ジョンソン「うおおぉーーっし!! やるぞお前たちー!! 全員で力を合わせて倒すぞー!!」
ワルオ「ったく……しゃあねぇな! 足を引っ張んじゃねぇぞ!!」
サリー「あなた達の出番は無いわよ。全てわたし一人で十分よ!!」
ワルオ「へっ!! 勝手に言ってろ! とオレはサリーに言い返すぜ!!」
カイン「ほ、本当に大丈夫なのか……? 名前はアレだけど、一応ドラゴンだよ? 僕たちだけで勝てるのかな……?」
ジョンソン「おいおい! 何を不安そうな表情でオレハドラゴンの方を向きつつボヤいているんだ!! オレたち全員で戦えば勝てるぞ!!」
カイン「そ、そうだよな! ぼ、僕だってやればできるんだ!! 一度でも弱音を吐いたら、その途端ダメなヤツになっちゃうって言うしね!!」
ジョンソン「ああ! その意気だぞカイン!! ……ん!? 気をつけろ! オレハドラゴンが動き出したぞ!! と、全員に注意を促すぜ!!」
サリー「先手必勝よ! まずはわたしから攻撃させてもらうわ!!」
カイン(!! サリーって人が攻撃するみたいだ! 確か魔法を使えるって言ってたけど……一体どんな魔法で攻撃するんだろう?)
サリー「ふふふ、いくわよ……"マッチで付けた炎"!!」
シュボッ!! ポイッ!!
ジョンソン「おおおっ! さすがはサリー! オレハドラゴンが攻撃するよりも前に、懐に忍ばせておいたマッチで火を付けて投げつけるとは!!」
カイン「えええ!? 全然魔法じゃなーい!! それ、誰でも出来るからーーー!?」
オレハドラゴン「ググオオォォォ……。」
ゴソゴソゴソッ!!
ワルオ「…………あ? おいおい、オレハドラゴンの野郎、どこからともなく消火器を取り出してきたぞ?」
カイン「し、消化器!?」
オレハドラゴン「ゴゴアアアォォォォォ!!」
ブシュアアアァァァーーー!!
サリー「!? や、やるわね……。わたしの"魔法"を消化器の煙でかき消すなんて……。」
カイン「お前ら普通に戦え!?」
ジョンソン「くっ! こうなったら!! ワルオっ! あの技をやるぞっ!!」
ワルオ「!! アレをかジョンソン!! 数ヶ月前に……お前とオレ様が魔王を倒す用の技として編み出した必殺奥義を!!」
カイン(必殺奥義!? まさか、ジョンソンとワルオの二人で連携攻撃をするのか!?)
サリー「あの技ね……、わたしには恥ずかしくてできないわ。」
カイン「……え、恥ずかしい? それはどういうk、」
ジョンソン「いくぞワルオーーーッ!!」
バッ!!
ワルオ「来い! ジョンソン!!」
バッ!!
カイン「!? 飛んだ!?」
サリー「ジョンソンとワルオが飛んで、その後がカッコ悪いのよね。」
ジョンソン・ワルオ「「うおおぉぉぉっ!!」」
ガッ!! ガッ!! シュタッ!!
ジョンソン・ワルオ「「合体・完了!!」」
カイン「えええぇぇぇぇ!? 合体って何!? ただ単純に肩車してるだけじゃん!!」
サリー「そう、ジョンソンとワルオの必殺奥義は、肩車してから始まるのよ。」
カイン「そ、そうなんだ……。」
ジョンソン「おい! オレハドラゴンっ!! 覚悟するんだ!! オレたち合体戦士が来たからにはもう好きにはさせんぞ!!」
カイン「合体戦士て……、肩車しただけなんだけどなぁ。」
オレハドラゴン「グググゴゴゴォォォーーーッ!! …………人間如きが、このオレハドラゴン様を怒らせるとどうなるか……思い知らせてやるわ!!」
カイン「……ド、ドラゴンがシャベッタァァァァァ!!?」
ワルオ「ケッ! オレハドラゴン……、人間の言葉を話す知能はあるようだな!! だが所詮は見掛け倒し! ドラゴンなぞ取るに足らねぇぜ!!」
ジョンソン「うぉぉぉーーーっ!! オレは上に乗っているワルオを持ち上げたまま、天高く飛び上がったァァァァァーーー!!!」
ダンッ!!
