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「ここどこだ?」
目が覚めたら暗闇でした。どうもレイです。
てかなんで俺はここに…あっ!バグ・ファミリアのヤツらに捕まったんだ!となるとここは奴らのホーム?周りを見ると真っ暗で殆ど何も見えない。
四肢には鎖と錠が繋がれており、動きが封じられている。
「《大賢者》マップ」
現在地を確認するため目の前にマップを表示する。が…うーん位置が分からない。どうやら俺が来たことの無い場所らしい。どうするか…
思いっきり鎖を引っ張ってもビクともしない。アダマンタイトか?これ
そんなことを考えていると目の前の扉が開き、光が入ってきた。
目を窄めながら見ると、1つの影が見えると同時に声が聞こえてきた。
「おお、どうやら起きていたようだな?」
扉を開けてきたのはバグだった。
「お陰様で?って言った方がいいのか?鎖外してくんない?」
皮肉を込めた一言を言うが、バグはなんのリアクションもせず、こちらに歩いてくる。
「俺の話を呑むなら外してやる」
話?まぁあるだろうと思っていたけど、殺されてないってことはまぁそういう事だろう。
「わかった。話を聞かせてくれ」
「俺の部下になれ」
「正気か?」
いやほんとにこいつ正気?
なんで俺のこと殺そうとして置いて仲間に勧誘してくるの?
そんなこと言われたところで…
「断っ…」
「言っておくが断った場合は殺す。」
「チッ」
そりゃそうか断ったら俺を生かす価値は無いもんな。
「なんで俺の事を仲間にしようとする?いくらでもいるだろ。アンタの仲間になりたいやつなんて」
まぁいくらでもはいないだろうが、いない訳では無いだろう。
暗黒期に比べて落ち着いているとはいえ、こういう派閥があるのだオラリオに不満がある連中、混沌を求めている人間はいるだろう。
「最初に1つ訂正だ。俺が欲しいのは仲間ではなく部下だ。」
「は?何が違う」
「おい?俺の話を遮るな。俺の邪魔をするな」
話を遮って質問するがいきなりバグの様子が豹変し俺の髪を掴んでそう告げてきた。
おお、怖っ。
こいつの話を遮るのはNGってことか?目の前のバグを睨みながらそう考えているとバグは俺が理解を示したと思ったのか話を続ける。
「俺のファミリアは俺以外そこまで使える人間が居ない。これからは人手がいる依頼も来る。」
要は周りに指示できる人間が欲しいってことか?でもそれだと俺以外にも候補ならいるだろう。
「貴様は使える。酒場で我らの監視に気づき、すぐに対応して見せた。あのレベルならここではかなり貴重な人材だ。だから勧誘する、元からキメラを倒したことであがっていた貴様の価値がさらに上がった理由がそれだな」
こいつらが俺を認識したのはキメラの件のせいらしい。やっぱりキメラを倒したのは不味かったかな…まぁ倒す以外で方法がなかったから仕方ないな。
「貴様はこの都市に不満は無いのか?ギルドという力のない連中が我が物顔で仕切り、自由にも行動できないこの都市に?貴様くらいの強者なら分かるだろう?俺たちはオラリオから出て他の国で戦争にでもでてみろ?俺たちが手を貸してやった国はたちまち有利になり、戦況を一変される。」
それはそうだろう。実際Lv4ともなればほとんどの人間が到達できない境地だ。オラリオがおかしいだけで
「俺はこの都市が気に入らない。だから壊す。俺たちの依頼主の計画が成功したら間違いなくオラリオは崩壊する。そして始まるのだ!力こそ全ての新時代いや旧時代の始まりが!」
こいつらの計画ってのは多分ソードオラトリアの事件の件なんだろう。このファミリアはあれに協力するってことか、いやしかし何でこいつ原作に出てこないの?Lv4とか結構の強者よ?大森先生どうなってるんですか!?
「さぁ俺と共にこい。新しい世界を見せてやる!」
そう言いながらバグは俺に手を差し伸べてきた。先程よりも高揚しておりおれが鎖で縛られてるのを忘れているのだろう。
まぁなにをいおうと俺の返答は決まっている
「断る」
「何?」
「断るってんだよ」
「一応理由を聞こうか?」
「てめぇの考えと俺の考えが違いすぎる。俺は英雄を見たい。人の笑顔が見たい。そういう光景を望んで俺はオラリオに来てる。オラリオが崩壊するなんてのは望んでない。」
「は?このオラリオに?貴様は何を言っている」
「てめぇこそ、何言ってんだ?そもそも世界を壊すって厨二かよ。現実味が全く無さすぎる。仮に成功したとしてその先に何がある?ステイタスのない人間が死に絶え、全ての人類が武器を持つ。最悪の時代になるのか?ふざけんな。俺はそんな時代ごめんだ。」
アルゴノゥトが始めた英雄の時代を…
フィンが繋いだ人類の反逆を…
ユーリがガルムズがエルミナがフィアナ騎士団がその後を継ぎ、戦い続け守ってきたこの世界を。
フィーナ、オルナ、リュールがその歌を歌い、人類の希望となり得た英雄たちが守ろうとし戦い続けたこの世界を…
その結果である。神時代を俺たちがまた、あの最悪の時代に戻していいのか?いい訳がない!
