気づけば20000UAを超えていました。
投稿頻度が落ちた中でも読んでくださる方がいてとても嬉しいです。
仕事が最繁忙期に突入してグロッキー状態となっていますが、何とか活動は続けていきます!
「お願いします!ミオには白上が神父をやっていることは言わないでください!!」
すいせいやミオさんを置いて白上さんに人目が付かない校舎裏に連れて来られたが、着いた瞬間にいきなり白上さんが顔に手を合わせて懇願してきた。
「??言ってはいけないことなのかい?」
「…前に一度だけミオに礼拝堂で神父をやってたのがバレたことがあって…その時に変なことをするなぁ!ってめちゃくちゃ怒られてしまって…」
あの優しくて温厚なミオさんが怒ることがあるのか…
生徒会で一緒にいる間にあやめ達に注意をしているのを見かけたことがあるが、怒鳴ったりしている姿が想像できない…
「ちなみに何で神父をやっているんだい?」
「実は…白上の趣味がコスプレでして…この前は同じコスプレ趣味のマリンに誘われて礼拝堂で神父とシスターごっこをしていたのですが思いのほか楽しくなっちゃって…」
「なるほど…僕もクラスの出し物でコスプレをしたけど確かに楽しかったな。」
僕も先日おかゆと一緒にホストのコスプレをしたが、想像より楽しかった。
白上さんが言うことも理解ができる。
「本当ですか!?ここにもコスプレ仲間がいたなんて!…そ、それでミオには黙っていてくれませんか…?」
「…人の秘密を口外する趣味はないよ。」
「あ、ありがとうございますぅ!!」
白上さんは嬉しそうな顔をして僕の手を両手で握りしめてきた。
「じゃあ、黙ってくれる代わりに一つ良いことをお教えしましょう。」
「?」
良いこと?
白上さんは僕の手を離すとコホン、と1回咳ばらいをして、目を閉じながら語り始めた。
アッシュフォード学園ができて間もない頃、ある生徒が恋に落ちました。
2人はとても愛し合っていましたが、生まれや人種の違いにより、
お互いの両親や教師に反対をされ、2人の仲は引き裂かれてしまいました…
想いを断ち切れない2人はこのまま離れ離れになるのなら、と
学園の礼拝堂で2人だけで結婚式を上げ、永久の愛を誓い、死を選ぼうとしました。
いなくなった息子と娘を探し、礼拝堂にたどり着く両親と教師達…
互いに短剣を突き刺そうとする2人…
その時、
礼拝堂に飾られていたステンドグラスが輝き、人々を包み込みます。
幻想的な光景は、狂乱的な思考を沈め、静寂な水面を心に広げました。
2人の若者と両親たちは初めて互いを見て話し合い、そして2人の仲を認めました。
その夜はブルームーン。
夜空に浮かぶ満月はステンドグラスの輝きで礼拝堂を照らし出し、恋人たちを祝福していました。
「それ以来、ブルームーンの夜は学園の礼拝堂で告白すると、その恋はどんな障害をも乗り越え、成就し永遠に結ばれると言われているのです…」
白上さんは話し終えると深い息をついた。
ブルームーン…すいせいのお姉さんに教えてもらった単語だ。
確かお姉さんの話では良いことが起きるという話だったはずだが、白上さんの話を聞くと御伽噺の恋愛の話に聞こえたような…
「素敵なお話だったけど…どうして僕にその話を?」
「おやおや?皇さんとすいちゃんってそういう仲じゃなかったんですか?」
「そういう仲?」
白上さんは不思議そうに首を傾げていたが、僕も釣られて首を傾げてしまった。
「…もしかして白上は余計なことを言ってしまったのでは…」
「???」
「す、皇さん?すいちゃんとはどういった関係ですか?」
「すいせい?僕がこの学園に転入してきて初めてできた友人で…大切な人だ。」
「むむむ…すいちゃんもそう思っているはずですよね?」
「すいせいには直接聞いたことがないからそれはわからないが…」
「じゃあ学園祭を2人で回っているのはどうしてですか?」
「それは…学園祭が始まる前にすいせいに一緒に回ろうと誘われて…」
「うーん、その話を聞くと、そうだとしか思えないですねぇ…でもどうなんだろなぁ…」
白上さんからの質問に次々答えていると白上さんが何故か頭を抱えていた。
(すいせい…)
改めて彼女のことを考えると、この学園にいる間において色濃い思い出を作ることができたのは大半がすいせいのおかげだ。
不知建、クラスメイト、生徒会、その他においても色々な繋がりができたのはすいせいの存在があったからだと思う。
