ダンまちの世界で生きてみた。   作:排他的経済水域

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メリークルシミマス!


3章
第25話 交渉


「お願いだと?」

 

「ええ、お願いですね、ところで愚者(フェルズ)さんはどこに?」

 

説明の手間も省けるので、できるなら一緒に説明したい。

 

「…フェルズ?一体誰のことだ?」

 

んー?ウラノスが愚者(フェルズ)を知らないはずないんだけどな〜?

異端児(ゼノス)達の存在をガネーシャが知っているってことはウラノスが知らないはずないし、つまり愚者(フェルズ)の事を知らないはずないんだけど…ガネーシャとイルタにはまだ愚者(フェルズ)の事を知られたくないってことか?ならそれに配慮するべきだろう。

俺としてもこれから話す事は人に聞かれたくない。

 

「あー、神ガネーシャ、イルタさん。ここまで連れてきてくれてありがとうございます。悪いんですが、あとは俺と神ウラノスの1対1で話させてくれませんか?」

 

「俺から事情を説明しなくていいのか!」

 

「ええ、あとは俺一人で大丈夫です。」

 

ここに残ってもらっても、俺もウラノスも聞いて欲しくない話が多いからな。

 

「なっ…そんなこ「ガネーシャ、了解!」」

 

「いいのか!?ガネーシャ」

 

「ああ!!レイの願いはウラノスに会わせるところまでということらしい!本人の意思を俺は尊重しよう!なぜなら俺は群衆の主!ガネーシャなのだからな!」

 

「さっ!行くぞ。イルタ!」

 

「お、おい待てガネーシャ!」

 

群衆の主とその眷属が俺たちが入ってきた扉へと姿を消す。

 

「さて、1対1になったところで…愚者(フェルズ)には会わせてくれないんですか?」

 

「…何度も言わせるな。フェルズとは誰だ?」

 

うーん、まだシラを切るか、面倒だし俺の持ってる情報を多少開示しよう。

 

「はぁー、あんたの唯一の私兵、永遠の命を得て骨になっちまった、賢者の成れの果てだよ。そっちこそ何回も言わせないでくれ」

 

愚者(フェルズ)は今居ない。」

 

お、愚者(フェルズ)がいることを認めてくれたか。

 

「…貴様は何者なのだ?」

 

何者…か。うーん前世にしても今世にしても特に何物でもないんだよな。

 

「俺か?俺は…ただの人間(ヒューマン)だよ、無力なくせに身に合わない願いを求めているただの馬鹿野郎だ。ただしこれから起こる事件を知っている。それだけだ」

 

「その願いを叶えるために、あんたの力を貸してほしい。」

 

ウラノスはレイの目を見続けながら、少し考える。

 

「…それを助けて、私になんの得がある?」

 

得か、都市が助かるってだけじゃ足りないよな…信用のない俺がそんなことを言ったところで信じてもらえるはずもない。

 

「俺があんたの私兵になってやる。」

 

今俺が交渉できる賭け金(チップ)は俺自身しかない。

今はこれがベストだろう。

 

「生憎、私は私兵をもたない。」

 

あー、そうか表向きはそうなんだよな。ならそれを暴こう。

 

「いいや、あんたは私兵を持っている。愚者(フェルズ)異端児(ゼノス)そしてヘルメスとの協力関係。そこら辺のファミリアなんて目じゃない戦力だ。」

 

愚者(フェルズ)のことの上に異端児(ゼノス)の名前をだすことでウラノスにかすかに動揺がはしる。それをあえて無視しながら話を続ける。

 

「だけど、それでも都市の2大派閥(ロキ、フレイヤ)には勝てない」

 

事実、ウラノスの派閥の最高戦力は現状、リドやグロスのLv5程度の戦力しか有していない。

Lv6のロキ、フレイヤの派閥幹部には到底勝てない。

Lv6の戦力が欲しい。ウラノスたちは少なからずそう思ってるはずだ。

そこに付け入る隙は必ずある。

 

「俺が、そいつらへの切り札になってやる。勝てるとは言えない、だが確実に抑止力にはなれるはずだ」

 

「Lv3の貴様がか?」

 

もっともな疑問だろう。だから俺はそれに説得力を持たせる方法を持っている。

 

「俺には早熟するスキルがある。俺はこのスキルで他の冒険者とは隔絶的な速度で早く成長している。」

 

俺のスキルを全て開示する気は無い。

だが早熟するスキルである英雄追想(ベル・クラネル)はこれから明かしておいて損するものじゃない。むしろ明かすことで俺の言動に説得力を持たすことができるだろう。

 

「希望的観測になってしまうが、Lv4、Lv5、Lv6となっていけばあんたの役にもたつはずだ。」

 

