うちの娘は絶対に次元一可愛いし、娘のためならたぶん何でも出来る気がする。 作:るーにー定食
10月は一話しか投稿していないゴミペースだったので11月はもう少し投稿できるよう頑張ります。
ヴィータさんに模擬戦でボコされ、ゲンヤさんの所にいってから数日。
現在、俺はヴァイスさんやその他の隊員二人の計四人でババ抜きをしていた。
「しゃあああ!!」
「くそ、また陽彩が三位かよ!」
「話してないのあとこの人だけなのに!」
ギリギリの最下位争いに打ち勝ち、ガッツポーズをしながら椅子から飛び上がる。
バカが、そう簡単に負けるわけねぇだろ……!
「ふぅ……ふぅ……」
これで四連続三位、さすがに心臓に悪すぎる……。
なぜ俺はたかがババ抜きでこんなにも息を切らしているのか。
その理由はこの罰ゲームが原因だ。
今俺達がしているこのババ抜き。実はただのババ抜きではない。
ヴァイスさんが考えた、最下位になったやつがガチの黒歴史を話すとかいうイカれたものなのだ。
いや、マジでこれ何?なんで俺はこんなイタい大学生がやってるような遊びをやってるんだ??
ヴァイスさんたちのはまだ分かる。この人たちは朝の5時からさっきまでぶっ通しでヘリの整備をしていたらしいから、自暴自棄の方向にテンションが振り切っているんだろう。目がちょっとヤバげだし。
しかし、マジで俺が参加している理由が分からない。
他の人がそれぞれ四位で自らの黒歴史を話している中、奇跡的に俺だけがずっと三位なのでまだ話していない。逃げるなら今のうちしかない。
もう俺は逃げたい、というか無理。逃げます。
「よし、これでそろそろ終わりに……」
「待てよ陽彩。俺たちはまだお前の話を聞いてないんだ」
「いや、ヴァイスさん達の昼休憩もう終わるでしょ?さすがに時間……」
「何言ってんだ、まだあと一回ぐらいの時間はギリギリ残ってるだろうが。俺はまだやるぞ……!」
「そうだそうだ!まだやれるぞ俺たちは!」
え、こわ……。
たかがババ抜きにかける気迫が違いすぎるだろ……。こころなしかヴァイスさん達の後ろに鬼のようなオーラが……。
あ、違うわこれ。後ろに立ってるの怒ってるシグナムさんだ。
俺がシグナムさんを認識した瞬間、手刀がヴァイスさんと、あとついでとばかりに俺にも落とされる。
いった……、なんで俺まで……?
「し、シグナム姐さん……?なぜここに……」
「ここに来たのはたまたまだ。まったく、お前たちは出張帰りのやつを捕まえて何をやっているんだ……」
シグナムさんのお叱りに三人が、「ぐっ、たしかに……」というか顔をしながらたじろぐ。
どうやらやっとこのカスみたいなゲームを終われるらしい。
「お前もだぞ、陽彩。オフシフトのことをなんだと思っているんだ?」
「……?遊ぶため、とかですか……?」
「どう考えても休むためのものだろうが……」
そうだったのか……。
オフシフトの時とか基本ヴァイスさんとかと駄弁ってるから知らなかった……。
「ほら、休憩時間は終わりだ。お前たちにはまだ仕事が残っているんだからな」
「ま、待ってくださいよシグナム姐さん!まだ、まだ陽彩の話が聞けてねぇんだ!」
「良いから行くぞ。陽彩ももう休め」
「あ、はい……」
有無を言わせぬままヴァイスさんが引き摺られ、他の二人はすごすごとシグナムさんについていく。
「く、くそ、覚えてろよ陽彩!今度やる時は絶対に喋らせてやるからな!」
ヴァイスさんが俺に向かってそう叫ぶ。
黒歴史を俺に話させたい欲が強すぎるだろ。
こわ……、もしかしてヘリの整備ってやってたら頭おかしくなるのかな……。
ちなみに俺はヴァイスさんとは結構仲がいいと思っている。
機動六課に来る前、シグナムさんに模擬戦を挑もうと何回も航空武装隊に行った時によくしてもらったのだ。
たまにだけど、一緒に遊びに行ったりもしたしな。
シグナムさんに負けて泣いてる俺を慰めるのに連れて行ってもらったご飯の味は今でも忘れられない……。
ヴァイスさんたちの昼休憩が終わり、シグナムさんに引きずられて行った後。
俺は未だに隊舎の中をぶらついていた。
単純に暇なんだよな〜。高町さんたちはオフィスワーク中だし。
気ままに歩いていると、視界に入ってきたのは休憩室。
休憩室か……。そういえばここってお菓子置いてあったよな。
いくら胃の容量がバカみたいに少ないとしても、まだ午後三時。
さすがに大丈夫、のはず……。この体と付き合ってきてもう17年になるが、未だにどのくらい食べていいとかがよくわかんないんだよな……。
「あ、陽彩さん!帰ってたんですね、おかえりなさい!」
「おー、エリオ。三日ぶり。さっき帰ってきたところ。皆も休憩中か?」
「はい、だらっーとさせてもらってます……」
うわ、マジで文字通りダラッとしてんじゃんナカジマ……。
なんかちょっと溶けてない?
