懐かしの敵(ちょっと改造)の登場ですことよ!
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町の人目につかない路地裏で、ジョンはヴァッシュの姿のまま、ザップが来るのを待っていた。
作戦の目標地点は、ここから徒歩で十分ほどの場所にある倉庫。今回の任務は、ザップとジョンの二人による急襲作戦だった。
一応、倉庫の周囲にはライブラの戦闘部隊が配置され、逃げ出してきた売人たちを捕らえる手はずになっている。しかし、実際に倉庫内へ突入し、敵と戦うのはジョンとザップだけだ。
作戦決行の時刻が近づくにつれ、ジョンの体は緊張で少しずつ固くなっていった。
「それにしても、ザップ遅いなぁ」
ザップとは、あの作戦会議のあと、一度も顔を合わせていない。
正直なところ、作戦開始時刻までに現れるのか不安だった。しかし、スティーブンからは「ライブラの作戦に関しては真面目だから、大丈夫だろう」と言われていた。
逆に言えば、ライブラの作戦以外ではどうしようもないクズだと、暗に言われているような気がしなくもない。
「ちゃんと来てるな、死体野郎」
そんなことを考えながら、ぼんやりと流れる雲でも数えていると、背後から不機嫌そうな声が飛んできた。
「時間ぴったり。スティーブンさんから聞いたとおりだ」
「ああん?」
「いや、何でもないよ」
ザップは集合時刻ぴったりに待ち合わせ場所へ現れた。
日本人的な十分前集合の精神で待っていたジョンだったが、ザップにそのような考えはないらしい。まあ、遅刻しなかっただけ立派だと思ったほうがよいのだろう。
「で、準備はできてんのか?」
「ああ、できてるよ」
「けっ。足引っ張んじゃねえぞ」
「ははは。精いっぱい頑張るよ」
「ちっ」
ザップは相変わらず不機嫌そうな顔をしたまま、目的地へ向かって歩き始めた。
ライブラ本部ではほとんど見せない、ヴァッシュに変身しているときのジョンの柔らかな物腰が気に入らないのか、先ほどから口を開くたびに悪態をついている。
もっとも、文句を言いながらも置いていくつもりはないらしく、ジョンの歩調に合わせて歩いていた。
「それで、今回のターゲットだが……」
「ああ。ヴィクトルっていう売人と、白骨騎士団っていう武装集団の取引だよね」
「そうだ。白骨騎士団の連中は俺が片づける。お前はヴィクトルを捕まえろ」
「了解」
「あと、できるだけ相手を地面に叩きつけるなよ。衝撃で麻薬の瓶が割れたら、洒落にならねえ」
「ああ、分かってるよ」
「んじゃ、お仕事といきますか」
やがて二人は、薄汚れた巨大倉庫の前へたどり着いた。
ザップは閉ざされた扉の前に立つと、肩の力を抜き、静かに手のひらへ意識を集中させる。
「斗流血法――刃身ノ壱・焔丸」
ぶしゅっ、と肉を裂くような音が響いた。
ザップの血液が手のひらから噴き出し、宙で凝固し、瞬く間に一振りの大刀を形作る。
ザップの背丈ほどもある長大な刀身は、灼けた鉄のように赤く染まり、その滑らかな表面には、歪んだ倉庫の扉が鏡のように映り込んでいた。
「行くぞ」
返事を待つこともなく、ザップは焔丸を横薙ぎに振るった。
赤い斬撃が闇を引き裂く。
次の瞬間、分厚い鉄製の扉が豆腐のように切断され、耳をつんざく轟音とともに倉庫の内側へ倒れ込んだ。
「はぁ……」
ジョンは、簡単に言えばドン引きしていた。
普通に扉から入ればよいのではないか。いや、おそらく鍵はかかっていただろうし、奇襲という意味では正しいのかもしれない。
しかし、まだ実戦経験に乏しいジョンには、これがライブラにおける標準的な突入方法なのか判断できなかった。
