うちの娘は絶対に次元一可愛いし、娘のためならたぶん何でも出来る気がする。   作:るーにー定食

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8時にこの前の話を投稿しています。
まだ見ていないという方はお願いします。


必要な人材というのは、肝心なときに限っていないものである。

 

 

「ロングアーチ、こちらライトニング03現着!指示をお願いします!」

『こちらフィニーノ、陽彩くんの指示は私から出すね』

「了解です」

 

 俺のオペレーターにはフィニーノさんがついてくれるらしい。

 うん、いつも通り心強い。

 

「で、俺はどうすれば?向こう側で戦ってるフェイトさん達の加勢をすれば良いんですか?」

「ううん、そっちはフェイトさんとなのはさんに任せて。陽彩くんは別方向のガジェットをお願い」

「了解です」

 

 どうやらこの山を隔てて、向こう側とこちら側の空域で、ガジェットの殲滅を分けるらしい。

 あっち側を高町さんとフェイトさんの二人で担当するあたり、向こうのほうが数は多いみたいだ。

 あの人達に負けないように、こっちもがんばらなきゃな……!

 

『陽彩くん、背後からガジェット来るよ!』

「あ?あー……、はい、今見えました」

 

 フェイトさんたちが戦ってる山の方向の真逆からガジェットが5機、編隊を組んで向かってくる。

 あれが八神さんが言ってた飛行型か……。

 武装とかはどうなんだ?普通のやつと同じなのだろうか?

 

『ライトニング03、エンゲージ!』

 

 情報もあんまりわからないし、最初は様子見で回避主体でいいか。

 AMFに引っかからないように距離を離しながら飛行する。

 さて、どう来るかな。

 ただ注意するのは、リニアレールから離れて戦うこと。俺を無視してナカジマたちの方に向かわれたら邪魔になるからな。

 

 水平飛行をしながら、ガジェットから放たれる青い直射弾を回避する。

 距離はそれなりに離れたまま……。どうやら速度は俺に軍配が上がるらしい。

 

 空中で急停止。

 そのまま振り返り、ガジェットの群れに向けて勢いよく突貫する。

 AMF内に入ることになるから

 

「ノトスブレイド!」

『 Notos blade 』

 

 ガジェットとの交錯、すれ違いざまに魔力刃で両断、そのまま駆け抜け、もう一度引き離す。

 これで一機目……。近接防御は普通のと代わりはないらしい。

 

 近づいた俺を攻撃しようと伸びてきたアームと、直射弾を風で勢いをつけながら空を疾走し、躱す。

 ふむ、主な武装は射撃とアームでの攻撃といったところか……。

 

 なら次は……。

 飛行しながら風弾を生成。そのまま高速で飛ばし、ガジェット1機を撃墜する。

 ガジェットは爆散し煙を上げながら墜落していく。

 これでニ機目!

 

「フッ!」

 

 魔力糸を落ちていくガジェットの残骸にに巻き付け、風の噴射で勢いをつけながらヴィータさんのラケーテンハンマーのように振り回し、飛行している別のガジェットとぶつけ合う。

 グシャリ、という音とともに、ガジェットの装甲がひしゃげ、爆発が起こる。

 っし、これで三機目。

 

 どうやら戦っている感じ、耐久力もあんまり元のガジェットと代わりはないらしい。

 元のガジェットを空中用に改造したような感じか?

 まあデータ取りはこのぐらいでいいな、高町さん達の分のも合わせたら十分だろ。

 

 残り二機は一気に仕留めるか。

 背後から飛んでくる直射弾を回避しながらさらに上へ上と昇っていく。

 

 そして、山の頂上と同じぐらいの高さへと達したところで急降下。

 もう一度ガジェットとすれ違い、そのまま突き放す。

 ガジェットは俺のこの勢いとスピードについて来れず、一瞬停止する。

 

 そして充分に離れたところで体を反転、空中で静止しているガジェット二機に対してアイテールを向ける。

 

「スモールブラスト!」

『 Small blast 』

 

 威力は劣るものの、溜めが短く使いやすい砲撃を放つ。

 銀緑色のレーザーをもろに受けたガジェットは爆散し、破片となって眼下に広がる森へと落ちていく。

 ふぅ、こんなもんか。

 思ったより数が少なかったな。やっぱり向こう側のフェイトさんたちが大多数を担当してくれたのだろうか。

 

『スターズ01、ライトニング01、02。制空権奪取に成功!』

 

 どうやら向こう側も大体のガジェットは倒したらしい。

 八神さんから飛行型の話を聞いたときは面倒くさそうだと思ったが、思ったよりは楽だったな。

 

