問題児たちとチートが異世界で会うそうですよ? 作:しろい凛キチ
前回の投稿から結構経ってしまってすいませんでした(m´・ω・`)mペコ
番外編第二弾です
今回のは完全に自己満足の趣味全開で書いたものなので、果たして面白く出来てるかは不安ですが、どうか最後まで読んで頂ければ嬉しい限りです。
雨の日の翌日、俺は早朝ふと目が覚めてしまった。
『五時半か…飯作るにもまだ早いし、散歩しよ』
もちろん格好は普段通り和服で帯に刀を二つ差した格好だ。
外はうっすらとした霧が辺りを満たしていた。
外には俺以外にはまだほとんど人気がなかった。
『まだこの街にも慣れてないし、適当に散策でもするか』
そんなことを呟きながら俺は歩を進めた。
辺りを散策すると、いろんなこととであったりしてなかなか新鮮だった。
『お、こんなところに山なんてあったんだ。登ってみよ』
山はまだ霧に包まれていたが俺は構わず登ることにした。
* * *
数十分後………
『ま、迷っちゃった』
あの後、急に霧が濃くなってきて気がつくと自分が今どの当たりにいるのかさえわからない状態に陥ってしまった。
『携帯も圏外か、当然と言えば当然だけどどうしよ……』
そんなことを思ってると、前方にうっすらとひらけた場所が見えてきた。
ひらけた場所に来ると、そこはお世辞にも大きいとはいえないが、立派な神社だった。
『ッ?!』
竹箒を落とすような音に振り返ると、そこには少女の巫女さんがいた。ただひとつ、普通とは違う点を上げるとするなら、その巫女さんには狐耳とフカフカそうな尻尾が生えていた。
『あ、えと……ちょっといいかな?あ、ちょっと!』
しかし巫女さんは俺の声に耳を貸さず、一目散に逃げていってしまった。俺は少女から話を聞くため、少女の後を追った。
『確かこの辺に来たと思うんだけど…』
俺が辺りを見渡すと、いた。先程、俺から逃げ出した少女の巫女さんがそこにいた。
『急に話しかけてびっくりさせちゃってごめんね。はいこれ、さっき落としていったでしょ?』
おずおずと近づいてきた少女に竹箒を渡そうとすると、
『貴様、
『ッ?!』
不意に喉元に薙刀の切っ先を突きつけられた。
俺はとっさの状況に訳も分からず、ただただ従うしかなかった。
『貴様、私の妹を捉えて何をしようとした!!』
『ち、違…俺は彼女に何も危害を加えるつもりはない』
『嘘をつけ、人間は信用できん。それに貴様、武器を持ってるじゃないか』
『そ、それは……分かった。じゃあこうするよ』
俺は敵意がないことを証明するため帯から刀を鞘ごと抜き、地面に置いた。
それからもう一人の巫女さんは俺を見定めるよう暫く睨み、ようやく薙刀の切っ先をどけてくれた。
『ひとまず貴様に敵意がないことは分かった。だがまだ許した訳じゃないぞ』
『それでもいいよ。ありがとう』
『貴様に礼を言われる筋合いはない。それで、ここに何の用だ?ここは人間除けの札が貼って合ったはずだが』
『実は山に登ってる途中で道に迷っちゃって、気がついたらこの場所に出たんだ。ところで貴女達は一体なんなんです?見たところ人間じゃないようですが…』
すると俺に薙刀の切っ先を突きつけた彼女は呆れたように溜め息をこぼした。
『そんなことも知らんのか、我らの祖先は玉藻御前だ。貴様もその名は知っておろう?』
『それなら知ってる。よく殺生石と一緒に話に出てくるね』
『うむ。我ら一族はその末裔だ』
『ちょっといいかな?』
俺がおずおずとそう答えると彼女は薙刀を握り直そうとしたので、すかさず止めるように言った。
『抵抗しようってわけじゃないよ。ただ、俺のことは神凪か紅覇って呼んで欲しいんだ。ほら、いつまでも貴様とかじゃあれだし』
『ふん、貴様のことは貴様でいい。藍、コイツをこの神社の外まで送り届けて来るから留守番頼むぞ』
