問題児たちとチートが異世界で会うそうですよ? 作:しろい凛キチ
目が覚めるとそこは何もない部屋だった。語弊がないように言うと、どこまで行っても真っ白な空間だ。
『ここは…てか、俺は確かさっき死んだはずじゃ………』
そうこうして戸惑っていると、後ろでゴンッと何かをぶつけたような音がした。
音のした方に俺が振り向くと、
───目の前には幼い少女が土下座していた。
『え?ええ?!』
何がなんだか分からず立ち尽くしていると
『申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!!』
いきなり鼓膜が破れるんじゃないかというほど大きな声で謝られた。俺の耳大丈夫だよね…?
『え、えっと……君は誰?そもそもここはどこ?』
とりあえずなんでもいいから情報を仕入れようと少女にそう聞いてみた。
『そのことについてお話をさせてもらうために、ここにお呼びしました。私は女神です』
『め、女神?女神って神話とかに出てくるあの?』
『はい。そしてここは天界の間、おじいちゃ…とある神に頼んで作ってもらった空間です』
『あの、ホントにごめんなさい』
少女は泣き出してしまった。
『本当ならあなたはまだ死ぬはずじゃなかった…なのに私のせいであなたは死んでしまった………』
俺はなんて言ったらいいか分からなかった。しかし、口は自然と言葉を紡いでいた。
『そっか、良かったらなぜ俺が死んでしまったか教えてもらえるかな?』
『はい、実は………』
* * *
『つまり、貴女が遊びの延長でしてたことがこの不幸につながってしまったと?』
『はい………』
『そっか、まぁ死んじゃったのはしょうがないですよ』
『どうしてそんなに割り切れるんですか?あなたは私に殺されたも同然なのに』
『確かに後悔はしてるし、君のこと恨んでないと言うと嘘になりますね』
そう言うと少女は体をビクッとさせて震えていた。震える姿は見た目相応というより、見た目より幼く感じられた。
『──だったらなんで…』
俺は今できる最高の笑顔で頭をなでてやった。
『災い転じて福となす。死ななかったら君みたいな可愛い少女に会えなかったでしょ?』
『ふぇぇ?!?!』
少女はすごく照れたように顔を真っ赤にさせた。
そしてその後数時間火照りを冷ますのに要したのはここだけの秘密だ。
* * *
『では、ホントに許してくれるんですか?』
少女は目をうるうるさせて上目遣いで聞いてきた。さすがにドキッときた、これは反則だろ…
『う、うん。別に悪気があってやったわけじゃ無さそうだしね』
『ありがとうございます!』
『それで、俺はこれからどうなるの?』
『あなたの場合ですと天国に空きがないですから、別の世界に転生と言う形になりますがよろしいですか?』
『マジで?』
俺自身こういう展開の創作小説が好きなので、まさに願ったり叶ったりだ。
『はい、そして少しばかりですが何かしらの能力もお付けいたしますよ』
『それはいいね。で、幾つくらい付けてもらえるのかな?』
『そうですね、幾つでもいいですよ♪
と言いたいところですけど、それだと貴方の身体にかかる負荷が相当なものになってしまいますし、私から差し上げられるのは8個までですかね』
わお!今さらっと凄いこと言わなかった?!
この子どんだけ偉いんだろう…?
『ふむふむ………それで、転生後の俺の身体能力とかはどうなるのかな?』
『はい、そのことなんですが…
まず身体能力は、その拳の一撃で世界を掌握できます♪あ、もちろんフルパワーの時ですけどね』
『そして鍛えれば鍛えるほどどんどん強くなっていきます』
チートすぎだろぉぉぉぉ!!!!!何?俺に世界征服でもさせたいの?
………まぁ言いたいことは物凄くあるけど、ありがたく貰っておこう。
『はい、素直なのが一番です♪』
『え?今の心の声聞こえてたの?』
『はい、それがどうかしましたか?』
───もうどうにでもなれ…
『あ、そうだひとついいかな?』
『何ですか?』
『格闘技と剣術、弓術、棍術、銃術それから治療術の腕を達人クラスにできないかな?』
『はい、出来ますよ』
やっぱり出来ちゃうんだ…
ということは、他作品の技を真似ることもできるのかな?
『もちろんですよ♪』
そういうと少女はない胸を反らして得意気になった。
『ない胸とは失礼ですよ!これでも、成長したらすごくなる予定なんですから!!』
『あはは…ごめんごめん』
そう知って俺は頭をポンポンと撫でてやった。
『それじゃあ、
『分かりました♪』
幼い少女は眩しいくらいの笑顔を向けてくる。
その笑顔に胸のドキドキが止まらないのはここだけの話だ。俺はロリコンじゃないからね?
『では、能力の方はどういたしますか?』
『とりあえず、少し時間もらえないかな?』
『分かりました♪』
───数分後
『ふう、とりあえずこれでお願い』
一つ、知りたいと思った事象を知る能力
一つ、無限創造の能力
一つ、時を操る能力
一つ、完全記憶能力
───後はお任せで
『そのお任せというのは?』
『その言葉通りの意味だよ。後の4つは君に決めてもらおうかなって』
『分かりました。能力の確認をしたい時は、能力のことを思い浮かべてもらえれば確認ができます』
* * *
『もう、お別れですか』
『そうだね』
そう言うと少女は悲しそうな顔をして、今にも泣きそうになった。
俺は何か手はないかと考え、ある手段を思いついた。
『そうだ、まだ能力の付け足しは出来る?』
『はい?出来ますよ?』
それを聞くと俺は先程思いついた考えを口にした。
『俺が付け足したい能力、それは…
一つ、不老不死になる能力
一つ、女神ちゃんの真の名を知る能力
一つ、女神ちゃんをいつでも呼び出せる能力
そして………
一つ、女神ちゃんと付き合う能力』
それを聞いた少女は涙をボロボロ流していた。
『ど、どうしたの?!』
『い、いえ…その…嬉しくて………』
俺はその姿が愛おしくて、堪らず抱きしめていた。
『君のこと教えてほしいな』
『…………はい、私はミズキ。ギリシア神話の主神にして全知全能の神であるゼウスの孫娘です。そしておじいちゃんから二代目ゼウスを任されてます』
『え?!?!君って相当すごかったんだね』
『やっと気づいたんですか?』
少女の口調は怒っているようにも聞こえたが、顔は怒っているどころか拗ねているように見えた。
『ごめんごめん』
『それでミズキちゃん、俺と付き合ってくれませんか?』
『はい♪』
こうして俺とミズキは付き合うことになった。
* * *
『では、転生したい世界を選んでください』
『それじゃ、【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】の世界に頼めるかな?』
『分かりました。その世界のことを知るために、原作の始まる一年前に転生させますが良いですよね?』
『うん、それでいいよ』
『では頑張ってくださいね、紅覇♪』
『うん♪』
そう言うとキスを交わし合い、目を閉じた。目を閉じると自分の体がスウッと透き通るような感覚がした。
そして俺はこれからの新しい人生に胸を踊らせていた。