ホロと幻の美形   作:ただのRyo

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24話目。

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多くの方々に楽しんでいただけてとても嬉しいです…





記憶

 

すいせいside

 

…holoXアジトに向かう前の実験室…

 

ライ君を何とか探し出したいと思った私はトワに連絡をした。

 

「もしもしトワ、ちょっと力を貸してほしいことがあって…」

 

『どしたんすいちゃん?急ぎの要件?今トワ、ライ先輩にもらったどら焼き食べながら休憩中なんだけど…』

 

「そのライ君に関係することなの!お願い!!」

 

『…分かった。すぐ行くから場所教えて?』

 

私の必死な声に只事ではないと気づいてくれたトワに場所を教えた。

 

5分後にトワはすぐに実験室に駆けつけてくれた。

そのまま私は事情をトワに説明した。

 

「なーほーね。ライ先輩がholoXに攫われた可能性があると…ラプラスの奴何考えてんだか…」

 

「私も探したいんだけど場所に心当たりがなくて…だからトワお願い!」

 

私はトワに頼み込んだ。その姿を見たトワは私を安心させるように笑顔を浮かべた。

 

「まぁ他ならぬすいちゃん頼みだからね、任せといてよ。ちなみにすいちゃん何でもいいからライ先輩の私物とか持ってない?」

 

「ライ君の?…あっ、サングラスなら持ってるよ。」

 

私は実験室で落ちていたライ君のサングラスをトワに渡した。

 

「うんうん、これがあれば大丈夫。」

 

「でもこれでどうするの?」

 

「まぁまぁ見ててよ、ちょっとだけ離れてて?」

 

そう言ったトワから少し離れた。離れたところからトワの様子を見ていると、トワは目を閉じて何もない空間に手を翳した。

 

すると何も無い空間から黒い扉が現れ、扉がゆっくりと開かれた。

 

扉の中から小さな黒い丸っこい生き物が出てきた。

 

「トワこの子は?」

 

「この子はビビっていうの。トワの使い魔なんだー。」

 

そう説明するトワはビビという生き物をトワの頭の上に乗っけると、ライ君のサングラスをビビに見せていた。

 

「ビビ、このサングラスの持ち主がどこにいるか探せる?」

 

ビビはサングラスをじーっと見つめた後、トワの頭の上から飛び降り、実験室の扉から出て行った。

 

「多分見つけたみたい、すいちゃん追いかけよ!」

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライ君!!」

 

実験室でいなくなったライ君をやっと見つけた。

私の予想通りライ君は捕まっていたんだ。

 

「…すいせい…トワ…」

 

いつも通り返ってきたライ君の声。

ただ、ライ君の様子からすると疲弊しているようで、私たちに気づかせないよう無理をしているように見えた。

 

ライ君をこんな目に合わせたのはこいつらだ…

holoXの総帥と幹部だった気がする。恐らく首謀者は総帥だろう。

 

「ト、ト、ト、トワ様!?」

 

「…ラプラス、生徒会の風紀委員長だけでなく、不知建のメンバーよ。」

 

「ラプラス!ライ先輩に何やってんだ!」

 

トワは総帥に詰め寄ろうとしていた。

 

「ち、違うんっすよトワ様!吾輩、この男に質問することがあっただけで…」

 

「質問?ライ先輩から何聞こうとしてんの?」

 

「そ、それは…」

 

何だかトワの質問に答えたくないようだった。

でもそのおかげであいつは今ライ君から意識を離してる。今のうちに…

 

「こ、こいつとトワ様が付き合ってるかを確認したかったんですよ!!」

 

…は?トワとライ君が付き合ってる…?

 

「はぁぁぁぁ!?」

 

トワもそんなことを言われるとは予想できていなかったようで、素っ頓狂な声を出していた。

 

「な、何でそんなことになってんだよ!」

 

「前トワ様の生徒会の活動中にこいつと話してるのを見かけて…その時のトワ様凄く楽しそうな顔をしてたから…」

 

「ちげーわ!ライ先輩と話すのは確かに楽しいけど…だとしてもその考えは飛躍しすぎだろうが!」

 

トワは必死に否定していた。

 

そっか…ライ君は生徒会でも活動しているから、そこでの人との関わりは知らなかったな…

トワがちょっと羨ましいかも…

 

そんなことを考えていると事態が進もうとしていた。

 

「もういいんすよ!吾輩のこのラプラスの瞳をこいつに使えば真実が分かる!ここにいる全員にも見せてやる!」

 

「ちょ、ライ君に何する気!?」

 

「ラプラス!それはやめておきなさい!」

 

「うるさい!」

 

総帥がそう言うと、女幹部と私は念力のような力で地面に抑えつけられた。

動けない…ライ君を助けなきゃいけないのに…!

