ダンまちの世界で生きてみた。   作:排他的経済水域

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第13話 処女神(ヘスティア)

ベルを背負いながら、ダンジョン5階層をベルを起こさない程度で走り続ける。

本来ならこの場所には他の同業者(冒険者)がいるので、異常事態(イレギュラー)が起きないよう、なるべくモンスターを狩って移動するのだが、今に関しては時間帯が早く、他の同業者(冒険者)が居ないため気にせずモンスターを無視するつもりだった、だが後ろから聞こえてくる足音の数が多いな…

1回やっとくか。

そう判断して加速を中止、後ろを向き状況を確認する。

後ろからは色々なモンスターが2〜30匹ほどいた、物理で相手をしてもいいのだが背負ってるベルの事もあり、時間がもったいないので魔法で潰すことにする。

 

『サンダーボルト』

 

付与魔法を起動。それを片脚に集約して思いっきり振り抜く

 

「ふっ!」

 

脚に集約した雷がモンスターの方にぶつかっていき、雷に当たった傍からモンスターはやけ始めて5秒ほどで殲滅する。

思えばLv1ではあまり火力のなかった雷もLv3になったことでかなり火力が上がった気がする、火力があがったのはいいが、これからは手加減もできるようにならなければいけなさそうだ、殺すことの出来ない戦いもあるだろうし。

まぁ今は魔石を回収しよう、強化種が出来たら事だ、その後灰の山から魔石を回収し、袋に入れてると声が聞こえてきた。

 

「おい!見つかったか!?」

 

「いや!見つからねぇあいつらどこ行きやがった!?」

 

声的に男の冒険者だろうか?何やら焦っているらしい。

通路の壁に身を隠しながら顔だけだし、様子を確認する。

男が2人、格好から見てやはり冒険者のようだ、まぁ冒険者以外がいたら問題なんだろうが。

 

「たくよ、どうする?あいつら置いて戻るか?」

 

「いや、置いてはまずいだろ、捕まってロキファミリアにでも勘ぐられたらヤバいって言われてるだろ?」

 

これは…闇派閥の連中なのか?とりあえずステイタス見とくか。

 

Lv3 ラウス

Lv3ガリム

 

え?Lv3が2人かよ、これは勝てないなうん、無理。

てかステイタスの詳細も見れるのだろうか?見てみるか。

《神の偽能》を使用しLvと名前の先、詳細のステイタス、スキル、所属ファミリアの情報を見ようとしてみるが…

 

Lv3 ラウス→これ以上は表示出来ません。

 

Lv3 ガリム→これ以上は表示出来ません。

 

ん?表示ができない、これは力の差が近いと見れないって事なのか…?

それとも俺がそもそも知らないファミリアだと機能しない?

どんな理由かは分からないが、とりあえず今得られる情報はこれ以上ないってことか…

だがどうする、全力を出して戦えばいけるか?いや…

1VS1ならともかく1VS 2は勝てる気がしない

でもこいつらがここにいたら4階層まで行けないんだよな…

ここで時間を食うのはいただけない、よし、急いで走ってやり過ごそう

追いかけられたらそれはそれだ。

 

一旦壁から離れ、ベルのことをしっかりと背負い直し、助走を初め全力疾走を開始する。

風の音ともにぐんぐんと速度を上げ横の通路に壁を蹴り飛ばし通り、男たちの横を通る。

 

「ちょっ!?」

 

「なんだ!?」

 

男たちが驚いたような反応をしているが無視する。

勝てない相手とて認識が追いつく前に逃げてしまえばいいのだ。

もちろんこいつらが闇派閥ではなく朝からダンジョンに潜った上級冒険者

もあるだろう、だが話の内容、先程の闇派閥の存在を鑑みて用心するに越したことはない。

 

「おい、てめぇまて!?」

 

「あいつだろ絶対!?おうぞ!」

 

待てと言われて待つバカがどこにいる!てか絶対あいつら闇派閥じゃん。

しかも俺を探してるヤツらかな?どうやらキメラを倒したのが相当お気に召さなかったらしい。

しかし何故だ?どうしてこんなに未来が変わっている?いや、今はとりあえず逃げ切ることが最優先だ。どうせなら本気で逃げよう

 

俺は思考を取り止め、前に進むことだけを考えさらに加速していく。

 

そのまま30分ほど走っただろうか?後ろから声が聞こえなくなり、モンスターもなるべく最低限の動きで邪魔になるやつのみを殺しダンジョン1階層、『始まりの道』の入口まで来た。

 

「よっと!」

 

勢いよく階段を駆け上がり、ダンジョンの入口、摩天楼バベルの1階まで来る。

ダンジョンを抜けたことで警戒度を一段階下げつつ、周りの様子を確認する。

「朝…か」

日が昇り始めており摩天楼の入口が少し明るかった。

 

このままヘスティアの元までベルを送ればとりあえず俺の今日やることは終わりだな、さてとヘスティアの元まで行こう。

ヘスティア・ファミリアの場所は…知らん。

え、どうしよう…これ送り届けられなくないか?

