なお、これを読んで幻想郷入りをするために行った行為によるすべての責任は、それぞれの人物にあるとし、
当方は一切の責任を負いかねることをご了承ください。
ここには幻想郷なる忘れ去られたユートピアへと移住する方法を書いていこうと思う。
注意してしかるべきは実行するのにある程度のまとまった資金と覚悟、そして何よりも時間が必要であるという点である。
そして、ここに書いてあることを実行できない、と感じた者は今一度、自分の周囲を見直してみてほしい。
きっと、そこでは今までは気付かなかった人生の素晴らしさというものが見つかるはずである。
また、この手記はネット小説という形で投稿予約により投稿されるであろうものであり、この手記がネット上で公開された時にはすでに私は幻想郷へと移住しているはずであるため編集はできない。
記述に不備があってもどうか諸氏の寛大な心で見逃してほしい。
20xx年○月△日□曜日(晴れ)
まず重要なのは他人に自分の存在を忘れられることである。
両親が死に、大学を自主退学してから二年。
この間、できる限りのことをして人の関心を浴びないように暮らしてきた。
買い物のすべてをネットを補い、その料金は架空名義の口座からの引き落としですべて済ませる。
こうすることにより、一連に拘わる人々――発送者や宅配サービスの人間――の関心は私自身ではなく山田花一郎という男に向かうはずだ。
また、住居についても名義を用意して複数借りている。
この資金はすべて両親の保険金や遺産から出ている。
20xx年□月○日×曜日(曇り)
周囲から奇異の目を向けられないよう社会規範を守ることも重要だ。
たとえば騒音や深夜まで電気をつけっぱなしにしない、昼間はちゃんとカーテンを開けておくなどのことをすることで他人の目に留まらない普遍的な存在になることができる。
この時点で、すでに私のことを覚えているものは少ないはずだ。
20xx年□月×日△曜日(晴れ)
厄介なことが起きた。
なぜ今までその可能性に気付かなかったのかと自分を恥じる。
風の噂で高校の頃の同級生が同窓会を開くということを知った。
これに欠席をしても出席をしても自分の存在が意識されてしまう。
出席をすれば、それほど印象を残さないで済むかもしれないが、今までやってきたこと全てが無駄になる。
かと言って欠席しても来ていないことに気付いてしまうものがいるかもしれない。
予定日は再来週、それまでどうするか決めなければならない。
20xx年□月▽日◇曜日(雨)
悪いことは重なるようだ。
郵便ポストに不在通知書が入っていた。
今までは玄関の前に置いたままにしてもらっていたのだが、おそらく新しくこの地域の担当になったのだろう。
こうなっては仕方ない。
同窓会のこともあることだし一度、最初からやり直すことが必要なのかもしれない。
20xx年□月▽日◇曜日(大雨)
ふと、宅配を受け取った瞬間に妙案を思いついたため、本日二度目になるが改めて記す。
宅配サービスの人間を殺してしまえばいいのだ。
無論、ただ殺しただけでは私が犯人として疑われ人々の記憶に残ってしまうだろう。
そのため、彼には私として死んでもらうことにした。
彼の顔は私とは全く似ても似つかないが、幸い、人が特徴として覚えやすい髪形や体格は似ていた。
家に入って来たところ未使用の包丁で一刺し。
指紋を付けないよう皮手袋を着用したが、持ち手を拭き取るような愚行はしない。
この室内には私の指紋がいたるところに残っているのだから、指紋が拭き取られていれば、それをするのは指紋を拭き取る必要がある人間=私となってしまい、人の意識に強く残ってしまうはずだ。
それに、この包丁には私ではなく生産者の指紋がべったり残っている。
外部の人間の犯行と思わせるのにこれほど適したこともあるまい。
彼の死体には私の衣服を着せ風呂場に転がし、換気扇をつける。
これで死体が腐敗してもしばらくは異臭騒ぎなどにはならずに済むだろう。
いずれ、彼が私ではないと判明し、部屋の持ち主である私が重要参考人として手配されるであろうが、そもそもこの部屋の借主は山田花一郎であり私ではない。
つまり、私に意識が向けられることはない。
強盗殺人に見せかけるため、適当に部屋を荒らし、深夜、人目に付かないように他の借家に移動した。
20xx年□月○日×曜日(曇り)
同窓会の問題も一応の解決を見せた。
あの家に私が住んでいたことを知る同級生があの事件のことを知るように工作したのだ。
普通、被害者の名前などは出ないため、たとえあの部屋の借主が山田花一郎であり、しばらくの間は被害者が山田花一郎だと思われていたとしても、彼らにとっては死んだのは私ということになる。
これで、しばらくは同級生たちの意識に残ってしまうが、それ以降は特別私のことを思い出すことがない限り彼らは私を忘れるだろう。
そして、おそらくは山田花一郎とは無関係の彼らに捜査の手が伸びることもないだろう。
彼らが自主的に捜査に協力するような善良かつ愚かな人間でないことを祈るばかりだ。
20xx年□月▼日■曜日(快晴)
様々な問題を片づけた私を祝福するかのように空が晴れ渡っている。
最近は落ち着いて空を見ることなどもなくなったが、その分余計に清々しい気持ちになった。
おそらく人間の高度な文明の入っていない幻想郷の空はこれよりも青く、そして高いのだろう。
20xx年□月●日□曜日(曇り)
ここからは時間との勝負だ。
現在、私がすごしているのは付近にある音大生向けの高級アパートの一室であるが。これは実に都合のよい建物だった。
まず、家賃の前払いが可能だったため数年間分をまとめて支払っていたのが大きい。
そして音大生向けというだけあって大した防音設備である。
これならば生活してる上で避け得ない生活音などが隣人などに意識されることもないだろう。
食事については今までため込んだ防災用の保存食品で賄うことにする。
これがなくなった時が私の最後のこちらでの一日になるだろう。
202x年12月24日×曜日(雪)
今日、私は幻想郷へ飛び立つ。
なぜこの日にしたかといえば理由は簡単である。
この日は世間一般ではカップルたちの日と認知されている。
そんな日にわざわざ私のことを気にする人間など一人たりともいるはずがない。
だから、あとは最後の仕上げに力ある言葉を唱えるだけだ。
当然、私には魔法などという力もなければ、幻想郷への道を拓く力もない。
これまでやってきたことは幻想郷に受け入れられやすくする程度の下準備だ。
あとはしかるべきものに任せるしかない。
これは、彼女を呼び寄せるための祝詞なのである。
『ゆかりん、まじBBA臭wwwww』
※幻想郷に移住する過程でスキマ妖怪に殺される可能性があることを理解したうえで実行してくださいますようお願い申し上げます。
ゆかりんBBAはニコ動の幻想郷入り動画のテンプレ
\ゆかりん、超美少女!/\かわいい/\ばbうわなにをs以下略/