「嘘だろ……何だ、今のシュートは……!」
フェンスに突き刺さったボールを苦々しい表情で睨みつけながら、伊槌がそう呟いた。
高機はゴール前からシュートを放っている。そうなれば当然、その分ボールは長い距離を進むことになり威力の減退を受けるはずだ。だと言うのに──
「や、ヤベェな……今の、伊槌のシュート並……」
木崎がこぼした言葉に伊槌が歯噛みする。感情を噛み殺しながら重く口を開いた。
「いや、最早俺以上だ……フィールドを縦断するシュートは俺には打てない」
「あいつは本当にGKなのか……」
この試合の中でGKとして高い実力を見せた上に、この出鱈目な威力のシュートまで併せ持つ怪物──未だ蒼雷を身に纏って大きく息をつく高機を、伊槌はただ睨むことしかできない。
憲戸陣営に広がり始めた重い空気。それを取り払ったのは、野太く荒い檄だった。
「オォイ! ビビりすぎんなお前ら! どんなスーパーゴールでも一点は一点だ! まだ取り返せる!」
「そうだ、まだ前半も終わっていない。諦めるには早すぎるぞ」
無籐の雄叫びに、靴木は厳かに同調する。
その通りだ、と伊槌は大きく息を吐き、気合を入れ直した。取られたなら取り返す他ない。
伊槌たちの顔色が戻ったことを認めた無籐は、その口角を凶悪に上げながら言葉を続ける。
「考えがある。キックオフと同時に、全員敵陣に走り込め。真正面から守備を突き崩すのは厳しいかもしれねぇが……これなら可能性はある」
「……おう! よく分かんねーけど、とりあえず走ればいいだけだな! それは俺でも分かったぜ!」
「本当に大丈夫かい、君……」
「へッ、ボールを追い回すことさえ分かってりゃ構わねェ」
木崎の気の抜けた無駄に力強い返事に、いつの間にか近くにいた梵場が肩をすくめた。その緊張感のないやりとりが、伊槌にとっては心地いい。息を漏らすように微笑みを浮かべた伊槌の肩から余計な力が抜けていく。
そして、審判から新しいボールが伊槌に手渡される。センターサークルに視線を向け、その先のゴールを射抜いた。
「……前半の内に一点返す! 行くぞ木崎、梵場、明凪!」
「おう、俺が決めてやる!」
「ふっ、あの子猫ちゃんのゴールを射抜くのは僕だよ」
先ほどまでの恐れが嘘の様に、木崎が威勢よく高機の守るゴールを指さす。再構成された四壁のフォーメーションに鋭い視線を向ける憲戸中が、それぞれのポジションに散って、試合再開の用意が整っていく。
「……うん?」
その中で、一つ動かない影を、梵場が認識する。伊槌に名を呼ばれたもう一人である明凪が、俯いたまま立ち尽くしていた。
「……私は……」
「どうしたんだい、子猫ちゃん?」
そう声をかけられた明凪は、弾かれたように顔を上げ、力無く開いた目を梵場と合わせた。
「……!」
だが、次の瞬間には黒いキャンパスに白のペンキをぶちまけた様に、いつも通りの笑顔に変わる。
「あ、すいません! なんでもないですよ! よーし、絶対取り返すぞー!」
「……そうだね、さあ、行こうか!」
はい、と大きく返事をした明凪がせかせかとポジションに戻る。いつもと同じ、底抜けに明るい明凪と何ら変わらない後ろ姿。
「──明凪くん……」
梵場はその姿を、脳裏で雲に隠された朧月と重ねた。
────────────
審判の笛が再び鳴る。その合図とともに、伊槌は無籐にボールを預け、一目散に四壁陣内へ駆け出した。木崎もそれに倣う。
「一気に行くぞ……!」
「! 警戒を怠らない!」
伊槌の動きに釣られ、少し四壁の重心が後ろにずれる。それを承知の上で、伊槌たちは足を止めない。
「何を狙ってる……?」
「よし、行くぞお前らァ!」
狙いの読めない動きに、御時は困惑を隠せない。その思考が落ち着くのを待たず、無籐がシンプルなロングボールを前線に蹴り込んだ。
ゴールへ一気に向かう長いパスに、木崎と伊槌が我先にと飛び込む。が──
「通すわけ……ない……!」
空中のボールを鳥羽が掻っ攫う。自暴自棄のロングパスなんてものは
しかし、その表情はすぐ驚きの色に染め直された。
「──だろうな」
「……!」
この試合、DFのポジションに入っていたはずの靴木が、猛烈な勢いで鳥羽にプレッシングを行う。流石に予想外だったのか、一瞬反応が遅れたのが運の尽き。
「今度こそ……クッキーウォールッ!」
「ぐっ……」
壮大にそりたった菓子の壁が、大地を揺らして鳥羽の足をもつれさせる。ころりと転がったボールは、靴木の下へ。
奪って、奪われ。目まぐるしく変わる状況に、一瞬四壁恒星の足が止まった。
