問題児たちとチートが異世界で会うそうですよ?   作:しろい凛キチ

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皆さんお久しぶりです♪

前回の投稿から時間が空いてしまって申し訳ありません。
実は貯めておいたプロットが消えてしまい、一からの制作となってしまい時間がかかってしまいました。
次はもう少し早く上げられるように頑張りますので、これからもこの作品をよろしくお願いします。

感想、誤字報告お待ちしております


《新》戦果の報告

俺は三人を翠に合わせるため、三人で遊んでいる広場へと向かった。

 

『おーい、三人とも』

 

俺が呼ぶと三人とも近づいて来たが、俺の後ろにいる三人を見た途端、翠は俺の後ろに隠れてしまった。

 

『翠、この人達は俺の友達だから怖がらなくて大丈夫だよ』

 

『ふーん、この子が紹介したいと言っていた子かしら?』

 

若干俺を見る目が冷たいような気がしたが、気にせず紹介する。

 

『この子は布施翠。俺が行ってきた世界で出会った"呪われた子供たち"だ』

 

『『『呪われた子供たち?』』』

 

それから俺は十六夜、飛鳥、耀の三人にあの世界でしてきた事の顛末を掻い摘んで話した。

 

『大体はそんな感じかな。それで、三人はなんで一緒にいたの?』

 

『お前が他の世界に行ったすぐあとに今後の活動方針を決めてな。んで、その時に"龍角を持つ鷲獅子(ドラコ・グライフ)"連盟から収穫祭の招待状が来てたんだが』

 

『全員が纏まって行くとコミュニティが空いてしまって危険ということで誰かが残らなきゃならなくなったの』

 

『それで十六夜と飛鳥と私でどうやって残る人を決めるか決めていたところだったの』

 

俺は三人の話を聞き収穫祭への招待状を見せてもらい、一つの提案をすることにした。

 

『やっぱりここはコミュニティへの貢献度で決めるのが良いんじゃないかな。開催は数日後だし、それまでに貢献度が一番少なかった人が残るってことで』

 

『『『それいい (な) (ね) (わね)』』』

 

三人に賛同をもらった俺は早速、黒ウサギにそのことを伝え各々別れて活動を開始した。

 

* * *

 

『………………まさかここまで門前払いされるとは……』

 

三人と別れ、数日立つが俺は一向に受けさせてもらえるギフトゲームが見つからないでいた。

 

『仕方ありませんよ。神凪さんは先の"黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)"との戦いで一番の功績者として有名になっていますし、この状況は必然かと』

 

俺は黒ウサギにそのことを指摘され、項垂れるしかなかった。

 

『やっぱ、そうだよね……いやまぁ薄々感じてはいたけど、気づきたくなかったよ』

 

そんな感じで残りの数日もあっという間に過ぎていき、報告の日となった。

 

―――昼食を摂り終えたその後、リリは家事全般の取り仕切りに戻り、俺達は大広間に集まっていた。

収穫祭に誰が何日参加するのかを決めるため、俺達が戦果を報告し、審査役にジン君とレティシアが席に着く。

 

『細かい戦果は置いておくとして、まず皆さんが挙げた大きな戦果から報告しましょう。

まず初めに飛鳥さんですが、牧畜を飼育するために土地の整備と、山羊十頭を手に入れたそうです』

 

『ふふ。子供たちも『山羊が来る!』『乳がいっぱい来た!』『これでチーズも作れる!』と喜んでいた。派手な戦果や功績ではないが、コミュニティとしては大きな進展だと思うぞ』

 

華やかな戦果とは言えないかもしれないが、生活を成り立たせるために牧畜を寄贈するのは、組織的に重要な戦果だと言える。

 

『次に耀の戦果だが………ふふ、これはちょっと凄いぞ。火龍誕生祭にも参加していた"ウィル・オ・ウィスプ"が、わざわざ耀と再戦するために招待状を送り付けてきたのだ』

 

『"ウィル・オ・ウィスプ"主催のゲームに勝利した耀さんは、ジャック・オー・ランタンが作成する炎を蓄積できる巨大なキャンドルホルダーを無償発注したそうです』

 

『へぇ、それがあれば本拠と別館、それから俺の家ある"ウィル・オ・ウィスプ"製の備品に炎を同調できるってわけだね』

 

