ただ‥‥自分が想像したら‥‥‥マダオが‥‥浮かんだ‥‥‥
イッセーSIDE
堕天使「レイナーレ」と名乗った少女は正直に言って敵意が全く感じなかった。今もそうだ。目の前の少女は先ほどの堕天使の男と比べ物にならないほどに敵意が感じられなかった。もし何かしらの動きがあれば、それを止めるほどの力を持ってはいるが油断はできない。だが、この状況にて目の前の少女は何もしてこない。‥‥‥っていうか何を話せばいい?‥‥この空気をどうすればいい?そんな中、目の前の少女から話し始めた。
「あなたは、ここが悪魔の領地だってことは知ってるの?」
「‥‥ああ、知ってるよ」
「なら、なぜ私たちがここにいるのかってことも?」
「そこは分からない。堕天使なんて君とさっきの男が初めてだからな」
「そう‥‥それならいいわ」
「なにがいいんだよ。こっちは危うく殺されかけたんだぜ」
「そのことについては謝るわ。でも、もう時間がないの。ごめんなさい」
「謝罪を求めてるわけじゃないんだが「そろそろ行くわ」‥‥っておい!どこ行くんだよ!」
レイナーレはいきなり堕天使の翼を広げると空に飛び立つ。
「事情を説明しろって言っただろ!」
「ごめんなさい。でも、今更言っても遅いけど、この件にあなたは関係ない。だから言えないわ。それじゃ、さようなら」
「おい!待ってくれ!おい!」
レイナーレはそのまま飛び去ってしまった。何が今更遅いだ。もうどっぷりと関わっちまってるよ。そんな胸の内を考えていると後ろから声がかかる。
「あら?あなたは?」
「!」
紅い髪‥‥青の瞳‥‥うちの高校の制服‥‥この人はまさか‥‥
「リアス‥‥グレモリー‥‥」
「もう一度聞くわ。あなたは何者?うちの生徒らしいけど」
「‥‥俺の名前は兵藤一誠です。グレモリー先輩。一つ聞いていいですか?」
「あら、私のことを知っているのね、それで聞きたいことって?」
「先輩は『悪魔』ですか?」
「!」
グレモリー先輩が目を見開く。まあ前から知っているからこっちは驚かないが、あっちは逆に自分たちのことをなぜ知っているのかということに驚いているのだろうな。
「‥‥寝言なら寝て言いなさい。そんなもの居るわけないでしょ?」
「そうか、分かった。ところで
「!!」
そういうな否やグレモリー先輩は俺に向けてあらん限りの敵意を向けてくる。
「誤解しないでくれ、俺はお前たちに危害を加えることはしない」
「じゃあ、なぜあなたが私たちの『魔王』の名を知っているのかしら」
「色々あって、なんて言っても信用しないだろうけど、俺は一応『裏側』の人間だ」
「そう‥‥今日のところは引くわ。明日私の使いを送るから」
「‥‥分かった」
今日のところは引いてくれた。‥‥っていうか明日俺のことを話すのか‥‥面倒だな。
(相棒‥‥また面倒なことをしてくれたな)
「それで苦労するのは俺だけだ」
(フン!まあいい。今日は帰ろう)
「同感だな」
俺はそのまま家に向かって足を動かす。
???SIDE
「あああああーーーーーーーー!!」
「どうした?ん?どうしたのだ?そんなに声を上げては周りに迷惑だろう?」
廃教会、それは教会の人間たちが信仰のために建てた神聖なる場所であるが、その信仰もむなしく教会を捨てた者たちもいる。その廃教会にて黒髪の
「あの小僧に話したのだろう?なぜノコノコ帰ってきたのだ?などと聞いても愚問か、何せ奴よりも私の方が強いと思ったのだろう。なあ
「あああああーーーーーーーー!!‥‥あ‥‥あ」
「もうやめて!それ以上しないで!」
「そうっす!もうレイナーレ様は気を失ってるっす!」
「フム‥‥まあ良いこのくらいで勘弁してやるか」
そう言って男はレイナーレを開放する。今男に抗議したのはレイナーレと同じ堕天使の「カワラーナ」と「ミッテルト」である。レイナーレが受けた罰とは十字架に貼り付けられ、刃物を使い肉えぐる動作をして痛みを与えるといった行為を行っていたのだ。
そしてそれを行っていたのが、イッセーに倒されたはずのドーナシークであったのだ。
「あの小僧は私を切り伏せたと思っているだろうが、残念なことに私は光の力を使い何体もの私を作りだせるのだよ。知っていたとて私自身、自他ともに認める堕天使最強なのだからあんな小僧に後れを取ることはない」
そう、あの時イッセーが切ったのはドーナシークの分身体に過ぎなかった。だからこそ今もこうして現れているのだ。
(イッセー君‥‥助けて‥‥あの子たちを‥‥助けて)
気を失う一瞬までレイナーレはそんなことを考えていた。あの赤き鎧をまとった少年のことを‥‥
イッセーSIDE
翌日、放課後俺はリアス・グレモリーの使いを待つため教室に残っていた。
「ようイッセー!どうした!そんな浮かない顔をして」
「そんな時こそこのAVを‥‥って何やってるんだよ!」
「そのDVDを割るに決まってんだろ!こんなところに持ってくんじゃねえ!」
と、いつものように松田と元浜との絡みを行っていると教室内の女子たちから歓声が沸く。そこに目を向けると金髪のイケメン的な男子がそこにいた。
「君が兵藤一誠君でいいのかな?」
「『木場祐斗』か。ということはお前が?」
「うん、部長の使いだよ」
「わかった。お前についていく。案内しろ」
「そのつもりだよ。さあ行こうか」
そう言われて俺は木場についていく。この時女子たちから聞き捨てならない言葉を聞くが気にしないことにした。そしてある場所の前で止まる。
「‥‥‥旧校舎?」
「うん。この中に部長の部室があるんだ」
「さっきから気になったが‥‥部長って」
「ああ、僕たちの主は部活をしているんだ。だからみんなはそう呼んでいるんだよ」
なるほど、だがなぜ旧校舎なんだ?別に今の校舎でもいいんじゃないか?
