凌辱エロゲ世界でハッピーエンドと復讐を同時に遂げる方法   作:けっぺん

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イピカちゃん(代理)のくるくる反省コーナー!

 

 

 ――この遠き場所で、二度と逢えぬこの場所で。

 

 ――私は歌おう。あなたが紡ぐ幾多の美徳、幾多の善美のために。

 

 ――永久に、あなたへの想いに囚われよう。

 

 ――この身の全てを、あなた一人に捧げよう。

 

 

 ぐちゃり、ぐちょり、ざわざわ、ぎしぎし。

 いつも変わらない水音と甲殻が掠れる音の響く空間。

 確かに、ロケーションとしては最悪に近い。どこまでも続く青い海のように、眺めているだけで気分が晴れるような場所でもない。

 他の者たちにとっては苦痛なのだろう。

 この場で行われているのは使い魔の量産であり、凌辱なのだ。

 

 悲鳴がやがて悲鳴でなくなり、碌な声すら上げなくなるのは、我としても歓迎すべき事態ではない。

 ゆえに我は考えた。そうして発狂する者が少しでも減るための手段を。

 時折どこからともなくふらりと現れる、何故か自由を得ている妖精たちは、囚われた魔族たちに楽しげに言葉を掛け、緊張を解しているようだが効果は芳しくない。

 所詮は妖精、他種族の繊細な感情を的確に癒すなど不可能ということだ。

 我はあの者たちには期待せず、己の特技を捧げることにした。

 

 それが、歌だ。

 セイレーンは海より人々に歌を届ける種族。魔力を乗せ、風に乗せた歌声は人々の心に安らぎを与える。

 こうして苗床となり、本来の性質の幾分かが行使できなくなった。

 魔力を乗せることは不可能になったが、喉は健在。

 愛しきユーリに捧げると決めたこの歌声、勇者の力となるべきこの空間に響かせるならば、なんの躊躇いもありはしない。

 焦がれる者に全てを捧ぐ、それがセイレーンだ。

 この愛の歌がこの場の誰かの心に響き、狂うことを忘れられればと思うばかり。

 感じるものは違えど、ユーリを支える同胞。叶うならば、いつまでも共に捧げる仲でいたいではないか。

 

「……おい、お前……いい加減その歌やめねえか? あのクソフェアリーどもほどじゃねえが、あんまりに合ってなさすぎて頭がおかしくなりそうだ」

「――む?」

 

 この喉、この歌声さえユーリに捧げることによる多幸感。

 それはうんざりという感情をありありと浮かべた女によって中断させられた。

 ……あー、なんだったか。確か、元は男で、オークだったのだとか。

 この空間は色々と不思議なようだ。如何な魔族でさえ、苗床に適した女へと変貌させる。

 凄まじい技術だ。これも勇者たる所以か。

 あの純朴な顔に見合わない業ではあるが、手段を選ばないというのも好感が持てる。これは……同族の誰かが言っていたな。ギャップ萌えというやつだ。

 まったく、油断できないやつだな、ユーリは。

 

「むう。歌を楽しむ余裕もないか」

「余裕ある方がおかしいんだよ馬鹿が……っつっても、今はちょっと変な状況みたいだがな」

 

 うむ、うむ。それは分かる。

 今、この空間はなんらかの異常に見舞われている。

 空間そのものが不安定という訳ではない。明らかな変化が起きているのは、この空間における絶対的な上位者たる使い魔たち。

 かれらの動きがなんというか、緩慢だ。

 役割を果たすために魔族たちに向ける強い感情がなくなり、“マニュアル的”になったというか。

 それゆえに、ここに長らく浸かっている者たちには、随分と耐えられるものにまで成り下がっている。

 好ましい話ではあるだろうが、こうなった以上ユーリの身に何かがあったという可能性が高い。

 不安であり、不穏だ。こういう時、我が外に出てユーリを助けられればと思うばかり。

 

「あの人間がやってくりゃあ事情も分かるかもだが……顔を出しにすら来ねえのはな」

「人間……おぉ、あの女か。あの者はそもそも、よく来るのか? 我は一度しか見たことがないぞ」

 

 思い出したのは、この空間に来たときに出会った女。

 恐らくはユーリがここの管理を任せているのだろう……と推察している。

 同じくユーリを支える身だ。色々と語り合いたいものなのだが、あれ以来我は一度も会えていない。随分と難しい気質のようだ。

 

「まあ、そこそこな。お前が来てからは、お前が寝ている時に顔を出していたんだが」

「なんと、そうなのか。では生活リズムを少し変えてみようか。そうすれば、あの者ともまた話せよう」

「お前のその呑気さはなんなんだよ……アイツは化け物だ。何をどうすりゃ、あんなもんが出来るのかまるで分からねえ」

 

 確かにユーリと関わるにしては、些か特殊な性質が見て取れる人間だった。

 とはいえ、それを受け入れてこその勇者。やはりユーリは最高だ。

 

「悪くねえ人間だったんだがなあ。こんな体になってなけりゃ……」

「なんだ。お前はあの女の方が好みか?」

「“あの女”以外の選択肢を知らねえんだがよ。俺、気付いたらこんなんなって、ここにいた訳だし」

 

 む? つまりこのオーク、ユーリとの面識はない訳か?

