橘 響姫side
セイちゃん達と大盛ラーメンを制覇してから1ヶ月、クラスで委員長や綾部さんから話しかけられる事もなく平和に………うん私は平和に過ごせているかも。
最近はノイズの警報も多く、本気で田舎に戻りたいと思う今日この頃、人知れず何者かがノイズを倒している、とか実はマジカルな存在がノイズを操っているとか、そんな変な噂が出回っている。
うーん、そんな特撮みたいな事があるべか?
そう思いながら都会の町を散策する、何度も道を通っているがやはり迷いそうになっちまう。都会の道のりは複雑だべ。
今回、こうして買い物に来ているのは本格的な防災セットを作ろうと思ったからだ。ノイズが現れ、いつ避難しないといけなくなるか分からない、それならいつでも避難できるよう専用のリュックを買って中に防災グッズを保管すればいざと言う時に、それだけ持って避難すれば良い。
取り敢えず発電できるタイプの懐中電灯や乾パン等の非常食。防寒対策に毛布、そしてそれらが入る頑丈なリュックを購入し私は店を出ると、空が暗くなり始めていた。
早く帰るべ、帰ってセイちゃんの分のご飯を作ってお風呂を沸かさないと。
歩きながら冷蔵庫の中身を思いだし、何を作るか記憶の中で作れそうなレシピを考える。うーん、豚汁……冷凍餃子に焼き魚、何が良いべか。
ふとセイちゃんとの会話が脳裏に浮かび上がり、立ち止まった。
そういえば、防犯グッズを買い忘れたべ。
見知らぬ不審者から声を掛けられた事をセイちゃんに話すと、防犯グッズでも買ったら?とスマホで色々や商品を見せてくれた。
防犯ブザーや催涙スプレー、ミニ警棒など持ち歩けそうな物の他にメリケンサックや防弾防刃チョッキとか色々な物が売られていてびっくりだべ。
やっば都会って怖いんだべなぁ……でも何故だろうか、犯罪者よりこれらを装備している人達がいると言う事実に、本当に怖いのは人間だと感じる。
そういえば二度ある事は三度あるべ、ならまた話しかけられるかもしれないべ!?もうやだ、早く家さ帰るべ!
「おい、お前!」
早すぎるフラグ回収、聞こえてきた荒々しいおなごの声に肩がビクリと震えた。今回は耐えられなかったべ、ヤバイべ声からして分かるべ完璧な不良でスケバンな声だべ振り向きたくないべ………。
そう思いながらも姿だけでも見よう、そう考えてチラリ振り返り驚いた。
綺麗な銀髪にたわわな胸、幼き身長は正にヒロインといった感じだべか?しかもさっきの話しかけ方から見るに気が強いってことは主人公の前だとしおらしくなって可愛いタイプのやつだべ!間違いなくてメインヒロイン張れるべ!
「うわぁ、えらい別嬪さんだべ……」
思わず口から感嘆の声が漏れる。
「お、おい?」
というか、もしかして話しかけられるのって私だべか?道は聞かれても答えれねぇけど。
「私に何か用あるべか?それとも私が何かしてしまったべか?」
「コイツ、いやアイツ?………ん??」
何故か疑問符を浮かべるヒロインちゃん(仮)に、今初めて演技を忘れて素で話していた事に気付いた。
羞恥心で頬が赤くなるのを感じる。そもそも不良を演じていたのに何でこんなに素直に話してるだべ私!?
羞恥心が込み上げてきて頬が赤くなるのを感じる、とにかくこの場から逃げたい。その事ばかりが脳内を埋め尽くす。
逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい。
「まぁいい、とにかくアタシに付き合──」
「ごめんなさいだべぇぇぇええええええ!!」
そう謝りながら私は羞恥心からその場から逃げ出した。
雪音クリスside
「え、おい!?」
謝りながら走って逃げていくアイツに思わず片手を伸ばしたまま固まる。
何故か回りから生暖かい目で見られている気がして、無性にこの場から離れたいと感じる。
「ヒソヒソ、告白よね今の?」
「ヒソヒソ、振られちゃったのかな?」
は?告白!?なんで………
『とにかく
あの時、アイツに向けて放った言葉が脳内で再生される。
み、見るな!そんな目でアタシを見るな!
わ、私は別に振られてなんかいない!振られてなんかいないんだ!
そう思いながらアタシは早足でこの場から離れるのだった。
ご愛読ありがとうございます
感想、お気に入り登録、高評価
お待ちしています
今後、ヒビヒメは?
-
一般人のまま
-
波紋が使える逸般人へと進化