「どう思う?ドライグ」
(フム、この校舎は人払いの術がかけられている。それに認知阻害型の魔法の様だ)
「なるほどな~」
「さっきから独り言をしゃべっているけどどうしたんだい?」
「あ、ああ何でもないさ。それよりまだなのか?」
「いや、もう目の前だよ」
‥‥‥いや、目の前だよってお前、なんで『オカルト研究部』なんだ?悪魔がオカルトを研究してどうすんだよ。
「‥‥なんか今すごく失礼なことを考えなかったかい?」
「気のせいだ。入るぜ」
そう言って中に入ると旧校舎とは思えないほど、広い空間があった。そして小柄な少女が一人と、たぶん先輩であろう雰囲気の女生徒がそこにいた。
「‥‥今、何か失礼なことを考えませんでしたか?」
「何のことだ?」
「あらあら祐斗君、そこの彼は?」
「はい、部長からの命で彼をここに連れてきました。彼の名は‥‥‥」
「俺の名は兵藤一誠だ。一応よろしくな」
「あらあら、ご丁寧にどうも、私は3年生の『姫島朱乃』といいますわ」
「‥‥1年の『塔城子猫』です」
自己紹介をしていると、部屋のどこからかカーテンを開ける音がする。そこに目を向けると体をタオルで巻いた姿のリアス・グレモリーがいた。
「あら?もう来たのね、ごめんなさいね。昨日お風呂に入るのを忘れてしまって」
「さっさと服を着ろ」
そういって後ろを向く。しばらくすると着替え終わったのか振り向いていいとのことだった。振り向くと彼女は学校の制服を着ており、ソファーに座っていた。
「どうぞ、粗茶ですが」
「ありがとうございます。ではいただきます」
姫島先輩が出してくれたお茶をいっぱい口に入れて飲む。
「美味い」
「お口にあって何よりですわ」
「それじゃあグレモリー先輩。話をしましょうか」
「ええ、と言ってもあなたのことはお兄様に確認したわ」
「なんて言っていた?」
「お兄様曰く『彼は信用できる人間だ。強く、優しく、何より彼のおかげで助かった者は多いのだよ』って言っていたわ。お兄様をこれほど信用されている理由は何かしら?」
「サーゼクスに聞いたのではないのかそのことについては」
「お兄様は自分で聞き確認しなさいとの事だったわ。いったい何者なの?あなた」
「‥‥‥そうだな。なら単刀直入に言うと俺は『赤龍帝』だ」
「「「「!!」」」」
皆驚いた顔をしている。やはり驚くものなのか。
「ならその証拠見せてもらえないかしら。先ほど言った確認を込めて」
(それならば我が話そう)
「!どこからか声が聞こえたのだけれど、誰かしら?」
「ああ、それはこいつだ。なあドライグ」
(フン!これくらいで驚くとは肝が据わっていない証拠だ)
「まあそう言うなよ。それにお前が話すより見せた方が早いと思うぜ」
(フム、ならば相棒に任せよう)
「サンキュー。さあ見ててください。ブーステッド・ギア!」
俺は皆の前で赤龍帝の籠手を出す。皆は目を見開きながらも、何かしら納得されている。
「なるほど。本当に赤龍帝の籠手ね。納得したわ」
「そうか、それならよかったよ。ああ因みに今の悪魔の状況や眷属の特性などもサーゼクスから聞いているよ。『
「ええ、そうよ。悪魔の能力はその駒の特性によって変わるわ。例えば‥‥‥」
「部長。少しいいかしら」
「何かしら朱乃」
「大公からの討伐依頼です」
どうやら、はぐれ悪魔のお出ましの様だ。
ところ変わって何処かの廃墟
ここにはぐれ悪魔がいるようだ。そして奥に行くと血の匂いがプンプンしてきた。
「‥‥血の匂い」
「こんなところに何しに来た」
声のする方に目を向けると上半身が人間で下半身が蜘蛛のような足をした悪魔がいた。
「はぐれ悪魔『バイザー』大公の依頼によりあなたを討伐させてもらうわ」
「そうか。そう来たか」
こいつの様子が何かおかしいな。それに何か視線を感じる。奥の方に目を向けると‥‥子供?