エリオに言った三日ぶりというのはそのままである。
ことの発端は数日前のゲンヤさんのところに行った後の対策会議。
俺たちが陸士108部隊と打ち合わせをしていた時に、フェイトさんとフィニーノさんが発見した手がかり。
それが、高町さんの魔導師人生の始まりの象徴とも言えるべきもの。
第一級捜索指定ロストロギア、ジュエルシード。
かつて必死に高町さんたちが集めたそれらが、どうやらシグナムさんたちが捕獲したガジェットⅢ型に使われていたらしい。
元々は首都クラナガンの管理局のラボで保管されていたものを、研究のために地方の研究所に貸し出していたのだが、その貸し出すための護送の道中で襲撃に遭い、行方不明になっていたそうだ。
現状、唯一の手がかりのそれを追うことが対策会議で決まったので、自ら俺が捜査に立候補し、その研究所に出向くことになった。
ということで、三泊四日の出張捜査という形で隊を開けていたのである。
さっきその報告を八神さんとフェイトさんにしたところ、「お疲れ様、ゆっくり休んで」とのことで午後を丸々非番という形で休みにしてもらったのだ。
まあ俺はその時間を休むことに全く使わずヴァイスさんたちと遊んでいたわけだが……。
いや、マジで俺は一体何をしていたんだ……?
「なんか……すごい疲れてません?そんなにハードな捜査だったんですか?」
「いや、この疲れはどっちかっていったらヴァイスさんたちと遊んだからかな……」
あれ一位で抜けれたら多分すごい気持ちいいんだろうけど、残念ながら俺はずっと最下位になるかならないかの瀬戸際だったので、変な緊張感がずっと続いてたんだよな……。
最下位になった瞬間
しかもあれの何がキツいって、ガチの黒歴史って聞いてる側にもダメージ入るんだよな……。
「遊びって……何してたんですか?」
「……んー。たぶん知らないほうが良いと思う……」
「あ、そうですか……」
そう言った後、ランスターたちがこの話題に触れたことはなかった。
実に賢明な判断である。
「それで、なにか手がかりとかは……」
「いや、残念ながらってやつだな」
「そうなんですか……」
そもそもとして、ジュエルシードが盗まれた事自体が随分と前のことだから、仮になにか痕跡があったとしても消されている可能性がめちゃめちゃ高い。
まあ所謂ダメで元々、というやつである。
三日かけて結構ガッツリ捜査したんだけどね……。
いや、実のところ気になる点は一個だけあるにはあるのだが、すっごく微妙なやつなのでランスターたちにはまだ言わないほうがいいだろう。もちろん八神さんたちには話したが。
「……あの、陽彩隊長補佐」
「んー?あ、そうだ。隊長補佐って毎回呼ぶの長いだろ、無難にさん付けでいいよ」
「あっ、はい。じゃあ陽彩さんで……。それで、前から気になってたことがあるんですけど、聞いてもいいですか?」
「全然いいよ、何でも聞いてくれ」
ランスターからの質問か。
なんだろうこの感じ……。
後輩に質問されるって、なんかいいな。
「陽彩さんって執務官にはなられないんですか?」
「んー?今のところはなる気はないかな」
「……どうしてですか?陽彩さんの実力なら十分……」
こんな感じの話ちょっと前にも八神さんとフェイトさんともしたな……。
「今はまだフェイトさんのもとで働きたいし……。そもそも自分が執務官に向いてるとは思えないっていうのと……。あとは、そうだな。執務官補佐が俺の夢みたいなもんだから、かな」
「……夢、ですか?」
「そうそう」
どうしようか、まあ別に話してもいいかな。
暗くなっちゃうかもしれないけど。
「……昔憧れた人がいてさ、その人が執務官補佐だったんだ」
所謂、ありきたりなやつである。憧れた人がいて、その人が執務官補佐だった。だから俺は、執務官補佐を目指して。こうして今、無事になれている。