今ここで戦力になれると言えるのはあくまで未来の話だ。

今の俺には戦力になれるような強さはない。

 

「俺からあんたに出せるのは、これから起こる事件の大まかな内容と俺という戦力、それだけだ。」

 

「私に何を望む?」

 

「情報が欲しい。ダンジョンでの異変などの情報が俺にはない、だからその情報を今後提供して欲しい。情報が貰えたらその都度俺が知っている関係ある情報をあんたらに教える。」

 

今全てを明かすことは出来ない。ベルやアイズ、ロキ・ファミリアの成長の機会を奪うことは絶対にしたくない。

 

長い沈黙の後ウラノスが口を開く。

 

「貴様の目的はなんだ?」

 

俺の目的か…この世界に来てこれだ!って目的は…うーんあれだな。

 

「ダンジョンの完全攻略、黒竜の討伐、そして俺が気に入ってる人達を護ることだな」

 

「…」

 

返答は沈黙。ならもう一押ししよう。

 

「もちろん、それには異端児(ゼノス)も含まれてるぞ」

 

「…!?」

 

「俺は異端児(ゼノス)たちと仲良くしたい、笑い合えると信じてる」

 

散々言っているが、異端児(ゼノス)とは友好関係を気づきたいと考えている。戦力としても、俺個人の感情としても、そして未来の英雄(ベル・クラネル)の選択を大事にしてやりたい。

 

「まぁ、向こうからは拒絶されるかもしれないが、それはそれだ。」

 

少しの沈黙の後、ウラノスがまた口を開く。

 

「貴様の持つ情報の内容は?真実である証拠は?」

 

証拠か…うーん難しい。

開示する情報によっては嘘になってしまうんだよな。

敵の戦力や場所の情報とかはそこまで変わらないだろうし、その辺を開示していくとして。根拠は俺の能力ってことにしとけばいいだろうか

 

 

「これから起こる事件の概要、対策方法。証拠は…俺の能力かな?」

 

「能力?」

 

「ああ、俺は未来を知っている。全てでは無いけどな」

 

嘘では無い、本当に断片的な未来を知っている訳だしな

 

「……」

 

愚者(フェルズ)…出てこい。」

 

「いいのか?ウラノス?」

 

「ああ、隠すことは無意味のようだ。」

 

あーやっぱりいた。

ここで引き篭ってまで外部との接触を避けてるウラノスが護衛も付けずに(不安要素)と会うとは思えなかったんだよな。

 

「驚かないのか?」

 

「何に?」

 

「私が骨とローブだけの事にだ。」

 

まぁ元から知ってますし

 

「それの何が?」

 

「なっ…!」

 

そんな俺の返事に愚者(フェルズ)は少し驚く。

まぁ骨だけの姿に驚きもしない人間なんていなかっただろうしな。

まぁこの驚きをありがたく利用させてもらおう。

 

「だから言ってるだろう。俺には未来の断片がわかる。当然あんたのことを少なからず知っている。」

 

「ほう?例えば?」

 

愚者(フェルズ)が質問してくる。まぁ当然だはな

 

「あんたの能力、ステイタス、交友関係、どんなことをどのくらいできるか?ぐらいはある程度知っている。」

 

「すごいな、それはどの程度正確でどの程度まで見れるんだ。」

 

愚者(フェルズ)がさらに質問してくる。

 

「簡単に言えば俺未来の断片を知っているってところか?これから先何が起こってその先でどうなるのかを知っている。」

 

ここで喋ることは本当であり嘘である必要がある。

慎重に言葉を選ばなくては

 

「ただし、それは俺が関わらない場合しか見えてない。俺が関わった場合は分からないんだ。だから未来の断片ってところだな」

 

「それでも凄まじい権能だな。それが本当ならば」

 

愚者(フェルズ)がウラノスを見る。

ウラノスは厳かな様子で頷いている。

よし、嘘発見器には引っかからなかったな。

さらに畳み掛けるぞ

 

「なら試しにこれから起こる事件の概要を伝えよう。」

 

「ほう?」

 

俺は食糧庫(パントリー)出起こる事件を話すことを決める。

直近で起こる問題だし、ヘルメス・ファミリアも助ける必要があるしな

利用させてもらおう。

 

「それの制圧に力を貸してほしい。」

 

「「聞かせてもらおう」」

 

愚者(フェルズ)とウラノスが同時に返事をしたことを確認し俺は事件の詳細として欲しいことを言う。

 

1時間程度の説明と作戦会議を終え、とりあえず今回の協力は取りつけることが出来た。

重畳、重畳。

さて次はベルだな。

 

酒場で先に帰った件を謝って置かないと

 

 

 

 

 

 

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