 

女幹部も立ちあがろうとしているようだったが、苦戦していた。

 

ただトワだけは立ち上がっていた。トワの方が悪魔としては立場が上だから影響を受けていないようだった。

 

そんな私たちの様子を見て、黄金の瞳をさらに輝かせていた総帥はライ君に向き直り、目を合わせていた。

 

「これから吾輩のラプラスの瞳を使って、お前の記憶と心を映像として投影する。この力は消耗が激しいからできれば使いたくなかったが…」

 

「や、やめ…ぐぁっ!」

 

ライ君の身体に縛られている縄が強くなっている。彼の苦しんでいる声を聴くなんて耐えられない。

 

「お願い!もうやめて!」

 

「ラプラスやめろ!」

 

私の声を聴いてトワが阻止するために走り出した。

 

「さぁ、お前がこの学園で1番大事に思っている人物を教えろ!」

 

トワがライ君達に手が届きそうになったその瞬間、部屋が黄金の輝きに包まれた。

 

私はあまりの眩しさに目を閉じた。

恐る恐る目を開くと、既に光が収まっていた。

ライ君の方を見るとライ君は目を閉じて項垂れていた。おそらく意識がないと思う。

 

するとライ君の身体から白い球体のような物が出てきて、部屋の中央に浮かび出した。

 

「これがライ君の記憶と心…?」

 

その球体は徐々に光が強くなり、球体に人の顔が浮かんできた。

 

その球体に映った人物は…トワだった…

 

確かあの球体に映るのはライ君が学園で1番大事だと思っている人…

やっぱりあいつの言う通りライ君はトワが好きだったんだ…

 

「あれ…?おかしいな…」

 

私の目から涙が溢れてきた…

目の前が霞んで何も見えない…

 

私は立っているのも、この映像を見るのが辛くなり顔を下に向けて座り込んでしまった。

 

「すいちゃん!すいちゃん!」

 

トワが必死に私の身体を揺さぶってくる。

 

「…何、トワ?」

 

「あの映像ちゃんと見て!」

 

「…いや、いいよ…ライ君が誰を大事に思っているのか分かったし…」

 

「馬鹿!いいからほら、立つ!」

 

トワに腕を掴まれて無理矢理立たされた。

 

正直もう見たくなかったが、トワに言われるまま球体を見た。

さっきと同じようにトワが映っていたが、トワだけでなく、トワと同じ生徒会のメンバー、ライ君のクラスメイト、不知建メンバーが映し出されていた。

 

映像の最後には私の姿が映し出されていた。

ライ君と最初に出会った頃、不知建の体験入部、ゲーセンでぬいぐるみをプレゼントしてくれた時、色々なライ君と私との思い出が映し出されていく…

 

するとあることに気づいたトワが私に耳打ちをしてきた。

 

「ねぇすいちゃん、他の皆よりすいちゃんが映し出されている時間長くね?」

 

「!!」

 

確かにライ君と仲が良い人や、よく関わりがある人が映し出されていたが、一瞬顔が映る程度だった。

 

(私の場合は思い出も…もしかして…)

 

球体の光が弱くなってきて最後の映像が映し出された。

 

(約束…破ったら許さないからね。)

 

(ああ。僕とすいせいの約束…いや、契約だな。)

 

これは…ライ君と私だけが知っている契約…

ライ君もあの日から私のことを大事だと思っていてくれてたのかな…

 

また涙が溢れてきたがさっきとは違う種類の涙だ。

 

「すいちゃん…よかったね。」

 

トワは私に声をかけながら背中を撫でてくれた。

トワもフレアと同じで私のライ君への気持ちを知っていた。

 

「ありがとう…トワ…」

 

そして球体の光が消え、ライ君の身体に吸い込まれるように戻っていった。

 

これでひと段落…あれ?ライ君の側にいたはずのあいつがいない?

 

「ねえ?総帥はどこ行ったの?」

 

部屋の周りを見渡すとドアの前にこそこそ逃げ出そうとしている総帥の姿が見えた。

 

そのままドアが開かれて逃げだすために走り出そうとした瞬間、何かに躓いたのか盛大に転んだ。

 

「いってえええ!?」

 

「逃すかアホ!」

 

そう言うトワを見ると、トワは事前に自分の尻尾を使い総帥の足に巻き付けていたようだった。

 

「今日という今日はこってり絞ってやるからな!覚悟しとけ!」

 

「ト、トワ様ぁ!あっ、でもそれもいいかも…」

 

トワは総帥の足を掴み、引きずって部屋を出ていった。

 

残された女幹部はライ君の元に近づき、ライ君を縛っていた縄を翼で切り裂いた。

そして私の方を向き謝罪をしてきた。

 

「ごめんなさい。私達がラプラスの暴走に手を貸した結果、あなた達に迷惑をかけてしまった。」

 

「まぁ私は別にいいけど、ライ君には目を覚ましたら直接伝えてあげて?」

 

「ええ約束するわ。では私はラプラスを助けに行ってくるからこれで…」

 

女幹部はそう言い残し部屋を後にした。

 

部屋にはライ君と私だけが残された。

 

「…ライ君?」

 

寝たままのライ君に声をかけて、身体を揺すってみた。

しかしライ君はまだ目を覚ます気気配がない。

 

「…保健室に運びますかぁ…」

 

 

 

 




ごめんなさい話が予想以上に長くなってしまい次まで続きます…

作者の計画性の無さをお許しくださいませ…

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