「来いッ!」
「ああ、走れ!」
狙い通り、当然見逃さない。間髪入れず、再び最前線のFW2人へ強烈なパスを刺す。反応を示したのは、伊槌だけだ。
パシッ、と。パスの勢いを完璧に殺し、次の動作へと最速で移る完璧なトラップ。すぐさまゴールを睨む。
「打てる……!」
視界に映るのは高機のみ。それを認識した伊槌は、素早くボールをリフトアップして電閃の体勢に移り──
「スイープストォーム! どっせぇ〜い」
「電ッ……!?」
──だが無慈悲にも、その身体はDF椈月の振るったモップによる突風で『掃除』されてしまった。
「えへへっ、掃除は得意なんですっ!」
四壁恒星のDFは伊達ではない、いつまでも惚けているようなものはいなかった──流石のレベルに、伊槌は砂を噛み締める。
こぼれ球は別のDFがすかさずクリア。そしてそのボールの先には、御時が待っている。
「よし……!」
その時、伊槌は脳裏でカチッ、とスイッチが入るような音を幻聴した。
御時にボールが入ることが四壁恒星のカウンターのスイッチ。この瞬間だけ、チームの重心は前に寄る。
つまり──
「テメェを潰せば、俺らがカウンターの番だよなァ!」
「っ、早いッ!」
無籐が力強いチャージを御時にぶつけ、前を向かせない。だが御時も、懸命に身体を、テクニックを使ってボールキープを試みる。
だが、そこに猛進する影が1つ。
「うおらぁ!」
「ぐっ、
最前線の木崎が、全速力でプレスバックをかけ、渾身のスライディングが御時のボールを大きく弾いた。これには流石の御時の顔にも、動揺が色濃く出る。
「くっ……明らかに、作為的な動き……!」
御時はこの一連の憲戸の守備に、ある意図を見透かしていた。
DFを無視した暴走紛いの2トップ、それに当てるシンプルなロングボール、DFすら出張ってのハイプレス、カウンタースイッチの御時を狙い済ましたダブルプレス──四壁恒星のアンチテーゼかのような、超・攻撃的ディフェンス。
──これらは全て、今目の前で凶悪な笑みを浮かべる、この男に仕組まれた、と。
「──ハッ、最高だよなぁ? 格上の相手を、策に嵌めて上回るのは」
極めて愉快そうに、無籐は相貌を歪める。凶悪な瞳の奥に、勝利への執念が爛々と光り輝いていた。
無籐が弾いたボールを確保して、背後の梵場へヒールパスで流す。受け取った梵場は、不敵に笑って無籐を追い越しゴールへと迫っていく。
「くっ、行かせるか……!」
DFが急いでプレスをかけるが、度重なる攻守交代に頭がついていっていない、明らかに単調なディフェンス。
「フッ、そんな焦るべきじゃないよ。余裕のない男はモテないのさ」
そう言って梵場は、軽く相手を左右に揺さぶる。警戒を強めて少し距離を詰めてきたその一瞬を逃さず、ノーマークの頭上をヒールリフトで通し、華麗に抜き去った。
「なっ!?」
「さて、このまま行ってもいいが……」
驚愕の声を気にも留めず、梵場がゴール前に視線を向ける。伊槌がDFと駆け引きをしながらボールを呼び、近くでは木崎が今にも裏に抜けようと一歩踏み出す。
2人ともディフェンスの射程内。闇雲なパスでは簡単に取られてしまう。どうすべきか、思考を回し続ける。
「追いついた……!」
「おっと、熱烈だねっ……!」
そこに、背後から御時。全速力で駆けながら、梵場にタックルを見舞った。体重の乗ったそれに、梵場が少しバランスを崩す。
もう、時間はない。一番合理的な選択は──
「くっ……受け取りたまえ、明凪くん!」
「……わ、わわっ……!」
鋭く地を這うパスは、サイドでぼんやりとポジションを取っていた明凪の足元に収まる。だが、明凪は逡巡した様子で、次のアクションへの移りが遅い。
「おっと」
「っ……!」
当然、四壁恒星が呆然と眺めている訳もなくDFの湖池が即座にプレスをかける。明凪は身体を強張らせて、動きが鈍かった。
「行け、明凪くん! 今度こそ抜いてみせろ!」
倒れ込む梵場から激励。それを受けてやっと白くなっていた頭が戻ったのか、湖池に詰め切られる前に、奥歯を噛んだ明凪が動く。
「……うっ、だ、誰か!」
「……くっ、やはり……」
だが、起こされたアクションは闇雲なセンタリング。誰を狙ったものでもないボールを見て、梵場がかすかに呻く。
放られたボールには、CBの赤田が飛び出してヘディングのクリアをしようとする。だが──
「やらせるかっ!」
「な、伊槌鳴哉……!?」
DFよりも早くボールに飛びついたのは、伊槌。赤田の前に無理やり身体を入れ、そのタックルを受け流し強引に前を向く。フリーでの大チャンス。