 それは勿体ないものだ。この価値観、誰かと共有できないものか……。

 ともあれ、オークの好みとしてはあの女らしい。

 山の種族はよく知らない。オークは我々セイレーンとはまったくと言って良いほど接点のない種だ。

 ゆえに、どういう基準でつがいを選ぶのかも未知。人間と交われることすら知らなかったぞ。

 

「っつーか、好みも何もねえよ。自分たちの生存圏から出てきた人間なんざ、“そうしてください”っつってるようなもんだろ」

「野蛮だな。つがいを選ばぬ種族だったか」

「そういう魔族のが少ねえと思うが……まあ、いいや」

 

 ……まあ、そういうことであれば、既にこのオークが雄としての生殖能力を失っていることは良かったか。

 オークに犯される人間なんて別に見たくないからな、うん。

 

「ともかく、出られねえなら何が起きてようがどうでもいいか。んで? あいつは大丈夫か?」

 

 そんな野蛮な生態とは裏腹に、意外と面倒見の良いらしい彼……彼女は、のっしのっしと空間の隅に歩いていく。

 この空間に今起きている異常の中でも最たるもの――使い魔による拘束が緩んでいるのだ。

 総合的に考えて、使い魔が弱体化していると言うべきか。

 それでも上位者であることに変わりはないが、動きが特に鈍くなっている時間帯であれば多少なり、我々に自由が出来るくらいには、今のここは管理が雑になっていた。

 

「……ふむ」

 

 我も現在自由の身。腹は膨れているし、魔力も根こそぎ取られているので用無し状態。

 その先にいる者の様子は我も先達として気になっていた。

 種族の垣根を超えた励まし合い。他の面々からすれば、そうでもしないとやっていけない空間のようだし、歌が駄目でも気休めの一つくらい掛けてやっても良いだろう。

 身を捩って触手の山から抜け出す。

 腹の中の卵がどうにもならないように気を遣いつつ、オークの後を付いていく。

 この薄暗さの中ではよく分からないが、存外この空間は広い。

 倒した相手を片っ端から放り込んでいるようでその顔触れは多種多様。まあ……その大半は自分が自分であることすら既に分からなくなっているらしいが。

 そんな訳で使い魔と、それが捕えた“誰か”がどこを見ても目に入り、歩こうとしても意外と道を選ばなければならないここは一種の迷宮だ。

 

 触手と虫どもの陰。

 顔を覗かせてみれば、そこにも我らが同胞の姿があった。

 ……んん? いや、あったのだが。

 

「……なあ、オークよ。これはどういう状況だ? どうも、些か……趣向が特殊に見えるが」

「……知らねえよ。ああクソ、こいつだけはまともだと思ったんだがな」

 

 そこにいたのは二人の魔族。

 片方はつい先程――どの程度時間が経ったかは知らないが、長くて一日やそこらだろう――やってきた、最たる新入り。

 特徴からして、夜しか真価を発揮できないので夜の支配者を気取る血吸いコウモリだ。ポジティブな連中だなと思う。

 連中は、外見として人間に近い形を持つ魔族の中でも抜きんでた能力を有する種だ。

 病的なほどに白い肌からは想像できない膂力を持ち、魔力の扱いもまた器用。陽光の下にいられないという弱点と引き換えに、連中は凄まじい力を得たという。

 

 そんな種族すらも、ユーリには勝てなかったということだ。

 まだ比較的幼い個体なのだろうが、それでも我では向こうが気付く前に歌で堕とさねば勝ち目はない。

 贔屓目を可能な限り捨て……冷静に判断すれば、如何にユーリであっても勝つことは難しいと思えるのがかの連中。

 よほどの偶然があったか、よほどユーリの成長が早かったか、コレも含めて異常なのか。

 ……我としては、二つ目がいいな。

 勿論一つ目も大歓迎だぞ。たとえ手の届かない高みである相手であろうとも、幸運に助けられて突破せしめる。うむ、おとぎ話のようではないか。

 そういうことをやってのけるのもまた勇者の資質。うむ、実に……実に愛おしい。

 

 むう、また疼いてきたぞ。

 今はそういう時ではないと分かっているが、どうしてもユーリへの感情が昂ってしまって仕方ない。

 魔力を提供し、使い魔を増やす。

 ユーリを想うだけでそれはどうしようもない幸せと快楽に変わるのだ。一体何度絶頂したかも分からないぞ。

 ……落ち着け、我。落ち着くんだ。

 我でも知っている。ここにいるもう一人は、一際まともであったと。

 それが、このコウモリがやってきてから随分と、おかしくなった。

 

