おかえりを言いたかった   作:名無之助

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あけましておめでとうございます。


海王星の盾

 

 

 戦死時の乗艦または所属部隊:戦艦クイーン・エリザベス(国連宇宙海軍欧州管区連合艦隊海王星方面防衛隊)**

 

 戦死状況:クリス・K・ランバート(51歳、少将)。艦隊司令として海王星軌道で民間船団護衛中、ガミラス艦隊と遭遇。船団を守るべく艦隊を盾として防衛戦闘を指揮、最期は大破した乗艦にて敵巡洋艦に体当たりして轟沈。

 

 艦隊全滅、乗艦にて敵巡洋艦へ特攻、戦死となる。

 

 次に登場するのは、地球連邦防衛宇宙軍中将、ライアン・K・ランバート。厳格な軍服に身を包んだ彼は、父・クリス・K・ランバートの話を始めると、目を遠くにやる。

 

  「11歳の時、父が艦隊司令として海王星へ向かったのを覚えてる。『市民を守るのが軍人としての俺の仕事だから』って格好つけて笑ってた。あの言葉が、私をここまで導いた…」 カメラが彼の執務室を映す。

 

 机の上には、父の形見である古い望遠鏡が置かれている。

 

 ライアンはそれを手に取り、窓の外を見ながら続ける。

 

 「父が率いた欧州管区連合艦隊は、海王星軌道でスペースコロニーや衛星からの疎開船団を護衛してた。父の手紙には『退屈な任務だ』って書いてあったけど、ある日、すべてが変わった」 映像は海王星の青い輪を背景に、戦艦クイーン・エリザベスが船団を護る姿を映す。突然、ガミラス艦隊が現れ、無数のビームが宇宙を切り裂く。

 

 ライアンの幼い記憶が挿入される。父が家を出る前、肩に手を置いて笑った瞬間。 「父は最後に私を抱きしめて、『父さんはお前が誇れる男でいたいから、頑張ってくるよ』って言った。それが最後の言葉だった」 記録映像が続く。

 

 クイーン・エリザベスが船団の盾になるようにガミラス艦隊と交戦し、敵巡洋艦に体当たりする瞬間が映る。爆発とともに艦が散り、船団の半数が離脱に成功する。

 

 ライアンの声が重なる。

 

  「父の艦隊は全滅した。でも、船団の半数が生き延びたのは、父や、あの日戦ってくれた人たちがいたからだと思う。あの時、11歳の私は何もできなかった。ただ、母と一緒に父の帰りを待ってただけ」

 

 ライアンが立つ基地の窓から、海王星の方向が見える。彼は望遠鏡を手に持ったまま、静かに語る。

 

  「父がクイーン・エリザベスで戦った時、私はまだ戦争の意味を理解してなかった。母が泣きながら『お父さんは頑張ったよ、でも帰ってこれ無くなっちゃった』って言ったけど、私は幼いながらもその時、父がもういなくなってしまったことを理解して泣いてしまいました。今、私が防衛軍にいるのは、父の意志を引き継ぎたかったからだ。民間人を守る、それが軍人の務めだって、父が教えてくれたから」 ライアンは望遠鏡を手に、遠くを見つめる。

 

 「この映画で、父の選択がどれだけの命を救ったか、みんなに知ってほしい」

 

 「あの日の父の笑顔を、私は忘れたくない」

 

 映像は、船団の生き残りが地球に帰還するシーンで終わる。

 

 幼いライアンが母と港で父が帰って来るのを待つ姿が映り、彼の声が響く。

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