「カバー入りますよー!」
「クソ、早い……!」
だが、空中での一瞬の攻防が穴となり、先ほども伊槌からボールを奪取したディフェンスリーダー、椈月の反応を許してしまう。
しかし、伊槌の目の色は変わらない。このボールを逃すまいと、ボールを軽く浮かして、大きく足を振りかぶる。
「止めてみろ……!」
「力比べですか!? でも負けませんよ!」
一瞬呆気に取られる椈月だが、すぐに立て直して必殺技のモーションに入る。先ほどの場面の焼き直しだった。この時までは。
「電──」
「スイープ──」
瞬間、伊槌がモーションを早める。電閃はまだ完成しきっておらず、このまま打っても楽に止められてしまうだろう。だが、問題ない。
「──閃ッ!」
「ッ!」
スイープストームが発動する前に、伊槌がボールを地面に叩きつける。電閃は芝を削りながら大きくバウンドし、椈月の頭上を抜ける軌道。必殺技のモーションに気を向けていた彼女では、反応できないコース。
「シュートモーションをドリブルに転用した……」
高機が構えながら、伊槌の所業に舌を巻く。やはりこの男は、ゴール前で誰よりも危険な存在足り得るアタッカーだ。
「もっかい行くぞ! 貫く!」
未だ電撃を纏いながら、伊槌が気を吐く。
だが、対峙する高機は、少し上に視線を向けながら、極めて泰然とした態度で言い放った。
「いえ、そこは彼の守備範囲ですよ」
「何──」
その言葉が紡がれると同時、伊槌の背後、その頭上から、銀の幻影を伴って鋭く一つの影が飛びかかる。
「……ホーク、クロー……だ」
「ッ!」
それは、豊富な運動量と予測で中盤に君臨する鳥羽の姿だった。背後から急降下とともに放たれた、猛禽類のような飛び蹴りが伊槌のコントロール下からボールを弾く。
クソッ、と悪態を漏らす伊槌が、背後に大きく弾かれたボールを目で追う。四壁恒星DFの木島が、その落下点にすでに入っていた。
「うおおおっ!」
「おわっ!?」
だが、蚊帳の外にいた木崎が執念でボールに食らいつく。助走のついたダッシュジャンプで大きく飛び上がってボールを確保し、木島と対面。そして間髪入れずにその身体から炎が湧き上がる。
「ヒートタックルッ!」
「ぐっ、まずい……!」
その猛突進を正面から受け止めることはできず、木崎が強引に突破。伊槌の対応で、ディフェンスラインには混沌が生まれており、誰も木崎に寄せることはできない。
千載一遇のチャンスは終わっていない。すぐさま判断した伊槌が、背後の鳥羽と椈月を背中で隠し、木崎のシュートコースを作る。
「わっ、ど、どいてください〜!」
「今だ、打て木崎!」
「おぉ! 言われなくてもかましてやるぜ!」
DFが来ないことを認識した木崎は、強く地面を踏み込んで赤色のオーラをボールに注入する。大腿筋が張り裂けんばかりに力を込めて、無邪気な笑みを浮かべながら、ボールに強く足を叩きつけた。
「グレネードショットォォォ!」
強烈な力の奔流が、四壁恒星のゴールを吹き飛ばさんと唸りを上げる。
それを前にしてもなお、高機は眉ひとつ動かさない。冷徹な機械を思わせる怜悧な瞳で真正面からシュートを射抜き、すっと赤い盾を握る腕を伸ばす。
「お任せを──ファイアウォール・ランパード」
地面に叩きつけた盾は城壁を作り、グレネードショットを難なく受け止める。焦りの見せない主人と同じように、まさに難攻不落の要塞であった。
「ぐっ、やっぱすげぇな!」
「……ありがとうございます。では、お返しのプレゼントを」
木崎の賛美に、少し戸惑った様子で返した彼女の足から、ピッチを縦に切り裂く、低弾道のロングパスが放たれる。
その先にいる『お返しのプレゼント』は──当然四壁恒星の十八番、超高速カウンター。届け先はいつも通りの10番、神風俊介だ。
「ナイスパスです……! このチャンスは絶対にものにする!」
そう呟く神風の目が凛々しく光る。この試合、神風はここまでに2本の決定機を外していることが、彼を燃え上がらせているのだ。
だが、憲戸はそんな彼の激情など知る由はない。即座に様崎が神風の前方を塞ぐ。
「おっとっと、ほんと早いねー。もっとゆっくり行かない?」
「生憎ですが、こういうやり方しか知らないもので」
対峙する様崎と神風。その背中を見る御時は、言い知れぬ感覚に思考を支配されていた。
(ディフェンスに焦りがなさすぎる……エースにボールが入ったのにだ)