「あの、今ってその人は……」
「んー、いや。今はもういないよ」
「あっ……」
実のところ、自ら管理局員を辞める人というのはあまりいない。給料も高いし、福利厚生も案外しっかりしてるしな。そもそもとして管理局に入るやつなんてのは最初からなにか志を持っているやつが多いというのもあるかもしれない。
それでも管理局からいなくなるということは、仕事を続けれなくなるぐらいの怪我を負ったか、もしくは……。
まあつまりは、そういうことである。
というか、やっぱりちょっと暗くなっちゃったな……。
この話をするときはいつもこうなってしまう。だからちょっと話すの悩んだんだよな。
「まあその辺りのことはどうでもいいとして……、皆はどうなんだ?」
「えっ?」
暗い話題はさっさと流すに限る。あとは俺があまり話したくないというのもあるかもしれないが。
机の上に置いてあったキャンディを開け、舐めながら四人に問いかける。
このキャンディうま……。
「進路とか将来だったり。そういうの皆はなにか決めてたりするのか?」
「……いえ、特には……?」
ランスター以外の三人が首を傾げる。まあ来たばっかで考えるのも難しいか……。
でもなぁ……。
「でもちょっとぐらいは考えておいたほうが良いと思うよ。一年なんてあっという間だし」
「……そうですか?」
「そうそう」
管理局に入ったとき、俺がそれで普通に危なかったからな……。
俺は陸士訓練校の三ヶ月の短期コースというので出たんだが、三ヶ月も余裕あるんだから進路なんて後から考えればいいだろ、ガハハ!とか言ってたら教導が忙しすぎて、考える暇なくて進路出したのめちゃめちゃギリギリになったからな。
普通に訓練学校の学長のコラードさんには叱られちゃったからね……。
「ランスターは執務官志望だっけ?」
「はい、執務官目指してます」
「おー、うん。ランスターは向いてると思うな。視野広いし、ちゃんと指揮も執れてるし」
「あ、ありがとうございます……」
執務官という職務上、補佐官をつけるなら指揮をする必要があるし、たとえつけなかったとしても、いざという時は武装隊に指示を出さないといけない。執務官には指揮能力が必須なのである。
その点で言えば、やっぱり俺は執務官には向いてないと思うな〜。
俺はマジで指揮というか指示出しをするのが苦手だからな。普通に小隊指揮資格落ちかけたし……。
ヴィータさんのガチ鬼詰め込み教室がなかったら本当に不味かったかもしれない。
だから八神さんとフェイトさんに隊長補佐を任されたときは、無理無理無理と絶叫して固辞したりした。
まあ結局は八神さんに「いくら先輩と新人とはいえ、空戦AAAと同じってなったら萎縮するかもしれんし……」という説得を受け、まあ確かに……となって折れたわけだが。
「僕もそう思います!なんというか……ティアさんの指揮はすごくやりやすいです!」
「わ、私もそう思います!えっと……ティアさんのおかげでとっても動きやすいですから!」
エリオとキャロが口々にランスターを褒め始める。なんか急にランスターを褒める会が始まったな……。
でもまあ、うん。仲が良いのは素晴らしいことだ。
「……ふん、褒めても何も出ないわよ」
そう言いながらランスターがぷいっと顔を横に逸らした。
耳あっか……。
「あっー!ティア照れてるー!」
「うっさいわよ、バカスバル!」
やっぱりこの二人めちゃめちゃ仲いいな……。
「ナカジマは……なんか決めてたりは?」
「えっ、わ、私ですか!?……うーん、でもそうだなぁ。誰かを助ける仕事……とか?」
「やっぱりそれも高町さんの影響だったり?」
「はい!えへへ、やっぱり分かっちゃいますかね……」
