ダンまちの世界で生きてみた。   作:排他的経済水域

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誤字指摘、感想よろしくお願いします。


第7話 昇華Ⅱ

ダイダロス通りの地下、現在は闇派閥(イヴィルス)が潜伏している、名工ダイダロスの一族が生涯をかけて作り続けている人造迷宮クノッソス、その中を歩いている1人の女がいた、毛皮付きの長外套(オーバーコート)を羽織い、左手にはミスリル制の球体、背中には歪な大剣を背負っている、彼女の名はヴァレッタ・グレーテ、闇派閥(イヴィルス)の幹部をしているLv5だ。そんな彼女に1人の白い装束を身にまとった男が話しかけた。

「ヴァレッタ様、報告がございます。」

 

「んあ?なんだよ、私はタナトスに用があるんだ、早くしろ」

 

「はい先日、ミュラー様が作った異質怪物(キメラ)の件なのですが」

 

「あのクソガキの作ったバケモンがどうしたんだよ?」

 

「実験で作られたモンスターの失敗作のヘルハウンドと食人花、バトルボアを合成したキメラが脱走してしまい、中層の入口から上層の方へ逃げたようで」

 

「あ!?それが見つかってフィン達に怪しまれでもしたら、どうするんだ!?さっさと殺してこい」

 

「いえ、そうしようとしたらミュラー様が「失敗作だから1日もしたら灰と魔石になるからいい」とおっしゃっていて」

 

「あの糞ガキの野郎勝手にしやがって…まぁいいならもうすぐ死ぬんだな?」

 

「はい、逃げ出したのが昨日ですのでもうすぐ死ぬかと、ただ失敗作とはいえ《Lv3の冒険者》程度なら殺せるレベルのモンスターらしいので一応ヴァレッタ様に報告をと」

 

「まぁ、冒険者が何人死のうが関係ねぇしな、見つかったとしても、ダンジョンの謎として処理されるだろ、一体程度なら」

 

「わかりました、では予定通り放置します。」

 

男が報告を終え、通路の奥へと消える

 

ヴァレッタは全てを察することすら可能としそうな自分が憎み殺したい(フィン)を思い浮かべ殺意を抱きながら、キメラが多くの冒険者を殺すことを思い、タナトスの元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ…あの黒いヘルハウンド?」

 

正面からの見た目はヘルハウンドに見える、だがしっぽ付近には黒い異物がついているそして10M以上離れているにも関わらず、はっきりとわかる血の匂い、その匂いと見た目を見た瞬間全身に鳥肌がたった、レイは軋む体を起こし動ける体制をとったその瞬間《キメラ》が口から炎を吐く、炎は容易くレイとの距離を瞬速で詰め眼前まで届く、が《大賢者》による身体操作補助、思考加速そしてレイ自身のレベルアップによる身体能力の上昇そのすべてを使って、最大限の警戒を払っていたおかげでどうにか届く寸前、《闇の権能》による壁を展開、炎を止めようとするが

容易くそれを貫通され、レイの左半身に炎が奔る。

 

「クッ!」

 

左腕が焼かれ皮膚が爛れた、痛い痛い痛い…レベルアップしていても先程の戦闘での怪我と今回での火傷、正直ボロボロだ、心が折れそうになる…だがそこで諦めたら終わりだ。そう心を奮い立たせ、キメラに向かって疾走する、キメラはそれに反応して炎を吐く姿勢になる、それを見て回避の準備をする予め予測していたため大きく横に回避する、ヘルハウンドと似た姿をしたモンスターはやはり炎を吐くのに貯めがいるらしい、モンスターと言えどやはり生物らしく制限はあるようだ、炎を吐いている間、キメラに接近し触れレベルアップにより強化された魔法を唱える

 

「サンダーボルト!」

 

キメラの体に雷が流れる、が効いている様子が全くといってない…

 

「まじかよ…なら!」

 

Lv2になったおかげで先程の戦闘(ミノタウロスとの戦闘)よりも体良く動く気がする、だがそれでもその力は全く通じていない。雷を流すだけではダメなら、雷を集約してぶつける。俺は《スティレット》を鞘から抜き、《サンダー・ボルト》の電気を全て右手に集中させ、《スティレット》に集約させ、《スティレット》キメラに切り付ける!

