地の文勇者 -説明口調な勇者譚-   作:K.R.

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他サイト公開版のうちの4エピソード分を一つにまとめました。


旅立ち編
EP1〜EP4「勇者の試練」


時計「ピーピピピ、ピーピピピ、7時です、7時です。起床時間です。」

 

???「あああーーー………よーく寝た、ってもう7時か!? この"MP"を導力として動く目覚まし時計の音を耳にしてオレは自覚したぜ! まずい! 目的地に遅れちまうとっ!!」

 

ガタリッ!!

 

ジョンソン「オレはベッドから降りて急いで階段に向かうぜ! ……でオレの名前は"ジョンソン・エクストン"!! この王都・サイファスで暮らしている今日から勇者になる予定の男だ!!」

 

ジョンソン「ああっ!? しまった! またオレは説明口調に! なんだこいつベラベラと喋りやがって、と読者の罵詈雑言が聞こえてきそうだチクショー!!」

 

ジョンソン「……とにかく! 一刻も早く勇者となる為に今は領主様の住む屋敷にむかわねぇとなっ!! ……とオレは意気揚々と扉を開けて自宅から出て行くぜ!!」

 

バタンッ!!

 

 

………………………………………………………………………………………

 

 

ドドドドドドッ!!

 

ジョンソン「オレ、ジョンソン!! 今 急いで領主様の屋敷に向かっているところだ!!」

 

ジョンソン「この通路を右に曲がって行けば領主様の屋敷に着くぜっ!! ……ん!? 露店の前に居るあの二人はまさか!!」

 

ジョンソン「おーい文字通り悪そうな名前をした黒髪吊り目がコンプレックスな"ワルオ"ー! 病的なまでに綺麗好きな事で近所で有名になっている銀髪美女の"サリー"!」

 

ワルオ「……ん? 呼んだかジョンソン? そうだオレこそ"ワルオ"だ、ふははははっ! ……魔王だか何だか知らないが、このオレを差し置いて世界を恐怖で支配しようなど実に腹立たしいわ! オレこそが勇者になって魔王の息の根を止めてやるぞ!!」

 

ジョンソン「おお! お前は相変わらず支配欲が強い男だな! だがな! ……勇者となって魔王を倒すのはオレだぜ!! ……とオレは腕を組んで堂々と言ってみせる!!」

 

サリー「ジョンソン? あなたも勇者になるつもり? 悪いけど勇者となるのはわたしよ! 普段から遅刻ばかりするようなおマヌケ男が魔王を倒すなんて無理な話だからね!!」

 

ジョンソン「な、何だとー!? ……驚いた!!」

 

ワルオ「お! 隙あり! お前らより先に領主様の屋敷に行ってやるー!!」

 

ダダダッ!!

 

サリー「!? ワルオが走り出した!? 卑怯者! 待ちなさいよ!!」

 

ダダダッ!!

 

ジョンソン「あっ!? おい!! オレを置いて行ってんじゃねぇよ! ……お前たちこそ卑怯だー!!」

 

ダダダダダッ!!

 

 

………………………………………………………………………………………

 

 

ジョンソン「はあ……、はあ……、ようやく追い付いたぜ! ワルオ! サリー!!」

 

ワルオ「はっはっはー!! お前はのろいなジョンソン! この領主の屋敷の正面玄関の扉の前へ来るだけで、もうそんなに顔に出る程バテるなど、実に軟弱な男だ!!」

 

ジョンソン「……く! ワルオが何とも悪そうな表情をしてオレを見下しているっ! にしても何故こうなった!? 朝から何も食わずに突っ走ったからかっ!? 家からここまでの距離は1キロメートルも無いハズ! ……くそ! まさかお前ら二人に遅れを取るとはなっ!! とオレは悔しがった!!」

 

サリー「じゃあわたしは先に領主様と会って勇者の資格を貰いに行ってくるから、じゃあそういう事でお先にー。」

 

タッタッタッタッ!!

 

ワルオ「!! あっ、サリーが屋敷の扉を開けて早歩きで中に入って行きやがったぞ!! そうはさせるか! 勇者になるのは、このオレだっ!!」

 

ダダダダダッ!!

 

ジョンソン「!!? お、おい!? ワルオとサリーがまたそんな早い足取りで行くなんて!! さっきまで走ったばかりだろう!?」

 

ジョンソン「……仕方がない! 領主様の屋敷に入り一刻も早く勇者となるんだ!! ……てなわけで失礼しますっ! とオレは屋敷の扉をゆーっくり開け、両脇に居る警護担当の門番二人に頭を下げつつ中に入りワルオとサリーの後を追って行くぜ!!」

 

 

………………………………………………………………………………………

 

 

領主「ホーッホッホッホ! ……来たか、サイファスの領主たる私の屋敷へ……。その口から息を吐いている様子を見るに、二人共どうやらここまでわざわざ走ってきたようだね。………んで、早速本題に入るが、そこの君が今都市全体で行っている"魔王をぶっ倒そう!!"キャンペーンに応募した、勇者志望の人かな?」

 

ワルオ「おう! そうだ! このオレ様が勇者となる男だっ!!」

 

サリー「いいえわたしです! 領主様、こんな奴ほっといて下さい、魔王を倒すのはこのわたしなんですから!」

 

領主「勇者はどっちかはっきりしろッッ!!!!」

 

ワルオ・サリー「!?」

 

領主「………おおっと失礼、つい口調が荒くなってしまったよ。けど、勇者はやはり一人だけというのがお約束というモンなのだよ。……だから、君たちのどちらかg、」

 

ガチャンッ!!

 

ジョンソン「ちょーっと待ったああぁぁぁーーーっ!!! オレがキャンペーンに応募した勇者となる者だーーーっ!!」

 

ワルオ「!!? ジョンソンが勢い良く部屋のドアを開けて入ってきた!? おいおいお前! もうここまで追いかけてきやがったのかっ!?」

 

サリー「な、なんて体力っ! ……この屋敷は結構広くて私でも道に迷うかと思ったというのに!!」

 

領主「んぬ? ではそのジョンソンとかいう名前の君こそが、"魔王をぶっ倒そう!!"キャンペーンに応募した勇者志望者だと言うのかな?」

 

ジョンソン「はいっ! 本当です!! オレが勇者となって魔王を倒してやりますぜ!! と胸を張って答えたっ!!」

 

領主「ふーん、なるほど……。こーれは顎に手を当ててしばらく考えざーるを得んなー。」

 

ジョンソン「はえっ? な、何故です? ……このオレが都市の行うキャンペーンに応募した勇者志望者なんですよっ? 一体何故高級そうな椅子に座り難しそうな顔をして机に置かれた紙に目を通しながら深く考え込んでいるんですかぁ?」

 

領主「…………。よし、決めたよ。ジョンソン君、今一度 この都市の管理する書類を一通りみてみたんだが、確かに君は"魔王をぶっ倒そう!!"キャンペーンに応募した勇者志望者のようだね。」

 

ジョンソン「は、はいそうです!」

 

領主「ホーッホッホッホ!! なら君にはこれより勇者となる許可と資格を与える……と言いたいところだが、何処の馬の骨ともわからん貧弱そうな男に勇者を務めさせる訳にはいかない。そこでだ!!」

 

サリー「!? 領主様が天高く手を上げた!? あれは何を!?」

 

領主「ジョンソン君……いや、そこでへたり込んでいる銀髪の娘さんと、偉そうな態度を崩そうとしない目つきの悪い無礼者君の三人にはこれより、勇者となる為の試練に挑戦してもらう!! 勿論領主権限で拒否権は無しだ!!」

 

 

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