「私はシャクティ・ヴェルマ。ガネーシャ・ファミリアの団長だ。」
「君は?」
名前…さてどうする?ここで偽名を名乗るべきだろうか?いや、この先シャクティと話す機会は増えていくだろう。
なら強さがバレるリスクを取ってでも顔を売っておくべきだ。しかも今は俺は容疑者扱いだろうし、尚更本名を言っておいた方がいいだろうし。
「レイ…アメミヤ・レイです。」
「そうか、ではレイ。これはどういう状況だ?今は早朝。我々は近隣住民からの通報できたが君はこのファミリアでは無い筈だろう?このリストにない」
シャクティは槍を持っている手とは逆の手で器用にリストを確認し、俺の素性を質問してくる。
「それは…」
俺は少し言い淀む。
ここでベルやリューに関して話してもいいだろうか?
今、リューがシャクティと関わることは歴史を大きく変えることには繋がらないだろう。
だがベルは?まだ先だが、もしアイズとの特訓イベントがなくなりでもしたら、かなり後々に影響が出てくるだろう。
それなら…
「俺は昨日。酒場で酒を飲み、宿に帰る途中にこのファミリアの連中に襲われました。先程まで拘束されていたのですが、どうにか隙をついて逃げ出そうとしていました。それをこの男にみつかり、戦闘になり今に至ります。」
俺はなるべくベルに触れないよう、そして俺の実力に関しても多少伏せておきつつ、今回の顛末を簡潔に説明する。
これならベルへの影響は考えなくていいだろう。
「そうか…おい!どうだ?」
俺の証言を聞いたあと、シャクティが俺の後ろで敵を拘束して尋問しているガネーシャ・ファミリアの人間に声をかける。
「ここにいるヤツらとほとんど証言は一致してますね。ただこいつが急に暴れだしたとは言ってます。」
声をかけられたガネーシャ・ファミリアの団員はそう答える。
良かった。どうやら嘘の情報で撹乱されるような真似はされないようだ。
それなら俺の殺しは無罪になるか?
「そうか、君。我々と一緒にガネーシャ・ファミリアまでついてきてもらっていいか?」
「それは…」
シャクティの言葉に俺は少し言葉が止まる。
「安心してくれ。今の状況では君の証言は間違っていないだろう。だがまだ分からないことも多い。証言を聞きたいので、一緒に来て欲しいだけだ。」
その様子を見てかシャクティからそんな言葉を言われる。
それなら問題ないだろう。よし。
「そういうことなら、大丈夫です。」
「では、私たちのファミリアまで着いてきてくれ」
シャクティはそう言うと赤髪の冒険者、彼女は…イルタだったか?に話しかけに行った
(大賢者、あの冒険者を俺の記憶から検索)
俺は大賢者に指示をして彼女を調べる。
イルタ・ファーナ Lv5
やっぱり合っていた。
確か異端児編でアステリオスにやられていた人だよな?