『はい。なのでこれを機に、竈、燭台、ランプといった生活必需品を"ウィル・オ・ウィスプ"に発注することになりました。こっちは中々に値が張りましたが………先行投資と思えば悪くありません。これでこの本拠内は恒久的に炎と熱を使うことができます』

 

ジン君からそのことを聞いた十六夜は心なしか少し微笑んでいるようにも見えた。

 

『次に紅覇さんですが…………』

 

『俺の戦果はゼロだよ』

 

『まぁあれだけ派手に目立てばそうなるだろうな』

 

『そうね。なんせ私達に出番がなかったくらいですもの』

 

『………当然』

 

みんなからの言葉を聞き、俺は苦笑いをするしかなかった。

 

『さ、最後に十六夜さんの戦果はですが……』

 

『それじゃ、今から戦果を受け取りに"サウザンドアイズ"にでも行くか。主要メンバーには聞いておいて欲しい話だからな』

 

含みのある十六夜の言葉に俺達は首を傾げたが、一先ず大広間を後にし、"サウザンドアイズ"の支店に足を運ぶことにした。

 

 

"サウザンドアイズ"前へ来ると、いつも通り女性店員――もとい、華澄ちゃんが店先に散乱していた花弁を竹箒でせっせと掃いていた。

 

『やぁ、華澄ちゃん。久しぶり』

 

俺が声をかけると華澄ちゃんは一瞬嬉しそうな顔をしたが、後ろにいる十六夜たちの姿を見るや否や嫌そうな顔をした。

 

『あなたはいいとして…………また貴方達ですか』

 

『そういうお前はまた店前の掃除か。よく飽きないな』

 

『ふん、仕事に飽きを感じるなど贅沢者の言葉ですね。それに私は新参ですが、二一〇五三八〇外門支店を預かる立場に在ります。押し入り客を拒み、資格のあるお客様だけ暖簾をくぐってもらうように選定しているのです。別に日がな一日掃除をしている訳ではありませんっ』

 

『へぇ、そいつは知らなかった。実に立派な仕事だ。感心した。それじゃ、御邪魔します』

 

『帰れ!!』

 

二人のそんなやりとりを見ていると店内から白ちゃんの声がかかった。

 

『おお、スマンスマン。小僧達や主殿が来ると伝えておらなんだな。ちょいと重要な案件がある故、急ぎで通してやってくれ』

 

香澄ちゃんも白ちゃんの声にはかなわないのか露骨に嫌そうな顔をしながら俺達を通してくれた。

 

白ちゃんの私室に近づくに連れ、何やら騒いでる声が聞こえてきたと思った次の瞬間。

龍巻く水流と轟雷が障子を突き破り、ついでに白ちゃんも飛んできた。小柄な体で勢い良くトリプルアクセルを決めながら十六夜の元に吹っ飛んできたが、十六夜は足で受け止める。

 

『てい』

 

『十六夜、いくら自分の元に飛んできたからって女性を足蹴にするもんじゃないよ。………というか黒ウサギ、その格好は?』

 

白ちゃんの私室にいる黒ウサギ。そこで見た黒ウサギの姿は………

身体のラインがはっきりと分かるよう小さめに着付けられた着物を、股下でバッサリと切り取った奇形の着物だったのだ。

 

『黒ウサギ、それから蛇神様?はこれ着て。そんな全身濡らした格好じゃ風邪引くよ』

 

『何ッ!?黒ウサギが濡れ濡れだと!!?』

 

『白ちゃんは少し黙ってて』

 

そう言って俺は白ちゃんの首筋を少し強めに叩いた。

 

* * *

 

『それで、なんで黒ウサギ達はあんな格好してたの?』

 

しばらくして白ちゃんが目覚めた後、俺達は真剣に話すため向かい合って座っていた。

 

『いや、あの服も今日の話に無関係ではない。今の服は本来黒ウサギに着せる衣装ではなく、この外門に造る新しい施設で使う予定の正装での』

 

『し、施設の正装!?あのエッチな着物モドキがでございますか!?一体どんなお馬鹿な施設を作るつもりなんです!?』

 

『だから少し落ち着けって。施設そのものは至って真っ当な代物だ』

 

