう答えた。魔力を視認できるスパーダは、アンリエッタにもウェールズと同じアンドバリの指輪からの魔力が流れ込んでいるのが分かっていた。
アンリエッタの目には正気の輝きが宿ってはいる。しかし、その瞳の奥から微かに魔力の光を感じ取っていた。
古代に禁じられた水系統のメイジの魔法に制約(ギアス)という心を操る魔法が存在する。しかし、それとは似て非なるものであった。
「とっくの昔に心を魔法で操っていてもおかしくはなかっただろうがな……」
「何て奴らなの! よりによって魔法で心を操るだなんて!」
何とも汚い敵のやり口にルイズは憤慨した。
敵はアンリエッタが餌であるウェールズに従わなかったり、付いて来ないような状況を考えた最終手段として、心を操る魔法で強制的に従わせようとしていたのだ。
先ほどまでのアンリエッタはまだ迷いを抱いていた様子だったが、今はもう何の躊躇いもなくなっている。
容赦なくルイズ達を抹殺して先へ進もうとするはずだ。
「姫様にかけられた魔法も何とかしないと! スパーダ! どうすればいいの?」
『なあ娘っ子よ。始祖の祈祷書は持っているんだろ? こういう時こそ、そいつを見れば何か良い手段が見つかると思うんだがね』
スパーダの腕を掴むルイズに、デルフが語りかけてくる。
「き、祈祷書……?」
言われた通りにルイズは祈祷書を取り出し、ページをめくりだしていた。
『ブリミルは大した奴だぜ。こういう状況のために対策は考えているはずさ』
「何も書いてないわよ!」
虚無のエクスプロージョン以外のページは相変わらず白紙だけである。
『もっとめくりなよ。虚無の魔法は必要になった時に初めて読めるようになるんだ』
「ブリミルも回りくどいことをする」
『仕方がねえだろうが。そういう仕組みになってるんだからよ』
リベリオンを手にしたスパーダの言葉にデルフも言い返す。
やがてルイズはあるページに光り輝くルーン文字が書かれているのを見つけていた。
――ディスペル(解除)
――万物の粒に干渉せし四の系統。忌まわしき精霊と共に、無へと帰すものなり。
「ディスペル・マジック……?」
「魔力を中和し、打ち消す呪文だ。それならば使えるかもな」
リベリオンを手元で器用に軽く回すスパーダはウェールズとアンリエッタが動き出すのを目にする。
「奴らは何とかする。お前はディスペルで奴らの魔力を打ち消せ」
「分かったわ。頼むわよ! デルフ、あんたもスパーダと一緒にがんばるのよ!」
『分かってるぜ。ガンダールヴの役目は、呪文詠唱中の主人を守ることだからな。俺にそれが託された以上、もうこうなりゃあやってやるぜ!』
完全に開き直った様子でデルフは叫んでいた。
「そういえばあんた……ガンダールヴのルーンが浮かんでるけど、これは……」
『相棒が自分に刻まれていたルーンの魔力をほとんどこっちに移し変えてきやがった。まったく……あんな荒業は初めて見たぜ』
デルフは数日前に行われた錬金術を思い起こす。
古代の錬金術に精通するスパーダは、まず魔を分かつ力を持つとされる閻魔刀を使って左手の甲を軽く切り裂き、ルーンの魔力だけを引き剥がしていたのだ。
分離されたルーンの魔力と解放されたデルフリンガーの魂、そして霊石エリキサを儀式によって一つに融合させたのである。
その結果、出来上がったのがルイズのアミュレットなのだ。
「スパーダ……」
つまり、今スパーダの左手にあるルーンが薄いのは魔力の大部分を失っているからだ。
ほとんど形だけのルーンでしかなくなっているのだろう。これでは普通の使い魔のルーンと大して変わらない。
「私にその力は必要ないのでな。私が持っていても宝の持ち腐れだ」
『まあ、言えてるわな。いくらガンダールヴのルーンでも相棒が相手じゃあ、全然効果を発揮できてねえし。他の奴にくれてやった方が確かに役に立つかもな』
デルフが溜め息をつきつつ喋る中、ウェールズとアンリエッタは同調した動きでゆっくりと杖を正面に掲げだし、呪文を詠唱し始めていた。
「ちょっと……あれってもしかして……」
敵のメイジ達に次々と雨粒が集まり、水の鎧がまとわりついていく中、さらに二人の周りを水の竜巻がうねり始めている。
「ヘクサゴン・スペル……」
キュルケの不安の声にタバサが身構えながら冷静に答えた。しかし、その表情は焦燥の色が浮かんでいる。