カイン「おおお! スゴイ! 見た目は何かちょっと……いやかなりダサいけど、いけそうな気がする!!」
オレハドラゴン「ハハハハハッ! こんなもの! オレの刃物のように鋭利で切れ味抜群な爪で叩き落としてくれる!!」
ブンッ!!
サッ!!
ワルオ「こんな攻撃! 当たらん!! とオレ様とジョンソンは避けるぜ!! そしてトドメだっ! 調理棍棒・不羅威判〈フライパン〉!!」
カイン「いやフライパンはご飯作る時に必要なヤツ!! 武器で使って良い物じゃなーい!!」
サリー「ふ、不羅威判〈フライパン〉……、王都の武器屋でも殆ど出回っていないといわれる伝説の……!!」
カイン「そ、そうだったのかよ!?」
ワルオ「喰らえオレハドラゴンッ!! 合体奥義・酢食卵武流〈スクランブル〉・アタック!!」
ドグォァンッ!!
ジョンソン「そう、あれはいつかの早朝時に食したスクランブルエッグのように柔らかく優しい味だった……。」
カイン「最早食レポになってる!?」
オレハドラゴン「……、み、見事だ、人間たちよ……。オレハドラゴンであるオレを打ち倒すとは……ぐふっ!!」
サリー「ジョンソンとワルオの必殺奥義を受けたオレハドラゴンが負けたようね。」
カイン「た、ただの調理器具でやられるドラゴンって一体……。」
オレハドラゴン「お前たちの勝ちだ……、んあ〜あっ、今日の仕事終わり! オレはもうお家帰るもん、……じゃあの。」
ドスン! ドスン! ドスン!
ジョンソン「あっ!! オレハドラゴンがオレたちに背中を見せながら平原の南方面に向かい帰って行ったぞ!!」
スタッ!!
ワルオ「ほっ!! オレ様はジョンソンの肩から降りた!! はははははっ!! オレたち四人の勝ちだぜ!!」
カイン「け、結局僕何もやってない……。」
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
グゥィィィィン!!
カース「おっほっほっほ!! カースは地中からゆっくりと現れーる!! ……よくやった! 君たち!! オレハドラゴンをー、見事撃退したな!!」
カイン「うわ!? さも当然のように地中から出てきたぞあの人!?」
ジョンソン「ええ!! オレハドラゴンはオレたち全員で協力して倒しました!!」
ワルオ「おおぅ!! 試練はこれでクリアなんだろ!? はやくオレ様を勇者にしろっ!!」
サリー「!? 勇者になるのはわたしよ!! 魔法が使えるわたしこそ勇者に相応しいのよ!!」
ジョンソン「んなっ!? お前たち仲間割れをするなよ!! そんな事で揉めているようじゃあ勇者にはなれないぞ!!」
ワルオ・サリー「何ー!?」
カース「まあまあ落ち着くんだ。喧嘩せず仲良くやるんだよ君たち。さて、試練の結果だが……。ふむ、文句無しよ……全員、試練合格だ。」
ジョンソン「え、えっ!? ぜ、全員!? オレは驚愕した!!」
ワルオ「全員って……オレら四人とも勇者になる資格が得られた……、という事か! カースに尋ねてみるぜ!!」
カース「ああ、そういう事だ。君たち全員、明日から勇者として魔王を倒しに行ってもらおう。」
ジョンソン「は、はは……ははは!! や、やったぞ!! 勇者になれたぞーっ!!」
カイン「あ、あはははは……。僕全然戦ってないけど、勇者になれたー!」