先ほどのカウンターの場面では、憲戸のディフェンスはもっと浮き足立っていた──今はあの時よりディフェンスの人数も少なく、千尋の谷に落とされる際だというのに、異様なほど落ち着いている。それが、御時の思考に引っかかる。
だが、そうであれど。
「ハァ──」
大きく息を吐いて、神風がクラウチングスタートの体勢に入る。
止められるわけがない。誰よりも早い彼を。誰よりも強い彼を。御時は何よりも、神風を信じていた。
「行け、エース!」
「──ッ! ゼロヨンッ!」
「くっ、はや──」
一瞬の急加速。たったそれだけの動作で、様崎は完全に千切られる。前半だけで何度も猛威を振るうその俊足は、単純ゆえに対策の打ちようがない。
「うおおおおっ!」
神風が独走に入る。もう見ているのはゴールだけだ。誰も自分に追いつけるはずがない。彼にとって、それは驕りではなく、経験則から来る絶対的な自信。
目に映る久良島が、汗を垂らしながら深く構える。それを貫くために、少しスピードを緩めてシュートの体勢に移行──
「はあっ!」
「なっ、うわっ!?」
──した瞬間、神風の足が刈り取られる。
突然の事態に、地面に投げ出された神風の思考が追いつかない。混乱のままに動かした目が捉えたのは、小さな金髪の少女。
憲戸が誇るスピードスター、山本希望の姿だった。
「ふふん! 足が速いのは、あんただけの権利じゃないのよ!」
「……まさか、僕のスピードについてくるなんて……!」
砂を噛む神風を尻目に、ホープが前線に向かってその小さな身体を進める。砂埃を巻き上げるほどのスピードが、流星のようにピッチを裂く。
そして、神風に立ち塞がった様崎のように、御時がホープの進路に身体を割り込ませる。
「君たちの落ち着きは、神風のスピードに勝てる対抗策があったからか……!」
「ええ、あたしのスピードは誰にも負けないもの!」
険しい顔の御時が言う通り、ホープが失点直後に与えられた仕事は二つ。
その一つは、今遂行した神風とのスピード勝負に勝ち、ボールを奪い取ること。カウンターで意識が前がかりになっている時に攻撃権を奪えば、逆にチャンスとなり得る。
そして、もう一つ。神風を抑える役目と繋がる、その役割を遂行するために、ホープがさらに足を回す。御時が警戒を強めるが、遅かった。
「ライトニングアクセル!」
「……!」
閃光が御時の体をすり抜ける。認識する間もなく、ホープが彼を抜き去った証拠だった。
ホープに与えられたもう一つの役割。それは単純なものだ。
「あたしのスピードで、ディフェンスを混乱させること! もっかい行くわよ! ライトニングアクセル!」
「ぐわっ!? 速すぎる!?」
指示に従うホープがグングンとボールを運び、自軍のゴール前から数秒も立たずハーフラインまで爆走してきた。彼女の常軌を逸したドリブルスピードに、四壁恒星の選手がこの日一番の焦りを見せる。
「くっ、人数かけて止めろ!」
「ランコースを塞げ!」
矢継ぎ早に指示が飛び、ホープの周りに3人のディフェンスが襲いかかる。だが、ホープにとってそれは想定内のこと──むしろ、そうあって欲しかったことだ。
「あたしにそんないっぱい来ちゃっていいの? もっと広い視点で見ないと、ねっ!」
「あっ、しまったパスだ!」
囲まれる直前、ホープのパスがディフェンスの間を抜けていく。そのパスの先にいるのは無籐だ。
「くっ、行かせるかよ!」
「遅ェ!」
すぐさま無籐にプレスを試みるも、間髪入れずに前線へロングパスが放たれる。だが、そのボールは単調なものだ。CBの赤田がすぐさま回収に走った。
「この程度のパス、通してなるものか!」
「いや、必ず繋ぐ!」
落下地点に身体を捩じ込むその男の姿に赤田が目を剥く。なぜなら、この試合CBとして出場しているはずの靴木が、未だに最前線に攻め残っていたからだった。
混乱冷めやらぬ中、空中で2人の身体がぶつかり合う。
「ぐっ……!」
「三刀屋!」
虚をつかれたことに加え、その強靭なフィジカルを前に赤田が靴木に簡単に当たり負け、ヘディングで落とされたボールはサイドに開いていた三刀屋の足元へ。
「ヨシ、決めちゃっテ!」
「行動が早い……!」
素早くSBが三刀屋のカバーに入るが、計算通りというように、空いたディフェンスラインにスルーパスが通される。それはゴール前でボールを待っていた伊槌の足元へ。
「よし……!」
しかし、ここまで時間を使えば、前線の選手たちも続々帰陣してくる。それが四壁恒星のアイデンティティ。
「……ここまで……だ……」
中盤の鳥羽が、伊槌の前に立ち塞がる。それに少し顔を顰めた伊槌が、細かく視線を動かし──