 

「せゃああああ!!」

 

切り付けた瞬間《スティレット》が折れ、集めた《サンダー・ボルト》が散る。

 

「はぁ?」

 

そんな間抜けな声が出た、殺せるとは思っていなかった、確実に今俺のできる最大火力ではあった、ならばダメージは与えられる!!そんな確信があった、だが現実は違かった。俺の全力の一撃はあっけなく弾かれ《スティレット》が折れた。嘘だろ…こりゃ無理だ、そんな声が自分の頭の中に

聞こえてきた、そして落ち込む隙もなくキメラの追撃が迫る。それに気づき既にやけどで動かなくなってきている左腕に、《闇の権能》を全力展開

してどうにか防ごうとするが、《闇の権能》で守った左腕に噛みつかれる

そしてスキル(闇の権能)を噛み砕かれ、こう投げ飛ばされて壁に激突する。

 

「ぐっはぁ…!!」

《闇の権能》での防御など無意味と思えるほどの隔絶的な差が俺とコイツ(キメラ)にはあることを今更ながら理解する…生物としての格が違う、

無理だ、勝てるわけが無い、早く逃げろ、そんな言葉が聞こえてくる気がする実際逃げるべきなんだろう、だが速さでも、力でも負けてる相手にどう逃げる…隙を作ろうにも作れるほどの余裕もない、ならばロキファミリアは?もうすぐこの階層に来るか?いや…こんな考えになってる時点で俺は負けている、能力でも精神でも負けている相手に勝てるわけない…ベル・クラネルはこれに勝ったのか、こんな圧倒的な絶望に?そりゃあ英雄になれる訳だ。

 

「ああ、しにたくない」

 

当たり前の感情なのかもしれないその生存本能を感じた、まだベルとすら会ってないのに2度目の俺の人生はここで終わるのか?アイズ、ベート、ティオナ、ティオネ、ロキ、フィン、ガレス、命、ヴェルフ、リリ、春姫、ヘスティア、アキ、ラウル、リヴェリア、ゼウス、フィルヴィス、レフィーヤ、アリシア、エルフィ、リーネ、ヘディン、へグニ、フレイヤ、オッタル、アレン、アルフリッグ兄弟、ヘルメス、アイシャ、アスフィ、ルルネ、タケミカヅチ、桜花、千草、イシュタル、レナ、サミラ、ダフネ、カサンドラ、フェルズ、ミィシャ、ウラノス、ヘファイストス、椿、ガネーシャ、シャクティ、デメテル、ディアンケヒト、アミッド、ゴブニュ、アルテミス、モルド、アポロン、ヒュアキントス、ソーマ、アレス、アストレア、ニョルズ、カーリー、アルガナ、バーチェ、アフロディーテ、プロメテウス、イリア、エピメテウス、ヘラ、ミア母さん、シル、アーニャ

クロエ、ルノア、リュー……

 

「ああ、くそっ死にたくねぇ!」

 

まだ始まってすらいないのだ、この世界の物語は、なのに今死ねるか?

 

死ねるわけがない!

 

会いたいヤツらが山ほどいる、

隣で一緒に戦いたいやつ(ベル・クラネル)がいる、

諦めてたまるか!

絶対に生きて帰ってやる!!ならどうする、

魔法は通じず、剣も弾かれ、攻撃が全く通じてない。

今のステイタスではどうやっても勝てないだろう。

今のステイタスなら?奥の手ならある、まだやってないことがある、なら全て出し切ろう。

可能性はゼロに等しいだが、やらなければゼロのままだ、ならやってやろう最後まで足掻き続けてやる!!

覚悟を決め目の前にいるキメラに目を向ける。

やつはこちらを見て動かない、そして気のせいか笑っているようにすら見える。完全に加虐者の目だ。俺の行動を見て楽しむ気か?