二人以上のメイジの魔法を合体させて放つことで威力を増すことは可能だが、あそこまで息が合うのは極めて珍しいことだった。
水の三乗。風の三乗。二つのトライアングルスペルが絡み合い、巨大な六芒星が描かれる。
それは選ばれし王家にのみ許された合体魔法だった。
◆
「ちょ、ちょっと! やばいんじゃない!?」
詠唱が干渉し合い、水の竜巻は瞬く間に巨大な津波を彷彿されるかのように膨れ上がるのを見てキュルケは慌てた。
それは数十メイルにも昇る高さと、太さを有した激流の竜巻だった。まともに食らえば人間などひとたまりもない。城でさえ一撃で吹き飛ばすだろう。
以前、ラグドリアン湖で水の精霊がスパーダ目掛けて放ったものと互角かそれ以上の規模であった。
「急げ、ルイズ。私とデルフであれを食い止める」
左右に振付けたリベリオンを構えるスパーダは未だ更に膨れていく竜巻を睨みつけた。
『さあて、さっき吸い込んだ魔力を使って……やってみるとするかねえ! 奥の手をよ!』
デルフもそう意気込みだすと、アミュレットはさらに激しく震え、光を放ち始めていた。
「な、何!? 何なの!」
『悪い悪い! 何せ、俺もこんなことをするのは初めてでな! ガンダールヴを動かすなんざ久しぶりなもんでね!』
次の瞬間、ルイズは背後に妙な気配を感じ取っていた。
背後からは魔力が風のように唸る音が微かに響いているのが、光が漏れているのが分かる。自分の影が背後からの光で伸びていた。
「ちょっと……何これ?」
キュルケが唖然とした様子でルイズの後ろ側に視線を向けていた。タバサも同様に驚いた様子だ。
ルイズは恐る恐る後ろを振り向いてみた。……そして、二人同様に驚く破目になった。
「な、な、な、何なのこれ!?」
ルイズの背後には、霊石エリキサと同じ青く光る幻影が浮かんでいたからだ。
それは人の形をしており、すらりとした長身の女性のようであった。
ローブを羽織ったその妙齢の女性は幻影なのに顔つきや輪郭などもはっきりしており、神秘的な美しさの中に凛々しさが混じっている。
目付きは鋭いものの目元は少し垂れ目気味で、中性的な雰囲気を纏っていた。
そして、その左手には見覚えのある大剣がしっかりと握られている。……それはまさしく、剣であった頃のデルフリンガーそのものだった。
「これは一体……?」
「私が与えてやった力だ」
スパーダは霊石エリキサにデルフリンガーの魂とガンダールヴのルーンを移植させる際にちょっとした特殊な能力を付与させていた。
デルフリンガーの魂には剣であった頃に扱っていた者の強い念が残留思念として残っているようだった。
その残留思念を霊石エリキサの魔力で呼び出し、発現させるようにしていたのである。それをガンダールヴのルーンの魔力によって操るのだ。
『どうだい! こいつはずっと昔、俺っちを一番長く握っていた相棒さ! いや、懐かしいな! 昔はこいつと一緒に暴れまわったものさ! 名前は――ええと……』
突然現れた女性の幻影にルイズが驚く中、懐かしそうにはしゃぐデルフであるが言葉に詰まってしまう。どうやら名前を覚えていないらしい。
『と、とにかく! こいつは昔、ガンダールヴだった女さ! こいつで相棒と一緒にあの竜巻を止めてやるぜ!』
「ガ、ガンダールヴ!? これが!?」
女戦士らしき幻影の魔人を見上げるルイズはさらに呆然としてしまう。
本当にこの幻影がデルフの言う通り、ガンダールヴなのかどうかは分からない。しかし、見ていると何だか頼もしさが感じられるオーラを放っていた。
「でもさ……これってもしかして……」
幻影の魔人を眺めていたキュルケは怪訝そうな顔をしだす。注目したのは、女戦士の両耳だった。
「エルフ」
「よね……間違いなく……」
タバサの呟きにキュルケも頷く。
その尖った耳を持つ種族は、ハルケギニアで人間達に恐れられる存在であるエルフそのものだった。
幻影の魔人は意思があるのかどうかは分からないが、ちらちらと視線を敵のメイジや巨大な竜巻へと向けていた。
「この際、エルフでも何でも良いわよ! スパーダ、デルフ! 頼むわよ!」
『おっしゃ! 任せな! 行くぜ、相棒!』
「Shut up.(やかましい)」
騒ぎまくるデルフに対し、リベリオンに魔力を集中させるスパーダは冷徹に返していた。
幻影の女エルフも、デルフリンガーの剣を両手で握って静かに身構えだす。