「明凪っ!」
「……!」
左サイドでフリーになっていた、明凪へのパス。適切な強さで放たれたそれは、パスっと彼女の足元に収まる。
だが、明凪は動かない。ボールを保持したまま、唇を小刻みに震えさせながら、何もすることができない。
「明凪……!? どうした──」
「──急流下り」
明凪の様子に唯ならぬことを感じ取った伊槌が、パスを戻させようと近づいた直後、揺らめく波のようなスライディングが彼女からボールを奪い取った。
それは明凪に何度も辛酸を舐めさせたDF、湖池の技。抵抗もしないまま地面に倒れる明凪を視界に収めて、小さくため息をつく。
「お前もいい迷惑だよな」
「……え?」
突然の言葉に、明凪が顔だけを上げて湖池に視線を向ける。下から覗き込む体勢からか、湖池の被る笠のせいか、陰が落ちたその表情は窺えない。
「応える力もないのに期待されて、無駄なプレッシャーに押しつぶされて……どうして諦めてくれないんだって、思ってるだろ?」
「そんな、こと……」
ない。と言葉を続けることができない。
ただ茫然と口を開く明凪を見て、湖池は場違いなほど優しい微笑みを作った。
「俺もお前も同じだ。才能のある『持ってる奴ら』の踏み台になることしかできない」
「悔しいけど仕方ない。夢を見るだけ辛い。天才のそばにいて、勘違いしちまうのも全部」
「──もう終わらせてやるよ。俺たちがさ」
湖池の言葉が、じっとりと明凪の脳髄に染み込んでいく。彼女はただ彼の言葉に耳を傾け、黒い表情の奥の、澱んだ虚無の瞳を見ていた。
「……さあトドメだ、キャプテン」
ディフェンスラインから一気に中盤の御時へ、大きなロングパス。攻めに転じていた憲戸の中盤は空いており、御時はフリー。誰にも咎められることなく、彼のもとにボールが渡る。
「いくぞ、カウンター!」
「くっ、皆戻って!」
御時にボールが渡ってしまい、カウンターのスイッチが入ってしまう。せめて一瞬でも遅らせようと、太田が勢いよく御時にチャージを入れようとするが、華麗な身のこなしでそれをいなされる。
そして返す刃もあった。御時が背後に時計を出現させ、その針が尋常ではない速さで回り出す。そして──
「ラピッドクロック!」
「……っ!?」
警戒していた太田ですら反応できないほどの速さで、いつのまにか突破して見せた。慌てて追うももう遅く、前線に走る鳥羽へボールが。
「……!」
「ナイス!」
間髪入れずに神風へ。得意の形に持っていかれるのを阻止しようと、様崎がその前に立ち塞がる。
「もう君は対策済みだよ!」
先ほども見せたディフェンスの形。様崎が時間を稼ぎ、ホープがスピードで勝って奪う。先ほどと同じでは、二の舞だろう。
だが、それがどうしたとばかりに、神風が再びクラウチングスタートの体勢を取る。流石に、様崎が少し驚いたような声を上げた。
「来る気なの……!?」
「一度勝ったくらいで攻略した気になるのは……甘いですよ! ──ゼロヨン!」
スタートを切ると同時に、爆発的加速。また、ほぼ同じくして様崎がホープちゃん、と大きく声を上げると、快速の少女が、やはり神風に並走して来た。
「懲りないわね……!」
「ええ、これが僕の十八番なので……!」
ここまでは先ほどのカウンターの焼き増し。ここからが、憲戸が講じた対策を超えるための策だ。
それを裏付けるように、神風が広大な背後のスペースにヒールパスを送る。予想外の動きに、ホープが転がったボールに目をやる。
「……行く……ぞ」
「っ、なるほど」
そこに走り込んできたのは、鳥羽だ。パスモーションに入っていることから、神風の狙いは──
「単純なよーいどんってこと!?」
「その通り……! ドリブルでないなら僕も全力疾走できる……!」
そう言葉を残して、神風がぐんぐん加速する。そのスピードは凄まじく、今まで何とかついて来たホープでは追いつけないほどの速さだ。
それでも、諦めるわけにはいかない。血の味がして来た口内を黙らせるように、歯を食いしばる。
「こんのぉ……舐めんじゃ、無いわよぉ!」
「──来た」
ホープがさらに加速──した瞬間、神風が減速して、ホープに追い抜かせる。そして、悠々と鳥羽からのパスを受けた。
「えっ!?」
「そして──」
驚きで足を止めたホープを嘲笑うように、再び急加速。あっ、と間の抜けた声を上げる彼女を、今度こそ完全に置き去りにすることに成功した。
「スピードは走るだけのものじゃないんですよ!」
「ヤベェ、止めろ久良島ァ! 2点はまずい!」
「……はい!」