 

「クソが」

 

でも都合がいい、とことんやってやる、残っている最後のポーションを飲み奥の手を使う。

 

《闇の権能》装着

 

そうスキルに命じ俺は《闇の権能》を体に纏う。変化は少ないだがこのスキルは自分に纏っている間全能力が上昇する。火傷で動かない左腕もスキルを纏い無理やり動かす。さらに

 

《神の偽能》使用。ステイタス更新。

 

 

力が100、耐久129、器用115、敏捷215、魔力123上昇

 

 

「さあ、行くぞ、犬っころ!」

 

そう言いながら俺は疾走する。キメラはそれを見て炎を吐く準備をする、そこまでは俺も先程の戦闘で予測済み、炎を吐く瞬間に左に跳躍し避ける、スキル(闇の権能)とステイタスアップのおかげで先程よりは動きやすい、着地の瞬間、足に最大限の力を入れ前に跳躍、キメラに迫り、《アニール・ブレード》を抜き、それを《闇の権能》で保護、さらにその上から

《サンダー・ボルト》を使い火力をあげ、それにキメラに向かって振り抜く。

 

「はぁあああ!!」

 

キメラにはほぼ刃が通らず、薄皮が1枚切れた程度だった。普通ならこの圧倒的な差に絶望するのだろう、だが俺の場合ここからだ。

 

《神の偽能》使用ステイタス常時更新

 

力24、敏捷21、魔力15上昇

 

まだ足りない、振り抜いた勢いを利用し回転、キメラの後ろの触手からの攻撃をどうにか避け左手でキメラの横顔を殴る!!

 

「シッ」

 

キメラはそれをまともに受けるがダメージはほぼなし、逆に殴った俺の手が痛い。

 

力21、器用28上昇

 

キメラが炎を吐く姿勢をしたような気がした。

《サンダー・ボルト》を足に纏いキメラが炎を吐こうとする瞬間の頭目がけて踵を落とす。

タイミングがよかったおかげてキメラの口の中で炎が暴発、余波で俺も吹き飛ばされるが、キメラは口の中で炎が爆発しダメージを負っていた

 

力5、器用12、耐久31、魔力34上昇

 

俺の方も元からボロボロの体が吹き飛ばされたせいでさらに傷ついた。

だがその程度だ、まだ生きている、まだ戦える、気合いを入れろ、相手を殺すことだけ考えろ!!

 

俺は再びキメラに向かって攻撃を始める。

何度も何度も攻防を繰り返す

キメラを殴り殴られ、蹴り蹴られ、炎を吐かれようが何度もギリギリでよけ、ひたすらに戦い続ける、何回でも何十回でも、切りつけ、殴りつけ、魔法を放つ、その度に噛まれ、炎を吐かれ、触手を叩きつけられる、

最初は5回のうち1回の反撃、それが4回のうち1回、3回のうち1回、2回のうち1回、そして1回のうち1回と変化していく、戦えている、戦えるようになっている。精神力(マインド)はほぼゼロ、《精癒》のおかげでマインドダウンにはならない。

傷はないところを探すのが難しい、だがそれは相手も同じなら勝てる!!そう思ってしまった……

俺は油断し一瞬の隙を疲れ左腕を触手に捕えられる、どうにか《アニール・ブレード》で触手を切り離そうとするが、その前にキメラに右手を噛まれ、噛み砕かれ投げ飛ばされる、壁に激突した瞬間意識が飛びそうになるが何とか耐える。立ち上がろうとするが上手く立てない。何故だ?キメラに目を向けるとキメラの横に剣を握っている腕があった…そうか切り離されたのか、他人事のように自分が右手を失ったことに気づく。

それでも立ち上がろうとするが立てない…キメラはゆっくりと近づき、

膝を着いている俺に止めを刺そうとしてくる……

 

心の中で少年(ベル・クラネル)少女(アイズ・ヴァレンシュタイン)の声が聞こえた。

「人は隙を見つけると、動きが単純になることがある。」

 

「止めの一撃は、油断に最も近い。」

 

「追い込まれたその先が、一番の好機にもなる。」

 

少年が刻んだであろう言葉が、それを読んだ俺の中にもたしかに残っていた。だから((ここから))

 

キメラが噛み砕こうとする瞬間俺は残っている左手に全てを注ぎ込む、スキル(闇の権能)魔法(サンダー・ボルト)、限界まで上げたステイタス、その全てを左手に集約。そして眼前に迫ったキメラの顔、その口の中に腕を突っ込む。

 

「せゃああああ!」

 

 

キメラは瞠目し俺の腕を噛み切ろうとする、関係ない!

