目を覚ますと、2週間毎日見ている天井が見えた。
この世界でもう半月も過ごしているのに、感覚ではとても短く感じている。まぁ前世の世界じゃ1年すら短く感じていたので、それに比べれば可愛いものかもしれない。それにこの世界に来てからの生活はとても充実しているので短く感じるのは、当然なのかもしれない。まぁダンジョンに行って、ダンジョンから帰って、ダンジョンに行っての生活だがそれでも充実しているということには、変わりないだろう。俺は別にこの世界で何かを遂げたいという目的はない。せいぜいベル・クラネルと仲間になって英雄となるところ見届けたいくらいだろうか?あとは推しと仲良くなれたら嬉しい?かな、だが仲良くなれる自信はない。推しと喋れる自信すらない。まぁ会おうと思えば会えるんだよな推しと……ちょっと行きたくなってきたな。まぁ行く予定ではあるんだよな、ベルと確定で会える場所ではあるし、まぁ今は強くなるのが最優先。頭を切りかえ、ダンジョンに向かう準備をする。顔を洗い、昨日買った武器の装備を身にまとい入口の鏡の前に立つ。改めて見るとなかなかかっこいい気がする。前世ではあまりオシャレに気を使っていなかったし、今世では気を使おうかな…まぁ冒険者という役職上最低限しか出来なそうだが。そんなことを考えつつ、俺は扉を開けてダンジョンに、その前にギルドに向かい、エイナさんに挨拶と装備の話をする。
「おはようございます。エイナさん、約束通り装備買ってきました。」
と買ってきた装備を見せる。エイナさんはクスッと笑い
「わざわざ見せに来てくれたの?」
「あっ、確かに装備を見せるだけなら帰りでも良かったですね笑」
別にわざわざ見せに来なくても、ギルドに来るついでに済ませればよかったのだ。そう考えると恥ずかしくなってきた笑
「でも話しておきたかったこともあったし、ちょうど良かったね」
「そうなんですか?」
エイナさんからの話…これはお叱りか?昨日の今日で怒られるようなことはしてない気がする
「もうすぐロキ・ファミリアが遠征から帰還する時期だから、興味があっても喧嘩うったりしないでね?レイくんに限ってそんなことは無いと思うんだけど。」
なるほど、大派閥への注意喚起か、こう考えるとギルドの人ってやること多くて大変だよな、しっかしさすがに喧嘩売るつもりは無いが少し見てみたいな。アイズとかどんくらい可愛いんだろ?
「さすがに喧嘩売ったりはしませんけど、確かに興味はありますね」
「かなり前に大派閥の主神に話しかけて反感をかって、都市外に追い出されたファミリアもあるんだから本当に気をつけてね?」
背中に冷や汗が垂れる、僕そのファミリア知ってます。多分半年後くらいに喧嘩するファミリアですね…
「それと絶対ソロでこれ以上の階層には潜っちゃダメだからね!最近中層のモンスターが10層まで上がってきたっていう報告も来てるから本当に。」
という厳命をもらいつつ、ダンジョンへ送り出される。今日は元々8階層程度で装備を試す予定なので潜らないが、いつかは潜るのでこの厳命は半々程度に聞いておくことにする。
挨拶を済ませたせいで少しいつもより遅れてしまったので駆け足でダンジョン入口に向かい、ダンジョンに入る。
レイがダンジョンに向かったあとのギルド、昼休憩での会話
「エイナなんか嬉しそうだね?」
彼女の親友である。ミィシャ・フロットがエイナに声をかける、どうやら親友の機嫌が良いことが気になったらしい。
「そう?さっきレイくんが来てね、昨日買った装備を見せてくれたの」
「あーあの黒髪の人?Lv2だっけ、18歳なのにすごいよね。礼儀正しいし」
「うん。確かに礼儀正しいんだけど、なんというかいつも敬語で取っ付きづらかったんだけど、今日は嬉しそうに装備を見してくれてね、なんというか初めて年相応の反応を見せてくれた気がして、多分それが嬉しかったのかな?」
エイナがレイとの会話内容を話すとミィシャがジト目でエイナを見る。エイナがその反応に対して、
「な、何?」
と反応すると、
「いや〜、エイナってもしかして年下好きなのかなーって。ほら例の弟くんとも仲良いし」
「なっ!?そういうのじゃないよ!ただ少し仲良くなれた気がして嬉しかっただけ!ベル君とも担当冒険者ってことで話す機会が多いだけで、レイさんともこの前注意した時のつながりで話だけだし!」
と勢いよく否定するエイナを見て、ミィシャは面白く感じたのか、茶化そうとするが、少し考えて別の話する。
「でもエイナやっぱりあんまり冒険者の人と仲良くするのは気をつけた方がいいよ?」
「うん。でも私に出来ることは全部やっておきたいの、前みたいな思いは後悔したくないし」
「そっか、頑張りすぎないでね?」
冒険者というのは命懸けの職業である、モンスターを狩ると言うことはモンスターに狩られるか可能性も当然あるということ、しかもダンジョンはただでさえ
今思えば彼は普段は落ち着いているが、ダンジョンではどうなのだろう?と思った、いや彼だけでは無い、ベルやほかの冒険者であるドワーフのドルムルやエルフのルヴィスも地上と地下では変わってくるのだろうか?そんなことを考えてると昼休憩の終わりを先輩が告げに来た。