「な、ななな、何者だぁ! お前ら!」
「俺たちはライブラだ」
ザップは舞い上がる粉塵の中を、臆することなく進んでいく。
「大人しくクスリを渡しゃあ、半殺しで勘弁してやる。抵抗するってんなら――」
「お、お前たち! 俺を守れ!」
「へっ?」
ジョンがザップの開けた穴から倉庫内へ足を踏み入れたときには、すでにザップが威勢よく啖呵を切っているところだった。
そして、室内に並ぶ男たちの手に握られたものを見た瞬間、ジョンは悟った。
次に飛んでくるのは、言葉ではない。
弾丸だ。
「撃てぇぇぇぇ!」
「ひゃあああああっ!」
一斉に銃口が火を噴いた。
鼓膜を殴りつけるような銃声が倉庫内で幾重にも反響し、無数の弾丸が暴風雨のように二人へ襲いかかる。
飛んでくることを予想していたザップはともかく、いきなり銃弾の雨にさらされたジョンには、全力で逃げる以外の選択肢がなかった。
頭を抱え、物陰を目指して全速力で駆ける。
「うわっ、うわわわわっ!」
ジョンは転がり込むようにして、倉庫内に停められていた車の陰へ飛び込んだ。
直後、頭上の窓ガラスが砕け散る。
車体へ次々と弾丸がめり込み、鉄板を叩く甲高い音と、激しい銃撃音が入り交じった。
轟音と火花と硝煙が乱舞する、狂乱のサーカスだった。
「おらぁっ!」
一方、ザップは身を隠すどころか、銃弾の只中へ勢いよく跳び込んだ。
床を蹴り、銃弾の軌道を縫うように宙を舞い、そのまま敵集団のど真ん中へ降り立つ。
「なっ――」
男が驚きの声を上げるより早く、焔丸が赤い円弧を描いた。
ザップは、まるで草を刈るかのような軽い動作で男たちの脚を切り裂いていく。
深くは斬らない。
だが、立っていられる程度にも浅くない。
「ぎゃああっ!」
「脚がっ、俺の脚がぁ!」
悲鳴とともに男たちが次々と床へ転がる。
「クソライブラめ! 死にさらせぇ!」
一人を倒しても、すぐに次の男が襲いかかる。
斬っても、殴っても、背後から新たな敵が現れる。倉庫を埋め尽くさんばかりの武装集団は、まるで途切れることを知らない濁流だった。
そんな中、ザップの死角から一人の男が忍び寄った。
手にした短機関銃を持ち上げ、無防備な背中へ銃口を向ける。
「もらった――」
乾いた銃声が一発。
しかし、撃ち抜かれたのはザップではなかった。
「ぐあっ!」
短機関銃が男の手から弾き飛ばされ、床を滑っていく。
「あん? これは……」
ザップが視線を向けた先には、車の陰から姿を現したジョンが立っていた。
その手には、銀色のリボルバーが握られている。
先ほどまで悲鳴を上げて逃げ回っていた男とは思えないほど、その表情は静かだった。
敵の指が引き金へ触れる。
それより速く、ジョンの腕が跳ねた。
銃声。
銃声。
さらに銃声。
火花が連続して咲き、男たちの手にした武器が次々と宙を舞う。
撃ち抜いているのは、人間ではない。
引き金、銃身、弾倉、柄。
ジョンは神速ともいえる早撃ちで、ザップの周囲にいる敵が持つ武器だけを正確に撃ち抜いていた。
「な、何だこいつ!」
「武器だけ狙ってやがるぞ!」
「バケモンかよ!」
ジョンはシリンダーを開き、空薬莢を宙へ放り出す。
落下する薬莢が床へ触れるより先に、新たな弾丸を装填し終えていた。
「おい、死体野郎!」
「はい!」
「お前は奥へ行け! 売人を探してこい!」
「分かった!」
ジョンはザップの指示に従い、敵の合間を駆け抜け、倉庫の奥へ向かっていった。
ザップが周囲を見渡せば、撃ち落とされた銃や刃物が床の上にいくつも散乱している。
そのそばでは、武器を握っていた腕を押さえ、苦悶の声を漏らす男たちがうずくまっていた。
「ったくよぉ……」