 大型というやつはエリオとキャロが戦ってるらしい。

 視界の端でもチラチラと見えるが、どうやらキャロがフリードを本来の姿に戻したようだ。

 うお〜〜、かっけぇなぁ。

 

 というかしまったな、いつの間にか線路の真上まで来てしまった。

 まあガジェットは全部潰したから別にいいだろう、戦ってる最中ならかなりまずかったが。

 逆に丁度いいかもしれない、エリオたちの手助けに回りやすいし。必要ないかもしれないが。

 

『陽彩くん、右側に敵機反応!』

「は?右ぃ?」

 

 ???

 右って…………ただの崖しかないんですけど?

 ただの故障とかじゃないんですか?と言おうとしたところで。

 

 俺から少し高めの所の断崖に、ビキリ、と音を立てながら罅が走った。

 

「は?」

 

 俺が固まっている間にも、罅はどんどんとその領域を広げていく。

 やがて、罅がその大きさを充分に広げたところで。

 崖を中から突き破り、四脚のアームを振り回しながら、大型のガジェットが姿を現した。

 

 は?おいおいおいおいおい!?

 ふざけんな!!!

 

 急いで横に逸れ、降ってくる巨大な岩石を回避する。

 危ないんだよバカが、そもそもどこから出てきてんだよ!!

 

『ダメ、陽彩くん!下に列車が!!』

「はぁっ!!??」

 

 下を見れば、岩石の落下地点にキイイイイイ、という甲高い音を立てながら高速で突っ込んでくる!

 まずいまずいまずいまずいまずい!!!

 このままあれが列車に当たったら何もかも終わる!!

 

『陽彩!絶対破壊や!それ落としたら被害がエライことになる!』

「わかってます──―よッ!!」

 

 八神さんの命令を受けながら、高速で落ちていく岩石の落下地点に先回りし、砲撃魔法の演算を開始する。

 

 くそが、なんか今日俺こんな目にあってばっかじゃないか?

 しかもなんでこういう時に限って、ヴィータさんがいないんだよ!?

 こういうのはヴィータさん向きのやつでしょ!?

 

 つい愚痴が溢れてしまう。

 なんなんだ今日は。さっきもめちゃめちゃ熱いお茶溢したし……!

 運がなさすぎるだろ!

 

 は?思い出したらなんかムカついてきたな。そもそもお茶溢したのだってこいつらが出てきたからだし。

 許さんからなあのクソデカガラクタ。これ壊したら速攻でぶっ潰してやる。

 

 そのためにもまずはこの岩を完膚なきまでに砕かなければ……。

 

 まずは大きめの砲撃で大まかに砕く。そしてバラけたところを魔力弾でさらに砕きながら、風を叩きつけて流す。

 こんなところか。そのためにも魔力のチャージを──―。

 

 魔力を砲撃に込めていく。

 その間に同時並行で、魔力弾を数個生成しておく。

 砲撃で砕いた後に、演算が間に合わなくて魔力弾を撃てませんでした、じゃあ話にならないからな。

 

「アイテール、カートリッジロード!」

『 Cartridge Load 』

 

 アイテールの中で弾丸が炸裂し、薬莢が排出される独特な音が3回鳴り響く。

 

 魔法術式を物理破壊に再設定。

 魔法演算終了。

 魔力チャージ完了。

 

 よし。この魔力量なら問題ないはずだ。

 右手のアイテールを、落下してくる岩石に向けて構える。

 

 アイテールの先端に、巨大な銀緑色の円形の魔法陣が展開される。

 

「ボレアス──―」

『 Boreas blaster 』

「ブラスタ──ー!!!」

 

 魔法陣から銀緑色の砲撃が放たれ、巨大な岩石は砕かれ、いくつかの瓦礫にバラける。

 細かい、それこそ小石程度のものにはガン無視を決めこみ、大きい瓦礫に当たりをつけて……。

 

 数は大きいのは5個ぐらいしかないな。

 よし、この程度の数ならこれでいける!

 

「ウィンドバレット!」

『 Wind bullet 』

 

 予め展開しておいた風弾を撃ち込み瓦礫を粉々に砕く。

 

「っし!!」

 

 嬉しさのあまり飛び出た雄叫びとともに、俺を起点に銀緑色の風を発生させ、小石程度になった瓦礫を眼下に広がる森へと吹き飛ばす。

 ここまでやったらもう完璧だろ。

 いくつか見逃したから、列車は多少傷ついたかもしれんが知らん知らん知らん!!