「エイナ、ミィシャそろそろ昼休憩も終わりだ、前に出ている奴らと変わってやってくれ」
「はい、分かりました、ほら行くよミィシャ」
隣の親友に声をかけ頭も切りかえて仕事に移る。
ダンジョン8階層
「ほい!」
勢いよく縦に《アニール・ブレード》を振り、キラーアントを両断する。想像よりも軽く切れて少し驚いた。これが切れ味の差か。自分で《闇の権能》で作った剣と重さくらいしか違わないのに、格段に戦いやすくなったことを実感できる。これはスティレットにも期待できそうだ。
目の前からウォーシャドーが2匹、キラーアントが1体出てくる、
キラーアント>ウォーシャドー2
発見した瞬間即座に倒す優先順位をつける。こうすることで迷うことなく攻撃できる、この2週間で効率よく狩るために考えて身につけたことの一つだ。ただ多勢に無勢なのは変わらない、しかし距離は5Mほどあるこういう時は…
《サンダーボルト》
魔法を行使する、その瞬間手に雷が発生そのまま雷がキラーアントに向かって放出されキラーアントを焼き尽くす、ただ出した雷の量が多すぎてそのままウォーシャドーも焼いてしまった…
「やっぱり火力調整が課題だな、放出はかなりスムーズにできるけど」
出しすぎは今はまだいい、魔力の消費も多くなるし、味方がいた場合巻き込んでしまう危険性もあるが、今のところはどちらもそこまで気にしなくていいことだ、ただ火力が小さかったりして倒せないと問題なのでそこは気をつけることとする。ちなみに《サンダーボルト》は
「まぁSSなんてステータス他の人間じゃ出せなさそうだし、それだけでもでかいけどな…」
自分のステータスについて考えてると下からいきなり大きな振動がきた。
いきなりの振動に驚きながら周りを警戒する、周りには何も起きてない
つまり音と同じ下の階層で何かあったということだろう。
俺は走って下の階層への階段に向かう、向かう途中大きな足音が何個も聞こえて来た、その音に気づいてた瞬間横のルームに移動先を変える。
ルームの真ん中に立ち警戒しつつ原因を考える。
「今日あたりはロキファミリアが遠征が帰ってくる時期、そしてベルが最初に襲われたミノタウロスは、ロキファミリアのミスで上層まで進出してきたはず…」
つまりこの音は大量のミノタウロスがロキファミリアから逃げている音だろう、
作戦1ここで俺が一体のヘイトを買って戦う。
《リスク》ベート、アイズと鉢合わせる可能性あり、ベルが襲われるのが無くなる場合がある
却下だな、ダンまちが始まらないのはやだ。
作戦2 このままこのルームでミノタウロス、ロキファミリアが去るのを待つ。
《リスク》Lvアップの機会が無くなる
多分これが最善だな、Lvアップの機会はまた作ればいい。それこそ中層の最初で戦っていればあがるだろ。よし、作戦2で行こう、方針を決めルーム内で警戒しながら息を潜める…何体ものミノタウロスの足音が階段の方で走っていく。その後2体ほどこちらの方に向かって……向かってきてる!?えーなんでこっち来るの…ミノタウロスの走る足音がこちらに近づいて来る。俺は身を潜めるのをやめて、作戦1に切替える、ここでミノタウロスから隠れ切るのは無理だ、俺は身を隠す道具をもちあわせていないならいっその事本気で対抗した方がいい、負けそうになったら後ろから向かってきているフィンたちの方に助けを求めればいい。そう俺は頭を整理して目の前の通路から来るミノタウロスを迎え撃つ準備をする。怪我はない、武器は新品同然、ポーションは4本、魔力にも余裕あり、奥の手もある、万全に近い。よし、いける!
そう思い覚悟を決めている間に通路からミノタウロス2体が顔をだす。
ミノタウロスがルームに入った瞬間俺は《闇の権能》で入口を塞ぎ、色を変えて洞窟とおなじ色にする、ミノタウロスが驚いているがすぐに目の前の俺に視線を向けてくる。
よし、これでベートが匂いに気づく心配はない匂いがあろうがその先に道がなければいくら第1級冒険者でも気づければしない。案の定2人は気づかず上の階層の階段に向かっていく音がする。よしこれで邪魔は入らない、目の前のミノタウロスに意識を向ける、2体とも外傷なし、走ってきたことで少々疲れている程度だろうか、今の俺は間違いなくLv1のベルと同程度がそれ以上、ミノタウロスはベルと戦った個体よりは確実に弱いだろうだがミノタウロス自体が単体で俺と同じか俺以上、勝てる可能性はかなり低いのかもしれない、でも何故か怖くない、それ所かワクワクしているかもしれない。ミノタウロスがこちらを涎を垂らしながら見ている当たり前だろうさっきの鬼のように強い冒険者から、自分達と同格かそれ以下の冒険者に変わったのだ、ジリジリと近づいてきているようにも見える。
ならばこちらも全力で御相手しよう…
「さあ、冒険をしようか」
俺の一言を境にミノタウロスが2体同時に突進してくる。俺もミノタウロスに向かい疾走し、《大賢者》の身体操作補助を起動、魔法を唱える。
「サンダーボルト!」
威力重視、射程や範囲なんて考えない。
ミノタウロスは少し皮膚が焼けた程度…なら!
