すごく面白いですので、まだ見てない方は是非見ておくんだまし!
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オタク、噂を知る
ヘルサレムズ・ロットでは珍しく、純粋なコーヒーの良い匂いで満たされた落ち着いた客席には三名の男女が座っていた。
それぞれの目の前にはホットコーヒーがおかれていたが、女性陣は苦いのが苦手なのか、ミルクを多めに入れており、もはやコーヒーミルクと言っていいほどの色になっていた。
「それでヴァッシュさん、最近何かネタになるようなことありまして?」
「んー」
身を乗り出して、手に持ったメモ帳に、今か今かとヴァッシュの姿をしたジョンの口から出てくるネタを待っている、ヘルサレムズ・ロットのネタに貪欲な女性がそこにはいた。
そう、彼女はメリル・ストライフ。以前、ジョンとぶつかった際に連絡先を渡した女性だ。そして、ジョンは律儀にネタを仕入れてきたので、その番号に連絡したのだった。
「三番通りのパン屋が、非合法な異界の具材を使っているっていう噂知ってる?」
「非合法な異界の具材?」
「そう、なんでもそのパンを食べたら魅了されたように通うんだって」
メリルは、ジョンの持ってきた噂をまだ知らなかったようだ。
三番通りのパン屋この噂は、つい最近チェインから仕入れた噂であった。彼女はヘルサレムズ・ロット中のマル秘グルメ情報を収集しており、彼女に聞いた店で外れたことは無かった。
「それって、ただの美味しいパンの情報じゃないですか?」
「噂程度だから、はっきりしたことは分からないよ」
「そうなんですね」
ミリィは、あまたの人を魅了するパンを想像してよだれをたらしていた。
「まあいいですわ。この前のことはこれでチャラにしましょう」
メリルは、そう言ってほぼミルクになったコーヒーを飲んだ。
ジョンはそんな彼女達を見て苦笑いをしていたが、なんだかんだ、またこうやって二人と話している状況が心地よいものの様に感じられていた。
「噂と言えば……」
「噂と言えば?」
「ええ、つい最近情報をつかんだんですけれども、なんでも異界の住人の失踪が相次いでいるらしいですわ」
「異界の住人の失踪?」
異界の住人の失踪とは、ただならぬ雰囲気の話題であった。基本的にヒューマンはちゃんと戸籍で管理されているのだが、異界の住人はそこら辺があやふやである。
そのため、異界の住人が消えたり、新たに現れたりするのは割と当たり前に起こるのだ。
そんな異界の住人の中で話題になっている失踪事件とはどういうことなのだろうか。
「なんでも、町中で突然いなくなるらしいですわ。それも、基本的には善良な無害な異界の住人が」
「それは……何とも物騒だね」
「ええ、異界の住人達がいくら戸籍なんかで縛られていない人が多いからって、善良な異界の住人が消えるのは目立ちますわ」
「確かにそうだ」
メリルはそう言ってコーヒーを飲み干した。
彼女の言ったとおりである、戸籍は持っていなくとも、一年以上暮らしていた住人が消えたら非常に目立つだろう。
「ちょっと気を付けてみてみるよ」
「ええ、何か分かったら連絡をくださいな。ミリィ行きますわよ」
「ええ、待ってくださいよー。サンドイッチ来たばかりなのに、せんぱーい」
メリルは話は終えたとばかりに店を出ていこうと席を立った。ミリィは注文したばかりのサンドイッチを急いで食べ終えると、メリルの後を追って店を出ていった。
「異界の住人の失踪か……。スティーブンに連絡しておくか」
そう言って、お会計を済ませジョンも店を出るのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あれ、スティーブンさんいないんですか」
「ええ、彼は今表の仕事中よ」
ライブラについたジョンは、珍しく部屋に居たK.Kに尋ねた。
ライブラの構成員は何かしらの表の顔を持っていることが多い。スティーブンはライブラが運営にかかわる会社で働いていることになっていた。
「それにしてもK.Kさんがここにいるのは珍しいですね」
「受け取るものがあったのよ」
K.K、彼女はライブラの構成員の一人で銃火器のスペシャリスト。
彼女とは、ヴァッシュの身体やウルフウッドの身体に慣れる時の戦闘訓練などで、お世話になることが多かった。
「それで、どうするの?」
「いやぁー。まだ、迷ってて……」
「かぁーー、男ならはっきりしなさいよね」