「……まあ、バレバレだな。でも分かるよ。誰かを助けるときの高町さんの顔ってすげえかっこいいんだよな……」
「はい!!そうなんですよ!!」
バン!と机を叩きながらナカジマが身を乗り出してくる。
ちっか……。いくらギンガで慣れてるとはいえやっぱり急に目の前に顔が来たらびっくりするな……。
「……というか、もってことは、陽彩さんもなのはさんに助けられた事あるんですか!?」
「んー?いや、危ない場面でっていうのは俺はないかな。映像で見ただけ……ごめん嘘、一個だけあったわ。しかも最近」
「ええ!?だ、大丈夫だったんですか?」
ナカジマの問いにそう答えると、エリオとキャロがわたわたとしながら心配してくれた。
本当に優しいねこの子たちは……。
「……大丈夫か大丈夫じゃないかで言ったら大丈夫ではないかな……」
「ど、どこか怪我とかされたり!?」
「いや、精神的に……」
「???」
四人が同時に頭の上に?を浮かべる。
俺が思い出したのは出向前の高町さんとの模擬戦のことである。
あの時の俺、お姫様抱っこで助けられてるもんな……。
改めて思い出したとしても普通に恥ずかしすぎる。
これからの俺の人生の目標はなんとしてでもヴィータさんにお姫様抱っこをされないことにしようかな……。
「……うん、詳しく聞きたかったら高町さんかフィニーノさんに聞いてくれ……。俺からは話したくない……」
「?わ、分かりました……」
よし、この話は終わりにしよう、そうしよう。
「僕は、そうですね……。あんまりイメージ湧かないかもです……」
「わ、私もです……」
「いやいや、何も今すぐ決めろって言ってるわけじゃない。ただちょっとぐらいは考えたほうがいいよーっていうだけの話だから。ゆっくり決めていけばいいよ」
「……はい」
やべ、なんかエリオもキャロもしょんぼりしちゃった……。
話題選び失敗したかもこれ……。
「なんか急かすようになっちゃったか。そんなつもりはなかったんけど……、ごめんな二人とも」
「あっ、いえ……」
手を伸ばして二人の頭を撫でながら謝る。
「ランスターもナカジマも、悪かったな」
「あ、いえいえ!ちゃんと将来のことを考えるいい機会になったので、大丈夫です!」
「そう言ってくれるとありがたいよ」
ふぅ、なんとか許されたな……。
ん……?
「……ところで四人とも、時間は大丈夫なのか?」
「えっ?」
俺がそう言うと四人が同時に振り返り、時計を見る。
時計が指している時刻は三時半ちょうど。
どうやら三十分も喋っていたらしいが、それはそれとして。
「う、うわぁ!いつの間に!」
「いや、ごめんな。俺も今気づいたからさ……」
俺の言葉に四人が焦り始める。
「ち、遅刻しちゃったらヴィータ副隊長に怒られちゃいますよ〜!」
キャロがそう言った途端他の三人の動きがピタリと止まり、そして面白いぐらいに顔が蒼白になっていく。
どうやらこの四人の中でヴィータさんはそれなりに怖い人物になっているらしい。まああの人常に眉間にしわ寄せてるしな……。
「そ、それじゃあ。私達はこの辺りで、失礼しま~〜す!!」
「うん、お菓子の袋は片付けとくから、行っておいで」
「ありがとうございます!!」
「あ、そうだ、ヴィータさんに怒られたら俺の名前出していいからなー!」
「わ、分かりました〜〜!」
すれ違いざまに挨拶をしながらドタバタと四人は駆けていった。
まあヴィータさんに俺の名前を出したところで、多分怒られる対象が四人から俺に変わるだけだとは思うが……。
それにしても、忙しい子達だなぁ……。
四人が去っていったあと。
一人でお菓子を食っていても虚しいだけなので、俺は休憩室を抜け出して隊舎の放浪を再開していた。
なんか……お菓子だけでお腹いっぱいになっちゃったな……。
夜ご飯どうしよ……。別に抜いてもいいかな……?
