年配の女性「今日はすみませんね…。」
小鈴「い、いえ 」
年配の女性に言われて小鈴は両手を降って
小鈴「あ、あのっ…。小咲ちゃんは?」
年配の女性「最近は大分落ち着いて来てたんだけどね…。たまにさっきみたいに発作が起きるのよ…。」
そう言われて小鈴は心配そうな顔をして
年配の女性「小咲はね…。昔から身体が弱くてね…。外で遊べず、友達もいなくて暗い顔しか見てなかったの。」
年配の女性は空を見上げて
年配の女性「でもね…。本を読んでる間は幸せそうで…。そして、そのお陰であなたに出会えた。」
年配の女性は顔を小鈴に向けて
小鈴「私?」
年配の女性「あなたと会うようになってから小咲は笑顔が増えました…。あなたに会うのをいつも楽しみにしていて。本当にありがとう。」
年配の女性は小咲に頭を下げた
小鈴「あ、いえ! 頭を下げないで下さい わ、私も小咲ちゃんと話してて楽しいですし…。」
小鈴は頭を下げる年配の女性に慌てて
年配の女性「小咲の状態が落ち着いたら、また来て下さるかしら?」
小鈴「はい!勿論です!」
小鈴は頷く
年配の女性「ありがとう。」
年配の女性は満面の笑みを浮かべた
小鈴「それでその日は前に貸してた本を引き取って帰ったんです…。」
霊夢「…。」
小鈴「そして直感でですが…小咲ちゃんとはこれが最後なんじゃないかって思ったんです。」
小鈴は下を向いて話し続ける
小鈴「それを思わせるように、残りの本を返却した後から借りに来なくなりました…。」
霊夢は静かに聞いている
小鈴「でも…ある日奇跡が起きたんです。」
霊夢「奇跡…?」
霊夢が口を開いた
小鈴「はい!もう駄目だと思ったある日でした。」
小鈴は顔を勢い良く上げて霊夢に視線を戻すと話し始めた
小鈴「…。」
元気がない表情で溜め息をつきながら本を整理する
小鈴「…思ったように仕事に力が入らないなぁ…。」
小鈴が本をゆっくりと整理しているとチリンチリン…とお客さんが入って来た音がした
小鈴「いけない…しっかりしなくちゃ…。」
小鈴は深呼吸をして
小鈴「いらっしゃいま…」
小鈴が入って来たお客さんに挨拶をしようとした時に、瞳に映った人物に一瞬言葉を失った
小鈴「え…。」
小咲「小鈴ちゃん…。久しぶり…。」
そこには小咲が立っていた
小鈴「小咲…ちゃん?何で…?」
小咲「来ちゃった…。」
小鈴は色々な事が頭の中で巡り合い、混乱しそうになる
小鈴「家から出て大丈夫なの!?Σ」
小咲「うん!治ったから。」
小鈴「え…?治った?」
小咲の言葉に小鈴は戸惑う
小咲「うん…。」
小鈴「本当に…?もう発作とかもないの…?」
小咲「うん。もう大丈夫みたい。」
小咲は微笑んだ
小鈴「そうなんだ…。」
小咲「小鈴ちゃん?何で泣いてるの…?」
気づくと小鈴の瞳から涙がこぼれていて
小鈴「だって…心配してたから…。小咲ちゃんと…もう会えないんじゃないか…って…思ってたから…。」
小鈴の声がどんどん涙声になっていく
小咲「…私も…。小鈴ちゃんと…もう会えないと思ってた…。」
小咲も瞳から涙がこぼれ落ちると小鈴の手を取った
小鈴「小咲ちゃん…良かった…本当に…良かった…。」
小咲「うん…。小鈴ちゃん…ありがとう…。」
2人は手を握り合いながらしばらく涙を流した
小鈴「あれは奇跡としか言いようがないです。そう思いませんか?…あれ?霊夢さん?」
小鈴が霊夢を見ると霊夢が何故か顔を背けていて
小鈴「聞いてます?」
霊夢「ぐすっ…。え、えぇ、聞いてるわ。」
袖で何かを拭く仕草をすると小鈴の方を向いた
霊夢「ところで、小咲ちゃんが何で治ったのか本人から聞いた?」
小鈴「え?あ、いえ…。聞いてないです。」
霊夢は腕を組むと難しい顔になる
霊夢「ねぇ、小咲ちゃんの家に案内してほしいんだけど。」
小鈴「え?何でですか?」
霊夢「…取り返しのつかないことになる前に。」
小鈴「…それってどういう…。」
小鈴は困った顔をする
霊夢「本当に何も聞いてないのね?」
霊夢は真剣な顔で小鈴を見つめた
小鈴「は、はい。一体何なんですか?教えて下さい。」
霊夢「里の人から聞いたんだけど、小咲ちゃんは治った時に変な事を言ってたそうなの。」
小鈴「変な事?」
霊夢は頷くと口を開いた
霊夢「鬼に会ったって…言ってたらしいのよ。」
小鈴「えっ!?鬼にですか!?」
小鈴はびっくりして
霊夢「それでね。確かめたい事があるのよ。だからお願い。小咲ちゃんの家へ案内して。」
小鈴はどうするか悩むが遂に頷いて
小鈴「分かりました。ただし…小咲ちゃんを傷つけるようなことはしないで下さいね?」
霊夢「えぇ、約束するわ。ありがとう。小鈴ちゃん。」
霊夢は微笑んだ