 

そうこう悩んでいると

 

「う、う〜ん…ここは?」

 

ベルが起きたようだ。本当ならまだ顔を見せる必要は無いのだが仕方ない。

ベルにホームの場所を聞くか。

 

「おお、起きたか?」

 

「あの、あなたは?というかここは?」

 

「ここは、地上だ。お前が6階層で倒れてたからここまで連れてきたんだが…」

 

今闇派閥の話をする必要はない、ベル自身の危険に繋がるし、未来が変わることもあるだろう、まぁ未来に関しては俺がいることでもう宛にならない可能性もあるが

 

「え?そうなんですか?その、ありがとうございます。」

 

「いや、それはいいんだけど、お前のホームまで送りたいんだが…場所を教えてくれないか?」

 

「え、いやここまで送って貰ってそこまでは悪いですよ!?自分で帰ります!」

 

「あのな?お前今滅茶苦茶ボロボロなんだぞ、まともに歩けるか?そんな状態のやつが自分で帰ります。って言って、はい、そうですかってなるとでも?」

 

「うぅ、すいません、じゃあお願いします。」

 

「ああ、気にすんなこんなのただの気まぐれだから」

 

「はい、絶対いつか恩返しします」

 

「おう、じゃあ今度飲みにでも付き合ってくれ、1人飲みばっかで寂しいんだ笑」

 

そのままベルの指示に従ってホームまで歩いていく。歩いている間何も喋らないのもアレなので話をすることにする。

 

「あのさ?なんであんな無茶してたんだ?」

 

「え?」

 

「装備もなしでなんでダンジョンに潜ったんだ?俺あの店に居てお前が食い逃げした時もびっくりしたけど、お前がダンジョンに向かっていった時は本当に驚いたぞ?」

 

「え!?その…」

 

「まぁ人間誰しも事情があるんだろうけどな、とりあえずこんな無茶の仕方はやめとけよ?」

 

「は、はい…すいません。」

 

そんな風にベルを話しているとホームが見えてきた。

 

「べ、ベル君!?」

 

ホームの前にヘスティアが立っていたのか、俺らを見かけてきたようだ。

 

「ど、どうしたんだいその怪我!もしかして彼に…いや違うね君じゃないんだろう?」

 

さすが神、本質を見抜く目があるってことなのか?まぁ釈明をせずに済むのは楽でいいね。しっかしこの人も可愛いな。

マジでこの世界に来てから顔面偏差値の高さにビビるわ、まぁ声には出さないが

 

「俺はこいつをダンジョンで助けただけですよ。まぁ事情は本人から聞いて下さい。」

 

「ダンジョン!?何をしているんだい君は!」

 

「ご、ごめんなさい」

 

俺は背負っていたベルを降ろしながらヘスティアに対して説明をする。

 

「じゃあ俺はこれで、ベル・クラネル。お前の気持ちは知らない、ただ命を失ったらどんな努力も無駄になる、そのことだけは覚えとけよ?」

 

「う…はい、すいません、ありがどうございました。」

 

「ああ、それとちょっと目をつぶれ。」

 

「え?あ、はい。」

 

俺は目を瞑ったベルの頭の上からダンジョンに向かう途中で買ったポーションをかける。

かけたそばからベルの傷が治っていく、深い傷は治らないだろうが最低限動ける程度には治っただろう。

 

「あの!」

 

「ん?なんだ?」

 

「名前を聞かせて貰えませんか?」

 

ああ、そうかまだ名乗ってなかったか。

 

「アマミヤ・レイ、それが俺の名前だ。」

 

「アマミヤさん、本当に色々とありがとうございました」

 

「レイでいいよ、俺もベルって呼ぶし」

 

「レイ君、僕からも礼を言わせてくれ」

 

「いえいえ、それじゃあまた」

 

俺はベルとヘスティア様に手を振りながらベルたちのホームを後にする。

 

 

レイが去った後

 

「ベル君?」

 

「は、はい」

 

「どうして装備もなしに、ダンジョンに行ったんだい?こんな自暴自棄な真似君らしくもないじゃないか」

 

「……………」

 

「わかった、何も聞かないよ。君は意外と頑固だしね、ボクが無理矢理聞き出しても無駄だろうし、」

 

「ごめんなさい…」

 

「なに、いいさ。さてシャワーでも浴びてきな。怪我はさっきかけて貰ったポーションある程度治っているかもだけど、傷の汚れも落とさなきゃだし、まだ怪我があるかもだから一応治療もしよう。」

 

「…はい、ありがとうございます」

 

ベルを支えながら一緒に地下まで行き、ベルにシャワーを浴びさせておき、その間ベルの治療の準備をする。

それと同時にベルを運んでくれたレイについて考える。

 

彼は…不思議な子だったな。このオラリオに来てから色々な子供たちを見てきたがその誰とも違う感じがした。

どちらかというと僕達()に近いような…まぁあくまでそんな感じがするだけってだけで明確になにかが違うって感じでもないんだよな〜、下界の未知ってやつなのかな?

ベル君についても気にかけてくれたし悪い子ではないのかな?ベル君にもヴァレン何某とかよりああいう男友達が出来るといいな。

 

後にヘスティアの期待を裏切りベルが着々とフラグを立て続けるのは別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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