「ならば仕方ないわ、私も本気を出さなければ!」
バイザーはあらん限りの敵意を出しながら俺たちに襲ってくる。
「イッセー!あなたの力見せてもらっていいかしら?」
「‥‥‥分かった。なら見せてやる。俺の戦いをな」
「あなたが相手をするの?まだまだ若いわね」
バイザーは俺に向かって鋭くなった爪を振ってくるが俺は、それを身を反転しながら躱し、当たりそうなものは籠手から出した剣を使って防ぐ。そこからも同じ攻防をしていた時に俺は先ほど感じた視線に気が付いた。
こいつ‥‥もしかして‥‥
それならばと俺はバイザーが振るった爪を躱すと同時に鳩尾に鞘に入ったままの剣で殴る。結構強めに殴ったためバイザーは怯んだ。
「っく!!このまま易々とやられてたまるものか!」
「動くな!」
「!!」
俺はバイザーが怯んでいるうちに懐からライターのようなものを取り出し炎を出す。こいつは『龍炎器』というものでこいつは気配察知や、相手の正体を見抜くのに便利な道具なのだ。これを使って視線の先に向けると炎の勢いが強くなる。やはり‥‥こいつが本当の‥‥
「イッセー!何をしているの早くバイザーを討伐しなさい!」
「貴様何をしている!私をコケにするつもりか!」
「‥‥今更何を言ってんだよ。お前はただそこにいる子供たちを助けていただけだろう?」
「!!」
「‥‥‥え?」
「そこにいる子供たちは多分、何かの形でバイザーに助けられたんだろう。その証拠にここにいる死体は多分子供たちを食おうとしていた悪魔だ」
「そっそんな!それじゃあ本当の討伐すべき相手は誰ですの?!」
「‥‥部長!よけてください!」
「祐斗!」
ドオオオオーーーーーーーーーン!!
リアス先輩がいたところから煙がたつが、先輩は無事の様だな。それよりもと俺は視線の先を見るとそこから、蝙蝠のような翼を広げている女悪魔がそこにいた。
「リアス先輩。恐らくだがこいつが本当の討伐目標だ。さっきからこいつの視線が痛いほど突き刺さっていたからな」
「ククク、まさかお前のような小僧を小娘が眷属にしていたとはな」
「悪いが、俺はまだ、眷属になった覚えはないがな!」
俺は言うだけのことを言って鞘から剣を抜く。そして剣先をはぐれ悪魔に向ける。
「さあ、いらっしゃい。たっぷりと可愛がってあげるわ」
「悪いな。俺はもう少し可愛さのある女の方が好みなんだ」
そして俺と、はぐれ悪魔は同時に駆けだす。そこからはまさに命の駆け引きをしていた。はぐれ悪魔は魔法で作った剣で俺に振るってくるが、俺は自分の剣でそれを防ぎながら隙をついて攻撃している。特に胴体を中心に腹部やわき腹を切りつける。はぐれ悪魔は俺から距離を取る。
「この私がこんなガキに!」
「さあ行くぜ。これが俺の本気だ!」
俺は剣先を天に向けて円を描きそこから鎧を召喚し装着する。それと同時にはぐれ悪魔に視線を向けると、はぐれ悪魔は先ほどの女性とは思えない呻き声を上げながら体を変貌させる。まさに化け物を思わせるような姿に変わった悪魔は俺に向かって力任せに攻撃してくるが俺は剣を何度か振るい悪魔に攻撃を仕掛ける。
「馬鹿な!なぜ私がこんな目に」
「貴様の野望は俺が断ち切る!」
そして俺は悪魔に向かって一閃すると悪魔は断末魔を上げながら跡形もなく散っていった。そして鎧を解除したところでリアス先輩たちが近づいてくる。
「イッセー‥‥あなたはこれを分かっていたというの」
「まあね、っていうよりも分かったのは本当に一瞬だったけどね」
「まあいいわ。それよりバイザーはどうするの?」
「そうだね。一応はぐれだから討伐扱いのままだし」
「それじゃあこうすればいい」
そう言って俺はドライグを通じてある男に連絡した。
「サーゼクス。聞こえるか?」
「イッセー君かい?どうかしたかい?」
「はぐれの一人と子供たちをそっちに転送させたい。いいか?」
「ってことはその悪魔は更生の余地があると?」
「ああそうだ。頼めるか?」
「分かったいいだろう」
「助かる」
そういってバイザーと子供たちは冥界に転送された。俺たちはそのまま廃墟をあとにして部室に戻った。それに最後の最後で皆でありがとうって。‥‥なんか照れくさいな。
よう!ドライグだ。悪魔と接触してはぐれを一人討伐をしたが、今度に出会ったのはシスターだぁ!おいおい相棒、自分の立場を考えてくれ。
次回「聖女」全くとんだお人よしに育ったもんだ。