ふと、以前ラプラスによって悪夢を見せられた時のことを思い出したが、すいせいが自分の元から離れていなくなってしまうことが実際に起きてしまうと思うと、
(凄く嫌だな…)
自分でも驚いたが醜い感情を持ってしまったようだ。
決して自分のものではないすいせいを失くすことに何故か焦燥感や喪失感に近いものを感じている。
彼女には彼女にしか選べない道があるはずなのに…
「白上さん…いや神父様。」
「はい?」
「1つ、僕の悩みを聞いていただけませんか…?」
すいせいside
「あの2人遅いね…」
「そうだねぇ…フブキは何でライ君を連れて行ったんだろ?」
フブちゃんとライ君がこの場を離れて10分ほど経過した。
…正直あの2人が何を話しているのかめちゃくちゃ気になっている。
(こっそり覗こうかな…)
「ねぇすいちゃん?」
「うわぁ!?な、なにミオちゃん?」
ライ君達のことを追いかけてみようと思っていた時に、ミオちゃんから話しかけられてしまったのでびっくりしてしまった…
ミオちゃんの方に振り向くとミオちゃんが凄くいい笑顔をしていた。
「すいちゃん、前からライ君と学園祭回る予定だったの?」
「え、うん…まぁ…」
「ほうほう…なるほどねぇ…」
改めて聞かれるとなんか恥ずかしい…
多分ミオちゃんには私の気持ちには気づいてそうだし…
「あっ、勘違いしないでね?別にウチは2人を邪魔なんてする気はないからさ。逆に応援したいんだよね~。」
「応援?」
「そうそう、すいちゃんもライ君もウチにとっては大事なお友達だからねぇ。だから幸せになってほしいって思っちゃうんだぁ。」
「ミオちゃん…」
「あっ、良いこと思いついたんだけどさ、ウチがすいちゃんの今の運勢占ってあげようか?」
ミオちゃんはそう言いながら懐からタレットカードを取り出してくれた。
ミオちゃんの占いは良く当たることで有名だ。でも…
「ありがとミオちゃん…でもやっぱり今回は占ってもらわなくていいや。」
「え?いいの?」
「うん、やっぱりこれだけは自分の力で何とかしたいから…」
「そっかそっか…これは余計なお世話だったね。」
「ううん、でも気持ちは本当に嬉しかったから。」
そう言って私はミオちゃんと笑い合った。
そしてしばらくしてからライ君達が戻って来た。
「お、お待たせ~。」
「もうフブキー、待ち合わせにも遅れるだけじゃなくて、さらに待たせるなんて…ウチも怒るよ?」
「ごめんよミオ―、すいちゃんもごめんね?後で白上が屋台で何か奢ってあげるからさ…」
フブちゃんは申し訳なさそうに謝罪をしてきた。
ライ君も私のところに戻ってきて申し訳なさそうな顔をしていた。
「すまないすいせい、遅くなった。」
「本当だよー。私と回る約束をしていたのに、私を置いて他の可愛い女の子のところに行っちゃうんだもんなぁ。」
「それは…すまない…」
ライ君の顔が罰が悪そうな表情に変わった。
別にフブちゃんに連れ出されただけなので怒ってはいないが、何となく揶揄いたくなってしまった。
「ちなみに…何してたの?」
「それは…」
「…言えない?」
「…うん。」
「ふーん…」
ライ君が私に隠し事をするのは珍しい。
私を待たせている間にフブちゃんを口説いていたらライ君をぶっk…ちょーっと怒ったかもだけど、流石にそんなことはしないのは分かっている。
「まっ、いっか。今日は最終日だから人も多いし、早くしないと回りたいところ回れなくなっちゃうかもだから早く行こ?」
「…ああ、そうだな。」
「よし!そうと決まれば…」
私は言葉を区切ると、自分の右腕をライ君の左腕の間に通し、腕を組んだ。
「す、すいせい?」
「…ほら、今日はライ君が私をエスコートしてくれるんでしょ?だったら、早く連れて行ってよ?」
そう言ったものの自分のした行動にめちゃくちゃ恥ずかしくなってきたので、ライ君から顔を逸らした。
ライ君は少し固まっていたが、意を決したのか腕に力が籠ったのを感じた。
「…行くよ、すいせい。」
「うん…」
私たちは少しぎこちない動きで、演劇が行われる体育館を目指した。
「「青春ですなぁ…」」
フブちゃんとミオちゃんがいるのを忘れたまま。
本当はタロット占いする予定でしたが…
さ、作者がタロット占いの仕組みを説明できなかったとかではないんです!(大噓つき)
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