その鹿毛、芦毛好きにつき   作:ガラクタ山のヌシ

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降って湧いてきたので。


あけおめって感じの十三話

元旦。

それは一年の幕開け。

また、一年の計は元旦にあり、と言われるくらいには重要な日でもある。

 

「シップ、新年明けましておめでとうございます。今年も仲良くして下さいね?」

 

緑色を基調とした和装をして、寮のベッドで寝起きのゴルシにお辞儀しつつそう言うジャスタウェイ。

なお、その手には彼女の好物である鮭がぴちぴちと跳ねている。

 

「お?ジャス、そのシャケどしたんだ?アレか?隠されし海賊王の秘宝への鍵ってヤツかぁ〜?」

 

寝起きとはいえ、ゴルシ節は本年も絶好調。

それに安心したのか、ジャスタウェイもシャケを手にした意図を語る。

 

「ふっふっふ…紅白の紅は紅鮭の紅ですからね。縁起ものってヤツです」

 

ゴルシに見せて満足したのか、それとも単純に腕が疲れたからか、ジャスタウェイは手にした鮭をちゃぽん…と大きめのバケツに戻す。

 

「シップの魚料理は美味しいですから、後で調理してくださいね♪」

「ふふ〜ん…ジャスよ、分かってんじゃねーか。安心しろ、ゴルシちゃんは必ずイクラの頂に辿り着いて見せるぜ!!」

 

上機嫌にそう返すゴルシ…要するに、任せておけと言いたいようだ。

 

「ふふ…ですねー。では、シップのお着替えが済んだら初詣と参りましょうか」

「あいよ〜」

 

そう言うなり、ジャスタウェイはゴルシの着付けを手伝いをはじめた。

 

…………………

 

そうして、神社に辿り着いた二人は配られた甘酒の入った紙コップを片手に列に並ぶ。

こういう時は意外と律儀な盟友二人である。

 

「うぅ〜…まだねみぃ…コレを例えるなら…火星でバスケをしながらちゃんぽん食ってるみてぇな…」

「ふふ…それは大変ですね〜…」

 

なかなか進まない列に、ついつい会話が弾む。

幼い頃の思い出話から、今年はいっしょにどこへ行こうかと言う話、ゴルシがしょっちゅう出入りしていると言うウマ娘の集いの話に、学園の食堂の限定メニューの話題などなど多岐に渡った。

 

「おや?美しい芦毛が…」

「ジャぁ〜スぅ…?」

 

途中、ジャスタウェイが他の芦毛ウマ娘に目を奪われそうになるたびにゴルシが笑顔(表情だけで目は笑ッテナイ…)で腕をつねり上げたりもしたが…今回のお出かけ全体で見ればおおむね盛り上がった。

やがて順番がやってきた二人は古式ゆかしい神社の賽銭箱にお金を投げ入れ、本坪鈴(ガラガラ鳴らすやつ)を鳴らして柏手を合わせる。

チラリ、と脇を見れば意外と真剣に祈る盟友の姿。

黙っていれば美人とよく言われるゴルシだが、ジャスタウェイからすればそんなものはゴルシではない。

若干の物足りなさと、しかしゴルシの良さを分かっているのは自分であるという謎の優越感を感じながら、ゴルシに合わせて次の参拝客に順番を譲る。

あとは例年に倣いおみくじを買って、枝に結び付けて帰寮。

 

「ふふふ…ゴルシちゃんは今年も大吉だったぜ〜」

「わたしも吉でした。今年もいいことがありそうでよかったです」

 

その後、二人の盟友達は二人で協力して作った鮭づくしを堪能したのはまた別の話。

 




鮭フレーク美味しいよ鮭フレーク。
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