ザップは、口元をわずかに歪めた。
「新人のくせに、勝手に援護なんざしやがって」
焔丸を肩へ担ぎ、目の前に群がる男たちをにらみつける。
「おい。誰が休んでいいっつった?」
ザップの姿が消えた。
否。
消えたと錯覚するほどの速度で、前方へ踏み込んだのだ。
赤い残光が倉庫を縦横無尽に駆け巡り、遅れて男たちの悲鳴と武器の砕ける音が巻き起こる。
「ぜってぇ逃がすんじゃねえぞ、死体野郎!」
数分後。
ザップの周囲には、無力化された数十人の男たちが折り重なるように倒れていた。
そして、その誰一人として死んではいなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
「おい。もう逃げられないぞ」
「クソッ……しつこいやつめ!」
ジョンが追っていた男は、倉庫の最奥まで追い詰められ、息を切らしながら膝に手をついていた。
背後には壁。
左右には積み上げられた木箱。
逃げ道は、もはやどこにもない。
ジョンは、売人が胸に抱え込んでいる黒いアタッシュケースへ目を向けた。
まるで命よりも大切なものを守るように、両腕でしっかりと抱えている。
おそらく、あれが目的の品だ。
「おい。そのケースをゆっくり地面に置くんだ」
「はいはい、分かったよ……」
売人は観念したように肩を落とした。
しかし、次の瞬間、その口元にいやらしい笑みが浮かぶ。
「……っとぉ!」
売人はアタッシュケースを、勢いよく宙へ放り投げた。
「くそっ!」
ケースが地面へ叩きつけられれば、中に入っているであろう妖精の鱗粉が漏れ出すかもしれない。
そんなことになれば、大惨事だ。
ジョンは反射的に地面を蹴り、落下するアタッシュケースへ手を伸ばした。
しかし、それこそが売人の狙いだった。
「金は払っているんだ! 仕事をしろ、ネブラスカ親子!」
売人が叫んだ瞬間、空中のアタッシュケースがひとりでに開いた。
内部に広がっていたのは、通常の鞄の中身ではない。
暗く、深く、底の見えない空間。
そこから、何か巨大なものが射出された。
轟音。
現れたのは、どう考えてもアタッシュケースに収まるはずのない大きさの鉄球だった。
直径はジョンの身長とほぼ同じ。
走り出した勢いのままでは、まともに避けられるようなものではない。
「ぐっ!」
ジョンは空中でリボルバーを持ち上げ、引き金を連続で引いた。
発砲の反動が腕から肩へ突き抜ける。
そのわずかな力を利用して無理やり体をひねり、迫る鉄球の軌道から転がり出た。
直後、鉄球がジョンのすぐ横を通過し、床を粉砕した。
コンクリートの破片が爆発のように弾け飛ぶ。
「マジか……」
粉塵の向こうから、巨大な人影が姿を現した。
身の丈は四メートル近い。
異様に発達した上半身に対し、両脚には車輪が取りつけられている。右腕の先端は手ではなく、太い鎖につながれた巨大な鉄球となっていた。
継ぎはぎだらけの金属部品。
露出した配線。
不自然に膨れ上がった筋肉。
一言で表すならば、「不出来なサイボーグ」という言葉がふさわしい。
そして、その巨大な男の肩には、小柄な老人が猿のようにしがみついていた。
「おい、ネブラスカ親子! あいつをやっちまえ!」
「けけけけけ! 初撃で仕留められねえのは久しぶりだが、うちのゴフセフにかかれば、てめえなんざ一撃よ!」
「おおおおおおおおおお!」
ゴフセフが雄叫びを上げる。
車輪が甲高い音を立てて回転し、その巨体が前へ傾いた。
鎖を巻き取る機構が唸り、右腕の先から鉄球が引き戻される。
「潰しちまえ、ゴフセフ!」
「おおおおっ!」
次の瞬間、鉄球が大砲のように撃ち出された。
「のわああああっ!」