ジョンが頭をかきながら答えると、K.Kは眉をひそめながら言い切った。
「あなたの肉体には、私の使っている血弾格闘技を使う才能があるんだから、さっさと受け入れないさい」
「体に何か入れるのがまだ怖いし、吸血鬼も怖いですしぃ」
「サングラスつけただけで、体の構成成分から銃火器の生成までなんでもできるなら、血を受け入れるぐらいなら大したことは無いでしょ!」
「ははは」
そう、ジョンにはK.Kの使っている血弾格闘技を扱う才能があった。
クラウスやスティーブン、それにK.Kとザップ、彼らの使っている血闘術は才能あるものしか使えないものだ。
それは遺伝だったり、変異だったり、吸血鬼の力に対する抵抗力があったりと様々なものがあるが、それがジョンにも備わっていた。
元々、ヴァッシュやウルフウッドの力を引き継いでいて、戦闘に関しては問題が無い。そこにブラッドブリードとの戦闘に欠かせない血闘術の才能があるのならば、ほっとかない理由はないのだった。
「まあ、いいわ。気が変わったら連絡して」
「すみません」
「いいわよ。はぁー」
K.Kはため息をつきながら部屋を出て行ってしまった。部屋に残されたジョンは、頬を搔きながらソファーに沈んでいったのだった
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
血闘術を習いたくないわけではなかった。ただ、これ以上、何かになりたくなかったのだ。
ここ数週で非常に多くの出来事が起こった。
知らぬ間に違う世界に転移し、撃ったことも無かった銃を一流以上に扱えるようになり、物語の中の登場人物だと思った男たちの記憶が流れ込んでくる。
ジョンは、これ以上自分というものを失うのが怖くなっていたのだ。
「はぁ」
結局スティーブンが本部に来なかったので、ギルベルトに伝えといてくれと連絡をたのんだ。そして、今回はヴァッシュの姿ではなく、ウルフウッドの姿に変身して、外に出てきた。
特に理由はない。しかし、彼の姿になることで気分を変えようと思ったのだ。
「あータバコ吸いたなってくるわぁ」
吸ったことのない煙草を吸いたくなるのは、何故なのだろうか。もやもやした感情が渦巻き、心の中で溜まっていく。
それを解消するためのたばこ。しかし、その解消方法も、ウルフウッドの解消方法であって、ジョンの解消方法ではない。なぜだかもやもやは加速していく。
「しゃーないなぁ。たばこ以外の何かでも……んっ?」
ジョンは、吸ったことも無い煙草への欲求を我慢できなくなってきたのだろう。たばこの代わりになるものを探しに歩こうとしたところ、ある人物が目に入った。
ジョンははさっきまでのイライラはどこへやらという雰囲気で、その人物へと近づいていった。
「おい、坊主。迷子か?」
「ん、だれぇ? おかあしゃんがいないの」
その人物とは、異界の住人の子供であった。背格好は人間に似ているが、長く手太い尻尾が彼がヒューマンでない事を示していた。
「オカンはどないしたんや」
「分からない。手をつないでいたのに、いきなりきえちゃったぁ……」
その子供は、ジョンの脚にしがみついてきた。彼のぐしゃぐしゃになった顔は、彼が嘘を言ってない事を示してた。
「さよか、これで顔ふきや」
「ん、ずびー」
ジョンは内ポケットからハンカチを取り出すと、子供の顔をぬぐってあげた。まだ、顔は赤くなっていたが、どうやら泣き止んだみたいだった。
「で、名前は?」
「ユミル」
「ほな、ユミル。オカン探しに行こか」
「分かった」
ジョンは、ユミルを肩車すると歩き出したのであった。
お気に入りや、評価くれたら、飽きずに続けられるかも(/ω・\)チラッ
注意:万が一感想を書いていただける場合、今後の展開を予想するのだけはやめていただけるとありがたいです。続きを書く気がまじで無くなるので……(´・ω・`)
トライガンを……
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漫画なら読んだことがある
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アニメなら見たことがある
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漫画、アニメどちらも見たことがある
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見たことがない