問題児たちとチートが異世界で会うそうですよ? 作:しろい凛キチ
"サウザンドアイズ"での小競り合いの翌日、俺達は"ペルセウス"の本拠に来ていた。
「ギフトゲーム名 "FAIRYTAILE in PERSEUS"
・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
神凪 紅覇
・"ノーネーム" ゲームマスター ジン=ラッセル
・"ペルセウス" ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒
・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。
プレイヤー側のゲームマスターの失格。
プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・舞台詳細 ・ルール
*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。
*ホスト側の参加者は最奥に入ってはならない。
*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない。
*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。
*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行する事はできる。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。
"ペルセウス" 印」
"
『さて、早速行きますか。皆、俺に掴まって』
飛鳥と耀はえ?という顔をしている。それもその筈だろう。なぜなら、俺が空間転移能力を使えることを知らないのだから。
『実はこうこうこういうことがあって空間転移出来るようになったんだ』
『神凪君ってなんでも規格外よね…』
『あはは………さぁ気を取直して、皆俺に掴まって』
そう言うと黒ウサギと十六夜が俺の右腕に、飛鳥と耀が俺の左腕に、そしてジン君が腰にそれぞれ掴まったことを確認し、俺は"
* * *
『はい到着〜』
『?!?!お、お前達どうやってここへ来た!!』
『『『『神凪(君)(さん)の空間転移で』』』』
突如として現れた俺達に対して動揺を隠せない様子のルイオスだったが、次第にその声は部下への悪態に変わっていた。
『いいだろう。見せてやるよ!目覚めろ───"アルゴールの魔王"!!』
『ra………Ra、GEEEEEEYAAAAAAaaaaaaaa!!! 』
黒ウサギと飛鳥、耀は驚き、十六夜は少し冷や汗を流していた。
────アルゴールの魔王。
"アルゴル"とはアラビア語でラス・アス・グルを語源とした、"悪魔の頭"と言う意味を持つ星のこと。そして同時にペルセウス座で"ゴーゴンの首"に位置する恒星でもある。"メデューサ" "原初の悪魔"などの異名を持つ星霊だ。
『十六夜、あの野郎を任せたよ』
『ちっ、今回は譲ってやるよ』
『ありがとう。それからジン君、俺はこの戦いでは能力は一切使わない。だから俺の力量をしっかり目に焼き付けといてね』
『は、はい』
それを言うと俺は"アルゴールの魔王"の元へ駆け出した。
俺は出だしこそ慎重に蹴りや殴りを入れていた。
『ふむ。ここまで動きが鈍いとなると、ルイオスはコイツをちゃんと操れてないみたいだね。なら!』
人、動物など生きとし生けるものには必ず天経という場所が体の各部に数ヶ所ある。天経とはその個体の生命を維持するための大事な神経で、その過半数に強い打撃を与えられると、一時的に体の機能を麻痺させることが出来る場所だ。
俺は"アルゴールの魔王"の天経を拳で突き、数日は動けないようにした。
『ふぅ。十六夜、そっちはどう?』
『あぁ、こっちも終わったぜ』
どうやらあっちはあっちで決着がついたらしい。ちなみに飛鳥と耀は終始見ているだけに終わって、さぞ不満そうだった。
* * *
レティシアの席化が解けて、一安心と行くと思いきや、
『『『じゃあこれからよろしく、メイドさん』』』
問題児三人が口を揃えていった。
『ちょ、ちょっと待って、レティシアがメイドになるのはいいとして、なんで俺が入ってないの?』
黒ウサギから突っ込むところはそこですかと聞こえた気がしたが無視することにした。ごめんね黒ウサギ。
『それもそうだな。此処は功労者である俺と神凪で7 : 3でどうだ』
なんとなく言い争いのようなことになりそうだったので、俺は手早くゲームで決めることを提案した。
そして数時間後、戦績
十六夜 80戦 24勝56敗
神凪 80戦 56勝24敗
ということで、俺と十六夜で7 : 3ということになった。
───ペルセウスとの戦いから三日後。
満天の星空の下、俺らは祝勝パーティー兼歓迎会を開いていた。
『あっ』
星を見上げていた誰かが不意に声をあげ、みんなが空を向くと……
たちまち、流星群が流れ出した。
『この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの四人が流星群のきっかけを作ったのです』
どうやら箱庭の世界は、天動説のように全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っているらしい。そして昨日、俺達が倒した"ペルセウス"のコミュニティは敗北の為"サウザンドアイズ"から追放され、あの星々からも旗を下ろすことになったらしい。
その後立食を一通り終え、俺が子供の相手をしていると、十六夜から面白いことが聞こえてきた。
『あそこに、俺達の旗を飾る。………どうだ?面白そうだろ』
『それは………とってもロマンが御座います』
『十六夜、その計画にはもちろん俺達のことも入ってるんだろうね?』
『ヤハハ、当たり前だろ』
軽く言ったことではあるが、これはそう簡単ではない。奪われた物を全て取り戻し、その上でコミュニティをさらに盛り上げなければならないのだから。
しかし、俺達の胸には不思議と出来るような期待が膨らんでいた。
そう、"家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い"
それだけの対価を支払った俺達の新しい生活は、まだ始まったばかりなのだから。
これにて無事、一巻を書き終えることが出来たのですがいかがでしたでしょうか?
まだまだ書き続けていこうと思っているので感想・アドバイス等宜しくお願いします