ルイズは祈祷書を広げ、杖を掲げると呪文を詠唱し始めた。
そして、ついにウェールズとアンリエッタのヘクサゴン・スペルは完成した。
二人の目の前には荒れ狂う水流の竜巻が出来上がり、スパーダ達へと向かっていった。
激しく回転する激流にして津波の塊は、ルイズ達を飲み込まんと殺到する。
「おおおっ……!」
『はああっ……!』
スパーダと幻影の魔人は同時に吼え、一気に前へ飛び出ると、互いの得物で巨大な竜巻を受け止めていた。
背後の僅か二メイルで、ルイズが詠唱しているのだ。
激流にさらされるスパーダのオールバックの髪が乱れる。だが、普通の人間のガンダールヴであれば受け止めて耐えるだけで精一杯である所だが、スパーダは物ともせず逆に押し出しているのだ。
幻影の魔人も髪を激しく靡かせながら耐えており、ルイズのアミュレットが激しく光を放ち続けている。デルフが全力を出しているのだ。
『舐めるなよ……! ガンダールヴの仕事は戦うことじゃねえんだ……! 呪文詠唱中の主人を守る! それだけよ! その時にこそ、ガンダールヴの力は最大限に真価を発揮するんだぜ!』
デルフはガンダールヴの魔人を必死に操りながら吼えた。
昔もこうして彼女は主人を守っていたものだ。ふと、そんなことを思い出してしまう。
スパーダとガンダールヴの魔人が耐える後ろでは、ルイズがもうじき呪文を終えようという所だった。
『シャアッ!』
「しまった!」
ルイズ達のさらに後方では銃士隊が討ち漏らしたセブンヘルズの一団が襲撃を仕掛けてきていた。
数体のヘル=ラスト達が鎌を振り上げて飛び掛ってきたため、キュルケとタバサは慌てて迎撃しようとするが、間に合わない。
呪文詠唱に完全に集中しているルイズは背後の敵に気づいていなかった。
「え、何!?」
突然、どこからともなく竜巻が飛んでくると襲ってきたヘル=ラスト達を吹き飛ばしたのだ。
ルイズに攻撃が当たる間一髪の所であった。
タバサは風を巡り、それが街道脇の林から放たれたものであることを察する。
ちらりと視線をやれば、その中には人影があるのが覗えたのだ。
ルイズの虚無の呪文――ディスペルが完成したのはその直後だった。
「ハアアアアッ!」
スパーダが咆哮と共に膨大な魔力を注ぎ込み、オーラを纏わせていたリベリオンを一気に押し出した。
途端に、激流の竜巻は上方へと弾き出されたのだ。
「な、何……!?」
ウェールズはその光景を目にして驚愕した。
「フンッ!」
驚くのはそれで終わりではない。腰を落とし赤黒いオーラと共に雷光を散らすリベリオンを逆手に引き絞り構えたスパーダはそれを一気に振り上げた。
通常なら何分割かして放つであろう魔力を一気に解放し、より巨大な剣風の衝撃波を放ったのだ。
吹き飛んだ激流の竜巻に直撃し、膨大な水の塊は一撃で砕け散っていた。
回転力が維持されたまま粉砕された水は、その勢いのままに辺りに水を撒き散らす。
「――ディスペル!」
完全に無力化され、豪雨のような水飛沫を街道近辺に大量に降らせる中、ルイズは杖を敵に向けて振り下ろす。
眩い光がアンリエッタを、死者達を、そしてウェールズを包み込み……ウェールズの姿をしていたものは、瞬く間に別の存在へと形を変えていった。
アンリエッタは言葉では言い表せない衝撃が全身に走り、精神力も使い果たして崩れ落ちていく。
◆
光が晴れた時、つい先ほどまで喧騒だったのが嘘なくらいに静まり返っていた。
雨は通り雨だったらしく既に止んでいるが、激流の竜巻の残骸である霧が立ち込めている。
「陛下!」
そこへようやくセブンヘルズ達を全滅させたアニエス達、銃士隊がやってきた。全員、無事だったようだ。
意識を失ったアンリエッタは地面に横たわり気を失っており、その周りにはスパーダやルイズ達が集まっている。
「陛下、陛下……」
アニエスは慌てて駆け寄ってくると、アンリエッタを抱きかかえて揺り起こそうとする。
アンリエッタは自分を呼ぶその声に反応して、目を覚ましていた。
「わたしは……」
「大丈夫でございます。女王陛下。もう、終わったのです……」
完全に放心した様子で虚ろな顔を浮かべるアンリエッタ。アニエスは主君を安心させるべく微笑みかけ、なだめていた。
アンリエッタは、つい先ほどまで自分が見た物、聞いた物全てを鮮明に覚えていた。