ジョンは横へ飛び、間一髪で鉄球をかわす。
背後の木箱が粉々に砕け、中身が爆風にあおられて宙を舞った。
もう一発。
さらにもう一発。
鉄球が床をえぐり、壁を砕き、倉庫全体を揺らしていく。
ジョンは右へ、左へと駆けながら、必死に攻撃をかわしていた。
しかし、ただ逃げ回っているわけではない。
鉄球を巻き戻すのにかかる時間は何秒か。
撃ち出された鉄球がこちらへ届くまでの時間はどれほどか。
射出可能な角度は。
鎖の長さは。
ゴフセフ本人との距離は。
ジョンは銃撃の合間に、敵の動きを一つひとつ観察していた。
記憶の奥底に刻まれた、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの戦闘経験が、目の前の情報を恐るべき速度で組み立てていく。
鉄球が壁を砕く。
ジョンはその破片を踏み台にして跳び、着地と同時に数歩後退した。
少しずつ。
気づかれないように。
狙った場所へと間合いを調節していく。
「けっ、すばしっこいやつだなぁ。んっ?」
ゴフセフの肩で指示を出していた老人は、攻撃がなかなか当たらないことに苛立ちを隠せなくなっていた。
しかし、ジョンが倉庫の壁際――袋小路へ追い詰められていることに気づくと、途端にいやらしい笑みを浮かべた。
「おいおい、もうギブアップかぁ? もうちょっと楽しませておくれよ」
ジョンは答えなかった。
リボルバーを下げたまま、空いた手を持ち上げる。
そして、人差し指をくいくいと曲げ、ネブラスカ親子を挑発した。
「来いよ」
一瞬、老人の顔から笑みが消えた。
「てめぇ……!」
額に青筋を浮かべ、ゴフセフの頭を乱暴に叩く。
「ミンチにしてやらぁ! やれ、ゴフセフ!」
「おおおおおおおおっ!」
ゴフセフの体内で、歯車が高速回転する音が響いた。
巻き取られた鎖が限界まで張り詰める。
狙いはジョンの胸部。
逃げ場はない。
「撃てぇぇぇ!」
鉄球が発射された。
空気を押し潰しながら、一直線にジョンへ迫る。
数メートル。
一メートル。
あとわずか。
しかし、その鉄球がジョンの体を捉えることはなかった。
ジョンの右手が霞んだ。
六発の銃声が、ほぼ一つに重なって響く。
放たれたすべての弾丸は、巨大な鉄球のまったく同じ一点へ命中した。
人間を押し潰すほどの質量を止めることはできない。
だが、ほんのわずかに軌道をずらすことならできる。
「JACK POT‼」
鉄球はジョンの髪をかすめ、その斜め上を通過した。
そして、そのまま頭上に組まれていた鉄骨へ激突する。
耳をつんざく金属音。
鉄骨がひしゃげ、留め具が弾け飛び、巨大な骨組みが崩れ落ちた。
「なっ……!」
落下した鉄骨は鉄球とゴフセフをつなぐ鎖へ絡みつき、複雑にねじれながら動きを完全に封じた。
「巻き戻せ、ゴフセフ! 第二撃だ! 早くしろ!」
「ぬううううううっ!」
ゴフセフが全身に力を込める。
車輪が空回りし、火花を散らす。
しかし、鉄骨に絡まった鎖はびくともしない。
ジョンはリボルバーを構えたまま、静かに息を吐いた。
「計算どおり……ってね」
「何してやがる! 早く外せ!」
「もう遅えよ」
突如、別の声が響いた。
老人が振り返る。
そこには、血の刃を携えたザップが立っていた。
「斗流血法――刃身ノ弐・空斬糸」
ザップが指先を振るう。
細く伸びた血液が、空中で無数の赤い糸へと変化した。
「赫棺縛!」
赤い糸が生き物のように宙を走り、ネブラスカ親子の巨体へ巻きついていく。
腕。
脚。
胴体。
そして、ゴフセフの肩に乗る老人。
「な、何だこりゃあ!」
「ぬおおおおおっ!」
暴れれば暴れるほど、糸は深く、強く食い込んでいく。
