都会って怖い………   作:クレナイハルハ

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橘 響姫side

 

皆様、お久しぶりです。

 

響姫です、都会での生活は毎日が疲れと驚きで一杯ですが、何とか私は生きています。

 

コミュ障でヤンキーを装い生活している私ですが根は優しく、人にも誠実に接していたつもりなのです。

 

悪いことや人の気に障るような事はしていないはずだと思っています。

 

なのに………

 

『付近でノイズが発生しました、直ちにシェルターへ避難してください!繰り返します、付近でノイズが発生しました、シェルターへ……』

 

何故このような事になってしまったのだろう?

 

外から聞こえる煩く鳴り響く警報音。

 

人の怒声や悲鳴、子供の泣き声。

 

震える体を両手で押さえ、部屋の隅に座り込む。

 

やっぱり都会は怖い。

 

ただでさえコミュ障で都会に出たくなかった私が都会に一切来たくないと訴えていた理由の1つがこれだ。

 

ノイズ、13年前の国連総会で特異災害として認定された謎の存在。発生そのものは有史以来から確認されていたらしく、歴史上に記された異形の類は大半がノイズ由来のものと言われている。

 

勿論、学校の教科書にもその存在が記されていて知名度自体はそれなりに高く、空間からにじみ出るように突如発生する………らしい。

 

人間のみを大群で襲撃して、触れた人間を自分もろとも炭素の塊に変えてしまう化け物。発生から一定時間が経過すると自ら炭素化して自壊する特性を持つらしい。

 

取り敢えず避難しないと………

 

いつも学校へ向かうときに持っていたリュックサックに防災用に非常食や水の入ったペットボトル、数日間の着替えや教科書の類を詰め込む。

 

そんな中、ふと机の上に置いておいた小さなストラップのぬいぐるみを見る。大きく翼を広げていて、胸にハートマークが着いている小さな鳥のぬいぐるみ。

 

先日、クラスメイトの待兼山(マチカネザン) 来福(キフク)ちゃんが『これが貴方の福を呼ぶ開運グッズです!遠慮せずに貰って下さい!』と、半ば押し付けられる形で貰ってしまった。

 

うん、物の押し売りだ、やっぱり都会って怖い、そう思いながらいつ返してくれと云われても大丈夫なように保管していた。

 

この子が私の開運グッズなら、ノイズに会わないよう避難できるべか?

 

「どうが、お願いだ。私を……守って」

 

そう思いながら私はリュックのファスナーに()()()()()()()()()のストラップを着ける。

 

「うん、なんだか逝ける気がするべ!」

 

ハッピーカムカムだべ!きっとノイズに出会わずシェルターに着けるべ!そう意気込んでから家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………どうしてこんなことになったんだべ。

 

あんな風に意気込んで外に出た私は今は、シェルターから遠くはなれた路上にて、ダンボール箱を被ってダンボールに扮して蹲踞でシェルターへ向かっていた。

 

ダンボールを被ったからか、何故か近くに佇むノイズは私に対して何の動きも示さない。

 

何故こんな事になったか、アパートを降りていざシェルターへと向かおうと歩き出した瞬間にシェルターへの道にノイズが現れ、別のシェルターのルートに向かったところ、全てにノイズが佇んでおり、遠回りしなければならなくなったからだ。

 

何故ダンボールを被っているかと言うと、少し前にクラスで(ハル) (ウララ)さんと成田(ナリタ) 泰真(タイシン)さんが話しているのを聞いたからだ。

 

『しってる?ダンボールってさいきょーなんだよ!かくれれるし、なによりつかいみちが、ほーふなんだ!』

 

『はぁ、ゲームのしすぎじゃない?』

 

『えー!そうかなー?』

 

麗ちゃん、ダンボール最強だべ。ノイズから逃れられる超アイテムだべ、万能で最強で安価だべ!

 

そろーり、そろーりとダンボールを被ったまま移動する。だいぶ歩いたし、ノイズから距離もとれた、もう大丈夫だべか?

 

そう思いながらダンボールから出て立ち上がる。ずっとしゃがんで歩いていたからか、少し腰が固くなっている気がする。

 

ふぅ、取り敢えずこれでシェルターに避難できるべ。そう思いながら出来るだけ急いでシェルターへの道を走る。

 

地元が坂や山道が多かった為に体力はある方だ、その点だけは田舎の方出身で良かったと感じる。

 

いつもなら人で賑わうであろう大通りを1人走り続ける。もう外の人は避難したのか、誰もいないようだ。

 

物語の主人公とかなら逃げる途中で子供を見つけて一緒に逃げたり守ったりするんだろうなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くちゅん!」

 

うう、風邪かなぁ……そんな事より戦いに集中しないと翼さんに認めて貰えないよ。

 

「よーし、行くぞッ!」

 

頭に浮かぶ声をそのまま歌い、シンフォギアを纏った私はノイズへと走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノイズがいた場所から離れ、シェルターのある方向へとひたすら走る。

 

お父ちゃんやお母ちゃんに絶対に生きて会いに行くんだ、もっと生きたい。

 

こんなところで死にたくない、もっとセイちゃんと話したい、もっと南部せんべいのミミやリンゴを食べたい

コーヒーゼリーの美味しさも分かりたいし

紅茶アイスも食べたいべ!

 

その思いを胸に道を走る。

 

あと、あと少しでシェルターに……

 

「タチバナッ!!」

 

自分の名字を叫ぶ声が聞こえ、驚いて肩が跳ねそうになったのを無理やり押さえた私をどうか褒めてほしい。

 

私じゃないよね?そう思いながら再び走ろうとして気付いた。いや、ここに私以外の橘いないべ、もうここ私以外に人いないべ。

 

ばれない様に深呼吸してから振り向く。

 

そこには綺麗な女の人が体の所々にSFのような装甲を身につけて、大きな剣を持って立っていた。

 

うわぁ、これがコスプレイヤー。都会の画像で見たことあるけど、本当にクオリティが高いべ。

 

あれ、そういえばこの人……何処かで見たことがあるような………そうだ!確かテレビで見たことがあった気がするべ!

 

たぶん、あの人の叫んでた人は私じゃなくて同じ苗字の他人だべ。

 

前みたいに、私の事を知ってる不審者やストーカーの類い?ではないはずだ。きっと私じゃない、誰かを呼んでいるのだろう。

 

そう思いながら走っていた方向へと向き直りって走り──

 

「待て!」

 

そのまま曲がりシェルターへの道を全速力で走る。その後、私は何とかシェルターの中に入る事が出来た。

 

何とか避難できたべ、そう思いながらシェルターの中で座れそうな場所を探していると突如として何か抱きつかれた。

 

「無事で良かったですぅぅぅぅぅううう!」

 

この声は恐らく以前に数学を教えた明照院 燈子さんだ。取り敢えず不良らしく黙ってされるがままにする。

 

と言うか、改めて考えたらあの場所って私以外にタチバナの人は誰もいなかった。しかもタチバナ……間違いなく私の苗字である橘と叫ばれた、また知らない人に私の名前が………やっぱり都会って怖いべ。

 





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