ダンまちの世界で生きてみた。   作:排他的経済水域

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第22話 上澄み

シャクティに突撃をしている最中。

俺は違和感に気づいた。

今回で三度目になる《纏》には明らかに1、2回目とは差があった。

 

(動きが鈍い?)

 

感覚ではあるが今回の《纏》はいつもより動きが遅い気がする。

もちろん普段よりかは早くなっているのだが、それでもいつもより確実に遅い。

原因は…体力が足りてないってことなのか?

1、2度目と3度目の違いを考えたらそうだろう。

この辺も後で実験が必要だな。

その前に…!こっちを倒すのが先だ!

 

一番()

 

闇の権能により作り出した剣を両手でもちシャクティに向かって振り抜く

 

「ふっ!」

 

それをシャクティが槍の先端で受ける。

 

「まだまだ!一番()2刀」

 

両手に剣を作り、双剣のようにする。

そのままシャクティに向かって連撃(ラッシュ)を開始。

何度も切り付けるが、全て軽く受け流される。

 

なら!これでどうだ!

俺は二刀を同時に振りかぶりクロス斬りをする。

シャクティはそれを先程と同じように軽く受ける。

 

全ての攻撃を予想より軽く受けられ、自力の差を感じる。

今の一撃で少しでもひかせされないかと考えたが甘い考えだったようだ。

 

(やっぱり簡単にはいかないかーーーっ!)

 

次の攻撃に移ろうと考え始めた瞬間、シャクティが予想外の反撃をしだす。

受けたと思った瞬間、槍を回転。

剣ごと体をひっくり返される。

予想外の行動に一瞬思考が止まる。

 

(嘘だろ)

 

ある程度の反撃なら予想が出来ていた。

なので対応できるように盾を出そうとしていた時にコレだ。

体格なら俺の方が大きいので誤解していたが彼女はLv5の最上位

俺が力負けしても何も不思議では無いが…

誤解していた、いやまだ理解しきれていない。

ここはオラリオ、体格などなんの判断基準にもなりはしない。

ステイタスのみが判断基準として成立する事を改めて知る。

 

「ふん!」

 

シャクティはひっくり返したレイの体に拳打つ

 

「ぐはっ!」

 

拳を腹にモロに喰らい、吹き飛ばされる。

 

どうにか着地しようとするが衝撃が思ったより強く地面を何回転かしながら着地をする。

 

着地した姿勢から立ち上がり、シャクティの位置を確認しようとした前を見た瞬間。シャクティが目の前に来る。

 

「まじかよ!? 四番()!」

 

左腕に盾を作成、目の前に盾を構える。

 

「ふっ!」

 

大降りに振られた槍をどうにか受け止め…切れない!?

 

「くっ!」

 

俺は受け止めきれないことを察知した瞬間、盾を壊しながらさらに後ろに後退。

どうにか槍を避ける。

 

剣も盾も壊しながら戦う羽目になるとは…筋力お化けかよ

シャクティのバカげた力にそんな感想を抱く。

 

「先に言っておく、私は一応手加減するつもりだった。だがお前は本気で来いと言った。だからそれに全力で答えよう。」

 

シャクティは先程と変わらず、槍を構えながら俺に話しかけてくる。

 

「だからお前も全力で来い。出し惜しみなどするなよ?」

 

一瞬ゾクッとする。

これが第1級冒険者。オラリオの上澄みの派閥の団長か…

すげぇな。本当に…!

 

だが俺はこいつらを超えていかなきゃならない。英雄(ベル)の隣に立ち一緒に歩むためにはこの程度じゃ足りねぇ。

 

だがどうする?このままじゃあ勝ち目なんてない。

しかもその前に…

 

(大賢者、俺が《纏》を使える時間はあと何秒だ?)

 

(112秒)

 

まぁそんなもんか。想像よりは使えそうだが…

これは今の状態を維持するならって話だ。魔法でも使えばゴリゴリ減っていくだろう。

だが魔法を使えないならこのまま押し切られるだけ。

それなら自滅覚悟で行こう。

 

俺が方針を決めるとシャクティがまた問いかけてきた。

 

「作戦は決まったか?なら見せてみろ」

 

シャクティのその言葉に反応するように俺は自分の魔法を解放する。

 

「《サンダー・ボルト》」

 

瞬間、俺の全身を電撃が纏われる。

 

「エンチャントか…なかなかいい雷だな。だがそれでも私には通用しないかもしれないぞ?」

 

ああ、その通りだ。これでもシャクティに通用する保証は何処にもない。

だから…いつもよりもっと集約する。

 

俺は全身の雷を全て片腕に集約させる。

 

 

今までの俺は最大でも5割程度の雷を集約させることしかしなかった。それで充分だったし、それ以上使えば精神力が減りすぎて自滅しかねない。

だが今なら!

