都会って怖い………   作:クレナイハルハ

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私の名前は(タチバナ) 響姫(ヒビキ)

 

この春、故郷である東北から都会に出て来た高校一年生になる予定のコミュ障なおにゃのこである。

 

好きな食べ物は郷土料理である汁物に白い南部せんべいをいれたせんべい汁と南部せんべいのみみ。

 

食べたことがないなら食べて見て?本当に美味しのじゃから。まぁ、そんな事話す勇気なんて無いんだけどネ。

 

何故なら私はコミュ障である。

 

突如として話しかけられたらビクンと跳ねてしまうし、人に話しかけるのに酷く時間がかかるほどのコミュ障である。

 

私がコミュ障になったのは、中学生の頃だ。クラスの子にお前の声が小さい、聞こえないと怒られた事からだ。

 

怒られるなら喋らなければ良い、相手が寄ってくるなら寄ってこないようにすれば良い。そう考えた事から、色々と工夫した私は中学は1人の友人以外の誰とも話していないし、話しかけられていない。

 

そんな友達の少なく、内気な私を心配した両親はこの田舎から都会の高校へと入学を進めてきた。両親は少しでも友達が増えるだろうし、広い視野で物事を見て欲しいと言う善意の言葉と笑顔で私へ伝えてきた。

 

正直、こんなコミュ障が上京したら生きていける気がしない。そう思ってたけど、両親の言葉を断れず、結局私は東北から上京した。

 

一人暮らしが始まり、アパートの家具も揃ってきた。不安と緊張と全く知らない人と話さなければならないと言う絶望に心が既に折れかけている。

 

唯一の救いは私のたった一人の友達、セイちゃんも私と同じように上京し同じ学校に通うと言う事だ。

住む場所こそ離れているものの、セイちゃんが居るだけで凄く心に余裕が出来る。

 

さて、そんな事はさておき私は一人暮らしである。故に、自分のご飯は自分で用意しなければならないのだ。

 

だが、冷蔵庫の中身は空っぽ。

 

「……買い物に行くべ」

 

暫く分の食材を買うため、私はいつも通りの服装に着替えることにした。灰色のパーカーにスカート。そして口許を覆うようマフラーを巻き、鏡の前に行く。

 

鏡には、日本人としてはあり得ない程の明るいオレンジ色の髪に怠そうで、少し怖そうな表情の少女が口許をマフラーで隠している様子が写っている。

 

「……よし」

 

こうして若干不良っぽい感じを出して人を寄せ付けないようにすることで、話しかけられないようにしている。

 

というか、私の髪の色は世界が世界なら十分アニメのモブとかハーレムヒロインの一人とかにはなれると思うんだよね?まぁ、私には絶対に無理だけど、コミュ障だし。

 

鍵と財布、スマホを持ちアパートを出て近くのスーパーへと両手をパーカーのポケットに入れて歩く。

 

それにしても凄いなぁ都会は、あちこち明るくて夕方でも道が見えやすいのじゃ。田舎の山の方は夜になると凄く暗くて怖いけんどこっちは光がある分安心できる。

 

そう思いながらスーパーに入り、卵や魚。肉や野菜、麺類をカゴに入れていく。めんどくさいから近くのお店に行くって案はあるけど、もし話し掛けて注文するタイプの店なら私はセイちゃんと一緒じゃないと無理。

 

ボタンを押して注文するのって声かけなくても来てくれるから良いんだよね。

 

そう思いながら、単品売りのトマトを見極める。確かお母ちゃんが言うには色むらがなくツヤとハリがあって、硬くしまっていて丸みがあるものが良いんだっけ?

 

顎に手を当ててトマトを目利きしていると、何処からか視線を感じた。中二病?コミュ障を舐めないで欲しい、コミュ障は人の気配に敏感なのだ。

 

もしかして貴方もトマトが欲しい感じ?それなら速効立ち去りますんで。

 

トマトをいくつか袋に詰めてからカゴに入れその場から離れる。それと同時にチラリと私を見ていたと思われる人物を探す。見つけたのは真っ白なリボンで髪を結んだ私と同じくらいの年の女の子、今も私の方を見ていた。

 

な、なんだべ?私何かしたかのう?