ん?あれは……。
他の隊員が往来する向こう側、自販機の横のソファに座っている高町さんを発見した。
「お疲れさまです、高町さん」
高町さんに近づいて声をかける。
どうやら、この人はまた休憩時間だというのに教導の資料を確認していたらしい。
休憩時間ってなんだ……?
「あ、陽彩くん。おかえり、帰ってきてたんだね」
「はい、ただいまです。帰ってきたのはさっきというか……ちょうど昼ごろぐらいに」
俺が帰ってきた時は、高町さんはナカジマたち四人の教導をしていたらしく、ちょうどいなかったのである。
で、暇だな〜とぶらついていたところをヴァイスさんたちに捕獲されてしまい、あの闇のゲームに参加させられたというわけだ。いや改めて思い返してみると意味分かんねぇな……。
「皆の教導はどんな感じです?」
「うん、いい感じかな。皆どんどん強くなってるよ」
めちゃめちゃ嬉しそうに笑いながら高町さんが俺の質問に答える。
へぇ……。三日離れただけでも多分見違えるぐらいに強くなってるんだろうな……。
「すごい皆やる気があってね、ちゃんとついてきてくれるんだ。あの頃の陽彩くんみたいに」
「えぇ……」
あの頃の俺って……。目血走らせて教導に食らいついてた時のことだよな……?
あの子達あんな優しそうな顔をしてそんな事やってんの……?
こわ……。
「……本当ですか?」
「……う、うーん。ちょっ、ちょっと言い過ぎちゃったかも……」
良かったぁ……。
あの子達がそんな事やってたら、普通にビビって泣いていたかもしれない。
まあ高町さんがそこまで言うってことはめちゃめちゃ真面目に教導を受けてるってことなんだろうな。
一年後の教導の終わりが実に楽しみである。
もしかしたら俺も負けちゃうかもな……。は?絶対負けないが?
高町さんと話している最中、ふと眠気がこみ上げる。
んっ、くっ、ふぅ……。
なんか、お腹いっぱいになったら眠くなってきたな……。
「ふぁ……」
「ふふっ、おっきいあくびだね」
「すいません……」
噛み殺しきれなかったあくびが漏れ出る。
むぅ。人と話している最中にあくびをしてしまうとは……。
「あっちではどれぐらい寝れたの?」
「……うーん、三日合わせて……九時間ぐらいですかね?」
「ええっ!?それって一日三時間ぐらいしか寝てないってことだよね……?」
「たぶん……」
「絶対今すぐにでも寝たほうが良いと思うな……」
……ふむ、高町さんの言うことも一理あるかもしれない。
「……三日ぶりに皆と会えたので、ちょっとはしゃぎすぎたかもしれないですね……」
「陽彩くんって案外寂しがり屋さんだもんね」
「むっ、それは…………ふむ、困ったことに否定のしようがないな」
心外だ、と言おうとしたが何も言えることがなかった
というか俺から言い出したことだしな……。
「それじゃあ、私のことをそろそろ名前で……」
「いや、それはちょっと……」
「嘘っ!?なんで!?」
だって、それは、ねえ……?
高町さんと話すときの恒例の話を終えたところで、寮に戻るために立ちあがる。
「もー……ふふっ。おやすみ。陽彩くん」
「はい、おやすみなさいです」
なんか眠すぎて変なことを口走った気がするが、多分気のせいだろう。
そういうことにしておこう。