『はい、姉様!』
先ほどの少女は元気良く返事をして掃除に戻る。
『おい貴様、出口まで案内してやるから早く来い』
こうして俺と彼女たちの奇妙な出会いはここで終わる………はずだった。
道中、考え事をしていた俺は彼女から話しかけられ我に返る。
『そう言えば貴様、先程私たちが人間ではないことを見破ったな。人間のくせになぜすぐ分かった』
『えっと…だってほら、君たちの頭にケモミミが見えるし、尻尾だって見えてる。これで分からないほど馬鹿じゃないよ』
『何?!』
俺の言葉を聞いた彼女は表情を険しいものに変え、俺に詰め寄って来た。
『貴様には私達の耳と尻尾が見えるのか?』
『え、見えてるけど…』
それを聞くと彼女は俺の手首を掴み、今来た道を引き返してく。
『え、ちょ、ちょっと、戻ってるよ!?』
『やはり貴様を返すわけにはいかなくなった。貴様は牢にでも入っててもらう』
こうして俺は
* * *
その夜、なんだか外が騒がしく俺が起きて見ると、外では悲惨な光景が広がっていた。
二人の人間を取り囲むように複数の巫女さんが武装して取り囲んでいた。ただし、二人の人間の周りには夥しい量の血痕が広がっていた。
もちろん人間のではなく、巫女さんのだ。
『おい貴様!早くここから出ろ!!』
『一体何が起きてるんだい?』
『人間の襲撃だ。貴様はとっととここを出てけ』
そんな時、聞いたことある声の悲鳴が聞こえてきた。
『藍?!』
名前を聞いて、朝会ったあの少女だとすぐ分かった。
その声を聞き俺は牢の窓から外を見る。
すると、人間の片割れが少女に向かって歩み寄ってる光景が見えた。見たところ、持っている武装は"
そいつは残虐な笑みを浮かべ、少女に近寄り槍で刺そうとする。
俺はその光景を見て体が勝手に動き出していた。
『やめろぉぉぉぉ!!』
剣は取られていたので俺はエストを呼び出す。
『───冷徹なる鋼の女王、魔を滅する聖剣よ!
───いまここに鋼の剣となりて、我が手に力を!』
俺の
『チッ、てめぇ何者だ!』
『そっちこそ。人に名前を名乗るならまず自分から答えたらどうだい?』
『はっ、モブごときにこの俺様が名乗るだと、笑わせるな』
そう言い、少年は投擲の構えを取る。
『ムカついたからお前には取って置きを見せてやるよ!"
たしかこの技は心臓に必中の技だったはず、なら…
『だったら、"
───
これは、九つの並行世界から任意に結末だけを手繰り寄せることが出来る能力。俺はこれを使い、"
当然、放つことが出来なかった槍は主人の手に戻る。
『チッ、何使ったか知らねぇが今日のところは引いてやる。だが覚えとけよモブ、オメェはオリ主である俺様が絶対に倒してやる』
仲間?の方も薙刀を持った巫女さんに追い詰められ、捨て台詞を吐いて逃げていった。
『大丈夫かい?』
俺はすぐさま少女の元へ向かい、無事を確かめる。
『おい貴様…いや、紅覇と言ったか。先程は妹を助けてくれて助かった。ありがとう』
『ありがとうございます、紅覇さん』
『いえいえ、貴女達に怪我がなかっただけ良かったですよ。それより、あいつらは一体なで何者なんですか?』
薙刀を持った巫女さん、もとい奈々さんに聞いたところ、あいつらは自称オリ主を名乗る二人組でここ一、二ヶ月程前からこの神社に攻撃を仕掛けてるという。
『そうだったんですか。なら俺はここに残って奴らの撃退を手伝います』
『しかし紅覇、それではお前の負担になるだろう』
『俺の負担は構いません。俺は奈々さんや藍ちゃん、それに他の巫女さんのためなら最善を尽くします』
こうして俺と巫女さんは和解し、互いに手を組むことになった。
* * *
それから数日間は何事もなく過ぎ、毎日巫女さんの手伝いをしたり小さい子と遊んだりして過ごした。