完全な1on1。ここで決められてしまえば、守備力に優れる四壁恒星から3点を奪わなければならなくなってしまう。つまり、敗色濃厚。
反対に勝利へ近づくため、神風がさらに気合を入れて足を回す。神風はこの試合で数多くのチャンスを演出しながらも、ゴールを奪えていないのだ。その気合いが、覇気のように久良島に襲いかかる。
「エースとして……! 絶対に決める!」
「……止めます!」
神風がボールを大きく蹴り出しながら、ゴールへと疾走。そして、破壊的なほどのスピードを伴って、突風を従えるシュートが青き風と共に、久良島へと放たれる。
「──マッハウインド!」
「う、おおおおお……!」
この試合、久良島はまともにセーブすることができていない。ホープのスーパークリアに救われ、必殺シュートは土壇場の機転でギリギリ凌いだだけだ。真正面から力で勝てていない。
だから、ここは力で抑えなければ──そんな強い思いを腕に込めるも、やはり普段の真っ黒パンチと変わらない。
「くっ……!」
どうしても、進化するためのイマジネーションが足りない。そう感じて、久良島は強く奥歯を噛む。
今更、新しく必殺技を作り出すことはできない、だったら、もう──
「はああああ……!」
「何だ……!?」
過剰なほどに、右腕に漆黒のエネルギーを溜め込む。そのほとんどは固定化できず、空中に霧散していく。
だが、それでも確実に。一部のエネルギーは、久良島の右腕に巻きつく。激しくエネルギーをロスしても、不格好でも、強くなりたいと願う拳だ。
「真っ黒パンチ──改!」
一回り大きくなった拳を、死力を持ってマッハウインドにぶつけた。とてつもない衝撃にのけ反りそうになり、激しく体力を消耗した身体がくずおれそうになる。だが──
「ぐぅ……うおおおお!」
バゴン、という爆発音のような激しい音と共に、久良島の右腕を振り抜かれた。マッハウインドを、真正面から殴り飛ばしたのだ。
「まさか……!?」
茫然とする神風の髪を揺らして、パンチングされたボールはピッチを縦断する。しかし、そのボールを収めるために割って入り込んだ影は、御時の物が一番早い。
「貰った……!」
そして、ボールは再び御時の下に──
「させるかぁ!」
「なっ!?」
──渡らなかった。
梵場が決死の雄叫びを上げ、御時を押し除けてボールを奪う。普段の彼からは考えられないほど必死、そして泥臭いプレーだった。
梵場のサングラス越しの視線が、未だ自失状態の明凪に向く。届くかどうかも分からない言葉を、彼は叫んだ。
「明凪くん! 君が何をそんなに思い悩み、無気力の中に囚われているのか、悔しいことに僕は分からない!」
湖池との会話を与り知らない梵場には、分からなかった。
たかがミスしただけ、ボールを奪われただけ。彼の知る明凪輝夜という少女は、その程度で折れてしまうほど脆い少女ではなかった。故に、どうすれば彼女の闇を祓えるのかさえ今の梵場には分からない。
それでも、と。
「だが、君という月が翳るならば、闇が君を覆い隠すならば!」
梵場が走り出す。ただ一つのゴールを目指して。
「必ず照らして見せる! 僕が──僕たちが!」
自ら噛み締めるように、力強く、宣誓する。少し曇っていた空が割れ、微かな陽光がピッチに降り注いだ。
「やられてたまるか!」
「生憎先約が埋まっていてね! スピニングドライブ!」
一気呵成に攻め上がる梵場にディフェンスも食らいついてくるが、彼の勢いは止まらない。細やかなテクニックを活かし、ぶつかってきた木島を置き去りにする。
だが、四壁恒星のディフェンスラインは、まさに壁。木島のカバーに入っていた椈月がすぐさま梵場にチェックに来て──
「梵場ァ! 俺が空いてる!」
「俺もいるぞ!」
「さ、3人も〜……!」
しかし、梵場と並走する無籐、そして裏抜けを狙う伊槌のことを認識して、その足が一瞬止まる。だが、梵場から視線は外さず、次の動作に素早く反応出来るよう、最大限の集中を高めていた。
一瞬のアイコンタクト。そして、無籐が一気に椈月の裏を狙い走る。
「無籐先輩!」
「読めてますっ!」
梵場から無籐へのボール。それを察知していた椈月は無籐に身体を当て、空中の競り合いに持ち込もうとする。これで無籐が抜け出すことは不可能。
だが、予想に反して無籐はその場で停止し、椈月を背負う形になる。仰天する彼女に対して、トレードマークの凶悪な笑みを浮かべた無籐が、ボールを胸でコントロール。
「ハッ、今の俺は助演専門だ!」