ミノタウロスの懐に潜り込み、《アニール・ブレード》で腕を切りつける、切断まではいかずとも、多少動きを阻害出来ればいい。その間、もう一体のミノタウロスに向かい《闇の権能》を使用。足を拘束し転ばせる。
その瞬間目の前のミノタウロスから拳を振り下ろされ、これを《アニール・ブレード》で受けるが、受け止めきれず右腕に《アニールブレード》が刺さり、拳の衝撃が腕に奔る。俺は歯を軋ませながら、思いっきりミノタウロスの拳を弾く、ミノタウロスが仰け反っている間に怪我をしていない左腕で腰から《スティレット》を取りミノタウロスの腹に刺す、そのまま、あの時の
「
ミノタウロスの体内を焼き尽くす、魔法を受けたミノタウロスは口から血を吹き出す、が倒れないまだダメージが足りてないのか?なら!
「サンダーボルト!!」「サンダーボルト!!」「サンダーボルトー!!」
3度の最大火力の魔法によりミノタウロスが倒れる、倒れた瞬間に《スティレット》を引き抜き胸の辺りの魔石目がけて《闇の権能》で作成したナイフで刺し込む、ミノタウロスが砕けた魔石と灰に変わる。
次だ。
拘束しておいたミノタウロスに視線を向ける、ミノタウロスは拘束をとき立ち上がり始めいた。対する俺は先程の攻防で右肩が少し上がりづらい、魔力もかなり使った。ならば《
《闇の権能》
道を偽装するための《闇の権能》が消える、そして俺の背後に5本の剣をでる。その剣をミノタウロスの向かって射出する、2本弾かれ3本がミノタウロスの両足に刺さる。ミノタウロスが止まった瞬間に疾走、ミノタウロスの角をつかみ跳躍、ミノタウロスの頭上に来る、今使える《闇の権能》を集約。1本の槍を作るそれをミノタウロスの、頭、目掛けて投げミノタウロス体を串刺しにする、ミノタウロスが叫びながら頭上の俺の腹にツノを刺し振り回す。
「くっ…そが!さっさと死ねぇ!《サンダーボルト》!!」
槍に最大火力の雷を流しミノタウロスの体内を焼き切る。ミノタウロスは倒れ魔石と灰に変わる。それとほぼ同時の俺の体も膝をつく、息が切れる、頭がクラクラする。腹と腕の傷が痛ってぇ…これやばくないか。死ぬかも…とりあえずポーションを1本飲み、腹と腕に1本ずつかける、血は出なくなって動けるようになったがまだまだ体が軋む上、重い、
ステイタス
Lv1
力S994⇒SS1081
耐久B720⇒A851
器用SS1028⇒SS1091
敏捷SSS1189⇒SSS1199
魔力B703⇒A846
ランクアップ可能
発展アビリティ、精癒or耐異常
《魔法》
【サンダー・ボルト】
詠唱 なし
・付与魔法(エンチャント) 威力調整、部位調整可能
《スキル》
【神の偽能】・ステイタス更新を自分で可能
・ステイタスを刻んでいる人間のステイタスを視認可能
【大賢者】・地図、思考加速、身体操作補助、並列思考、思考補助
【英雄追想】・成長速度を対象にしている人物と同じになる。
【闇の権能】・装着時全能力上昇、闇の触れたものの感覚を共有可能
・自由に闇の姿形を変更可能、削除作成自由
どうやらランクアップが可能らしい。渋る理由もないのでランクアップをする。
ステイタス
Lv2
力I0
耐久I0
器用I0
敏捷I0
魔力I0
発展アビリティ 《精癒》
となる、新スキルなどは無いらしい。発展アビリティはレアな精癒を選択した。これで帰還分の魔力は確保できることを願う、まぁそれはいいとして、当初の目的は達成することが出来た、あとは帰還だけだ。そう楽観的に考えつつ、ある程度体が動くようになったので立ち上がりミノタウロスの魔石を回収する。そして出口に向かおうと足を進めると、目の前から足音が聞こえてきた。ロキファミリアか?そう思い多少警戒しながら歩みを進めると奥からとんでもなく濃い血の匂いがした…違う、この足音は
目の前の洞窟の暗がりから血濡れた毛皮の後ろに黒い塊の着いている犬が出てきた。
補足、レイは今のところ精神力《マインド》消費を抑えるために《サンダーボルト》を速攻魔法のように使っています。Lvが上がってきたらずっと付与できるようにするつもり。
闇の権能の効果を使用時ではなく、装着時にしました、ちょっと解釈違いがあったので、急な能力変更すいません。