都会って怖い………   作:クレナイハルハ

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橘 響姫side

 

都会の怖さに震えてから一週間、私とセイちゃんは高校へと入学し学校と一人暮しの生活に馴れてきた。入学式初日から制服を着崩してマフラーを巻き、不良スタイルで式に挑んだ。

 

一人称はオレにして、常に誰とも話さない。

 

でもまぁ、自己紹介とかあるだろうしクラスの人の名前とかは把握できるじゃろう。

そう思っていた私を待っていたのは入学式後の先生のこの一言である。

 

「それじゃあ、今日は解散です。えっと、明日は遅れないように学校に来てくださいね!」

 

頭の中が真っ白になった。え?自己紹介とか、そう言うのねぇべか!?そう言って教室を出ていく先生に絶望した記憶がある。

 

そして先生が教室を出たとたんに席の近い者、知り合い同士で話し始めるクラスメイトの人たち。

 

うわぁ、これが都会。コミュニケーション能力が強すぎだ、コミュ障の私には不可能、無理だべ。

 

その後、もちろん私は即座に帰宅したためにクラスの人と話してはいない。不良を演じているし、何より私はコミュ障である。そんな私が話しかける?無理だべな。

 

まぁ、後からセイちゃんが色々と教えてくれたんだけど。その変わりにまたノートを見せてって言ってた。つまりは、まーたセイちゃんが授業中に寝るって事だべ。

 

これでも不良を演じているものの、授業態度はこれでも真面目な方じゃ。これでも中学のクラスランキングは上位に入っている。

 

そうして学校生活が始まって気付いたんじゃが、私のクラスメイトのキャラが凄いんじゃ。

 

例えを言うなら、ラノベにあってもおかしくないレベルだべ。女子校だけど特例で男子が一人だけ入学してくるとかありそうじゃな!

 

ポジション的に私はヒロイン?いんな、モブじゃよ。

 

さて、そんな生活を続けた私だが現在は数学の授業で教科書の問題を解いている、私は終わったので頬杖をついて暇を潰しているのだが……たった今私は酷く気まずい状況で辛い。

 

「はうぅ、これはどうやって解けば……」

 

私の学校での右隣の席に座る女子、私より遥かに大きく、もはや嫉妬すらもわかない程の立派なスタイルを持ち、オドオドとした感じの彼女。明照院(メイショウイン) 燈子(トウコ)さんがそう呟きながら頭を抱えている。

 

「救いはないのですかぁ……」

 

心なしか、瞳がぐるぐるしている気がする。

 

私はチラリと教室に設置された時計を見る、授業が終わるまでの時間は残り3分。さすがにかわいそうになってきただ。

 

仕方ないのう、今回だけ。今回だけじゃ、勇気をもて私。幸い、彼女は以前に出会った何故か私の名前を知っていた少女ほどに陽キャで、怖い存在では無いことはこの一週間で分かった。

 

「ぁ、あのさ……」

 

「は、はぃぃぃぃ!?」

 

ビクリと体を振るわせながら私の方を見つめて来る明照院さん、てか驚かせたのはごめんなさいだけんども、急にそんな声だしたらこっちがビクリッ!てなりそうだったし、下手したら心臓が止まりそうになるから本当にやめて。

 

「その方程式、ここを……」

 

どうにか不良と言う皮を被ったまま説明を続ける。正直、この会話だけで1日分の会話をした気がする。あぁ、早く授業終われ。家さ帰りたい。

 

「こうすれば、解ける」

 

次の瞬間、授業終了のチャイムが鳴り響き先生の一声で立ち上がり挨拶をする。そして即座にリュックに机に広げていた教科書や筆箱、ノートをしまい即座に教室を出る。

 

不良を演じてるのだから、真面目にノートを取っていると思われたらアウトである。即座に教室を出て玄関ホールへと向かいながら、マフラーを立てて口許を隠す。

 

はぁ、やっと帰れるべ。早く家に帰って横になりたい、私の心はボドボドだべ。靴を履き変えそのまま帰路を歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ晩御飯を作るべと家の冷蔵庫を開けたところ、豆腐と南部せんべいのミミしかなかったので私は初となる都会のご飯屋さんへと向かっている。

 

今私が携帯を見て向かっているのは『ふらわー』と言うお好み焼き屋さんである。

 

正直、少食の私は全部食べられるかは分からないけど時間を掛ければ食べきれるはずじゃ、たぶん………きっと。

 

「いらっしゃい、好きな席にどうぞ」

 

店に入ると優しそうなおばさんが出迎えてくれた。軽く頭を下げてから一番端の席に座る。正直、セイちゃんがいないから注文はあのおばさんが来たタイミングで言うしかない。

 

「ぁの……豚玉、一つ」

 

「いつもみたいにご飯と一枚頼まないのかい?」

 

「……人違いです」

 

「あらそう?分かったわ」

 

そう言っておばさんはお好み焼きを焼き始める。それにしてもやっぱり都会はすごい、お客様の顔をちゃんと覚えてる店員さんなんてよっぽど通ってない限りはないべ。

 

それなしても今回は店が空いてたからよかった、もし空いてなかったら即座に注文することは出来なかっただろう。

 

そうして出されたお好み焼きは、私の想像の倍以上に大きかった。確かにお腹は減っているが私はコミュ障に加えて少食である。例えるならば、ラーメン屋で頼む半チャーハンでお腹がいっぱいになるレベルの少食である。

 

食べきれないと判断した私は即座に携帯を手に取った。セイちゃん助けて!!

 

すると近くにいたらしく、すぐに此処へ来てくれるらしい。私はその返事に安堵しつつお好み焼きを頬張る。そして即座にお腹がいっぱいだと感じられる幸福感と満足感。これを食べきるためにも来てくれとセイちゃんの援軍を待つのであった。

 

 




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