凌辱エロゲ世界でハッピーエンドと復讐を同時に遂げる方法   作:けっぺん

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サキュバスたちのセレナーデ/5

 

 

 私という存在が、サキュバスであることを忘れないためには、どうするべきなのか。

 私という存在が、サキュバスらしくあるためには、どうするべきなのか。

 

 別に楽しいとは感じなかったものの、その時に思いついた二つは私にとっての趣味になった。

 

 その一つは、剣。剣を選んだ理由は他愛のない、たまたま思い立った時に最初に目に映ったものだから、だけど。

 サキュバスらしくなくなった自分は、何をしていれば己を忘れることなくいられるだろう、と考えて。

 変わってしまった自分のアイデンティティ――アリスアドラ様の共感を受けるほどの異質性を、演じようとしたのだ。

 アリスアドラ様の側近たるサキュバスは、他の者たちが慄くほどに、狂っていることが求められる。

 

 エヴァネスには狂おしいほどの自己愛があった。

 私がアリスアドラ様と出会った時、既にあの方に下っていたのがエヴァネスだった。

 話して、すぐに“まともではない”と理解できた。

 あれほど己の美を疑わないサキュバスなど――あれほど己を磨かんとするサキュバスなどいないだろう。

 

 ネリネは世界を視る眼が狂っていた。

 私やアリスアドラ様とも異なる怪物に視えているものは、ついぞ理解できなかった。

 あの、星を映す眼の深奥など、私たちが触れるべきものではない。分かっていたのは、それくらいだ。

 彼女の悲願が叶った世界とは、どういうものだっただろう。今からでは、答えの出ない謎なのだが。

 

 ジルは無難に暮らせた筈の一生を狂わされた。

 ネリネの凶行の被害者となり、サキュバスとして生きることを余儀なくされた最果ての民。

 確かな才を持つサキュバスになれたとはいえ、哀れなものだと思った。

 結局、復讐も果たされず仕舞いだろうか。彼女の憎悪には、少しだけ期待していたものだが。

 

 結果的にそんな共通点が生まれたが……あの頃に私は、エヴァネスを見て、自分もまたそのように異質になってみようと思った。

 サキュバスらしくなく、武器を使えるようになってみよう。誠実に、堅実に、そう、たとえば――種族単位で分かり合えない、聖都の堅物エルフたちのように。

 幸い、それができるだけの素質はあった。鍛えてみれば、存外それらしく映って、私を真似て剣をとってみるサキュバスもちらほらと出てきた。

 実に、滑稽な話ではないか。猿真似に憧れ、文化が生まれるなどと。

 ……それなりに長い年月指導をしてきたものの、結局、まともに鍛錬をこなす者なんて、一人しか現れなかったのだが。

 

 もう一つは……どうでもいいか。

 どうせそちらも、大した結果は実らなかった。少なくとも、私にとっては価値のないものだった。

 まあ……所詮自分以外になど、期待すべきではないということだ。

 

 それよりも重要なのは、その、たった一人のまともな教え子が、私の心臓を貫いたことだ。

 生意気なことを、とも、恩知らずな、とも思うまい。

 大したものだ。生真面目だが、だからこそ言われたことを全うするだけで……どうしようもなく優柔不断だったこの子が……なるほど。

 

「……かれらに影響されたと。あなたらしい単純さだ。ですが……それを受け入れられるのは、あなたの長所でもある」

「はい……順応力の高さは、あってよかったと――心から思っています。そうでなければ、私も、そいつらも、ここにいませんでしたから」

 

 自分の存在が、かれらのここまでの道程に必要不可欠なものであったと、背後のラフィーナははっきりと宣言する。

 そして、勇者ユーリも、オドマオズマ様の妹様も、否定する様子はなかった。

 真実なのだろう。剣に宿るアドバイザーという、おかしな状態ではあったが……彼女はかれらにとって、かけがえのない仲間だったのだ。

 ――なんと深い絆。サキュバスが他の種族と絆を結び、そして、この千年間誰にも実現できなかった奇跡に手を伸ばさんとしている。

 悪態交じりではあるものの、ラフィーナの声色は、どこか誇らしげだった。

 初戦試験官の任が、こんな旅の始まりであるなど、あの頃のラフィーナは思ってさえいなかっただろう。

 この子は、私が想像できないほど波乱万丈な冒険の果てに、ここにいるのだ。

 

「それに……」

 

 ほんの少しの間だけ、ラフィーナは言い淀む。

 しっかりと剣は握り込んだまま。どんな表情を、しているやら。

 

「……そいつは……ユーリは私がずっと前から目をつけていましたから。私に許可なく、手を出そうとするのはマナー違反ですよ――イルミナ様」

「――――――――は」

 

