よろしくお願いします。
目が覚めると、そこは真っ白な世界だった。
そこには何も無く、地面があるかも解らない。
何故こんな所に居るかも分からず、辺りを見渡そうとしたが、何故か前しか見れない。
分からない事だらけで半狂乱になりかけた時、いつからいたのか黒いシルエットの男が自分の前に居て、コチラを覗き込んでいた。
『やぁ、ようこそ迷える魂よ。私は君を歓迎しよう』
黒いシルエットの男はそう言って恭しく頭を下げた。
ここは何処だ!…と口を開こうとしたら口すら動かない。それを察した黒いシルエットの男はいまの現状を説明しだした。
『此処は異なる世界を繋ぐ中継点。彷徨える魂を輪廻に戻す転生機構。
あなたは第一世界でお亡くなりになり、なんの因果か輪廻から外れて
しまった存在』
淡々と話す黒いシルエットの男からは表情は読めず、いつの間にか置いてあった椅子に腰掛けた。
どういう事だ!
『魂だけの君は声はおろか動くことも出来ない状態だ』
ここから出してくれ!
自分の思いは白い空間に響くが黒いシルエットの男は気にも介さず説明を続ける。
『出してやる事は出来るが、一つ私の願いを君に刻んでから輪廻に戻そうと考えている』
解らない…助けてくれ…
『最近私の同類が面白いことをしていてな。異世界転生というモノなのだが、コレのせいで異なる世界が増えすぎて輪廻転生で割り振られる魂が分散して一つの世界の生命が減少してしまっているのだ』
『間引いてやれば良いのだが、同類達が邪魔をして私は動けないのだ』
嫌だ…やめてくれ…
『そこでだ。君に転生して出来た世界を滅ぼしてきてほしい。何、怯える事はない。既に転生者の力を超える入れ物は作ってある。後は君が入って転生するだけだ。君は何もする必要はない。入れ物が自動的に滅ぼしてくれるからな。死ぬことはないだろう』
嫌だ…嫌だ!
『さて、そろそろ転生の時間だ。入れ物は君が今世で好きだったスサノオユニットを模したモノだ。魂を入れるにはこれ以上無いだろう?』
ハク…メン⁈
それは白い仮面に白い甲冑、大太刀を携えた異形。
ブレイブルーと呼ばれる格闘ゲームに登場するキャラクター。
自分のよく使っていたキャラクターであり、そのキャラクターの背負う背景も好きなキャラクター。
しかし、実際になりたいかと言われたら絶対になりたく無いキャラクターでもあった。
『君に刻むは転生者を悪とする心。転生者を狩り、世界の秩序を護らんとする者。コレを使い、存分に力を振るうが良い』
自分は黒いシルエットの男に捕まれスサノオユニット[ハクメン]にねじ込まれて意識を失った。