「ぅ、あ……やだ、きもぢわるい……抜いて、抜いてよぉ……! たすけて、ヴァ、ジニ……んんッ!?」

「はぁ……はぁ……、ん、ちゅ……ああ、アリスアドラ様だ……アリスアドラ様を感じる……んぅ……」

 

 おかしくなった、といっても淫魔らしく盛っているようにしか見えないが。

 年中発情期な連中と考えると寧ろ本性を現したのかもしれない。

 まだ個人として成長し切っておらず、幼い体躯の新入りに腕と足を絡ませ、肌に染みついているらしい何かを堪能している淫魔。

 彼女は誰より早く、使い魔の力が弱ったことを悟った。

 いや、悟ったのかは知らない。突如として彼女は目の色を変え、使い魔を振り払うとふらふらとこの場所まで歩いていったのだ。

 まるで何かにあてられたようだ。催眠、魅了の類に侵されたか。彼女は新入りを夢中になって貪っている。

 

「あぁ……好き、好き、です……アリスアドラ、様ぁ……ん、んぁ……ぁ」

「いや、い、や……ぁう……っ、ん……」

 

 それにしても、危うい光景だな。

 こうも夢中になっているとこの淫魔が元々幼女趣味だったのではないかと邪推するぞ。

 体中、いたるところに舌を這わせ、舐め取っていたかと思えば、コウモリ娘の抵抗を抑えるように唇に吸い付く。

 精を啜ることに特化した尾は、ここに来るまではぴっちりと閉じていたであろう性器に侵入し、ごりごりと蠢いている。

 あの種族が齎す淫気は心を乱すともいう。新入りはあれにより望まぬ快楽を染み付けられているのだろう。

 そのくせ、自身は望んだ快楽の真っただ中。

 なんとまあ、一方的だが……果たしてどちらが好ましいと言えるだろうか。

 淫魔に快楽漬けにされ、精を啜られることと、使い魔の苗床にされること。我なら後者だが。

 

「どちらもそれどころではないようだな」

「ったく……こいつも何があったんだか。ここに来て長いらしいし、いつ壊れてもおかしくはねえが」

 

 明らかに“おかしくなり方”が他と違う。

 ゆえにこの淫魔は正気を取り戻す可能性も無くはないが、そうなった場合、居心地も悪いだろう。

 何せ同胞に一方的に恐怖を与える側になっているのだから。

 この淫魔は意外と根が真面目だ。こうしたことに罪悪感を持ってしまう性質と見える。

 これを知るよりは、このまま狂い切ってしまった方が良いのではないか。

 どちらにせよ……この先のことは、何処ぞに精神をトリップさせ、楽園の中にいる今の淫魔には知る由も無いだろうが。




【りっかりか】
苗床空間の主。絶賛レムレム中のため空間に不調が発生しているらしい。
とはいえ内部で反逆を起こせるほどではない。使い魔の動きが鈍るため、恐らく変身のスペックはちょっと落ちる。
大体アリスアドラ様のせい。

【イピカ】
無敵のセイレーン。ユーリのために産めよ増やせよと全力で貢献し、りっかりかが監視時間を変えるほど精神的負担になっていたヤベー奴。
アリスアドラ様によって狂気を注がれ、大して好ましい男がいるとは思えない人間たちの海路でつがいを探し続けていた。
ランダムエンカウントが確定イベントになっただけでユーリと出会えば一目惚れするのは変わりない。
大体アリスアドラ様のせい。

【オレブ】
姉御オーク。人間を孕ませるのはオークの慣習と心得たり。
元々山道を縄張りにする普通に強力なオークだったが、アリスアドラ様によって狂気を注がれ妙な戦闘力を獲得し、確定イベントになった。
苗床入りしてからはラフィーナちゃんと共に皆が狂わないよう強気に励ましている。ここまで世話焼き気質なのは自分でも知らなかったらしい。
大体アリスアドラ様のせい。

【ルメリーシャ】
メスガキヴァンパイア。自分たちのルールの範疇ではあるがやり過ぎてキレたりっかりかにボッコボコにされて投獄。
蹂躙される側になる経験など皆無であり、精神性としては幼いため今の状況を受け入れられていない。
それどころかこうなった元凶と同じ種族の苗床仲間にまで襲われてもうワケ分からない。
大体アリスアドラ様のせい。

【ラフィーナ】
なんかおかしくなって視点を奪われたサキュバス。
『初戦試験官』に任命されて意気揚々とやってきて敗北してからはずっと苗床の先輩として頑張ってきたが、絶対視していた上司の香でキマった。
しかもちょっとパワーアップしたようで、使い魔たちを押し退けて新入りメスガキからアリスアドラ様成分を吸い取って堪能している。
大体アリスアドラ様のせい。

フェアリーたち(シナト&トノカ)
アリスアドラ様は無関係。
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