 ……何を言い出すかと思えば、この子は。

 そんなもの、あってないようなマナーだ。確かに、たまたま啜り殺さなかった“食べ残し”や、じっくりと育てている“餌候補”に執着を示すサキュバスは多いし、それに下手に手を出すのはご法度という風潮はある。

 だが、そんな理屈よりも衝動や本能を優先するのがサキュバスというものだろう。

 わざわざ言葉で指摘するような生真面目な子、やはりラフィーナしかいまい。

 

「……そんな風には、見えませんでしたが。一体、いつから?」

「“いつか”の、“どこか”からです。途方もない昔であるような、ほんの少し前であるような……夢と錯覚するくらい、現実感のない、いつかの、どこかです」

「……そうでしたか」

 

 実感のない後悔を滲ませながら、ラフィーナはわけの分からないことを言ってきた。

 戯言とすら呼べない曖昧な言葉なのに、それを作り話だと断言できないほどに、後悔以外の多くの想いも込められている。

 その、いつか、どこかとやらの出来事はどうあれ……今の関係こそを、かけがえのないものだと感じている。

 そうであるからこそ、ラフィーナは私よりも、かれらを優先したのだ。共にいた年月など、比べようがないにも関わらず。

 ……私には理解できまい。それは、ラフィーナだけが内に抱く想いなのだから。

 

「……っ」

 

 ぐらりと、意識が揺れる。死に近付いていることを自覚する。

 サキュバスとはいえど、致命傷というものはある。ジルやネリネ、アリスアドラ様がどう死んだのかは定かではないが、その事実がはっきりと物語るように。

 そもそも、サキュバスは体が頑丈なだけで、ヴァンパイアどものように再生能力に秀でている訳ではない。心臓を貫かれれば、生き残るのは難しい。

 今すぐ再生を始めれば、どうにか間に合うかもしれないが……この剣で貫かれている限りは、それも叶うまい。

 

「……ラフィーナ。死にたくない、と言えば……見逃してくれますか?」

「っ……」

 

 だからこそ私は、懇願を零した。恥や屈辱さえ、そう演じなければ感じることもない。

 僅かに、剣が震えた。その振動が、不自然なほど体中に響いた。

 

「…………見逃しはしません。イルミナ様が何を思ってここに来たのか、私にはわかりませんから。……でも、イルミナ様を、殺したくもない」

 

 迷い、苦しみ、葛藤。どうやら……私はこの子にとって、それくらいの存在ではいられたらしい。

 

「……ユーリ、頼める?」

「……分かった」

 

 自分で私を殺すことはできない。どれだけ敵対を決意しても、その一線を超えるほど恩義を捨てられない。

 実に、可愛らしい選択ではないか、と思った直後――剣が引き抜かれて、体が支えを失う。

 目の前の勇者ユーリが、外装の魔力を飛躍的に高め、勇者特有の属性を伴う炎を、右足に込めていく。どうやら、あれが私に下される沙汰のようだ。

 

「――ありがとうございました、イルミナ様。私を目にかけてくれて」

「……まったく、あなたは」

 

 それが、ラフィーナなりの別れの言葉。

 最後の最後まで、恩義をなかったことにしたくないと……一体どこまで、生真面目なのだろう。

 それが私の役割だった。飽きてやめようとしなかったから、必然的に長く関わった。それだけだというのに、とても大切な時間であったかのように。

 ラフィーナ――あなたはやはり、私なんかよりもずっとおかしなサキュバスだ。

 ……ああ。だから――

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――だから、甘い」

 

 

「ぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 破裂音が大きすぎて、私の耳に届いたのは、かすかに空気が零れた音だけだった。

 惜しいな、こんなことは初めてだったから、加減が分からなかった。それに――どんな顔をしているのかも見えない。

 真正面にいたならば、体を裂いた激痛の中でさえ、その表情を見逃さない自信があったというのに。

 

 少々無理をし過ぎた。即興で体内をぐちゃぐちゃと弄るというのは、こうも負担がかかるものなのか。

 背中にもう一つ口を作るなんて、すぐにできることでもない。結果として、ただ背中を裂いて、無理やり内側と繋げただけになってしまった。

 

 吐き出した剣が何本だったかは、よく分からない。いくらかを適当に砕き、その魔力に乗せて近くにあったものを吐き出しただけなのだから。

 作法も信念もあったものではないのは、先ほどから変わらない。

 だからこそ、ラフィーナでは察知できない攻撃として成立し、飛び出した剣の群れはその体を引き裂き、弾けさせた。

 手放した剣と入れ替わるように、飛び散ったラフィーナの血肉が飛び込んでくる。ギリギリで、間に合った。

 

「ッ――――!?」

 

『ユーリ・エクストライク!』

 

 ――――――――真横から薙ぐように受けた衝撃で、思考が真っ赤に染まる。

 凄まじい一撃ではあるが……その瞬間の動揺は、しっかりと影響してしまったらしい。

 死にかけている私に引導を渡すこともままならない。むしろ……それは長らく私を苦しめさせる結果を齎すのだが。

 