それだけはあの物語を知った俺が絶対にさせない。俺は…英雄が好きだ。俺ができないようなカッコイイ事をする主人公やその仲間たちが大好きだ。
でも俺にはそんなことはできない、戦局を左右する活躍や皆を奮い立たせるようなことなど出来るはずがない。
だが、英雄たちの想いを無駄にすることは絶対にしたくない。
それは俺がこの世界に来た時に自分に誓ったことだ。
「だから俺はお前の部下にも仲間にもならない、他を当たれクソ野郎」
俺はバグの目を真っ直ぐとみてそう告げた。
「そうか、そうか…それは残念だ。」
バグはその言葉ともに俺に蹴りを入れてくる。
「グハァッ…」
鎖に縛られている俺はそれをモロに受け仰け反るが鎖に戻される。
「まぁいい。その前にこれを見ておけ」
そう言いながらバグは指を鳴らす。
指を鳴らす音が響くとほぼ同時に後ろの扉から2人の男が出てきた。
男たちは袋を持っているようだ。
「なんだ?それ」
袋は全部で3つあり、大きさは男たちが持てる程度。
てかなんか血の匂い?がして…まさか?
「貴様に見せておこうと思ってな」
俺が考えをまとめ終える前にバグの部下が袋の中身を床に落とす。
その中には…
「な、なんで…」
俺が以前助けた3人の首が入っていた。
「どうして…なんで?」
「ふっ、ふははは!その顔だ!?その顔が見たかったんだ!その悲壮か?苦痛か?なんでもいい!?その歪んだ顔が見たかった!」
睨む俺を見てバグの顔が笑い、種明かしを始める。
「ギルドで俺の部下が貴様の情報を探っていた際。貴様の話を聞いてきたそうだ、貴様がダンジョンで助けたそうだな?」
そうだ。彼らは俺がダンジョン攻略の際に助けた人達だ。それがどうして…?
「別に殺す必要はなかったが、どの道貴様の関係者は貴様が仲間になろうがならまいが殺すつもりだった。」
あー関係者は殺すってやつか…つまり俺のせいか…
「一応聞いておくこれが最後だ、俺の部下になれ。そうすれば貴様の命だけは助けてやる。」
倒れながらバグから視線を落とし落とされた首を見る。
名前も知らない。たった1度助けただけの関係。
だがもし彼らを助けなかったら?
助けた後俺が助けたことを黙っているように伝えておけば?
こうはならなかったんじゃないか?
「この誘いを断るなら、貴様を殺し、貴様のファミリアの人間も含め貴様の関係者全員を殺す。」
昔読んだ漫画の展開にこんなのがあったな。
仲間のひとりを殺され…怒った主人公が仲間の仇を打つ!みたいな展開が…コテコテの展開で面白みがないなとかあの時は思ってたな。
でも実際その立場になってみると色々考えてしまう。
無関係の人間を巻き込んでしまったことへの自分への叱咤。
リューやベルを殺すと脅された怒り。
漫画の主人公のように一直線にはいけないな。だが…あんたらの仇はうつよ。
心の中で首だけになってしまった3人に告げ、バグへと向き直る。
「さぁ!返答を聞こうか?」
「『纏』」
自らに闇を纏う解号。
それをすることでレイの身体に闇が纏いはじめ身体中が真っ黒に染まる。やがて全身に纏った闇をレイの身体に吸収されレイの顔が見える。
見え始めた顔は先程とは違い、黒髪黒目の青年から白髪白目の青年へと変わる。どこかベル・クラネルを彷彿とされる外見になったレイにバグは警戒し距離をとる。
レイは顔を伏せ、鎖を触れずに外す。
「なっ!?」
アダマンタイト製の鎖を簡単に外したことでバグと後ろに待機していた部下から驚きの声を上がる。
レイの姿を見て警戒していたバグはすぐに腰にさしていた剣を抜き、その瞬間に後ろの扉まで殴り飛ばされる。
「なっ!?」
バグが急に後ろに移動したことに部下が少し遅れて驚くと先程までのバグの位置にいつの間にかいたレイに気づき、自らの得物を抜き、攻撃をする。
しかしその全てはレイの後ろから生えている?謎の闇に防がれ、壊される。
「に、逃げろ!?」
勝てないと判断し攻撃した部下のひとりがレイに背中を晒す。
レイはそれを後ろに生えている闇で刺し殺す。
他のものも全員似たような行動をしていたが、全員ほぼ同時に闇に刺殺される。
殺しはしないだろうと判断していたバグは驚愕するが、レイが告げた一言で驚愕が消える。
「ぶっ殺してやるよ」
それがレイがこの世界にきて始めて人間に向けた殺意だった。
特になし!