この人もLv5…つまりこの場にはLv5が二人もいるわけか、逃げる選択をしたところで逃げれなかっただろうな。それはそれとして…
俺は先程まで捕らえられていた部屋まで行き、その部屋に転がっている頭を3つ回収しバグの部下が持っていた麻袋に入れる。
さすがに死んだ顔を見られるのはこの人達もそれを見るガネーシャ・ファミリアの人間も嫌だろう。
それなら少しでも人目を隠した方がいい。
その作業をしながら…
「大賢者
小声で大賢者に指示をして《超感覚》のゲージを調節。
イルタとシャクティの会話を聞く。
「いいのか?姉者あいつは危険なんじゃ?」
「まぁ大丈夫だろう。Lv4を倒せるからと言って私たち以上の強者なら顔が割れていないのはおかしいしな。」
「だが…危険では?」
「そもそもそれほどの実力者なら私たちが来た時点で逃げるだろう。」
「それもそうか…まぁなんにせよ気をつけてくれよ?姉者」
「わかっている。お前こそ気をつけろ?仮にも闇派閥との繋がりがある派閥だ」
「ああ、わかっている」
話が終わったらしくシャクティが俺を探し始める。
俺は回収した頭をガネーシャ・ファミリアの人間に捕らえられていた人達の死体ですと伝え、渡しながらシャクティの元へと向かう。
まぁイルタの疑いは最もだろう。
俺は経歴上はLv3しかも最近オラリオに来た。要は証人のいないような状態だ。傍から見たら疑うのも無理はない。
「待たせた。では行くとしよう。」
「分かりました。」
シャクティと数人の部下と共に俺はガネーシャ・ファミリアに向かった。
そこそこ歩いたあとかなり目立つホームが見えてきた。
あーなっているのは知っていたが実際に見ると面白いな笑
クスッと笑いながら見ると部下二人が俺を睨んできた。
やっべ、そりゃあ自分のホームが笑われたらいい気はしないよな
俺は軽めに部下たちに頭を下げておく。
そうしていると前のシャクティから声をかけられる。
「済まない、あのようなホームで…」
その諦めに満ちた声を聞いて ああ、この人も苦労人なんだろうなって改めて思う。
「いえ、そのー…すごく個性的でいいホームだと思いますよ!」
そんな言葉でフォローを入れるが、シャクティはその言葉でさらにげんなりする。
「あの神には我々も苦労していてな…悪い神ではないのだが…」
「あはは…お手柔らかにお願いします」
そんな会話をしながら俺はホームへと入る。
「俺が!ガネーシャだ!!」
うるせぇ…とりあえず挨拶を
「あ、どうも。初めまして アメミヤ・レイと言います。」
「そうか!俺がガネーシャだ!!!」
…帰っていいかな?これ?まじで想像以上にうるさい。
「ガネーシャ…そろそろ話を進めても?」
見かねたシャクティがガネーシャに話を促す。ナイス!シャクティ!
「俺が!ガネー「ガネーシャ?」」
「ああ、大丈夫だ」
苛立ったシャクティが怒気の孕んだ声でガネーシャを黙らせ話を続けさせる。
おお、シャクティさん意外と怖いな。逆らわないでおこ
「レイ、このうるさいのが我々の主神ガネーシャだ。」
「時間も勿体ないので話を勧めさせてもらう。」
シャクティがそういうと俺の尋問(2回目)が始まった。
「レイ、先程の証言をもう一度この神の前で言ってくれ」
きた。これを乗り切れば晴れて釈放?だろう、だが相手は神。
あれ?これ嘘はついてない…よな?
あ、俺逃げようとはしてないわ…でも違うこと言ったらシャクティに指摘されるだろうし…よしもう言っちゃおう。訂正すればまぁ大丈夫なはずだ。
「 俺は昨日。酒場で酒を飲み、宿に帰る途中にこのファミリアの連中に襲われました。先程まで拘束されていたのですが、どうにか隙をついて逃げ出そうとしていました。それをこの男にみつかり、戦闘になり今に至ります。」
「どうだ?ガネーシャ」
「ほとんど間違いはないだろうな。だが…なにか隠しているな?」
うっ、やっぱり嘘がバレたか…まぁ正直に言ってしまおう。先程と違い俺の実力を隠す必要も無いし
「すいません、実は隠していたことがありまして、本当は逃げようとはせず、拘束されていた時から戦闘が始まりまして…」
一応多少申し訳なさそうに言う。
「ガネーシャ?」
「うむ、今回は嘘は着いていないぞ」
良かった。ベルのことは隠し通せそうだな。
「なぜ嘘を?」
「えーっと今は実は目立ちたくない、理由がありまして…」
実際の所はベル関連以外には深い理由はない。
ただ俺の実力がバレたら今後動きづらくなるかもしれない、そんな理由だ。
「そうか…まぁ深くは聞かない。ただ…」
「私と戦え」
「え?」
次回vsシャクティ!?