 そもそもガジェットの攻撃で傷ついてるだろうし。

 壊れて脱線しなかっただけマシと思ってくれ。

 

「次は……!」

 

 俺の中の魂が燃えている。

 あのただデカいだけのガラクタを、微塵も残さず消し飛ばせと吠えている。

 

 未だに崖に四足のアームで張り付いているガジェットを睨みつけ、掻っ捌いてやろうとアイテールを構え直す。なんだこいつ、ゴキブリみたいな動きしやがって。

 俺は虫が嫌いなんだ。

 そして、そのまま最高速で近づこうと一歩踏み出したその時。

 

 空から黄金の刃が降り下ろされ、ガジェットを両断した。

 

「え?」

「陽彩、大丈夫?」

 

 上空からフェイトさんが降りてくる。その横には高町さんもいる。

 つまり、あのガジェットを壊したのはフェイトさんなんだろう。

 う、嘘だろ……。

 頼むから嘘だと言ってくれ。

 

「そ、そんな……」

 

 壊されたのか、俺以外のやつに……。お前を壊すのは、俺だと思ってた……。

 

『車両内、及び上空のガジェット反応、すべて消滅!』

『スターズF、レリックを無事確保!』

「列車も今止めるですよー!」

 

 どうやら車両の制御もリィンさんが取り戻したらしい。

 やがてキイイイという音を奏でながらブレーキが掛かり車両が停まった。

 

 まだ油断はできないが、周囲のガジェットは全ては破壊、レリックも回収済み。

 暫定的にだが任務は成功だと言っていいだろう。

 フェイトさんや高町さんもどこかやりきったような顔をしている。

 

 その中で俺は、完全に停車した車両の上で膝をつき、崩れ落ちた。

 くそが、この俺の怒りはどこにぶつければ良いんだよ……!

 

「え、えっと……もしかして私、なにかしちゃった?」

 

 フェイトさんは悪くない、悪くないんだ……。

 

 

 

 

 

 

「うおおおお!?フリードかっけえ!!」

「グア?」

「さっきまでの落ち込み具合はどこに行っちゃったのかな……?」

 

 うるさいですよ高町さん。

 男というのはいつだって竜にロマンを感じるものなのだ。

 ロマンの前じゃ怒りなんて些細なことなのである。

 いや〜、小さいフリードも可愛くて好きだったけど、大きいフリードもかっこよくて良いな〜!!

 

「それじゃあ皆、現場検証頑張ってね」

「うん、なのはも気をつけて」

 

 どうやら俺がでっかくなったフリードに夢中になっている間に、高町さんたちスターズ分隊は出発するらしい。

 まだ任務中というのに、流石にはしゃぎすぎたな。

 反省しなければ……。

 

 この後は高町さんたちは回収したレリックをヘリで地上本部まで輸送。

 俺たちはこのまま現場検証ということになっている。

 

 というかあのガラクタのせいでボロボロのになったのをやらなきゃいけないの……?

 は?だる……。絶対時間かかるやつじゃん……。

 マジで許さねぇからなあいつ。

 

「そういえば、陽彩さんのバリアジャケットってフェイトさんのと違うんですね」

「んー、ああ、これは嘱託の時から使ってるやつだな。エリオのジャケットにも参考になっている……らしい」

 

 ガジェットに対して延々と呪詛を吐いていたら、エリオが問いかけてきた。

 

 俺のバリアジャケットは、黒のインナーの上に白を基調として所々に緑のラインが入ったジャケットと長いズボン、その上に黒のフーデッドコートと白の指ぬきグローブという風になっている。

 エリオとの違いはズボンの長さと色ぐらいだろうか。

 こう見るとマジで俺のに似せて作ったんだな、フィニーノさん。

 

 まあ別にまるまる変えて、エリオたちと同じ様にフェイトさんや高町さんモチーフのに変えても良かったんだが……。

 いざ変えようとしたときに、なぜかはわからないが躊躇われた。

 なんだかんだ7年間も使っているものである、たぶん変な愛着でも湧いたんだろう。

 フェイトさん達からも無理に変えなくていいと言われたしな。

 

「それじゃあ他の部隊が来る前にある程度は進めちゃおうか」

「はい!」

「了解です……」

 

 

 結局、この後事後処理で隊舎に戻れたのは夕方頃だった。

 朝からの任務だったから昼飯も抜きだったし……。

 

 くそ疲れたなマジで。俺の中の黒幕絶対許さないゲージがだいぶ上がった、絶対ゆるさん。

 

 

 

 




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