それが夢だと思いたかった。自分は悪夢にうなされていただけなのだと。
だが、現実は非情だった。周りを見渡せば、いくつもの屍が無残に転がっていたのだから。
ただ、その中には悪夢の象徴とも言うべき、愛する者の姿はなかったのだが。
「わたしは……何てことをしてしまったのかしら……」
悪夢のような現実……アンリエッタは自分がその悪夢に身を任せてしまったことを深く悔やみ、そして恥じていた。
「わたしのために多くの人達が傷つきました……わたしはどう赦しを請えば良いの……? ルイズ、アニエス……」
「陛下……」
深い後悔と悲しみに満ちた表情で顔を覆うアンリエッタに、アニエスはその震える肩を優しく抱く。
「わたしは、女王に相応しくない女なのかもしれません……。アニエス、こんな愚かな女王にあなた達を仕えさせてしまったわたしを、どうか許して……」
「陛下……どうかご自分をそんなに責めないでくださいませ。私は陛下の近衛として仕えることに何も不満は感じてはおりませぬ」
アニエスは自分の胸の中で顔を埋めるアンリエッタを優しく抱きしめていた。
苛烈な女戦士とは思えないような温もりをアンリエッタは感じていた。
「私は陛下の剣でございます。そして陛下がお間違いをなされた時には、それを正すのが陛下に仕える私の責務なのです」
アニエスの忠誠の言葉を耳にして、アンリエッタはさらに咽び泣いていた。
アンリエッタが後悔し続ける光景を見届けるルイズは悲しそうな顔を浮かべ、前髪が垂れ下がっているスパーダは相変わらずの冷徹な瞳で見抜いていた。
「ウェールズ様は、どこに……?」
「それが、姫様……」
涙を拭うアンリエッタにルイズは困惑した様子で隣にいるキュルケとタバサを見やる。
タバサの手の上には、小さな人形が乗っていた。
「それは……?」
「人形か?」
タバサが手にする人形にアンリエッタとアニエスは目を丸くする。
「スキルニル」
「これが、あのウェールズ皇太子の正体だった訳ね……」
タバサが短く答えると、キュルケは肩を竦めていた。
スキルニルと呼ばれる魔法人形は古代に作られたマジックアイテムである。人間の血を吸わせることでその吸った相手の姿を完全に移し取り、変化することができるのだ。
姿形だけでなく、記憶も、人格も、果ては得意であった能力さえも複写してしまう。
かつてはこの人形を用いて戦争ごっこさえ行われたという話もあるほどである。
「あのウェールズ皇太子は、本物ではなかったんです。この魔法人形が皇太子の姿に化けていたんです」
ルイズが言う中アンリエッタはスキルニルを見つめたまま、呆然としている。
まさしくスパーダが言っていた、木偶人形そのものであった。アルビオンはスキルニルをウェールズに化けさせることによって、アンリエッタを篭絡することを企んでいたのだ。
スパーダは初めからウェールズがスキルニルが化けている偽者だと見抜いていたのだろう。
ルイズの虚無によって死者のメイジ達はアンドバリの指輪の魔力を掻き消されて偽りの命を失い、スキルニルもまた、変化の魔力を失って元の姿に戻っていたのだ。
「……初めから、ウェールズ様はどこにもいなかったのね」
俯くアンリエッタは自嘲の笑みを微かに浮かべていた。
自分はウェールズでも何でもない、ただウェールズの姿をしているというだけの偽者に身を任せようとしていたのだ。
そんな偽者なら、あれだけ自分に愛を囁いてきたっておかしくはない。口先の愛を囁くだけのただの人形に、恋心と愛情を利用されるだけ利用されてしまったのである。
「わたし、本当にウェールズ様を愛していたのかしら……」
スパーダの言う通り、自分はウェールズの姿をしているものであれば何だって良かったのだろうか。
もう自分が抱いているウェールズへの愛情すら本物なのか疑わしくなってしまった。
こんな紛い物をウェールズとして愛してしまうだなんて、本物のウェールズに合わせる顔がなくなってしまう。
「お前はウェールズを愛してはいる。だが、同時に愛してはいない」
腕を組んでいるスパーダが突如口を開きだす。一行の視線はスパーダに集まっていた。
アンリエッタは先ほども彼が口にした言葉に、耳を傾ける。
「スパーダ殿……」
「誰かを本当に愛するというのは、その者の全てを受け止める覚悟がなければならん。その者の正の一面……そして、負の一面さえもな」
