ホロと幻の美形   作:ただのRyo

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30話目。

もうすぐ20000UAまでいきそうです…

引き続き気に入っていただければ高評価やお気に入り、感想などをお願い致します!!

そして話は変わりますが皆さん以前不知建のTwitterで不知建の漫画の発表があったのをご存じですか?

漫画内での不知建の設定や学年がこの作品とほぼ全く同じであったことに驚いたと同時に凄く嬉しい気分になりました…



学園祭3

 

学園祭2日目。

 

 

現在の時刻は午前8時。学園祭は10時から開始されるが、不知建で実施する出し物の最終準備のために、僕は朝早くから部室にやって来た。

僕はクラブハウスからそのまま来たため一番乗りであった。事前にフレアから預かっていた部室の鍵を開けて、部室内にある電気ポットでお湯を沸かし、皆の到着を待った。

 

部室を開けて席に着いて5分ほど経つと、部室前の廊下から足音が聞こえてきた。

その足音がどんどん近づいてきて部室の前で足音が止まると、扉が勢いよく開かれた。

 

「ライ君!おっはよー!!」

 

元気な明るい声の正体は不知建の広告部長担当、星街すいせいであった。

 

「おはようすいせい。」

 

「あれ?みこちはまだ来てないの?」

 

「ああ、まだ見かけていないが…」

 

「じゃあ寝坊してるかもねー、みこち朝に弱いし。全く…同じ学園で生活してるライ君は早く来てるのに。」

 

「まぁみこらしいと言えばみこらしいが。」

 

「あはは、確かに。」

 

すいせいは僕に同意しながら荷物を部室の机に置き、僕の隣に座った。

するとちょうどポットのお湯が沸いたようで、僕はコーヒーを淹れる準備をしようとした。

 

「すいせい、コーヒーを淹れようと思うんだが紅茶でも飲むかい?」

 

「あっ、飲む飲むー!」

 

すいせいは苦いものは苦手なため紅茶にしてあげた。

ただ甘いものも得意ではないので甘さを控えめにした茶葉のものを選んだ。

 

「ねぇライ君?」

 

「ん?」

 

準備をしているとすいせいが僕に話しかけてきた。

 

「明日、楽しみにしてるね!」

 

「…ああ、僕も楽しみだ。」

 

明日は学園祭3日目。この日はクラスや不知建の出し物はなく、生徒会の仕事もないため自由行動となっている。

そのため以前からすいせいと3日目を一緒に回ろうと約束をしていた。

 

僕がすいせいに応えるとすいせいは嬉しそうに笑っていた。

僕と学園祭を回ることをそれだけ楽しみにしてくれているのだろうか。喜んでもらえるなら僕も嬉しい。

 

カップにそれぞれコーヒーと紅茶を注ぎ、すいせいに紅茶が入ったカップを渡して僕はすいせいの隣の席に着いた。

そのままコーヒーを1口飲むと、程よい苦みと旨味が染み渡り、静寂な部室にも相俟って落ち着きをもたらしてくれた。

すいせいも満足そうに紅茶を口にしていた。気分が良くなったのか、すいせいは椅子に座ったまま椅子をもっと僕の隣に近づかせた。もう少しで肩と肩が触れ合いそうな距離に僕は心地よさを感じていた。

 

その後、僕とすいせいは皆が到着するまで言葉を交わさなかった。でも僕はこの雰囲気は嫌いではなかった。

 

結局フレアたちは8時30分頃に到着し、みこはさらにその10分後に息を切らせながら到着した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし、みんな準備はOK?」

 

「「「「おーっ!!」」」」「ああ。」

 

部長のフレアの掛け声にメンバーが応え、2日目の学園祭がスタートとなった。

 

不知建で行う出し物はお化け屋敷だ。

受付、案内役、脅かし役の2人ずつの3グループの交代制で役割を分担している。

受付は僕とフレア、案内役はみことノエル、脅かし役はすいせいとポルカだ。

 

不知建の部室をお化け屋敷にしたのだが、これはあくあの友人の紫の魔法使いにお願いをして改造した。

物理法則を無視して部室が変化していく様子に唖然としたが、皆曰く気にしない方がいいとのことだった。

 

それぞれメンバーが持ち場に付き、僕とフレアも部室前の受付の席に座った。

すると間もなく生徒達が受付前にずらずらと並び始めた。不知建のお化け屋敷は例年大人気らしく、チケットを購入してもらい、時間になったら連絡を入れて入室してもらう予約制にしているそうだ。予約制にしてから運営がだいぶ楽になっていたようで、今回も予約制となっている。

 

僕がチケットの販売、連絡の役割を担い、フレアが客を整列、誘導を行っている。

 

「はい、こちらがチケットになります。順番が来たら連絡を入れるので時間厳守でお願いします。…お待たせしました、今のお客様が中から出てきたら開始となりますので受付前までお越しください。」

 

「ノエちゃんみこちー、お客様が入ったから案内お願いねー。あっ、次に入られるお客様はこちらでお待ちくださーい!」

 

僕とフレアはテキパキと仕事を捌いていった。

 

「人は多いが何とかなるものだね。」

 

「いやー、ライ君がいて助かったよー。みこちとノエちゃんは計算苦手だし、すいちゃんとポルカはどちらかというと脅かす役の方が適任だからさ。」

 

「生徒会での仕事で慣れたおかげかもしれないな。…でもフレアや不知建のみんなには申し訳ないと思っているんだ。」

 

「えっ?何で??」

 

僕の発言にフレアは不思議そうに首を傾げていた。

 