やがて身動きが取れなくなったネブラスカ親子は、倉庫全体を揺るがすほどの大音響とともに床へ倒れ込んだ。
「けっ。今回は炎をつけないでおいてやる」
ザップは焔丸を肩へ担ぎ、不敵に笑う。
「俺の寛大な心に感謝するんだな」
「ひ、ひぃ……!」
倉庫の奥で縮こまっていた売人が、逃げ出そうと背を向ける。
だが、一歩目を踏み出すより早く、ザップがその襟首をつかんだ。
片腕だけで、男の体を軽々と持ち上げる。
「おい」
低い声が響いた。
「妖精の鱗粉はどこだ‼」
「こ、ここに! ここにあります!」
逃げられないと観念したのか、売人は震える手をスーツの内ポケットへ差し入れ、一つの小瓶を取り出した。
中には、淡い桃色に輝く粉末が詰められている。
ザップは慎重に小瓶を受け取り、内容物を確認した。
「これで全部か?」
「ほ、本当です! 嘘じゃありません!」
「そうかよ」
ザップは売人の顔面を殴りつけた。
一撃で意識を刈り取られた男は、鼻血を噴き出しながら床へ崩れ落ちる。
目的の品を懐へしまったザップは、ネブラスカ親子のそばで二人を見張っていたジョンへ近づいた。
「これで借りはなしだからな」
苦虫を噛み潰したような顔でそう言うと、そのまま倉庫の出口へ歩き出す。
ジョンは目を瞬かせた。
「えっ。僕って役に立った?」
「うっせえ、この死体野郎が‼」
ジョンが声をかけると、ザップは作戦開始前と同じように、唸るような声で怒鳴り返した。
だが、その足取りはどこか軽かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「二人とも、よくやった」
ライブラ本部へ戻ると、そこには仕事をしてきたとは思えないほど、きれいなスーツ姿のスティーブンが座っていた。
汚れ一つない姿で脚を組み、二人から提出された報告書へ目を通している。
「妖精の鱗粉は無事に確保。売人のヴィクトルと白骨騎士団を一網打尽にし、さらに指名手配犯のネブラスカ親子まで捕らえたとなれば、こちらとしても鼻が高いよ」
そう言って、スティーブンは満足げな笑みを浮かべた。
隣で静かに紅茶を飲んでいたクラウスも、カップを置いて口を開く。
「うむ。見事な働きだった」
クラウスは深くうなずいたあと、二人を交互に見た。
「しばらくの間、二人にはコンビを組んでもらおうと考えているのだが、構わないだろうか?」
「ぜってぇ嫌です‼」
クラウスの言葉へ即座に反応したのは、ザップだった。
間髪を入れずに叫ぶと、作戦会議のときと同じように勢いよく部屋を出ていってしまう。
扉が激しい音を立てて閉まった。
「…………」
あまりにも瞬時に拒絶され、地味にショックを受けたのか、クラウスはティーカップを持った姿勢のまま固まっていた。
一方、隣に座るスティーブンは、堪えきれないように朗らかな笑い声を上げた。
「ははは! 大丈夫だよ、クラウス。あいつは昔から素直じゃないからな」
スティーブンは笑いながら、ジョンへ視線を向ける。
「なぁ、ジョン?」
「ははは。そうかもしれませんね」
ジョンもつられるように笑った。
こうしてライブラ本部には穏やかな笑い声が響き渡り、ジョンにとって初めての任務は、無事に幕を閉じたのだった。
お気に入りや、評価くれたら、飽きずに続けられるかも(/ω・\)チラッ
注意:万が一感想を書いていただける場合、今後の展開を予想するのだけはやめていただけるとありがたいです。続きを書く気が無くなるので……(´・ω・`)
トライガンを……
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