 堪えることなどできるはずもなく、吹き飛ばされる過程で腕が千切れて、落ちていく。部屋の壁に激突した拍子に、翼も片方、落ちてしまった。

 一足先に限界を迎えただけで、体中に罅だのなんだのが走っているのだが。

 体は壁に張り付いたように深くめり込み、落ちることさえ許されない。

 それでも――意識だけはある。それだけで十分だ。

 その血肉を味わえる。最後の晩餐を、じっくりと吟味することができるのだから。

 

 ――私ではどう足掻いても手に入らなかった、輝かしい思い出。勇者とともに歩く、奇想天外な旅路。

 その道程をかけがえのないものだと感じてしまっているのならば、私だってその想いを味わいたい。

 勇者ユーリに手が届かないのは残念だが、これだけ貴重な知らないものを舌に乗せられるのならばそれでもいい。

 素晴らしい味だ。瑞々しく、爽やかで、しかし決して舌触りが良いだけではない、複雑な感情。これを甘露と呼ばずになんとするのか。

 血を啜る。肉片を咀嚼する。そこには、剣や外装の破片に込められていた希望や怨嗟の味もする。

 それらをラフィーナも享受し、一つの目標を夢見て歩いてきたと。

 ああ……本当に、これ以上ないほどの成長をして、戻ってきてくれた。私の方こそ、あなたに感謝をしなければなるまい。

 この味に浸り、あなたの旅に思いを馳せながら、死ぬことができるのだから――

 

「……、…………?」

 

 その――至高の味わいに水を差すように、違和感を覚えた。

 舌が痺れる。感じていた味が、すうっと引いていく。いや……甘露に雑味がたちまち混じっていき、私でさえ味わうに堪えないモノに変じていく。

 

「……なん、ですか、これは」

 

 そう発したつもりだが、上手く呂律が回っていない気がした。

 大穴が空き、罅だらけになり、それでも動こうとする心臓の鼓動が早い。頭と脳が別になり、ふわふわと浮き上がるような感覚が襲う。

 その甘味は……甘味ではない。無理やり味わわされているかのような拒否感が、思考を埋め尽くしていく。

 不味い、不味い、不味い、不味い――否、こんなものは、味ですらない。

 脳を、体を、存在そのものを侵していく病原。

 何だか知らないが、私を邪魔するのか。あの時のアリスアドラ様のように。

 アリスアドラ様の、ように――――。

 

「…………狂、気?」

 

 その酩酊の正体に思い至る。

 ラフィーナの血肉だけではない。先ほどから喰らっていた剣にも染み込んでいた、アリスアドラ様の象徴。

 味わうに値しない、これ以上ない現実感。何故、こんなものがここにある。何故、ラフィーナが……勇者が振るっていた剣が、これほどまでの狂気を蓄えている――!

 

「……そういう、のも……ありましたね」

 

 なんて、今ようやく思い出したかのような声色で……妹様を下ろした勇者ユーリに支えられたラフィーナが言った。

 体中がずたずたになり、片角を失って、それでも四肢は健在のまま。

 満身創痍ながら、勇者ユーリに支えられて立ったラフィーナは、形を変えた剣の先端をこちらに向けていた。

 ……おかしい。毒よりもはっきりと、夢を醒ますこれを帯びて、まともでいられる筈がない。サキュバスであれば、なおのことだ。

 あの剣には狂気が満ちている。ラフィーナ自身も、手遅れなほどに浸っている。

 なのに……!

 

「どう、して……あなたは……」

「……おかしくなっていたことも、ありましたけど……今となっては、日常茶飯事、ですから。――慣れちゃいました」

「…………慣れ、た……?」

 

 こんなものに――? そう、続けるよりも前に、ラフィーナの苦笑交じりの……どこか強気な笑みで、言葉が止まった。

 失望はない。後悔もない。私の不意打ちになんら感じるものはなく……今抱いているのは、達成感と希望のみ。

 私と同じ、今にも死にそうな状態で、ああも清々しく勝ち誇れるものなのか。

 

 一体、どんな気分なのだろう。あの感情を啜れば、どれほどの快感に包まれるだろう。

 ああ……一口だけでもいい。その勝利の味を、決別の味を、希望の味を、味わわせてほしい。

 しかし、それが叶う前に、ラフィーナは引き金を引いた。

 

「さようなら、イルミナ様」

「――――――――――――――――、」

 