「こうして今日不知建の出し物に参加はしているけど、生徒会の仕事やクラスの出し物の準備を優先してしまって、中々手伝いに来ることができなかったからさ…皆には負担を負わせてしまっていたかもしれないと思って…」

 

実際そうだった。

もちろん不知建に顔を出せる時は出してはいたが、僕が手伝えることはあまりなかった。

申し訳ないという気持ちを抱えていたが、隣に座っているフレアはクスクス笑っていた。

 

「フレア?」

 

「あっ、ごめんごめん、ライ君が真面目過ぎて笑っちゃってさ。」

 

「真面目過ぎる?」

 

「そっ、不知建の皆ライ君が学園祭に向けて生徒会の仕事が忙しいっていうのは知っていたし、わざわざ忙しいのに合間を見てライ君皆に会いに来てくれたでしょ?その時は皆凄く嬉しいって思ってたし、ライ君が頑張っているから私たちも頑張ろう!って気持ちになれたんだよ?」

 

フレアは細い人差し指を振りながら教えてくれた。

 

「学園祭の為に一生懸命働いてくれていたライ君、生徒会の皆に私たちは感謝しかしてないよ。」

 

「フレア…」

 

「だからさ、折角の学園祭をしっかり楽しんで、忘れない思い出を作ろうよ。ね?」

 

そう言ってフレアは優しく微笑んでくれた。

 

(この学園祭で気負いしていたのは僕だけだったか…)

 

フレアが言ってくれた通りに僕は学園祭を楽しみ、思い出を作りたいと思えた。

僕は改めてフレアに向き合い、笑顔を浮かべて頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休憩に入り、部室がお化け屋敷と化して休憩ができない状況であるため、僕が住んでいるクラブハウスの部屋を不知建の休憩所として活用していた。

 

「ぷはぁ!疲れたにぇ!」

 

「ポルカも疲れたわ…脅かすのって結構体力いる…」

 

「お客さんも多いしねー。午後からどんどん増えると思うよ。」

 

「ああ、予約リストを見るだけでも学園祭終了ギリギリの時間までいるな。」

 

「だよねぇ…すいちゃん喉痛めそうだからのど飴買ってこようかな。」

 

「すいせい、のど飴ならベッドの横の机の引き出しの中に入ってるから食べてもいいよ。」

 

「ほんと!?助かるわぁ…あっ、これすいちゃんの好きなやつだ!」

 

「すいちゃんポルカにも頂戴―。」

 

「みこはお腹が空いたにぇ…」

 

「確かにお昼だからな…何か屋台か売店で買ってくるよ。」

 

僕が部屋から出ようとしたタイミングで、ちょうど部屋のドアが開いた。

入ってきたのは両手に袋を抱えたノエルと…

 

「皆~飲み物買ってきたよ~。」

 

「おー、ライ君久しぶりだね~。」

 

「…お姉さん?」

 

すいせいのお姉さんだった。

 

「お姉ちゃん遅いー。」

 

「ごめんごめん、不知建の皆の分のお弁当作ってたら遅くなっちゃってさ~。」

 

すいせいのお姉さんはそう言うと持ってきたバッグの中からお弁当を取り出した。

 

「やったー!姉街大好きー!!」

 

みこは喜びながらお姉さんに抱き着いていた。

 

「よしよしー、みこちは今日も可愛いねー。はいっ、ライ君もお弁当どうぞー。」

 

お姉さんはみこをあやしながら僕にもお弁当を渡してくれた。

 

「ありがとうございます…でも、どうしてお姉さんが学園祭に?」

 

「実はすいちゃんに学園祭の日忙しくなるだろうからお弁当を作ってほしいって頼まれてさー。私もこの学園のOGだから久しぶりに学園祭の様子が見たくなったの。あ、あとライ君に久しぶりに会いたいって気持ちもあったんだー。」

 

「なるほど、そうだったんですね。僕も久しぶりに会えてうれしいです。」

 

お姉さんと会うのは以前すいせいの家にお邪魔した時以来だ。

お姉さんは凄く優しいお姉さん、という印象が強く、同じく優しいすいせいのお姉さんであることを実感させられた。

 

「むぅ…」

 

お姉さんと楽しく話しているとすいせいがムスッと顔をしかめていた。

 

「すいせい?どうしたんだい?」

 

「べっつにー…」

 

何故かすいせいに顔を逸らされてしまったが、僕は何かしてしまっただろうか?

 

「あっ、そうだライ君、ちょっと耳貸して?」

 

「?」

 

僕はお姉さんに手招きされて、指示に従った。

 

(ライ君学園祭のブルームーンって知ってる?)

 

(ブルームーン?)

 

(学園祭最終日の夜に礼拝堂に行くと…いいことが起きるみたいなの!思い出したらすいちゃんと行ってあげて?)

 

お姉さんも学園祭最終日に僕とすいせいが学園祭を一緒に回ることを知っているようだった。

ブルームーンという話は初めて聞いたが、いいことが起こるというなら行ってみたい、と思う。

 

(分かりました。僕も礼拝堂は好きなので、すいせいを誘ってみたいと思います。)

 

(うんうん!是非行ってね!)

 

伝えたいことが終わったのかお姉さんは耳から離れた。

そのままお姉さんは他の不知建メンバーにお弁当を渡していった。

 

ブルームーン…何が起こるか分からないが覚えておこうと思う。

 

とにもかくにもまずはお化け屋敷を成功させたい。

 

(午後からも皆と頑張ろう…皆と思い出を作るためにも…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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