そう覚悟を決め魔力を解放する、精神力(マインド)を使い切る勢いで思いっきり全力で魔法を使い、腕を振り抜く。左腕を噛まれながら壁に思いっきり叩きつける!だが、まだ生きている、なら《闇の権能》の集約を一瞬だけ解除、すぐに剣をイメージして形を形成、それをキメラに体内で振り抜く。

 

「死ねぇぇぇええええ!」

 

キメラが灰と魔石となる。

終わったのか…倒せたのか?よく見ると灰の中にあると思っていた自分の左腕は無くなっていた、

 

「ああ、やっぱり体内で焼かれてたか。」

 

《闇の権能》を解除した瞬間一瞬だけ熱さを感じた、どうやらキメラは体内で炎を作っていたらしい、少しでも殺すのが遅かったら焼かれていただろう…そう思っていたら体が倒れた、両腕がない、両足もダメになっているかもな…これ俺生きて帰ってまた冒険者できるのかよ笑。

そんな自分の惨状を認識していると瞼が落ち、意識が遠のいてきた、精神疲弊(マインドダウン)が迫っているらしい、おいおいこんな場所で両腕なしで倒れたらまじで死ぬぞ。

やばい…そう考えても意識が遠のくのを耐えられず、意識が無くなる。

 

 

 

 

 

水の中に落ちてるような感覚がした。

どこまでもどこまでも深く、暗い水の中を落ちていく、上に向かおうとして動けず永遠に落ちていく…ああ、死ぬのかな?俺…

きっとこれは死なのだろうと勝手に考える。

そんなことを考えているといきなり光が俺を照らす、緑かがった優しい光だった。気がつくと体が動くようになった、俺はその光に導かれるように上に昇る。

 

 

目が覚めた?のか、ここは…さっき倒れたダンジョンの中だ、

なんで目が覚めたんだ?俺は辺りを倒れながらどうにかして見る、隣に緑色が見える?ロキファミリアの誰が治癒魔法でもかけたのか?そう考えるが、俺はほぼ死にかけ、生きてるのが不思議なくらいな状態だ、治癒魔法で直せるレベルじゃないだろ?と考えていると、予測通りまた意識が遠のき始めた、どうやら緑色の人物の治癒魔法のおかげで意識が少し回復しただけだったらしい、まぁありがたい話だが力が足りない、回復魔法を発現するくらいだ、きっと優しい人なんだろうな……自分に魔法をかけてくれた人物のことを思いながら俺はまた意識が落ちる。

 

《神の偽能》起動 ランクアップ

 

魔法 《リライフ》を発動。

 

 

忘れるな己の罪、果たしきれ己の願い

全てを守り、全てを救い、全てを果たせ

 

 

 

 

 

 

 




レイのLv2での最終ステータス

ステイタス
Lv2
力S920
耐久SSS1143
器用A853
敏捷SS1005
魔力SS1054

 発展アビリティ精癒H

《魔法》
【サンダー・ボルト】
詠唱 なし
・付与魔法(エンチャント) 威力調整、部位調整可能
 
《スキル》
【神の偽能】・ステイタス更新を自分で可能
・ステイタスを刻んでいる人間のステイタスを視認可能
 
【大賢者】・地図、思考加速、身体操作補助、並列思考、思考補助
 
【英雄追想】・成長速度を対象にしている人物と同じになる。
 
【闇の権能】・装着時全能力上昇、闇の触れたものの感覚を共有可能
・自由に闇の姿形を変更可能、削除作成自由


武器
スティレット 短剣 破損
アニール・ブレード 片手剣 紛失
装備
ミッドナイト コート

こんな感じです。2話連続レベルアップしました。こんくらいじゃないとベル君に負けそうなのであげときました。

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