 

いやでも私、買い物してるだけなんだよなぁ

 

そのまま会計をしてもらい買ったものをビニール袋に詰めてスーパーを出る。取り敢えず、今日は東北の実家から持ってきた白い南部せんべいを使ったせんべい汁でも作るべ。

 

そう思いながら歩き──

 

「まって、ヒビキ!!」

 

だそうとして、私の名前を呼ぶ声が聞こえてビクンと跳ねそうになった体をどうにか押さえる。不良を演じているのだから、突如として大声が聞こえても大丈夫なよう頑張ったかいがあった、きっと私と同じ名前の人でもいるのだろう。

 

袋を持っていない方の手でマフラーを口許より少し上へとあげて歩き出そうと一歩を踏み出し、それと同時に私の手を誰かが掴んだ。

 

「ヒビキ、ヒビキだよね?」

 

見れば、私の顔を覗き込んでくるさっきの白いリボンの少女が肩で息をしながら私の腕を掴んでいた。

 

「……人違いです」

 

出来るだけぶっきらぼうな感じでボソッと否定する。

 

み、見ず知らずの人に話し掛けたばかりか名前まで知られてる。私の知り合いに彼女のような子はいない。

 

それに、こうして急に話し掛けるどころか体に触ってくるなんて………これが都会の少女。なんと言うコミュニケーション力、私は絶対に話せない。

 

さっさとお家に帰ろう、そう思いながら移動しようにも少女が腕を掴んだまま話さない。

 

「じゃあ、貴方の名前は?」

 

(タチバナ) 響姫(ヒビキ)

 

「やっぱり響だよね?」

 

「……人違いです」

 

なにこれ?この子の言うヒビキって、誰?ラノベみたいな何かをしてらっしゃる?いや、確かに名前は一緒だけども。

 

と言うか、本当に精神が限界。私の精神はもうボロボロじゃ……。

 

私は多少強引に彼女の手から自分の手を引き手を離させてそのまま走り逃げ出した。

 

拝啓、東北にいるお父ちゃんとお母ちゃん。

 

まだ学校にすら通っていませんが、都会は怖いところじゃ、もう田舎さ帰りてぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小日向 未来side

 

 

私と響の私立リディアン音楽院への入学が決まりお祝いとして響に好きな料理を作って上げよう、そう思いながら食材を買うためスーパーへ入店した。

 

「え」

 

思わず、口から困惑の声が漏れた。

 

少し先の野菜コーナーでトマトが並ぶ場所、そこで野菜を見つめる響がいた。

でも私の知る響とは思えなかった、いつも笑顔を浮かべていたはずの顔からは笑顔が消え、何処か威嚇されている気がして、怖かった。

 

いつものように明るい色合いの服ではなく灰色のパーカーに黒いスカート、口許をマフラーで隠した何処か暗さを感じるファッション。

 

まるで、不良みたい……

 

そう感じるなか、会計を済ませた響は店の外へと出ていった。思わず響を追いかけて、声をかけた。

 

「まって、ヒビキ!!」

 

でも、彼女は少し立ち止まったがまた歩き出す。まるで、自分が呼ばれていないと確信しているように。

 

私はそんな響の空いている方の手を掴んだ。

 

「ヒビキ、ヒビキだよね?」

 

「……人違いです」

 

そう目を合わせずに自分を響じゃない。そう彼女は否定したが、私の中の何かが彼女は響なんだと、間違いなく響だと告げていた。

 

無理に目を合わせようとして見えた響の目は、一瞬だが酷く暗く、濁って見えた。

 

「じゃあ、貴方の名前は?」

 

「タチバナ ヒビキ」

 

帰ってきたのは、私の良く知る彼女の名前。

 

「やっぱり響だよね?」

 

響に何かあったのなら、相談にのってあげたい。そう思いながら、そう聞いたときヒビキと名乗った彼女は怖い表情で私を睨み付けてきた。

 

初めて響から向けられた、明確な拒絶。

 

なんで、どうして?そんな考えが脳を支配し思わず掴んでいた手の力が緩む。

 

「人違いです」

 

そう言って響は私の手を振り払い走り去っていった。そんな響に手を伸ばすが、届くことはない。

 

響、昨日あったときはいつも通りの響だったのに。一体、貴方に何があったの?

 

孤独、そして不良と言う言葉の似合う姿になっていた響が心配で、思わず彼女の携帯へと通話をかける。

 

お願い、響。通話に出て……!

 

次の瞬間、コール音が止まった。

 

『現在、この電話は電源が入っていないか電波の届かない場所にあるため、通話できません。ピーと言う発信音の後に───』

 

「ヒビ、キ?」

 

思わず耳元に持っていっていた手がだらりと下がった。

 

 






初めてシンフォギアの二次創作を書きました。

好評であれば続く、かもしれません

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今後、ヒビヒメは?

  • 一般人のまま
  • 波紋が使える逸般人へと進化
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