スパーダの言葉にアンリエッタもルイズも言葉を失ってしまう。
それが伝説の魔剣士スパーダにとっての、誰かを愛するという考えなのか。
「……お前は自分にとって都合の良いウェールズしか愛してはいなかった。だから、今回のような結果になった」
スパーダはタバサからスキルニルを取り上げ、それを上方へ高く放り投げる。
そして、懐からオンブラの銃を抜き放つと、空中のスキルニルを撃ち抜いていた。
銃声が、夜の街道に虚しく響き渡る。
「誰かを本気で愛するというのは……決して容易なものではない。お前にはまだその覚悟はなかった」
「そうですわね……わたしは、ウェールズ様を愛する資格なんて無かったのかもしれません……」
「姫様……」
悲しそうに俯き、力のない笑みを漏らすアンリエッタにルイズはたまらない様子で顔を背ける。
あれだけ望んでいた愛する者の無事な姿を、こんな悪夢という形で見せて弄ぶとは。
やはり、クロムウェルはとんでもない外道なのだ。ルイズの心には首謀者達に対する怒りが満ちていた。
「しかし……少し希望があったことも事実だな」
「え?」
オンブラを収め前髪を両手でオールバックに戻しながら告げるスパーダにアンリエッタは目を丸くした。
「メイジ達はアンドバリの指輪で偽りの命を与えられた連中だったが、ウェールズだけは木偶人形を使っていた。奴らが王党派の貴族達を全滅させているなら、ウェールズの亡骸にも偽りの命を与えて亡霊として差し向けてきたはずだ」
「あ……そういうことよね」
キュルケは納得したように声を漏らす。アンリエッタはスパーダの言葉を呆然としたまま聞き入っていた。
「それじゃあ、ウェールズ皇太子は?」
「恐らく奴らの手には落ちてはいないだろう。それだけは断言できる」
その言葉を耳にしたアンリエッタの顔に、僅かだが生気が宿っていた。
本物のウェールズが、愛する者が今もこの世界のどこかにいる。そう考えるだけで胸が熱くなってしまっていた。
「ウェールズ様が……生きている?」
「あるいは、死んだまま行方不明か。……そこまでは何も分からん」
スパーダはちらりと視線を街道脇の林へと向けていたが、すぐに逸らす。
「真のウェールズと会えるその時まで、希望を抱くことは悪いことではない」
「ウェールズ……様……」
愛するウェールズが、敵の手に落ちぬまま生きていてくれている。
その事実を知ることができたアンリエッタの表情と心には、喜びと希望が宿りだしていた。
いつかまた、今度こそは本物のウェールズと再会することを願うとアンリエッタは心に決めていた。
偽りではない本物の愛する男の姿を見たい。声を聞きたい。
……ただ、それだけを願って、アンリエッタはウェールズへ祈りを捧げることにした。
◆
悪夢の一夜は終わりを迎えた。まもなく夜が明けてしまう。
街道に転がる犠牲者の死体はこのままにはしておけないため、ひとまず木陰へと運ぶことにした。後でしっかり埋葬することになる。
「今夜は協力に感謝するぞ。スパーダ」
騎乗する馬にアンリエッタを後ろに乗せ、アニエスはスパーダ達を見回しながら礼を述べる。
「あの……」
「何も言うな。今夜は休め」
何かを言おうとするアンリエッタの言葉を遮り、スパーダは冷徹にそう告げていた。
アンリエッタが黙り込んでしまうと、アニエスは手綱を叩いて他の隊員達と共にトリスタニアへ向けて馬を走らせていた。
「あたし達も帰りましょうか」
キュルケがそう呟くと、タバサが上空で待機するシルフィードを呼び寄せる。
一行はその背に乗ると、上空へ舞い上がり、帰路へとついていた。
その一部始終を、林の中から密かに見届ける者がいた。
「アンリエッタ……」
青年は愛おしそうに愛する者の名を呟いていた。
先ほど、虚無を詠唱していたルイズを襲おうとした悪魔をここから魔法で吹き飛ばした彼はトリスタニアから馬でこの近くまで到着すると一度林の中に逸れ、ここから全てを見届けていたのだ。
馬の手綱を引いて街道に出て来た青年はアンリエッタを乗せた銃士隊の一団の背中を、姿が見えなくなるまで静かに見送っていた。
作品の良かったところはどこですか?
-
登場人物
-
世界観
-
読みやすさ
-
話の展開
-
戦闘シーン
-
主人公の描写・設定
-
悪魔の描写
-
脚色したオリジナル描写・設定