そしてすぐさま梵場にリターンパスを返した。無籐の動きにより、フリーとなった梵場がさらに勢いよく四壁恒星の陣内を切り裂いていく。それに合わせて裏抜けを狙う伊槌にもディフェンスは目を離せない。必然、梵場の道は開いていく。
そして、ドリブルでペナルティエリア目前まで迫った彼の前に、最後のディフェンスが立ちはだかる。
「ったく、ほんと諦めが悪い……!」
それはやはり、湖池一舟だった。面倒そうに眉を顰めて、梵場と真っ向から正対した。
「なんで分かんないかな……無駄なんだよ、どれだけ頑張っても、どうにもならないことはある。ここで俺を抜いたって、高機から点は取れない」
そう口に出した湖池の表情からは、背後で構えるGKの高機への信頼に溢れている──ようには、どうにも見えない。
そんな湖池の複雑な胸中など知ったことではないと言うように、梵場は不敵に笑った。
「無駄かどうかなど……君が決めることではないよ」
梵場の視線が明凪に向く。サイドで走ってはいるが、やはり一向にボールを受けにこないその姿は、いつもの爛漫な様子は見られない。自信を失っている様子だ。
「結果は出なくとも、誰かにとって意味のないものでも──」
明凪に届くかは分からないが、梵場は最高の笑みを浮かべた。心配するなどでもいうように。
そして湖池に視線を戻し、急激な加速と共にドリブル突破を図る。
「──僕の勇姿を、届けたい子猫ちゃんがいるのでね! スピニングドライブッ!」
コマのような高速回転。梵場がこれまでの試合で幾度となく放った必殺技が、壁となる湖池に襲いかかる。
しかし、彼に焦った様子は見られない。泰然と構えたまま、波に揺られる船のように、ゆらりゆらりと体を揺らす。
そして、回転の合間を縫うように、飛沫のようなスライディングが、逆に梵場へと牙を向いた。
「──急流流し」
「っ、おっと!」
だが、そのスライディングに間一髪で反応した梵場が、ボールを両足に挟み背後にジャンプ。ボールを保持して、湖池から距離を取る。
だが、好機は逃さないと、湖池から追撃のチャージ。
「ぐっ……!」
「ほら、通用しない。持って生まれなきゃ、必ず壁に当たる」
体勢を崩しかけるも、ギリギリで湖池のスティールを交わす。そして諦めずに、足技を混ぜながら突破を試みる。
「見えてる」
「っ、うおっと!」
それも通じない。再び瀬戸際でボールを奪われはしなかった。
だが、これ以上時間をかけてはいられない。もうすぐ突破したディフェンスが帰陣してくるだろう。そう考えて、再び梵場が特攻を仕掛ける。
「……何なんだよ」
湖池が苛立ちの声を上げる。静かに、されど耳に残る声だ。
「報われない努力に、俺が現実を教えてやるってのに……そんな泥まみれになるほど頑張って……」
憎むような、羨むような複雑な声音。梵場はその言葉を認識して、口の中で笑った。
確かに、今の梵場はぶつかり合ったことでユニフォームを汚し、汗もひどい。サッカーを始める前の梵場なら、『美しくない』と片付けていた、そんな姿だろう。
(だけど──)
いつだって楽しさを忘れず、自由なプレーを見せてくれるキャプテン。
そのキャプテンの横に立って、朗らかに見守ってくれる少女。
勝利を心から追い求め、絶対に思考を止めない貪欲な少年。
ストイックに自分を鍛え続け、いつだって無骨に己が役割を果たす少年。
優しく力強く、そしてついに、自らを縛る殻を破ってみせた少年。
そんな彼らと共にサッカーをして、梵場の中にも、滾るものがあった。無謀でも見たい夢があった。
──そんな折に現れた。この夢を現実にしてくれるかもしれない、一筋の雷鳴が、彼らの下に。
その背中に夢を見た。振り抜く足に希望を見た。始めてサッカーを見た少年のように、胸を躍らせた。
「──なりたい」
自分も、夢を見るだけじゃない。
「全部、押し流してやるよ……! ダイタルウェーブ!」
感情を押し殺したような瞳で、湖池が天を貫く波を呼ぶ。間違いなく、湖池最強のブロック技。
「先輩たちのように──伊槌のように……!」
梵場は怯まない。津波に迷うことなく突進する。血迷ったとしか思えないアクション。
そして、梵場が大きくボールを蹴り上げる。そのボールが、空中にハマったかのように、高く上がった一点に固定された。
「
突如、ボールから七色の光が輝き出す。ミラーボールの閃光が、太陽のように上空から降り注いだ。
この土壇場で、梵場の新たなる必殺技が炸裂した。
「ぐっ……!?」
光に幻惑された湖池が、目を覆って集中を切らしてしまう。それと同時に、波が引いていく。そうなれば、梵場を遮る壁は、もうない。