 ご馳走を取り上げられた困惑、目の前にあるご馳走に手が届かないもどかしさ。そんな情動を、誰も掬い上げてはくれない。

 放たれた巨大な魔弾を、今の私が躱せる筈もなく、血を零すしかできなくなった心臓も、不愉快な酩酊に満ちていた脳も、たちまち消し飛んでいく。

 体が、存在が、“なにか”に変えられるような感覚は一瞬だけ。それを許容するほど、私の命に余裕はなくて。

 最悪な後味に満たされた心地のまま――意識も、命も、すぐに解れて散っていった。




『イルミナ』
【属性】水/夢
【攻撃力】■■■■■■■■■
【防御力】■■■■■■■■
【素早さ】■■■■■■■■■
【魔 力】■■■■■■■■■■
【精神力】■■■■■■■■■■

【種族】サキュバス種
魔族が人間の上位者である所以とは基本的に単純な魔力量や体のつくりの差である。
だが、サキュバスは違う。勿論強い力を持っている事は同じだが、何より彼女たちは人間の欲望を貪ることを生きがいとする生き物だからだ。
夢から生じたサキュバスは人間の心に敏感である。
相手の欲望を刺激する段階も彼女たちにとっては大変な栄養であり、一度目を付けられれば長い時間をかけて精気を吸い取られていくだろう。
また、サキュバスは精神体に近い存在ながら肉体が非常に丈夫なことでも知られており、過度な負荷にも耐えられる。
物理攻撃が効きにくい性質も相まって、真正面から打ち倒すのは困難をきわめる魔族だ。

【『狂壊』イルミナ】
イルミナはアリスアドラに仕えるサキュバスに、剣や精神統一など、主に戦うための指南を行う役割を持っている。
とはいえ、そもそもサキュバスとは奔放な種族だ。イルミナの剣に憧れる者はいても、いざ自分でそれを振るってみれば、すぐに飽きてしまう。
イルミナ自身も鬼教官ではなく、去っていくならばそれで構わないというスタンスのため、いわゆる『聖都の長耳ごっこ体験コーナー』と揶揄されている。
それをイルミナは知っているが、認識を正すようなことはしない。その立場にも、悪口にも、何も感じてはいないからだ。

イルミナは生まれつき、不感症を自称していた。
言葉通りのそれではなく、意思のある生物ならば共通して持つ、感情の波が発生しないという意味だ。
しかし他者のそれを啜って感じ取れない訳ではない。むしろ、彼女の舌は敏感だった。ゆえに、生きていく上でその欠陥が支障を生むことはなかった。
他者の情動のみを感じられるサキュバスが、それを嗅ぎつける嗅覚を磨き、貪食になるのは当然のこと。
イルミナは雑食家だった。人間はもちろん、他の魔族や、果ては同じサキュバスまでもが、彼女にとっては情動を貪る対象だった。
彼女が食事をした後には何も残らない。地面にこびり付いたはずの血の一滴さえも。
暴食は留まるところを知らず、そのまま続けば、いずれ第二の国枯らしさえ成し遂げるだろう。サキュバスたちは災害のように、彼女を恐れた。
そんな彼女の凶行を止めたのはアリスアドラ――サキュバスたちの長だった。

アリスアドラはイルミナを無力化し、己の狂気を彼女のストッパーにした。
イルミナの境遇に共感し、自分がすべきだと考えた行動がそれだった。
それから先の凶行には意味がなくなり、それでもサキュバスとしての己を忘れないために、イルミナは二つの趣味を見出した――無論、趣味とはいいつつ、心の躍らないルーチンワークに過ぎないものだが。

一つは剣。聖都のエルフを演じ、アリスアドラに見初められたサキュバスらしく、“壊れている自分”を演出した。
そして、もう一つ。
自分の情動を感じられないからこそ、イルミナは誰よりも主観を排して物事を捉えられた。
他者の在り方をフラットに感じ、ゆえに、どこを壊せば自分に都合よく書き換えられるかを理解することが出来た。
通常通りに生きながらも、イルミナが望んだ時に、望んだ通りの動きをする。コッペリアとはまた異なる方向性の操り人形は、世界各地……サキュバスとは折り合いが悪い聖都にさえ潜んでいたという。
人形はアリスアドラへの刺客にした例もあるが、大半は、世界のどこかで悲劇を起こした。
こうしていれば、いつかの情動を取り戻せるかもしれない。そうでなくとも、いつかアリスアドラ様の枷が外れた時、各地で素晴らしいご馳走となり得る。
“狂わせ、壊すこと”――それが、イルミナが演じ始めた、己の在り方だった。

【ラフィーナの評価】
「…………私にとって恩師であることに変わりはありません。ありがとうございました――そして、さようなら、イルミナ様」

【アリスアドラの評価】
「最初から味なんて少しも感じてなくて、貪る行為に快楽を覚えていただけ……そんな残酷な真実を教えられる訳がないじゃない? 私が取り上げたと思うなら、それでいいのよ。はけ口が出来たんだから。放置していても良かったのだけれど、他の子たちが怯えてしまうし……ままならないものねぇ」
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