『うむ。やや横道に逸れてしまったが、この件については"階層支配者(フロアマスター)"の活動の一環でな。最近の東区画下層では魔王らしい魔王も現れておらんし、ちょいと発展に協力しようと思っての。しかしさて、何処から手をつけたものかと悩んでおった時に、十六夜から発案があったのだ 。

"発展にはまず、潤沢な水源の確保が望ましい"とな』

 

『ほら、ちょっと前に旱魃騒ぎがあっただろ?あの様子を見る限り、どのコミュニティも水の工面には苦労してるみたいだったからな』

 

『なるほど。それで今回の施設の話に繋がると。となると、水源施設かな?でも、その水の確保はどうやって……』

 

『そこで白雪姫の登場だ。こいつは水蛇。そして俺はこいつとのギフトゲームで勝って、白雪姫を隷属させたんだ』

 

白雪姫は主に対して少し面目なさそうな顔をしていたが、すぐに切り替えていた。

 

『なるほどね。それで白雪姫を白ちゃんこと"階層支配者"に貸し出すってことか』

 

『ヤハハハ、そう言うことだ。さぁ、これで契約成立。ゲームクリアだ。例のものを渡して貰おうじゃねぇか』

 

『ふふ。分かっておる。"ノーネーム"に託すのは前代未聞であろうが………地域発展の為に神格保有者を貸し出すほどの功績を立てたのだ。他のコミュニティも文句は有るまいさ』

 

白ちゃんは両手を前に伸ばし、パンパンと小さな手で柏手を打った。

すると座敷は光に包まれ、やがて一枚の羊皮紙が現れる。

羽根ペンを虚空から取り出した白ちゃんは何やら書き加えると、ジン君に視線を向けた。

 

『それでは、ジン=ラッセル。これはおんしに預けるぞ』

 

『ぼ、僕ですか?』

 

『うむ。これはコミュニティのリーダーが保管するもの。おんしがその手で受け取るのだ』

 

ジン君は促されるままに白ちゃんの前に座り、羊皮紙の文面に目を通した。

 

『こ、これ………まさか……!?』

 

『ジン君、何が書いてあるんだい?』

 

俺がジン君の後ろから覗き込むと、羊皮紙にはこう書かれていた。

 

「― 二一〇五三八〇外門 利権証 ―

*階層支配者は本書類が外門利権証である事を保証します。

*外門利権証の発行に伴い、外門の外装をコミュニティの広報に使用することを許可します。

*外門利権証の所有コミュニティに右記の"境界門(アストラルゲート)"使用料の八〇%を収めます。

*外門利権証の所有コミュニティに右記の"境界門"を無償で使用することを許可します。

*外門利権証は以後" "のコミュニティが地域支配者(レギオンマスター)で在る事を認めます。

"サウザンドアイズ" 印」

 

『が………外門の、利権証………!僕らが"地域支配者"!?』

 

『うむ。外門の利権証は地域で最も力のあるコミュニティに送られるもの。"フォレス・ガロ"が解体して以来、"サウザンドアイズ"が預かっていたが………今のおんしらになら、返しても問題なかろう』

 

――――外門利権証。

それは箱庭の外門に存在する様々な権益を取得できる特殊な"契約書類(ギアスロール)"。外門同士を繋ぐ"境界門"の起動や広報目的のコーディネートなどを一任するもので、コミュニティが施した装飾や規模がそのまま地域の復興に繋がることもある重要な利権だそうだ。

同列の外門同士を比べ合う際には、外門の装飾がそのまま地域の格付けにもなる。

この利権証を所有するコミュニティはその影響力から"地域支配者"と呼ばれているらしい。

 

『凄いのです………!凄いのです、凄いのです!!凄すぎるのですよ十六夜さんっ!!たった二ヶ月で利権証まで取り戻していただけるなんてっ………!本当に、本当にありがとうございます!』

 

ウッキャー♪と奇声をあげてクルクルと十六夜にぶら下がる黒ウサギ。

 

『黒ウサギ、嬉しいからってあんまりはしゃぎすぎないようにね』

 

『ハッ、ご、ごめんなさいなのです』

 

『いや、俺としてはもっと黒ウサギの身体の感触を楽しみたかったんだがな』

 

『そ、そういうことは思っても言わないでください!』

 

黒ウサギはスパーン!!と愛用のハリセンで十六夜を叩き、それを見た俺達はいつものように笑っていた。

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