えぇー!マジでどうなってんの?!なんでチョコボ!確かに俺チョコボ好きだけど、なりたいとは思ってないし!てか、ここどこ?!
『おい!聞こえてっか?こっちだよ!こっち!』
声のする方向を向くと、おっさんが水を持って此方に差し出していた。取り敢えず水を飲み干して、器を返した。
『お前さん。ここいらじゃ見ない生き物だなぁ。飼い主はどうした?』
そう言われ俺は首を横に振った。
『そうかー。お前さん珍しいから攫われないよう気をつけるんだぞー。』
俺は頷いて、お辞儀?を、してからその場を後にした。そうして通りを外れると
『衛兵さーーーーーーん!』
『誰かーーーー! 男の人呼んでーーーーーーーー!!!』
そんな声がしたのでそちらを角からチラ見するとチンピラらしき男達と声を出している青年がいた。俺は取り敢えずダッシュして
『クェー!(よく分かんないけど、先手必勝キィーック!)』
『うぐぇぇぇぇぇー!』
真ん中のチンピラにチョコボキックを、かます。そして青年の方に向き直ると
『クェ!(乗れ!)』
そう言って背中を向ける。ニュアンスが伝わったのか
『チョコボ!?なんでいるのかは一先ず置いといて!乗れって事だよな!よっと!』
青年が俺に乗ったのを確認すると、さっきの男達を踏みつけてから路地の奥へと駆け出した。路地裏を暫く駆けていると不意に青年が
『あっ!いたいた!ここで見つけたが100年目!ゼッテー逃がさねぇ!チョコボ!あいつを追いかけてくれ!』
俺は頷いて彼女に向かって駆け出す。
『見つけたぜ!フェルト!』
『げっ!見つかったし!ってなんだ、さっきの兄ちゃんかよ。ってか何しにここまで来たんだよ?』
彼女は嫌そうな顔をして、俺達の方を見た。青年は
『俺はお前に用があったんだよ。』
『俺の用件はひとつ。――お前が盗んだ徽章を、こちらで買い取りたい』
そう言って青年は俺から降りた。少女はその徽章を仕舞っていると思しき胸元を手で押さえると、
『なんで、アタシが徽章をギッたって知ってんだ? 依頼人以外にゃ漏らしてねーはずだし、盗んだのはついさっきだ。小耳にはさむにゃ耳がでかすぎんじゃねーか?』
『言われてみりゃその通りだ焦りすぎだよ俺マジ迂闊!』
『……もうちょい腹の中隠さねーと交渉とかできねーぜ? 兄さん、ちょっと突かれたぐらいでボロ出しすぎだよ』
などと話している間に俺は考える。まずこの青年は俺と似たような世界から来ているんだろう。ジャージとビニール袋を持ってるのがいい証拠だ。と言う事は彼も転生?なのだろうか。少女との会話を聞いていると、どうやら彼女は泥棒で女の人から盗った徽章をこの青年が買い取るとゆうような図式になってるってことか。情報を纏めていると、
『それにしても、なんだよその生き物は?こんなの見た事ねぇぞ?』
少女は此方を珍しげな顔で此方を見て来る。俺は
『クェー!(よっす!)』
そう右羽を上げて愛嬌を振りまいておく。青年は興奮気味に言う。
『やっぱチョコボはこっちにはいねぇんだな!てっきりFFの世界なのかと思っちまった位だからな!』
『チョコボ?』
彼女は首を傾げながらそう呟く。俺はそれに頷いた。
『俺は菜月 昴! 宜しくな!チョコボ!そんでもってコイツはフェルト!徽章をギッた泥棒だ!』
『これはもう、アタシんだ!渡さねぇからな!』
そう言って徽章を抱えるようにした。その後、色々と話をしながら盗品蔵という場所まで移動した。
『それにしても、ホントにお前フワフワだな!この手触りメチャメチャ癖になる。』
そう興奮しながら上に乗るフェルトがそう話す。ど う し て こ う な っ た!
確かに野郎を乗せるより美少女を乗せた方が圧倒的に良いけども!暫く考え事をしていたらいつの間にかこうなっていた。やはり考え事をし過ぎるのは良く無いな!うん!(脳死)あぁぁ!美少女の尻の感触が最高なんじゃぁぁぁ!