 

相手は格上、しかも俺たちがやっているのはあくまで模擬戦。

ならば試せる。最大火力の雷の全ての威力を!

 

一番()

 

俺は片腕に闇の権能を用いて剣を作成。

その剣に雷の全てを付与。

 

中腰になり剣を構える。

それに合わせてシャクティが槍を前に構え直す。

 

「いくぞ」

 

 

「こい!」

 

俺は全力で加速しながら、シャクティに向かう。

シャクティもそれを見て、ほぼ同時に加速。槍で剣を受けようとする。

 

思えばこの世界に来て初めて必殺技と呼べる攻撃かもしれない。

 

確か必殺技の名前を唱えれば威力が上がるんだっけかな?

 

ロキがアイズに言っていた事を思い出す。

ならば俺もそれに習うとしよう。

 

雷鳴(ブロンテス)

 

そう唱えながら、雷鳴を纏った剣を振り抜く。

その瞬間、轟音と共に雷がシャクティに向かって放射される。

 

 

 

 

「はぁはぁ…はぁ」

 

剣を縦にして杖のようにしながら、なんとか立つ。

この技は精神力をかなり消耗するな…

《纏》ももう切れてしまっているようだ。

 

さてシャクティはどうだ?少しはダメージを与えられただろうか。

そう考え、攻撃の余波で土煙が立っている、方を見るがシャクティがいる様子はない。

もしや倒してしまったのではないか?そう心配したがその心配は徒労に終わる。

 

「凄まじい一撃だったな」

 

土煙の奥からシャクティがでてきた。

 

「ははは、まともに受けてその程度ってマジですか?」

 

シャクティは戦闘装束(バトル・クロス)こそ焦げてはいるが、傷は焼け傷が軽めについている程度だった。

 

「そう落胆するな。お前の一撃は間違いなく私に通じる一撃だった。だが…私としてもさすがに身の危険を感じたのでな。完全に受けるのではなく、少し後退し回避したんだ。」

 

回避しようと思って回避出来るのもそれはそれで傷つくな…

そんな俺の感情を無視してシャクティは話を続ける。

 

「まぁ君の実力は充分みせてもらった。これで終わりにしてもいいのだが、どうする?」

 

模擬戦を続けるかどうかか…そんなのもちろん続けるに決まっている。

この状態でもやれることはある。

 

「もちろん続け…」

 

そう返事をしようとするが、体が前に倒れる。

 

(やば…)

 

どうにか姿勢を戻そうとするが、それも出来ず前に倒れる。

 

「お、おい!大丈夫か!?」

 

シャクティの声が聞こえるが、それも聞こえなくなり俺の意識が落ちる。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「精神疲労か…」

 

口元に手を当て呼吸ができていることを確認するとシャクティが倒れた理由に当たりつける。

 

「それにしても…化け物じみた力を持っているなこの少年は」

 

長く戦えないと言っていたことから彼の白髪になる力は精神力or体力、もしくはその両方を使う強化なのだろうとシャクティは考えていた。

ここまでならば持っている冒険者(同業者)はいる。

有名な人物で言えば、ヒリュテ姉妹のバーサク、フィンのヘル・フィネガスもその1種だろう。

だが彼の力はその上がり幅が1Lv、もしくはそれ以上のステイタスの強化がされていた。

 

「それゆえのデメリットがあるかもしれないが、それでもこの力は強すぎる。」

 

今はLv3だからいいだろう。

だがLv4、Lv5にでもなったら?この力はどんな相手にも通じる力になるだろう。

 

 

「敵にならないのを祈るしかないか」

 

もしくはガネーシャ・ファミリアに入ってもらうのも良いかもしれない。

後でそれとなくガネーシャに聞いてみるか…

 

そんなことを考えたシャクティだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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