問題児たちとチートが異世界で会うそうですよ? 作:しろい凛キチ
これからはできれば定期的に上げていこうと思いますのでどうか宜しくお願いします♪
休日の過ごし方 ~紅覇と二対の剣~
ペストと付き合うようになり、魔王との初戦から数日。
『神凪さん』
俺は自分の家の縁側に座っているとリリが俺に呼びかけて来た。
俺は手招きでこっちに来るように伝え、用件を聞く。
『おはようリリ。今日はどうしたの?』
こっちに来たリリを膝の上に座らせ、耳やしっぽを撫でさせてもらう。
『ふあっ。じ、じつは先程白夜叉様から連絡がありまして………なんでも、神凪さんに依頼したいことがあるそうです』
『白ちゃんから俺自身に依頼?』
俺は尚も撫でる手を止めず聞き返す。
『はい。詳しいことはこっちで話すから"サウザンドアイズ"へ来て欲しいとのことです』
『分かった。ありがとねリリ』
俺は膝からリリを下ろし、白ちゃんのところへ行く準備を進めた。
用意と入ったものの、実質は和服の着崩れを直しただけだが。
『さて、それじゃ言ってくるね』
『はい。いってらっしゃいです』
* * *
"サウザンドアイズ"の前に来ると、いつも通り女性店員が店の前の掃除をしていた。数歩近づくと俺に気付いたのか一礼して話しかけてくれる。
『お待ちしておりました。白夜叉様から用件はお聞きしています。どうぞお通りください』
女性店員の対応は最初の方こそ刺々しかったが、今では随分柔らかくなっていた。
中には入り白ちゃんの個室に行くと、白ちゃんが座って待っていた。
『よく来てくれたの、主殿。まぁ座ってくれ』
『ありがと。それで白ちゃん、俺への依頼って?』
『ふむ。実はの、何日か前にとある噂を聞いての』
白ちゃんは最初こそ柔和な感じだったが、内容を話し始めるとすぐに真面目な顔つきになった。
『此処、二一○五三八○外門を出て少し行くと深い森になっておるところがあるじゃろ?そこに二対の剣が刺さってるそうなんじゃよ。主殿にはその剣の調査をしてもらいたい』
『えっと、剣の調査なら小隊を組んで調査させればいいんじゃないの?』
『うむ。私もそう思って小隊を組んで調査に向かわせたのはいいが、調査は全くと言っていいほど進まなかったそうなのだ。分かったことと言えばその剣がどんな力を加えても全く動かなかったこと、そしてその剣から強力な気配を感じたことかの。このことを踏まえてどうか主殿に調査協力してはもらえんかの?』
白ちゃんは土下座のような格好になりながら頭を下げてくる。少し面食らったが、慌てて白ちゃんに頭を上げるように言った。
『し、白ちゃん。分かったから頭をあげて!』
『すまんの。場所はこの地図に載っておる。何か分かったら報告してくれんかの?』
『了解』
俺は一度自分の館に戻り、着替えてから出発することにした。
* * *
地図の場所に行くとそこは深い森の中でもさらに木々が生い茂っていて、まだ昼間だというのにものすごく薄暗かった。
『なんだろ、確かに少し気配を感じるね。この感じからすると後少しかな?』
俺はさらに突き進んだ。すると一分程進んだところで問題の二対の剣が刺さっているのを見つけた。剣とは言ったが、どうやら思い浮かべていたような騎士とかがつけてるようなものではなく、大剣のような大きな剣が二つ刺さっていた。
『これか…この気配は精霊?でもなんで………
とりあえず調べてみるか』
俺は辺りの状況、剣の状態、気配の正体等様々な面で調べ始めた。
『ふぅ。やっぱり、この剣には両方とも精霊が宿ってるみたいだね。それも高位人型精霊かな?………よし、封印を解いてみるかな』
俺は剣の柄に手を掛け、開放の言葉を口にする。
『───旧き聖剣に封印されし、気高き精霊よ!
───汝、我を主君と認め契約せよ、さすれば我は汝の鞘とならん!
───我は三度、汝に命ずる、汝、我と契約を結び給え!』
俺が精霊語の
『やっぱり君達は精霊なんだね?君達の名前は?』
両手の甲に出てきた精霊刻印と、二人の少女を交互に見て俺はそう問いかける。
『はいマスター、私はエスト。正式な真名は人間の発声器官では発音できませんから───エストとお呼びください』
俺の質問に先に答えてくれたのは、透明な
『私はレスティアよ。それで、貴方は何ていうのかしら?』
エストの次に答えてくれたのは闇色のドレスを着た美少女だった。
『俺は神凪紅覇。エストとレスティアだったよね、これからよろしくね。あぁそれと、堅っ苦しい呼び方はやめてもらえないかな?俺の事は紅覇でいいよ』
『はい(ええ)、分かりました(分かったわ)紅覇』
『さてと、この件も一段落したことだし、白ちゃんに報告しに行こう』
俺達は"サウザンドアイズ"へと移動を始めた。道中、この世界のことや何故この世界に来たのかなど、質問しあったりしたが、結局ほとんど分からずじまいだった。
* * *
『───とまぁ、経緯はこんな感じだよ』
『ふむ、ありがとうの主殿。しかし一体誰が、どのようにこの者達を送り込んだのか………謎は深まるばかりだの。まぁな何にせよ、主殿には報酬を与えねばな。ついて来てくれるか?』
俺はその言葉に頷き、エストとレスティアは部屋で待機させて白ちゃんに続く。
『実はの、何年か前に仕入れた物なのだがこれがかなりの難物での。鞘に収まった二振りの刀なのじゃが、誰も鞘から抜くことができなかったのだ。主殿なら抜けるのではと思いここへ連れてきたのだ』
『へぇ?かなり美しい刀だね。これだけ美しいと固有名もあるんじゃない?』
『まさにその通り。純白の鞘の方が"白刀・琥珀"、そして漆黒の鞘の方が"黒刀・刹那"じゃ』
俺は白ちゃんの説明を聞きながら刀に触れてみる。すると、刀から鼓動を感じ、気がつくと俺は刀を鞘から抜いていた。
『やはり主殿なら抜けたか。ならその刀を正式に報酬として与えよう』
『ありがと、白ちゃん』
俺達は白ちゃんにお礼を言って"サウザンドアイズ"を後にした。
余談だが、このあと帰ってからエストとレスティアのことを納得させるまで結構時間を使ったことは今でも苦い思い出だ。
先程、活動報告を一つ更新しましたので、そちらにコメント下さると嬉しい限りです