ゴール前のフリーで、高機との1on1だ。
「ゴールは割らせません」
「おおおおッ!」
GKと相対しても梵場はスピードを緩めない。高機は低く構えて待ちを選択した。
まだ引きつける、まだ飛び出さない、まだ、まだ──
「……ここ!」
目を見開き、梵場との距離を一気に詰め──そしてその選択が誤りであったと、息を呑む。
「──クライマックスは譲るぞ、伊槌!」
「任せろ!」
梵場の背後、丁度高機から隠れるような位置で、ディフェンスを抑えていた伊槌にヒールパスが通る。体勢を崩した状態で、エースストライカーと相対する。
「くっ、止めろ、高機ァァァ!」
御時の悲壮な声が、高機の耳朶を打つ。それと同時に頭がサッと冷えていった。
そうだ──引くわけにはいかない。
「このボールは絶対に沈める……! 行くぞ!」
「止められるかは微妙……それでも」
伊槌の足から、金色の稲妻が迸る。雷撃の熱波が、高機の身を焼く。高機の手の内には、すでに赫灼のエネルギーが集っていた。
そして、竜虎相搏つ。
「──電閃!」
「──ファイアウォール・ランパード」
雷撃と赤壁がぶつかり合う。けたたましい破砕音が周囲に轟き、衝撃が振動となってゴールネットをばさりと揺らした。
拮抗は全くの五分と五分。こうなればもう、両者の意地と精神の戦いだ。
「五分五分なのは計算済み……! だとしても、絶対ゴールは……!」
「くっ、押されてる……!」
そして、その戦いで優位を取ったのは高機。無失点のプライドか、GKとしての責任感か。ファイアウォール・ランパードが徐々に電閃を押し返し始める。
唇を噛む伊槌。拳を握って趨勢を見守るそこに、手を出す影が一つあった。──梵場だ。
「伊槌! 僕を蹴り出せ!」
「は!?」
だが、その提案は正気とは思えない。伊槌も一瞬、その意味を解せなかった。
あの壁にぶつかるというのは、怪我だけで済むかも分からない。それが分かっていての発言か──と、問いかけを投げようとした伊槌は、梵場の目を見て、すぐさま迷いを捨てた。
「……行くぞ梵場!」
「フッ、やはり主役は僕になるようだね!」
いつも通りの軽口を叩きながら、2人が同時に飛び上がる。空中で一回転、そしてお互いの足を裏を合わせて平行に。射出の狙いは、拮抗するボールただ一点。
グググ、と両足に目一杯のエネルギーを凝縮して、堰を切るようにその力を解放した。
「行けぇ、梵場ァァ!」
伊槌の雄叫びに押されて、梵場の顔面がボールにめり込む。予想外の衝撃に、高機が目を見開いて体勢を崩した。
「ぐっ……!? 予想外、計算修正──!」
ビシリ、と音が鳴る。同時に、高機の目が、この試合で一番大きく見開かれた。動揺の色だった。
それに押されるように、頭を強かに打った梵場が、首を振るう。ボールに最後の一押しを加えるために。
「──きゃあっ!?」
クリスタルが割れるように、硬質な音を伴って、壁が砕け散る。赤の宝石がゴールを飾るように乱反射し、梵場の頭に押された電閃は、彼の身体ごと、ゴールネットに突き刺さった。
「……ぐうっ」
「梵場!」
よろめく梵場の身体を、急いで伊槌が支える。それと同時に揺れる頭がホイッスルの音を拾った。前半終了のようだった。
「フッ……やっ、たな」
「……ああ!」
伊槌の肩を借りながら、梵場がゆらりと歩を進める。無茶をした梵場の下に、憲戸のメンバーが続々と走り寄って来たのを、何とか認識した。
「とんでもねえことしやがって……」
「無謀とも言える策だ……だが、いい攻撃だった」
「というかそんなこと言ってる場合じゃないよ! 運んであげなきゃ!」
様崎が小柄な梵場の身体を横抱きに持ち上げる。霞む視界と、朦朧としだした意識の中で、梵場の目がやっと明凪の姿を捉えた。
やはり、まだ元気な様子はない。しかし、その目は光を宿し、梵場を見つめて震えている。それを見て、梵場は笑った。
「ふふ……月は、昇るね……」
梵場の努力は、天まで届いて報われた。
──────
GOAL‼︎
30+1分 梵場踊太
アシスト:伊槌鳴哉
憲戸 1-1 四壁恒星
──────
評価・お気に入り登録・感想・誤字報告・ここすきが励みになります。
1話の長さどのくらいがいいですか?(短いほど更新頻度は上がるはず)
-
5000字くらい(21話くらいの長さ)
-
10000字くらい(ちょっと少ない)
-
15000字くらい(いつもと同じくらい)
-
20000字くらい(8話レベルの長さ)
-
好きにしろ