そんな阿呆な事を考えているとスバルが扉をノックする。
『大ネズミに』
『ホウ酸団子ってどこで売ってんの? 毒』
『スケルトンに』
『意外と掘るのって労力いるよな。落とし穴』
『我らが貴きドラゴン様に』
『ファンタジー世界だから実際いるんだろうけど、マジ直接対面したらなんにもできないこと請け合い。でもロマンだから会いたいのも事実。そんな曖昧な自分の心に嘘をつくこともできなくて、ところがそんな自分がやっぱり嫌いじゃない。クソったれな気分』
『余計な枕詞つけんと合言葉も言えんのか! 余計に腹立たしいわ!』
そう言って、扉が凄まじい音がして此方に勢い良く開くスバルとフェルトを乗せた俺は素早く後退した。扉の方を向き直ると、そこにはとても大きくて筋肉質な爺さんがいた。
『あんま頭に血ぃ上らせてると血管切れるぜ。現代医学でもかなり危険』
『体に悪いとわかっとるなら怒らせるんじゃないわ! なんじゃお前! 今日は人払いしなきゃならんから入れんぞ! 入れんぞ! ざまー見さらせ!』
爺さんはスバルに一通り憤慨した後、ふと俺に視線が向いた。
『ふむ、珍しい鳥じゃな。ここいらじゃ見ない種類じゃ』
『クェー!(ちぃーす!)』
俺は右羽を上げて挨拶をする。後ろに乗っているフェルトが
『あー、悪い。コイツらもアタシの客なんだ。入れてやってよ、ロム爺』
ロム爺に同情と憐れみの目を向けてながらそう言った。
『本当は入れたくないとこじゃが、まあよい。入れ』
そう言ってあからさまにガックリと肩を落とし、深いため息を吐きながら俺達を招き入れた。俺達は椅子に座る(チョコボなので座れません)と飲み物を出される。俺はコップに入った水を飲み干すと、フェルトとロム爺とスバルが話している間に何をしようか考えて、そこでふと鞍の中身を確認しようと思い手を突っ込むと不思議な状態になる。なんと頭の中で何が入っているのかが分かる。しかも明らかに鞍に入らない量が目録の様に頭に流れ込んでくる。というかこれ不思議なダンジョンのアイテムだな、しかも何故か所持アイテムカンストしてるし、多分FFとシステムごっちゃになってんだろ。転生させた神様俺の転生雑すぎんよぉ!何の説明も無しにここにいるしチョコボだしマジで勘弁してくれよ。(泣)まあこんだけアイテム入ってると最早鞍と言うより蔵だな。取り敢えず腹が減ってきたのでギザールの野菜を取り出すとゲームで出てくるよりリアルなギザールの野菜が出てきた。取り敢えず食べてみる。うまぁい!テーレッテレー!と言いたくなる位美味い!俺は夢中になってギザールの野菜を平らげた。これ一個でかなりの満腹感がある。コスパ最強かよ!でもチョコボの胃が小さい可能性もあるな。そういえば鞍の中にジョブカードなんて物が入ってたな。見たこと無いアイテムだから後で確認しとこう。そんな事をしていると不意にロム爺が
『――誰だ』
そう言ったのが聞こえて思考が呼び戻される。扉の方を見るとノックの音が聞こえる。ロム爺がフェルトの方を見ると
『アタシの客かもしれねー。まだ早い気がするけど』
そう言って扉に向かって行く。スバルは焦った様に
『――開けるな! 殺されるぞ!!』
そう言うがもう遅い。フェルトが扉を開き太陽の光が差し込んで来る。そこに人影が映り出す。そこには、
『――殺すとか、そんなおっかないこと、いきなりしないわよ』
仏頂面で唇を尖らせて、銀髪の少女が蔵の中へと足を踏み入れていた。因みに俺は
美少女キマシタワー!!!しかもエルフじゃん!今日はツいてるぜー!こんなんテンション上がるしかねぇよなぁー!ふぉぉぉぉぉぉ!
等と脳内が暴走していた。
面白いと思った方は高評価をしていただけると嬉しいです。