『紅覇さん今日もありがとうございました』
『いやいや、
今日も何事もなく終わると思いきや、その日常は一瞬で崩れた。
『きゃあぁぁぁ!!』
『藍ちゃん!』
俺が藍ちゃんの悲鳴を聞き駆けつけると、そこには以前の奴らの片割れが藍ちゃんを捕まえていた。
『よぉモブ、久しぶりだなぁ』
『藍ちゃんを放せ!!』
おかしい、普段なら藍ちゃんの悲鳴を聞いて真っ先に奈々さんが駆けつけて来るはずなのに、まだ来ない。
『助けなら来ないぜ。今頃、梧桐とそのツレが相手してるはずだからよ』
『それよりも藍ちゃんを放せ!!』
『ふん、こいつを捕えろ』
すると頭上から数人の男性と思われる人物が降りてきて俺を取り押さえる。
『くっ、力が…出ない……』
『お望み通りコイツは放してやるよ、ただし…』
そう言うと少年は胸ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出し、藍ちゃんの首元に当てる
『ただし、テメェの前でコイツらをたっぷりと遊んでやってからな』
『や、やめろぉぉぉぉぉ!!!!』
俺の制止も虚しく、数人の巫女さん達が次々と切られて倒れていく。
次第に俺は負の感情に飲まれていく。
憎い、憎い、憎い、憎い憎い憎い憎い憎いニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ───
『ウオアァァァァァ!!』
俺は自分の声かも分からないほど獣じみた声を上げていた。
それからのことはあまり覚えてない。
覚えてることといえば腰を抜かし怯えた少年を葬ったこと、その後奈々さんの方にいた少年もズタボロにし、逃げ帰るまで痛めつけたことくらいだ。
正気を取り戻した俺に向けられたのは、恐怖の目。
その場にいた誰もが俺を恐れ、近づこうとしなかった。
そう。まるでバケモノを見たかのように…
『これが負の感情に囚われた結果か……』
少しの間の沈黙。今はそれが少し心地よいものに思えた。
『これで彼らはもう来ないと思う。そして俺も出ていく。ここであったことは誰にも言わないと誓うよ。それじゃ……』
『ま、待って!』
俺が神社の出口に向かって歩きだそうとすると、藍ちゃんが近寄ってきた。
『藍ちゃん、もう俺に近づかない方がいい。俺は…バケモノだから』
『そんなことないです、だって…だって紅覇さんは私達のために戦ってくれた。だからバケモノなんかじゃないです。あの、これ…子供達みんなで紅覇さんのために作りました。良かったらもって行ってください』
『ありがとう』
『あの、良かったらまた来てください。紅覇さんなら歓迎します』
『気が向いたらまた来るよ。それじゃ』
それだけ言い残し、俺はその場を去った。
* * *
気がつくと、そこは元居た登山道だった。
『あれは夢だったのか………いや、違うな』
ただ唯一、手の中に入っていたお守りだけが、今回のことが夢では無かった事を物語っていた。
* * *
数ヶ月後。
『ここに来たの久しぶりだな~』
『あ、紅覇さん!』
そよそよと秋風が吹く季節、俺はあの神社をまた訪れていた。
『久しぶりだね藍ちゃん』
『はい!あれ?そちらの方は?』
『あぁ、そうだ。リリ、おいで』
恥ずかしがってるリリを前に出すと、藍ちゃんは嬉しそうに顔を綻ばせた。
『この子はリリ。そしてこちらが藍ちゃんだよ』
最初は恥ずかしがってたリリだったが、次第に打ち解け普通に話せるようになってきた。
『さて、今日はみんなで思いっきり遊ぼう!』
『『『『うん♪』』』』
秋風薫る季節、神社の中には子供達の笑顔と笑い声が溢れていた。
いかがだったでしょうか?
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